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イベントスタッフ派遣の手配の流れ|依頼時に伝える項目と法律上の注意点

B_0192 更新 2026.10.05 イベントスタッフ
イベントスタッフ派遣の手配の流れ|依頼時に伝える項目と法律上の注意点

イベントスタッフ派遣の手配は、「日時・会場・頼みたい業務と人数を伝えて見積りを取る → 人選の提案を受ける → 事前打ち合わせで当日の指示担当・服装・集合を決める → 当日は自社の担当者の指示で動いてもらう」の4段階で進みます。

見積りを速く正確にする一番のコツは、「全部で何人」ではなく「どの持ち場に何人、何時から何時まで」で伝えることです。

理由は派遣の仕組みにあります。スタッフを雇うのは派遣会社ですが、現場で指示を出すのは依頼側です。業務の内容・就業場所・指示を出す人・就業日・時間と休憩は、法律で派遣契約に定めることになっている事項なので、依頼側でここが決まっていないと、契約は結べませんし、見積りも概算にとどまります(出典:厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領 第5 労働者派遣契約」・2026年9月14日確認)。

たとえば「受付に2人、入口の誘導に1人、クロークに1人。9時集合・18時解散。当日の指示は総務の担当者が出す」まで決まっていれば、派遣会社はその日に合う人を選んで、金額をすぐ出せます。

この記事では、派遣で頼める仕事、依頼の流れと時期、見積り前に伝える項目(そのまま書き込めるシート付き)、人数の決め方、依頼側が知っておきたい法律上の注意点、料金の考え方を順にまとめました。労働者派遣事業の許可を受けて、イベントの企画・制作・施工とあわせて人材の手配もしている会社の目線で書いています。

イベントスタッフ派遣とは?自社でアルバイトを雇う場合との違い

派遣会社が雇用しているスタッフに来てもらい、現場では依頼側が指示を出して働いてもらう仕組みです。募集・給与の支払い・労務管理は派遣会社側の仕事なので、依頼側の準備は「何を任せるかを決めること」に絞られます。

スタッフ派遣自社でアルバイト採用
募集・雇用の手続き派遣会社が行う自社で行う
向いている場面単発・短期のイベント継続的に人手が要る場合
当日の指示依頼側の責任者が出す自社で出す
急な欠員への対応派遣会社に相談できる自社で穴埋め
ホールの入口前で、そろいの黒いベストの派遣スタッフ2人が、受付の案内看板の横に立って来場者を迎えている

1日だけのイベントのために募集をかけて、面接をして、給与計算をするのは、かなりの手間です。単発の現場で派遣に分があるのは、この手間が丸ごと派遣会社側に移るからです。

労働者派遣事業は、厚生労働大臣の許可を受けなければ行えない許可制の事業です(出典:厚生労働省「労働者派遣事業」・2026年9月14日確認)。依頼先を選ぶときの大前提になります。AGSも労働者派遣事業の許可(派 40-300537)を受けて、イベントに必要な人材の派遣を行っています。

イベントスタッフ派遣で頼める仕事

当日の運営まわりは、おおむね一通り頼めます。派遣で依頼されることが多い役割は次のとおりです。

  • 受付・クローク:来場者名簿の照合、招待状の確認、手荷物預かり
  • 会場誘導・案内:会場入口からの導線づくり、フロア案内、席への案内
  • 配膳・ドリンクサービス:パーティーや懇親会の料理・飲み物まわり
  • 設営・撤去:会場の椅子並べ、机や機材の搬入出、資材の運搬
  • MC・司会:式典やステージの進行
  • 配布・サンプリング:チラシやノベルティ、サンプル品を手渡す
  • 語学対応などの特殊スキル:英語・スペイン語・ポルトガル語など、語学のできるスタッフを指定した手配

このうち最近ご相談が増えているのが、語学対応です。海外からの来場者が見込まれるイベントで「英語のできるスタッフを受付と案内に置きたい」という依頼が、実際に届いています。

AGSでは英語のほか、スペイン語・ポルトガル語・ドイツ語・フランス語といった言語に対応できるスタッフの手配も可能です。インバウンド関連の催しや国際色のある展示会が身近になったぶん、当日の運営にも語学の備えが求められるようになってきました。

