テント看板は、店先の日除けや雨よけになるテント(オーニング)に店名やロゴを入れた看板で、形は「固定式」か「巻き上げ式」かを日除けの使い方で選び、店名は通りのどこから読まれるかで入れる場所を決めると、決めやすくなります。
テント看板は、日除けと看板の2つの役目を1つで受け持ちます。日除けとしてどれだけ使うかで向く形が変わり、看板としては、正面から見る方と通りに沿って歩いてくる方とで、目に入る面が違うからです。
たとえば、夏の西日が入口に当たるパン屋さんなら、季節や時間で出し入れできる巻き上げ式が使いやすいでしょう。一方で、雨の日にも入口の上に屋根がほしいお店や、夜に店名を光らせたいお店には、骨組みに生地を張った固定式が向いています。
この記事では、テント看板の形の選び方、店名とロゴの入れ方、生地の選び方、生地の張り替えで済むか作り替えになるかの見分け方、歩道の上に出すときの決まり、頼む前に決めておくことをまとめました。看板のデザイン・製作・施工をしている会社の目線でお伝えします。
テント看板は、日除けと店名の看板を兼ねた店先のサイン
テント看板は、店の入口や窓の上に付けるテントに、店名・ロゴ・業種を入れたものです。オーニング、日除けテント、店舗テントと呼ばれることもあります。
壁に付ける看板と比べると、布の柔らかさで店先の印象がやさしくなり、入口の上に日陰と雨よけができるのが特徴です。商店街のパン屋さんや花屋さん、カフェ、八百屋さんのように、入口を開けて営業するお店や、店先に商品を並べるお店でよく見かけます。
| 形 | 作り | 向くお店 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 固定式(角型・斜めの屋根) | 金属の骨組みに生地を張り、出したままにする | 入口の上にいつも屋根がほしい店、店名を大きく見せたい店 | 強い風や雪のときも出たままになる。生地の傷みは張り替えで直す |
| 固定式(R型・かまぼこ型) | 骨組みを丸く曲げて、生地を丸く張る | 洋菓子店やカフェなど、柔らかい雰囲気にしたい店 | 曲面に入れた文字は、見る角度で読みにくくなりやすい |
| 巻き上げ式(オーニング) | 生地を巻き取る筒と、伸び縮みする腕で出し入れする | 季節や時間で日除けを出し入れしたい店、閉店後はすっきりさせたい店 | 出し入れの手間がある。風の強い日はしまう運用が要る |
| 看板型(前垂れを大きくしたもの) | 屋根の出は小さくして、前に垂れる部分を看板の面にする | 日除けより店名を見せたいことが主な店 | 日除け・雨よけとしての役目は小さい |

テントの話でも、祭りや運動会で張るイベント用のテントは、作りも借り方も別物です。イベント用のテントの大きさや張数はイベント用テントの1張の記事で説明しています。看板全体の種類から比べたいときは、看板の種類と選び方の記事も参考になります。
形は、日除けをいつ使いたいかで固定式か巻き上げ式かを選ぶ
形を選ぶときは、日除けや雨よけを一年中ほしいか、季節や時間で出し入れしたいかから考えると決めやすいです。
一年中、入口の上に屋根がほしいなら固定式が合います。出したままなので毎日の手間がなく、骨組みの中に照明を入れて店名を光らせる作り方も選べます。
季節や時間で出し入れしたいなら、巻き上げ式を選びます。夏の日差しが強い時間だけ出す、閉店後は巻き上げて壁をすっきり見せる、といった使い方ができます。
巻き上げ式は、しまう人と時刻を決めておくと長持ちさせやすい
巻き上げ式は、出したままにしておくと風を受けたときに腕や取り付け部分に力がかかります。雨のあとに濡れたまま巻き上げると、生地が乾きにくく、汚れやかびの原因にもなりかねません。
なので、巻き上げ式を選ぶなら、閉店のときに誰がしまうか、風が強い日や台風が近い日はどうするかを、お店の中で先に決めておくのがおすすめです。キャンプのタープと同じで、張りっぱなしにしないのが一番の手入れなんですよね。

