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展示会ブースの作り方|出展規程で見る5項目と3か月前からの段取り

B_0170 更新 2026.09.28 展示会・ブース
展示会ブースの作り方|出展規程で見る5項目と3か月前からの段取り

展示会ブースは、「出展の目的を1つに絞る → 出展規程で寸法・高さ・資材・締切を確かめる → デザインを決める → 主催者へ申請する → 搬入・設営」の順で作ります。デザインから描き始めるより、先に出展規程を読んでおくほうが結果的に早く進みます。

ブースの形を縛る決まりは、展示会ごとに違うからです。デザインが固まってから規程と合わない点が見つかると、図面の描き直しになり、申請の締切にも響きます。

たとえばInter BEE 2026では、事務局が立てる基礎パネルの高さが2.7mで、1〜10小間の出展なら通路と基礎パネルから1m下がった部分だけ3.6mまで使えます(Inter BEE 2026 出展部門・小間形態・2026年9月28日確認)。一方のJIMTOF2026は、装飾の高さが3mまでで、小間の外周から3m内側に入った範囲なら6m(一部のホールは5m・5.5m)まで認められています(JIMTOF2026 出展規程 3.展示装飾・同日確認)。同じ「背の高い看板を立てたい」という希望でも、どこまでできるかは展示会によってかなり変わります。

この記事では、出展規程で最初に確かめる5項目と、会期3か月前からの段取り(いつ・誰が・何を決めるか)、来場者に伝わるデザインの決め方、施工の現場で見落とされやすい点をまとめました。展示会ブースの設計・施工をしている会社の目線で書いています。

展示会ブースづくりは、出展の目的を1つに絞るところから

最初に決めるのは「何のために出展するのか」です。目的によって、ブースに要るものが変わってきます。

  • 見込みのお客さまの名刺を集めたい:通路側に開いた間口、配布物、立ち寄りやすいカウンター
  • 新製品を披露したい:製品が主役になる展示台と照明、デモや体験のスペース
  • その場で商談を進めたい:落ち着いて話せる商談席、内容によっては目隠しのある半個室

どれも正しい目的ですが、全部を1つのブースに詰め込むと、ラーメンの全部乗せのように何の味か分からなくなりやすいんです。小間が小さいほど、目的は1つに絞ったほうが通路の人に伝わります。

目的が一言で言えるようになったら、次は出展規程を開いてください。

作り始める前に、出展規程で確かめる5項目

出展が決まると、主催者から「出展規程」や「出展者マニュアル」が届きます。小間の寸法、装飾のルール、申請書類とその締切がまとまった資料で、ブースを作るときの前提条件は、ほぼすべてここに書いてあります。

分量が多いので、最初は次の5項目だけ拾えば大丈夫です。

確かめる項目規程のどこを見るか分かると何が決まるか
小間の寸法と位置小間の規格、小間割(小間位置の決め方)の日程デザインを確定できる時期、開いた面の数
高さ制限装飾の高さ、セットバック(通路から下げる距離)の条件看板や照明をどこまで高くできるか
最初から付いてくる物基礎パネル・パッケージ小間・スペース渡しの別壁や床、電気をどこまで自分で用意するか
使える装飾資材防炎、海外製資材の扱い布・木・床材の選び方
申請書類の締切と搬入日提出書類の一覧、搬入出の日時逆算したデザイン確定の期限

小間の寸法と、小間位置が決まる時期

小間の大きさは展示会ごとに決まっていて、Inter BEE 2026では1小間を9㎡としています(出典は冒頭と同じ)。見落としやすいのは、小間位置(会場のどこに入るか)が、会期のかなり近くになってから決まる展示会があることです。

Inter BEE 2026は、会期が11月18日〜20日で、小間位置を決める小間割抽選会は8月上旬の予定です(Inter BEE 2026 出展申込方法・2026年9月28日確認)。この場合、角小間になるのか、通路1面だけの中小間になるのかが分かるのは会期の3か月半ほど前になります。