場面ごとの詳しい話は別の記事に分けています。展示会のブースで配布や受付を頼みたい場合は、展示会のスタッフ派遣で頼める仕事と人数の目安に、ブース全体の準備は展示会ブースの作り方にまとめました。ライブ・コンサートのように仕事が開場前後に集中する場面は、ライブ・コンサートのスタッフ手配の記事で時間帯ごとの考え方を書いています。

イベント受付で来場者を迎えるスタッフ

依頼の流れと、相談する時期

依頼の流れは4段階で、問い合わせから当日まで特別な手続きはありません。

  1. 日時・会場・イベント内容・頼みたい業務と人数を伝えて、見積りを依頼する
  2. 見積りと人選の提案を受ける(役割に合う人材がそろうかの確認もここで行います)
  3. 事前打ち合わせで、当日の指示担当・集合時間と場所・服装・休憩の取り方を確定する
  4. 当日、朝の顔合わせで持ち場と指示担当を共有し、依頼側の担当者の指示でスタッフが動く
会議室で、依頼側の社員2人と派遣会社の担当者が会場図を広げて事前打ち合わせをしている

時期については、土日や連休、イベントの重なる秋のシーズンは手配が埋まりやすいので、日程が決まった時点で相談しておくと確実です。日程が仮の段階でも、相談自体はできます。

語学や司会のように技能を指定する依頼は対応できる人材が限られるので、通常よりさらに早めがおすすめです。

見積り前に派遣会社へ伝える項目

見積りの依頼で伝える項目は、大きく4つです。「いつ・どこで・何人」「業務ごとの人数と時間帯」「当日の受け入れ方」「事前に渡す情報」の4つがそろっていると、見積りが速く出て、当日の「それは聞いていない」も減ります。

いつ・どこで・何人

依頼する日にち、集合から解散までの時間、集合場所、1日あたりの人数です。設営日・撤去日が別にあるなら、会期中と分けて書きます。

時間は「開場から閉場まで」ではなく、集合から解散までで伝えてください。開場の30分〜1時間前に集合することが多いので、ここがずれると見積りの拘束時間も変わります。

業務ごとの人数と時間帯

「接客まわり全部で3人」のような頼み方だと、当日に「それは聞いていない」が起きやすいです。受付・案内、呼び込み・配布、設営・撤去、バックヤードのように業務ごとに分けて、それぞれの人数と時間帯を書きます。

開場前後がピークの受付と、終了間際がピークのクロークでは、忙しい時間が違います。業務ごとに時間帯を分けておくと、その差がそのまま見積りに反映されます。

会場図の受付・入口・エレベーター前・クロークに、持ち場ごとに色の違う丸いシールを貼った様子

当日の受け入れ方

自社の誰がスタッフに指示を出すか(1人に決めます)、その人の当日つながる連絡先、服装の指定、持ち物、休憩の取り方と休憩場所、昼食の扱いです。

当日の行き違いが起きやすいのは、服装・持ち物・休憩の条件です。口頭で済ませず、文字にして派遣会社に渡してください。

事前に渡す情報

会社や製品の一言説明(スタッフがそのまま口にできる長さ)、声かけの決まり文句、よく聞かれる質問と答え、やらないこと(価格の話はしない、取材対応は社員へつなぐ、など)です。

受付や呼び込みでも、「何の会社の、何の催しか」を一言で言えるかどうかで、スタッフの働きは変わります。詳しい質問は誰につなぐか、まで決めておくと当日が楽です。

この4つをそのまま書き込んで、見積り依頼に添えられる記入式のシートを用意しました。依頼前にこのシートを埋めておくと、指示担当が1人に決まり、業務ごとの人数と時間帯が出そろうので、派遣会社との打ち合わせが1回で済みやすくなります。展示会向けに作ったシートですが、業務の行を書き換えれば、懇親会や式典など一般のイベントでもそのまま使えます。

人数と体制はどう決める?