店名とロゴは、前垂れと斜面のどこから読まれるかで入れる場所を決める
テント看板で文字を入れられる面は、主に前に垂れる部分(前垂れ)、屋根の斜面、左右の側面の3つです。どの面が目に入るかは、お店の方へ歩いてくる方向で変わります。
| 文字を入れる面 | 目に入りやすい方 | 入れるものの例 |
|---|---|---|
| 前垂れ | お店の正面に立った方、向かいの歩道から見る方 | 店名、電話番号、営業時間 |
| 屋根の斜面 | 道路の向かい側や、少し離れた所から見る方 | 大きなロゴ、店名、業種 |
| 左右の側面 | 通りに沿って歩いてくる方 | 店名、業種を短く |
正面から見られることが多いお店なら、前垂れの店名だけでも十分に伝わるでしょう。通りに沿って歩いてくる方が多いお店では、正面の面は近くに来るまで見えにくいので、側面にも店名か業種を入れておくと気づいてもらいやすくなります。壁から突き出す袖看板と同じで、通りの先から見える面をつくる考え方です。袖看板の考え方は袖看板の記事で説明しています。

斜面と前垂れの両方に文字を詰め込まない
斜面と前垂れの両方に、店名・業種・電話番号・営業時間を全部入れると、どれも小さくなって読みにくくなります。役目を分けて、斜面にはロゴか店名を大きく、前垂れには店名と業種を短く、くらいに絞るのがおすすめです。
R型(かまぼこ型)の曲面に入れた文字は、見る角度によって端の文字がゆがんで見えます。曲面に店名を入れるなら、文字数を少なめにして、面の中央に寄せておくと読みやすくなります。看板全体の色数や文字数の目安は、おしゃれで目立つ看板の作り方の記事にまとめました。
夜に店名を見せたいなら、光らせ方も一緒に決める
夜も営業するお店なら、テントの中に照明を入れて生地ごと店名を透かす方法と、テントの上や下からスポットライトで照らす方法があります。中から光らせるなら光を通す生地を選ぶことになるので、生地を決める前に光らせるかどうかを決めておきます。
光り方の種類ごとの向き不向きはLED看板の種類の記事で説明しています。

生地は、色・光の透け方・汚れの目立ち方で選ぶ
テントの生地は、つやのあるビニール系の生地(ターポリンなど)と、布の風合いがある織物の生地に大きく分かれます。同じ色の名前でも、生地によって見え方が変わるので、見本は外の光の下で見て決めてください。
つやのある生地は、雨や汚れをはじきやすく、店名をはっきり見せたいお店に向いています。織物の生地は、落ち着いた雰囲気が出るので、カフェや雑貨のお店でよく使われます。どちらも、光を通すもの・通さないものがあります。
色を選ぶときは、汚れの目立ち方も一緒に考えておきましょう。白や生成りの生地は明るく見える反面、排気ガスや雨だれの筋が目立ちやすいです。交通量の多い道に面したお店では、少し濃い色を選ぶお店もあります。

屋外の看板の素材ごとの傷み方は、屋外看板の素材の記事でも説明しています。
生地の張り替えで済むか作り替えかは、フレームと取り付け部の状態で見分ける
古くなったテント看板は、骨組み(フレーム)と壁への取り付け部分がしっかりしていれば生地の張り替え、傷んでいれば骨組みからの作り替えを考えます。
生地はフレームより先に傷むことが多く、色あせや破れだけなら、フレームを残して生地を新しくすれば店先の印象を一新できます。店名やロゴを変えるリニューアルのときも、形を変えないなら張り替えで済むことがあります。
| 見えている状態 | 考えられること | 相談のしかた |
|---|---|---|
| 色があせて店名が読みにくい、汚れが落ちない | 生地の寿命 | 生地の張り替えを相談する |
| 生地がたるんで、雨のあとに水がたまる | 生地の伸びか、骨組みのゆがみ | 張り替えで直るかを現地で見てもらう |
| 縫い目がほつれている、破れや穴がある | 生地の寿命。風でさらに広がりやすい | 生地を新しくする張り替えを考える |
| 骨組みにさびが出ている、曲がっている | 骨組みの傷み | 骨組みからの作り替えを含めて相談する |
| 壁の取り付け部分のまわりに、さび汁の跡が垂れている | 取り付け金物や壁の中の傷み | 作り替えと、壁の補修を含めて相談する |
| テントの大きさや形を変えたい、店名の入れ方を大きく変えたい | 今の骨組みでは合わない | 作り替えとして相談する |
脚立に乗って確かめる必要はありません。地上から見上げて、さびの跡や傾きがないかを見て、写真を撮っておくだけで、相談のときに話が早く進みます。