角小間なら開いた2面をどう使うか、中小間なら正面をどこに向けるかで、レイアウトは大きく変わります。小間位置が決まる前は目的と見せたい物の整理までにとどめ、図面は位置が決まってから引くのが無駄のない順番です。

高さ制限とセットバック

冒頭のとおり、高さの決まりは展示会によって違います。数字だけでなく「どこから何m下がった部分なら高くできるか」という条件がセットになっているので、図で確認しておくと安心です。

高さを超える出展物がある場合の手続きも、規程に書いてあります。Inter BEE 2026では「出展製品の高さ超過申請書」とブース設計図(平面図・立面図)を出して許可を受ける流れで、JIMTOF2026では3mを超える装飾や天井のある構造を作るときに、図面を含めた計画を主催者に出すことになっています。どちらも図面が要るので、デザインの確定が遅れると申請も遅れます。

最初から付いてくる物(基礎パネル・パッケージ・スペース渡し)

同じ1小間でも、主催者が用意してくれる物の範囲は展示会ごとに違います。

  • 基礎パネルあり:事務局が隣との仕切りになる壁(基礎パネル)を立てる形で、Inter BEEもこれに当たります。床材や照明、電気は出展社側で手配するのが一般的です
  • パッケージ小間:壁・床・社名看板・照明などが最初からセットになった小間。経済産業省の資料では、出展に必要な最小限の装備(装飾・照明を含む)を備え、商品やカタログを持ち込むだけで済む形と説明されています(経済産業省「展示会産業概論」・2026年9月28日確認)
  • スペース渡し:床の区画だけが渡され、壁も電気も自分で手配する形

どれに当たるかで、施工会社に頼む範囲と費用が大きく変わります。規程を施工会社に渡すときも、この点を最初に一緒に確認しておくと話が早いです。

使える装飾資材(防炎)

展示場は消防法で防炎規制の対象になる建物です(東京消防庁「防炎防火対象物」・2026年9月28日確認)。そのため、会場で使うカーテンや暗幕、じゅうたん、展示用の合板は、防炎性能のあるもの(防炎物品)を使うことが決められています(公益財団法人日本防炎協会「防炎製品・防炎物品とは」・同日確認)。

主催者の規程でも念を押されていて、JIMTOF2026では日本の消防法で定めた防炎性能のある装飾資材しか使えません。海外で認定を受けた資材は、認定証のコピーと和訳、製品サンプルを主催者に出し、所轄の消防署の認可を受けたものだけが使える決まりです。海外製のタペストリーや床材を持ち込む予定があるなら、早めに確かめてください。壁面に使う素材ごとの防炎の考え方は、展示会の壁面装飾の記事にまとめています。

申請書類の締切と、搬入・撤去の日時

出展者マニュアルには、装飾の届出、電気工事の申込み、火気や重量物の持込み、搬入車両の登録といった提出書類が並び、それぞれに締切があります。締切は書類ごとに違うので、届いたら一覧表に書き写しておくのがおすすめです。

搬入の日程も、展示会の規模で変わります。Inter BEE 2026は会期初日の3日前(11月15日)から施工・搬入が始まる予定です(Inter BEE 2026 公式サイト・2026年9月28日確認)。小規模な展示会では前日だけ、ということもあるので、自社の展示会の日時を必ず規程で見てください。

会期3か月前からの段取り(いつ・誰が・何を決めるか)

ブースの準備が本格的に動くのは、会期の3か月ほど前からが一般的です。上で見たとおり小間位置が決まる時期が展示会で違うので、時期は目安として、自社の展示会の日程に合わせて読み替えてください。

時期の目安出展社が決めること施工会社と進めること
出展申込み〜小間位置の決定出展の目的、予算の枠、頼む会社出展規程と会場図面を渡し、5項目を一緒に確認する
小間位置の決定〜会期2か月前見せる製品、壁面のキャッチコピー、説明員の人数デザイン案と図面のやり取り、展示物の寸法の共有
会期2か月前〜1か月前使う機材の消費電力、配布物の数量装飾・電気工事・高さ超過などの申請書類、搬入車両の登録
直前〜会期・撤去設営への立ち会い、説明員のシフト、持ち帰る物の仕分け搬入・設営、映像のチェック、撤去・搬出