人数は、来場者数からではなく持ち場から決めます。

来場者数から直接人数を出そうとすると、たいてい行き詰まります。野球で9人そろっていても、誰がどこを守るか決まっていなければ飛んできた球は落ちるのと同じで、人数だけ決まっていても立つ場所が決まっていないと現場は回りにくいです。

まず会場図を見ながら、人が立つべき場所をすべて書き出します。受付に2人、会場入口の誘導に1人、エレベーター前の案内に1人、クロークに1人、という具合です。

次に、持ち場ごとに忙しい時間帯を重ねます(前の章で書いた受付とクロークの差がここで効きます)。最後に、休憩の交代要員と、全体に指示を出すリーダー役を足します。これで必要人数が出ます。

現場でよく見る失敗は、人数は足りているのに持ち場と指示系統が決まっていないケースです。スタッフが自分の判断で動けず、結局社員が走り回ることになります。

持ち場・時間帯・指示者を1枚にした体制表を事前に共有しておくだけで、当日の動きはかなり変わります。周年イベントの企画の進め方でも触れたとおり、社員は当日「出席者」になることが多いという前提で、運営の人手は別枠で確保しておくのが安全です。社員総会や懇親会といった社内行事の企画全体は、社内イベントの企画の進め方にまとめています。

開場前に打ち合わせをするイベントスタッフ

依頼する側が知っておきたい、法律上の注意点

イベントの単発依頼でも、労働者派遣法のルールは同じように適用されます。依頼側が押さえておくと安心な点は4つです。

許可を受けた会社に頼む

前述のとおり、労働者派遣事業は厚生労働大臣の許可制です。許可番号は「派 ◯◯-◯◯◯◯◯◯」の形で、派遣会社の案内に載っています。

厚生労働省職業安定局が運営する人材サービス総合サイトでは、労働者派遣事業の許可を受けた事業所を検索できます(2026年9月14日確認)。見積りを取る前に、社名で一度引いておくと安心です。

当日の指示を出す人を、依頼側で決めておく

開場前のホテルのホワイエで、依頼側の社員が、そろいの黒いベストの派遣スタッフ3人に当日の持ち場を説明している

派遣の仕組みでは、現場の指示は派遣会社ではなく依頼側が出します。誰が指揮命令をするか(部署・役職・氏名)は派遣契約に記載する事項で、あわせて派遣先責任者を選任することも派遣先の義務です(出典:前掲の厚生労働省「労働者派遣事業関係業務取扱要領 第5」および「労働者派遣事業」・2026年9月14日確認)。

難しく聞こえますが、依頼側でまずやることは「当日の指示担当は誰か」を1人に決めて、連絡先まで派遣会社と共有することです。契約書に載せる派遣先責任者の氏名などは、派遣会社が契約の段階で一緒に確認します。逆に指示担当が決まっていないと、スタッフは誰の指示で動けばいいか分からず、持ち場で止まってしまいます。

事前面接や履歴書の提出を求めない

派遣先が、来るスタッフを選ぶ目的で事前に面接したり、履歴書を送らせたりすることは、紹介予定派遣を除いて禁止されています(出典:厚生労働省「派遣先が講ずべき措置に関する指針」・2026年9月14日確認)。

「英語が話せる人」「来場者への声かけを自分からできる人」のように、必要な能力や役割の中身を業務内容として派遣会社に伝えるのが正しい頼み方です。それをもとに、派遣会社側が合う人を選びます。

「1日だけ」の依頼と、日雇派遣のルール

派遣会社との雇用契約が「日々または30日以内」のスタッフを派遣する日雇派遣は、原則禁止です。これは派遣会社とスタッフの雇用契約の話なので、依頼側との派遣契約が1日だけでも、スタッフが派遣会社に31日以上の契約で雇われていれば違反にはなりません。ただし、1日の派遣のためだけに形式上31日以上の雇用契約を結ぶような形は、禁止を免れる目的の行為と見られます。

例外は2種類あります。通訳・翻訳や、建物の入口・博覧会場での来訪者の受付・案内など、政令で定められた業務に当たる場合と、60歳以上の方・昼間学生・本業の収入が500万円以上ある副業の方・世帯収入が500万円以上で主たる生計者ではない方といった、スタッフ側の条件に当たる場合です。通訳はこの業務の例外に当たりますし、受付・案内も建物の入口などでの受付なら当たり得るので、短い雇用契約のスタッフでも派遣できる場面があります。当たるかどうかの判断は派遣会社側で行います(出典:厚生労働省「知っておきたい改正労働者派遣法のポイント」、同「労働者派遣事業関係業務取扱要領 第6 派遣元事業主の講ずべき措置等」・いずれも2026年9月14日確認)。

依頼側が何か手続きをする場面はありません。ただ、1日だけの依頼を受けられるかどうかは、派遣会社がスタッフをどう雇用しているか、頼む仕事がどの業務に当たるかで決まるので、問い合わせの段階で確認しておくと安心です。