店名を入れた生地は、張り替えのときにデザインも見直せる
張り替えは、生地を新しくするだけでなく、店名の書体や色、入れる面を見直すよい機会です。開店のときに入れた電話番号や営業時間が今と違っている、というお店も少なくありません。
ただし、店名の表示を大きく変えると、屋外広告物の許可を取り直す必要が出ることがあります。決まりの話は次の章で説明します。看板の傷みに早く気づくための点検のしかたは、看板の点検の記事にまとめています。
テント看板で確かめる決まりは、道路・屋外広告物・燃えにくさの3つ
テント看板を付けるときに確かめたい決まりは、歩道の上に出るなら道路占用、店名を入れるなら屋外広告物、生地の燃えにくさの3つです。テナントで入っている建物なら、これに加えて建物の持ち主の承諾が要ります。
| 確かめること | 要るとき | 窓口(福岡市の場合) |
|---|---|---|
| 道路占用の許可 | テントが歩道や道路の上に出るとき | 区役所の維持管理課(博多区・中央区・西区は管理調整課) |
| 屋外広告物の許可 | 店名を入れたテントを含めた看板の面積の合計が決まりを超えるとき、ネオンなどを使うとき | 住宅都市みどり局の都市景観室 |
| 生地の燃えにくさ | 道路管理者が燃えにくい材料を求めるとき、燃えにくい生地にしたいとき | 道路占用の窓口、看板の会社 |
| 建物の持ち主の承諾 | テナントで入っているとき | 建物の持ち主・管理会社 |
歩道の上に出るテントは、道路占用の許可と高さ・出幅の基準がある
テントが歩道や道路の上に出るときは、道路法の道路占用の許可が要ります。高さや出幅の基準は道路を管理する自治体や国の事務所ごとに決められていて、数字も少しずつ違います。
たとえば広島市の日よけの手引では、歩道の上に出すときは高さ2.5m以上で、テントの先を歩道と車道の境目から0.25m以上離すことが条件になります。歩道と車道の区別のない道路では、幅が7.5m以上の道路に限って、高さ4.5m以上、道路の境界からの突き出し1.0m以下が基準です。あわせて、車道の上に出す場合は支柱のない作りにすること、簡単に取り外せて通る方に危害を及ぼさない作りにすること、屋根の材料はビニールや布などの軽いもので燃え広がりにくいものにすることも求められています。
国道を管理する国土交通省の長崎河川国道事務所の案内にも、高さは2.5m以上、出幅は1.0m(日除けは1.5m)以内という基準があります。
福岡市では、道路占用の申請は区役所の維持管理課(博多区・中央区・西区は管理調整課)に出し、申請を受け付けてから許可まではおおむね2〜3週間です。占用料もかかります。付けたいテントがどの道路の上に出るかで窓口が変わるので、取り付けの前に確かめておきましょう。占用の許可とは別に、道路交通法がかかる場合は警察署の道路使用の許可も要ることがあります。

出典:広島市「道路占用の手引(日よけ)」(2025年7月30日更新)、国土交通省 九州地方整備局 長崎河川国道事務所「道路の占用について」、福岡市「道路の占用と占用手続き」、いずれも2026年11月7日確認
店名を入れたテントは、屋外広告物として面積に数える
店名やロゴを入れたテントは、屋外広告物として扱われます。福岡市の屋外広告物Q&Aでは、テントの広告は「壁面設置広告物」として扱うと示されています。
自分の店に店名や業種を出す看板(自家用広告物)は、福岡市では、テントを含めたすべての広告物の面積の合計が10㎡以内(禁止地域は5㎡以内)なら許可は要りません。壁の看板や袖看板、窓のシートと合わせて10㎡を超えると許可が要るので、テントだけで考えずに、店先の看板を全部足して確かめます。ネオンサインや表示が切り替わる電光の看板は、面積にかかわらず許可が要ります。
テントのどこまでを面積に数えるかは、形によって判断が分かれる場合もあるので、迷うときは、図面を持って市の窓口に相談しておくと安心です。福岡市以外の決まりや、看板の許可の全体の流れは看板の設置許可の記事で説明しています。
出典:福岡市「福岡市屋外広告物Q&A」(令和8年10月改訂)問3-2・問10-20、2026年11月7日確認
防炎は法律の義務ではないが、燃えにくい生地を選べる
消防法で防炎の物品を使うよう決められているのは、建物の中のカーテン・布製のブラインド・暗幕・じゅうたん・どん帳・工事用シートなどで、店先のテントはこの一覧に入っていません。
ただ、道路の上に出す日よけに燃え広がりにくい材料を求める道路管理者もありますし、店先は人が行き来する場所です。燃えにくい生地にしたいときは、日本防炎協会の「防炎製品」の認定を受けたテントの生地から選ぶ方法があります。
気をつけたいのは、防炎の生地に店名を印刷すると、そのままでは防炎製品として扱われない場合があることです。日本防炎協会は、防炎製品の材料を使って仕立てる場合でも、印刷の加工をしたものは別に防炎性能の試験が要るとしています。防炎のラベルが要るテントにしたいときは、店名の入れ方とあわせて頼む会社に伝えておきましょう。