施工会社にどこまで頼めるかはイベント施工とは?の記事に、頼める会社の種類ごとの違いと見積りの比べ方は展示会ブースの頼み先の記事にまとめました。

出展申込み〜小間位置の決定:目的・予算・頼む会社を決める

出展の申込みが済んだら、目的と予算の枠、ブースづくりを頼む会社を決めます。

施工会社に相談するときは、出展規程と、小間位置が分かる会場図面の2つを渡してください。小間位置がまだ決まっていない段階なら、規程だけでも十分です。高さ制限や付いてくる物が分かれば、どれくらいの造作になりそうか、ざっくりした見当はつけられます。

小間位置の決定〜会期2か月前:デザインを固め、展示物を準備する

小間位置が決まったら、デザイン案のやり取りを経てレイアウトと造作を確定します。並行して、展示物やデモ機材、カタログやノベルティといった配布物を手配します。

ブース本体よりも、こうした「中に置く物」の納期が間に合わないケースが意外と多いんです。配布物の数量と納期は、この時期に一度確かめておきましょう。

会期2か月前〜1か月前:主催者への申請を出し切る

装飾の内容や電気工事、火気・重量物の持込みなどを主催者に申請します。締切は会期の1か月前前後に集まっていることが多く、出し忘れると当日に電気が来ない、展示できない、といったことになりかねません。

申請書の多くは施工会社が代わりに出せます。ただ、ブースの内容が固まっていないと出せないので、デザインを確定する期限は、申請の締切から逆算して決まります。

電気は、使う機材の消費電力を洗い出して、必要な容量とコンセントの数・位置を図面の段階で決めておきます。締切後の変更や当日の増設は難しいと考えておいたほうが安全です。

直前〜会期・撤去

設営が終わったら、照明の当たり方や配布物の置き場所を自分の目で確かめておきましょう。

私たちの現場で、搬入のトラブルとして一番多いのは渋滞による到着の遅れです。派手な事故よりも道の混み具合で予定が崩れることが多いので、搬入の計画は時間に余裕を持たせて組んでいます。

会期が終わればすぐに撤去です。撤去の時間は全出展社で重なるため、隣のブースの撤去が遅れたあおりで、自分たちの搬出が遅れることもよくあります。「誰が・何を・どの車で持ち帰るか」の仕分けを先に決めておくと、待たされても慌てずに済みます。

ここまでの流れは、印刷して使えるチェックリストにまとめました。

展示会ブースのデザインの決め方

判断の軸は「通路を歩く来場者が、ひと目で何のブースか分かるか」です。

来場者の多くは、目当てのブース以外は歩きながら流し見しています。立ち止まってもらうための情報を、来場者との距離ごとに分けて考えると整理しやすくなります。

来場者との距離伝えることブース側の手段
遠く(通路の先)何ができる会社・製品か壁面上部の大きなキャッチコピー
近く(ブースの前)立ち寄ると何が見られるかデモ・実物展示・映像
ブースの中詳しい説明と次の約束説明パネル・商談席・配布物

社名をまだ知らない来場者には、社名だけでは立ち止まる理由になりにくいので、壁面のキャッチコピーは「誰の・何を解決するか」で書くのがおすすめです。

もう1つ効くのが間口の使い方で、カウンターや壁で間口を塞ぐと、来場者は入りにくくなります。角小間なら開いた面を大きく使い、中小間なら通路に向けて展示の正面を置く、というふうに、小間の位置でレイアウトは変わります。

