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社内イベントの企画は目的から決める|3つの目的別の企画例と準備の順番

B_0280 更新 2026.09.21 イベント企画・運営
社内イベントの企画は目的から決める|3つの目的別の企画例と準備の順番

社内イベントの企画は、「目的 → 形式 → 規模と予算 → 体制」の順で決めるのがいちばんの近道です。目的は「つなぐ・伝える・ねぎらう」の3つのどれかに、たいてい収まります。

「何か面白い企画はないか」という探し方から入ると、候補は集まるのに決め手が見つからないまま日程だけが近づいてくる、というご相談をよくいただきます。決め手が見つからないのは、目的が決まっていないと候補を比べる物差しがないからで、探し方が悪いわけではありません。

たとえば「部署をまたいで顔を覚えてほしい」が目的なら、豪華な余興より、部署を混ぜたチーム対抗のゲームのほうが向いています。逆に「今期の方針を全員に届けたい」なら、ゲームは要りません。目的が1つ決まると、形式はかなり絞れます。

この記事では、他社が実際にどんな行事をやっているかのデータ、3つの目的別に向く企画と実施報告、規模ごとの準備期間、当日につまずきやすい点を、イベントの制作・運営で現場に入る会社の立場でまとめました。決めることを順に書き込める記入シートも用意しています。

社内イベントでは何が行われている?

ほとんどの会社がやっているのは定番の行事で、奇抜な企画の出番は意外と少ないです。

産労総合研究所の「2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」によると、業務の一環として行う「業務関連行事」を何らかの形で実施している企業は99.4%、レクリエーション目的の「余暇・レク行事」を実施している企業は64.0%でした。

主な行事の実施率は次のとおりです。

業務関連行事実施率余暇・レク行事実施率
入社式・新入社員歓迎会90.5%社員旅行(宿泊を伴うもの)27.8%
内定式71.6%花見・BBQなど21.9%
永年勤続表彰式68.6%夏祭り・地域行事21.3%
忘年会・仕事納め・納会63.9%各種スポーツ大会19.5%
歓送迎会50.3%日帰り旅行16.0%
新年会・仕事始め44.4%社内運動会10.1%
業務関連イベント21.3%
社員総会18.9%
ファミリーデー10.1%

(出典:産労総合研究所「2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」。個別の実施率は同調査の報道発表資料(PDF)の図表1による。2021年1月7日公表・有効回答169社・2019年または2019年度の実績・2026年8月21日確認)

上位に並ぶのは入社式、表彰式、納会で、見慣れた顔ぶれですよね。

企画の勝負どころは、珍しいネタを見つけることより、定番の行事を自社の目的に合わせて仕立てるところにあると思います。ここが分かると、「面白い企画」を探し続ける状態から抜けやすくなります。

最初に決めるのは目的で、3つに整理できる

最初に決めるのは目的です。この順番だけは崩さないでください。

同じ調査では、業務関連行事の実施目的として「コミュニケーション促進」「企業理念の浸透」「エンゲージメント向上」が、余暇・レク行事では「コミュニケーション促進」「家族・社員の慰労」が多く挙げられています。難しく聞こえますが、整理するとほぼ次の3つです。

  • つなぐ:部署や世代を越えて社員同士を知り合わせる(懇親会・スポーツ大会・グループワーク)
  • 伝える:会社の方針や理念を共有し、同じ方向を向いてもらう(社員総会・キックオフ・表彰式)
  • ねぎらう:これまでの働きに報い、家族も含めて楽しんでもらう(社員旅行・ファミリーデー・納会)

目的を飛ばして形式から入ると、「とりあえずボウリング大会」で集まったものの部署ごとに固まって終わる、という会になりやすいです。設営や運営で入る現場でも、このパターンは珍しくありません。

目的が決まれば、形式は自然に絞れます。目的が2つ以上あるなら、無理に1回へ詰め込まず、プログラムを前半・後半で分けたほうが、それぞれちゃんと伝わります。

目的別・社内イベントの企画例

3つの目的ごとに、向いている企画・規模の目安・注意点を、実際にやった会社の実施報告つきでまとめました。3つの目的の順に並べていて、それぞれの中では社内の人だけで準備に入れる企画から書いています。

盛り上げ方のアイデアそのもの(ビンゴ・クイズ・じゃんけん大会などの中身と進め方)は面白いイベント企画のアイデア17選にまとめているので、この記事では「目的からどう選ぶか」に絞ります。