出典:e-Gov法令検索「消防法施行令」第4条の3、公益財団法人日本防炎協会「単純縫製事業者が取扱い出来る防炎製品の追加について」(令和8年6月1日)、いずれも2026年11月7日確認
テナントの店は、付ける前に建物の持ち主の承諾をもらう
テントを付けるには、外壁に骨組みを留める穴をあけることになります。テナントで入っているお店は、付ける位置や大きさ、色に建物の決まりがあることも多いので、デザインを決める前に建物の持ち主や管理会社に確かめておきましょう。退去のときにテントを外して壁を元に戻すかどうかも、このときに決めておくと後で困りません。
誰に何を確かめるかは、ビルの看板は誰が決めて誰が払うかの記事にまとめています。
頼む前に、付けたい場所の寸法と写真、テントの使い方を決めておく
テント看板を頼む前には、入口まわりの寸法と写真、日除けをいつ使いたいか、入れたい店名やロゴの3つがそろっていると、形と見積りの相談が早く進みます。
| 用意しておくもの | 中身 | 何に使うか |
|---|---|---|
| 入口まわりの寸法 | 入口の幅、地面から付けたい位置までの高さ、壁から歩道の境界まで | 大きさと、道路の基準に収まるかを確かめる |
| 店先の写真 | 正面・通りの両側から・向かいの歩道から。今あるテントなら付け根の見上げ | 見え方と、今のテントの状態を確かめる |
| 日除けの使い方 | 一年中か、季節や時間か。日差しが当たる時間帯 | 固定式か巻き上げ式かを決める |
| 入れたい文字 | 店名・ロゴのデータ、業種、電話番号を入れるか | 入れる面と文字の大きさを決める |
| 開店日・付けたい時期 | 開店日、張り替えなら営業を止めずに付けたいか | 道路占用の申請と製作の日程を組む |
寸法は、メジャーで測れる範囲で大丈夫です。高い所は、現地調査で測ってもらえます。看板の費用が何で動くかは、看板の製作・設置の費用の記事で確かめられます。
下のシートは、テント看板を新しく付けるとき、張り替えや作り替えを考えるときに、入口まわりの寸法、形と使い方、店名を入れる面、道路と屋外広告物の決まり、今あるテントの状態を書き込める記入式の紙です。

テント看板の新設・張り替え・作り替えは、店先の写真からご相談いただけます
AGSでは、テント看板を含む店舗の看板のデザイン・製作・施工をしています。新しく付けたいときも、古くなったテントの生地を張り替えたい、骨組みから作り替えたいというときも、店先の正面と通りの両側からの写真があれば、形と店名の入れ方からご提案できます。今のテントがあるなら、付け根を下から見上げた写真も1枚あると、張り替えで済むかどうかの見当を付けやすくなります。
テントと一緒に、壁の看板や袖看板、窓のシートまで店先全体を見直したいというご相談にも対応しています。古いテントや看板を外したいときの撤去もご相談ください。撤去の費用や届出は看板の撤去の記事で説明しています。

- テント看板の新設や作り替えは看板のサービスページをご覧ください
- 店先の外装と看板をまとめて考えたいときは、店舗外装のデザインの記事も参考になります
- AGSでは、店舗の外装と看板のデザイン・制作・施工も手がけました
現地調査とお見積りは無料です。拠点は福岡・博多で、全国の現場に対応しています。
よくある質問
Q. テント看板とオーニングは違うものですか?
ほぼ同じものを指して使われています。オーニングは、出し入れできる巻き上げ式の日除けを指して使われることが多く、テント看板は、店名やロゴを入れて看板の役目も持たせたテントを指すことが多いです。
Q. テントの生地だけを張り替えることはできますか?
骨組みと壁への取り付け部分がしっかりしていれば、生地だけの張り替えができることが多いです。骨組みにさびや曲がりがある、取り付け部分のまわりにさび汁の跡があるときは、骨組みからの作り替えを含めて考えます。
Q. 店先のテントに許可は要りますか?
歩道や道路の上に出るなら道路占用の許可が要ります。店名を入れたテントは屋外広告物にもなり、福岡市では、店先の看板の面積の合計が10㎡以内(禁止地域は5㎡以内)なら許可は要りません。テナントの場合は、建物の持ち主の承諾も必要です。
Q. テント看板は防炎の生地でないといけませんか?
消防法で防炎が義務になっている物品に、店先のテントは入っていません。ただ、燃え広がりにくい材料を求める道路管理者もあるので、道路の上に出すテントは、燃えにくい生地を選んでおくと安心です。
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