小間数ごとの具体的な割り方は、別の記事で詳しくまとめています。

映像を組み込むブースも増えています。壁面にモニターやLEDビジョンを入れて動きのある画面を見せると、静止したパネルより遠くから目に入りやすくなります。私たちも、ものづくりワールドなどの展示会で、LEDビジョンを組み込んだブースを手がけてきました(ものづくりワールド東京2025のブース施工)。

レイアウトが固まったあとの壁面グラフィック・照明・床材といった見せ方は、展示会ブースの装飾アイデアで別にまとめています。

展示会ブースで来場者に製品の説明をするスタッフ

施工の現場で見落とされやすい4つのこと

直前に分かると打つ手が限られるものを4つ紹介します。どれも地味な確認ですが、当日の出来をかなり左右します。

映像が映らない事故

モニターやLEDビジョンを使うブースで一番怖いのは、電源や配線のトラブルで映像が映らなくなる事故です。私たちは開場前の映像チェックと、予備のケーブルの持込みを対策の基本にしています。

当日の搬入経路

企画段階の図面では問題なく通るはずの大きな造作が、当日は他社の機材や会場の設備で通路が塞がり、通れないことがあります。大きな物を入れるなら、主催者と会場に経路を事前に確かめておくところまでが搬入の計画です。

現地の細かい寸法

造作物のサイズの間違いは、置く瞬間まで気づかないことがあります。図面の上では収まっていても、手すりや照明の位置のせいで実は入らない、ということが起こります。私たちは現地の細かい寸法を実測して、余裕を持たせて寸法を決めるようにしています。

会場の壁と床の養生

会場の壁や床に傷や汚れを付けないための保護(養生)も忘れずに行います。ブースの出来とは別のところで、会場や主催者からの信用に関わる部分です。

展示会ブースの設営作業をするスタッフ

費用はどう考えればいい?

展示会の出展費用は、主催者に払う「出展料(小間料)」と、ブースをつくる「施工・装飾費」の2つに分かれます。この記事で扱ってきたのは後者です。

施工・装飾費は、小間数と造作の量(壁・床・照明・什器・グラフィック)、会場までの輸送距離で変わります。上で見た「最初から付いてくる物」の違いでも大きく動くので、相場の数字を探し回るより、出展規程と小間位置の図面、やりたいことを渡して見積りを取ってしまうほうが早く確実です。主催者が公表している金額から積み上げた1小間の目安と、費用の内訳・安くする順番は展示会ブースの費用の記事にまとめました。

依頼の流れは展示会ブース設営のサービス内容にまとめています。見積りは無料で、デザインが固まる前のラフな段階からのご相談も歓迎しています。

よくある質問

Q. 1小間だけの小さな出展でも依頼できますか?

できます。1小間は9㎡(3m×3mなど)前後としている展示会が多く、小さいからこそ目的を1つに絞った設計が効きます。規模の大小で対応が変わることはありません。

Q. 小間位置がまだ決まっていなくても相談できますか?

できます。出展規程があれば、高さ制限や付いてくる物から、どのくらいの造作になりそうかの見当はつけられます。小間位置が決まってから、レイアウトを詰めていく流れになります。

Q. 会期まで2か月を切っています。間に合いますか?

造作の内容によっては間に合います。主催者への申請の締切が最優先になるので、まず出展規程と小間の図面を持ってご相談ください。既製の什器やシステムパネルを組み合わせるなど、準備期間が短くても成り立たせる組み方があります。

Q. 施工だけ、装飾だけの依頼もできますか?

設計から施工までまとめてのご依頼のほか、施工だけ・装飾だけといった一部のご依頼もご相談いただけます。

Q. 東京や大阪など、福岡以外の展示会でも対応できますか?

対応しています。拠点は福岡・博多ですが、現場は全国です。


展示会ブースの出来は、デザインの見た目だけで決まるわけではありません。目的を1つに絞り、出展規程の5項目を先に確かめ、申請の締切から逆算して準備を進めると、直前に慌てる場面がかなり減ります。まずは届いた出展規程を開いて、小間位置が決まる日と申請の締切を探すところから始めてみてください。

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