つなぐ:部署や世代を越えて顔を覚えてもらう

向いている企画は、懇親会・立食パーティー、チーム対抗のゲーム大会、社内運動会、バーベキューです。規模は20人から300人くらいまで幅広く対応でき、20〜50人なら飲食店の貸切や自社の会議室で、社内の人だけで回せます。

注意点は、席とチームの組み方です。自由席にすると部署ごとに固まりやすいので、席を指定するか、部署を混ぜたチームで競うゲームを1つ入れておくと、「つなぐ」が実際に起きます。懇親会の進行の組み方は社内懇親会の企画に、運動会の会場・種目・費用の決め方は社内運動会の企画の進め方にまとめています。

実施報告として、株式会社ジョイカルジャパンは2025年7月に東京都中央区の屋内スポーツ施設で「社内大運動会2025」を開き、社員・内定者・家族を含む約45名が参加しました。目的は「部署の垣根を越えたつながりを深める」ことで、企画から当日運営まで社内の有志によるプロジェクトチームが担当し、バスケットボール、バレーボール、ドッジボール、綱引き、モルックなどを行っています(出典: 株式会社ジョイカルジャパン プレスリリース(PR TIMES)・2025年7月31日発表・2026年9月14日確認)。

45名規模なら、スポーツ施設を借りて有志チームで回せる、という一つの目安になると思います。

伝える:会社の方針を全員に同じ形で届ける

向いている企画は、社員総会、期初のキックオフ、方針発表会、事業部横断の成果共有会です。50人を超えるあたりから、声とスライドを全員に届けるためのマイク・スピーカー・スクリーンが要るので、自社の会議室に収まらなければ貸会議室やホテルの会議室を使うことになります。

注意点は、発表が一方向に続くと聞き手の集中が切れやすいことです。決算報告や方針説明の間に、表彰や各部門からの発表を挟むと、聞く側に「自分たちの番」ができて最後まで持ちやすくなります。設営や機材が要る分、3つの目的の中では準備の手間がいちばんかかる企画です。

実施報告として、高知県の高知通信機株式会社は2025年4月に本社の大会議室で第36期の社員総会を開き、県内外の拠点から57名が集まりました。プログラムは社長挨拶、前期の決算報告、各事業部長による事業報告と今期目標、社員表彰(新人賞・チーム賞・MVP・永年勤続表彰など)、人事異動の発表、動画上映、そのあとに懇親会という流れです(出典: 高知通信機株式会社 第36期社員総会レポート・2026年9月14日確認)。

「伝える」の会に表彰と懇親会をつなげた、二部構成の分かりやすい例だと思います。

ねぎらう:これまでの働きに、会社としてお礼を返す

向いている企画は、納会・忘年会、永年勤続表彰式、社員旅行、ファミリーデーです。先ほどの調査でも永年勤続表彰は68.6%、忘年会・納会は63.9%の会社が実施していて、定番中の定番です。納会は自社の会議室や飲食店で人数を問わず開けるので、この目的の中ではいちばん手軽に始められます。

注意点は、「ねぎらう」相手を誰にするかを先に決めることです。表彰式なら表彰される人が主役なので、呼名・登壇・記念品の受け渡しに時間を取り、写真を撮る位置まで決めておくと当日が落ち着きます。家族を招く場合は、子どもの年齢層に合わせた企画と、参加を任意にすることが要ります。

家族向けの実施報告として、JFEシステムズ株式会社は2026年8月に本社で「ファミリーデー 2026」を開き、親子24組(従業員24名・子ども31名)が参加しました。内容は子ども用の名刺で社長・副社長と名刺交換、本社オフィスを巡るスタンプラリー、親の職場訪問、配信体験、ランチ会で、目的は「お父さん・お母さんが働く会社や仕事を知ってもらう」ことです(出典: JFEシステムズ株式会社 プレスリリース・2026年8月26日発表・2026年9月14日確認)。

ファミリーデーの実施率は10.1%とまだ少数ですが、20〜30組の規模なら自社オフィスの見学と簡単なゲームで成り立つ、という参考になります。

目的が2つあるなら、二部構成にする

よくある組み合わせは「伝える」と「つなぐ」の二部構成です。前半で方針や表彰を済ませ、後半の懇親会で交流に移る形で、私たちが設営で入る現場でも、100人を超える会はこの形が多いです。参加者にとっても、堅い時間と楽しい時間の切り替えが分かりやすいんですよね。

二部構成で忘れやすいのが、前半と後半の間の転換の時間です。椅子の並べ替えや料理のセットが入るので、進行表に「転換 20分」のように1つの項目として書いておいてください。詳しくは後の「つまずく3つのポイント」で書きます。