いいイベントスタッフの条件は?現場の責任者に聞いた答え

この記事を書くにあたって、私たちの現場の責任者に「どんなスタッフだと現場が助かるか」を聞きました。返ってきたのは「自分から動けること」と「悪い知らせを早く伝えられること」の2つでした。

具体的には、次のようなスタッフです。

  • 指示の合間に、自分の持ち場の「次」を考えて動ける
  • 気づいた問題や改善案を、その場ですぐ報告してくれる
  • トラブルが起きたとき、人ごとにせず責任感を持って動く
  • まわりと協調して、場のモチベーションを上げる声かけができる
展示会場の通路の脇で、派遣スタッフが会場の奥を示しながら、現場の責任者に気づいたことを早めに報告している

私たちの現場では、悪い知らせを一番早く伝えてくれた人を一番評価しています。設営のずれも備品の不足も、報告が早ければただの調整で済むからです。

責任者の話で面白かったのはその先で、「主体性と同じくらい、素直さと柔軟さが要る」とのことでした。提案は歓迎するけれど、最終決定には従ってもらう。自分の経験論を言い張る人がいると、現場はそこで止まってしまうからです。

逆に困るのは、完全な指示待ちで手が止まる、問題に気づいても見て見ぬふりをする、同じミスを繰り返す、仲間内で固まって動きに一貫性がなくなる、といったケースです。特定の誰かの話ではなく、どんな現場でも起きうることだと思います。

これは依頼する側にも使える話です。派遣会社に相談するとき、「受付3人」だけでなく「来場者への声かけを自分からできる人を」と役割の中身まで伝えてみてください。そして当日は「困ったらこの人に報告」を最初に共有してください。それだけで、スタッフの主体性が生きる現場になりやすいです。

料金の考え方

派遣料金は「時間単価 × 人数 × 拘束時間」に、交通費などの諸経費が加わる構成が基本です。

単価は役割の専門性で変わり、MCや司会のように技術が要る役割は、設営や誘導より高くなるのが一般的です。深夜・早朝の時間帯も単価に影響します。具体的な金額は条件次第で幅があるため、日時・会場・役割・人数を伝えて見積りを取るのが確実です。

見積りを比べるときは、金額より先に「拘束時間の範囲がそろっているか」を見てください。同じ1日でも、本番だけなのか、前日の設営と終了後の撤去まで含むのかで、延べ人数が大きく変わります。

懇親会のあと、テーブルの天板と椅子を壁際に片付け終えた宴会場で、派遣スタッフ2人が最後の確認をしている

またAGSはイベントの企画・制作・施工を本業とする会社なので、スタッフ派遣だけでなく、設営や運営設計とまとめてのご依頼もできます。設営と人材の手配元が同じだと、当日の連携で迷いが出にくいです。見積りは無料です。

よくある質問

Q. 1日だけ・少人数でも頼めますか?

頼めます。AGSでは1日だけの単発や数名からのご依頼もご相談いただけます。規模よりも、役割と時間帯がはっきりしていることの方が大切です。派遣会社側のスタッフの雇用には法律上のルールがありますが(前の章の「日雇派遣」)、依頼側の手続きが増えることはありません。

Q. どれくらい前に依頼すればいいですか?

早いほど確実です。とくに土日・連休・秋のイベントシーズンは埋まりやすいので、日程が決まり次第の相談をおすすめします。直前でも埋まっていなければ対応できることはあるため、まず問い合わせてみてください。

Q. 来てもらうスタッフを事前に選べますか?

派遣では、依頼側が事前に面接をしたり履歴書を出させたりして人を選ぶことは禁止されています(前の章を参照)。代わりに、「英語対応ができる」「声かけを自分からできる」といった必要な条件を業務内容として伝えてください。その条件に合う人を、派遣会社が選びます。

Q. 当日の指示は誰が出すのですか?

派遣の仕組みでは、現場での指示は依頼側の責任者が出します。そのため事前打ち合わせで、持ち場・タイムテーブル・指示者を共有しておくことが大切です。体制表のつくり方はイベント当日の運営体制のつくり方にまとめています。

Q. 福岡以外の会場でも対応できますか?

対応しています。拠点は福岡・博多ですが、現場は全国です。


イベントの当日は、会場や演出よりも「人が回っているか」で印象が決まりやすいです。人数を集めることより先に、持ち場と指示担当を決めておいてください。それが済んでいれば、スタッフ派遣は当日の心強い味方になります!

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