節目の年に開く記念行事として企画する場合は、周年イベントの企画の進め方に、招待範囲や記念品まで含めた進め方をまとめています。

企画が決まったら、進行役と出し物の人も決めておく

同じ企画でも、盛り上がるかどうかは進行役や出し物をやる人次第という面が大きいです。進行役が場を温められるか、出し物をやる人が思い切れるかで、同じ内容でも空気が変わります。

なので、進行や出し物を頼まれた方は、滑っても思い出になりますから、怖がらずに思い切ってやったほうがいいです!私たちが現場で見てきた中でも、思い切った人のほうが結果として喜ばれています。

会議室で社内イベントの企画を相談する担当者たち

誰が運営する?担当者が最初に決めること

多くの会社では総務です。ただ、どの部署が持つかより先に、決めておきたいことがあります。

先ほどの調査で社員総会(実施32社)の運営主体を見ると、総務部門が56.3%、有志のプロジェクトチームが31.3%。一方、内定式や入社式は人事部門が主体という結果でした。どちらにせよ、本業と兼務で動かす会社が多いと思います。

そのため、企画に入る前に体制の線引きをしておくと安心です。

  • 決裁のルート:予算と内容を誰が承認するか。経営層の意向は先に聞いておく
  • 実行メンバー:何人で回すか。有志を募るなら、募集の時期と役割
  • 当日の役割:進行、受付、撮影、片付け。誰が何を持つか

企画・決裁・当日運営を1人で抱える計画は、どこかで詰まりやすいです。ここを曖昧にしたまま進めると、決裁の段階で内容がひっくり返ったり、当日に担当者1人が走り回ることになります。

準備の順番と手順:いつ・誰に・何を決めるか

担当を任されたら、最初の1週間で決裁者(上司や経営層)に4つだけ聞いてください。「目的はつなぐ・伝える・ねぎらうのどれか」「予算の上限」「日程は動かせるか」「参加の範囲(家族・内定者・パートの方を含めるか)」です。この4つが決まらないと、形式も会場も選べません。

次の1〜2週間で形式と規模を決めて、会場の候補を2〜3件に絞り、空きを確認して押さえます。ここまでを先に済ませておくと、あとの内容づくりが楽になります。

会場が決まったら、参加者に日程だけ先に案内してください。内容はあとから足せますが、日程は早く出すほど参加率が上がりやすいです。同時に、会場・飲食・機材・制作物の見積りを取り始めます。

開催の1か月前までに進行表と役割表を作ります。転換の時間も1つの項目として入れ、記念品や印刷物は納期から逆算して発注してください。1週間前に、会場と最終人数・レイアウト・機材を確認し、当日の役割を担当者どうしで読み合わせておくと落ち着いて迎えられます。

必要な準備期間は、人数と会場で大きく変わります。目安はこのくらいです。

規模主な会場準備期間の目安
〜50人自社の会議室、飲食店1〜2か月
50〜150人貸会議室、ホテルの宴会場2〜3か月
150〜500人ホール、大宴会場、体育館3〜6か月

決め手になるのは会場の空き状況です。ホテルの宴会場やホールは、年度末・年度初め・年末といった集中する時期から先に埋まっていきます。日程が動かせないなら、会場だけでも早めに押さえておくのがおすすめです。逆に会場に合わせて日程を動かせるなら、選択肢はぐっと広がります。

準備期間が短いこと自体は、そこまで問題になりません。困るのは、日程と会場が決まらないまま、内容の議論だけが続いている状態です。

目的から当日の進行まで、決めることを順に書き込めるシートにしました。ここから先の章で触れる内容も入っています。

社内の懇親会で歓談する参加者

現場から見た、社内イベントでつまずく3つのポイント

設営や運営で入る立場から、直前に発覚すると打つ手が限られるものを挙げます。3つだけです。

会場の備品

貸会議室やホールの音響・映像設備は、思っているより控えめなことがあります。マイクが2本しかない、スクリーンが後方から見えないサイズ、窓が暗くできず投影が薄い、といった具合です。下見のときは「何が借りられて、何を持ち込む必要があるか」まで確認しておくと安心です。

大きな会場で全員に見せる必要があるなら、LEDビジョンのように明るい場所でもはっきり映る機材を持ち込む選択肢もあります。

転換の時間

表彰式から懇親会へ、といった切り替えには、椅子の並べ替えや料理のセットが入ります。ここを5分で見積もっていると、進行がまるごと押します。プログラムを作る段階で、転換の時間も1つの項目として書き込んでおいてください。

当日の人手

社内イベントの担当者は、当日「参加者」でもあります。受付に立って、写真を撮って、司会と打ち合わせをして、そのうえで自分も楽しむのは、さすがに無理がありますよね。

受付や誘導といった手を外部に頼めば、担当者は本来やるべき全体の見守りに集中できます。頼み方はイベントスタッフ派遣の記事にまとめました。記録用の撮影まで頼みたい場合は、イベントスタッフ派遣のサービス内容をご覧ください。

自社で回す?外部に頼む?

小規模な懇親会や部署単位のレクリエーションなら、社内で回したほうが早く、費用も抑えられます。外部に相談する価値が出るのは、次のような場合です。

  • 参加人数が100人を超え、会場設営や座席の設計が必要になる
  • ステージ・音響・照明・映像を使う(社員総会、表彰式、方針発表会)
  • 当日の進行を止められない(来賓や経営層が登壇する、配信や記録撮影がある)
  • 担当者が本業と兼務で、準備に割ける時間が限られている

全部を任せる必要はありません。設営と機材だけ、司会だけ、当日の運営スタッフだけ、という部分的な依頼もできます。企画は社内で考えて、形にする部分だけ外に出す分け方が、いちばん現実的だと思います。

費用はどう考えればいい?

社内イベントの費用は、「会場費・飲食費・設営と機材・制作物(記念品や印刷物)・運営人件費」で構成されます。総額を左右するのは、やはり人数と会場です。

予算を組むときは、総額ではなく一人あたりで見てみてください。同じ200万円でも、100人なら一人2万円、300人なら一人約6,700円です。参加者の体験の濃さが、この数字で変わってきます。

費用の扱いで知っておくと役に立つのが、税務上の区分です。国税庁のタックスアンサーでは、「専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用」は交際費等から除かれ、福利厚生費などとされています。また所得税基本通達36-30では、社会通念上一般的な会食・旅行・演芸会・運動会などの費用を会社が負担しても、参加した社員側には課税しなくて差し支えないとされていて、除かれるのは「参加しなかった人に代わりに金銭を支給する場合」と「役員だけを対象にする場合」です(出典: 国税庁 タックスアンサー No.5261 交際費等と福利厚生費との区分、国税庁 所得税基本通達36-30・いずれも2026年9月14日確認)。

全社員を対象にした一般的な規模の行事にしておくと、経理面でも説明しやすい形になります。個別の判断は経理担当か税理士に確認してください。

AGSはイベント企画・運営として、企画の相談から会場の設営、当日の運営までを手がけています。ステージ設営や会場装飾の実例は制作実績でご覧いただけます。見積りは無料で、「この予算で何ができるか」という段階のご相談も歓迎です。

よくある質問

Q. 目的が決まりません。何から考えればいいですか?

決裁者に「今回の会で、終わったあとに社員がどうなっていてほしいか」を聞くのが早いです。「他部署の人と話せるようになってほしい」ならつなぐ、「方針を知ってほしい」なら伝える、「お疲れさまと言いたい」ならねぎらう、と言い換えられます。去年の会の反省点があれば、それも目的のヒントになります。

Q. 何人くらいから外部に頼むのが一般的ですか?

人数だけで線を引くのは難しいのですが、ステージや音響・映像を使うかどうかが1つの目安です。100人を超えると会場設営や動線の設計が必要になり、社内だけで抱えるには負担が大きくなりがちです。

Q. 準備期間はどれくらい必要ですか?

会場が押さえられていれば、50人規模で1〜2か月、150人規模で2〜3か月が目安です。ただし記念品の名入れや映像制作が入る場合は、その納期から逆算してください。

Q. 自社の会議室やホールでも設営を頼めますか?

対応しています。自社の施設は「元から何もない」ことが多いので、ステージ・音響・照明・装飾を持ち込んで会場らしく仕立てる形になります。図面か写真があれば、できることをご提案しやすいです。

Q. 福岡以外での開催でも対応できますか?

対応しています。拠点は福岡・博多ですが、現場は全国です。


社内イベントの企画は、面白いネタを思いつくかどうかだけの勝負ではありません。目的をはっきりさせてから形式を選び、体制と日程を先に固めておけば、定番の行事でも十分に伝わる会になります。

まずは、今回の会が「つなぐ・伝える・ねぎらう」のどれなのかを決めるところから始めてみてください。

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