イベントの中身は決まった。なのに「当日、誰が何をやるか」の話になると、急にふわっとする。準備の終盤で、よくある光景です。
イベント当日の運営体制は、「役割の洗い出し → 人の割り当て → 指示系統と連絡手段 → 当日朝の共有」の順でつくると迷いません。先に人数から考えはじめると、役割の抜けに気づけません。
必要な役割は、イベントの種類が違ってもほぼ共通です。本部・受付・誘導・接客・バックヤード・救護。この6つを軸に確認していけば、大きな抜けは防げます。
この記事では、それぞれの役割の中身と組み立ての手順に加えて、私たちの現場スタッフに聞いた「配置で失敗しないコツ」をお伝えします。
イベント運営に必要な役割を洗い出す
当日の持ち場は、大きく分けて次の6つです。まずは会場図と付き合わせながら、自分のイベントにどれが要るかを確認してください。
| 役割 | 主な仕事 | 配置のポイント |
|---|---|---|
| 本部(責任者) | 全体の進行判断、各持ち場からの報告の受け口、トラブル時の決定 | 他の持ち場と兼任させない。「必ずここにいる人」にする |
| 受付 | 来場者の確認、名簿照合、案内物の手渡し | 開場直後にピークが集中する。開始1時間は厚めに |
| 会場誘導・案内 | 入口からの導線づくり、フロア・席への案内 | 来場者が最初に迷う場所(駐車場・エレベーター前)に置く |
| 接客・ブース対応 | 来場者への声かけ、説明、商談への橋渡し | 人選がいちばん結果に効く持ち場(次の章で詳しく) |
| バックヤード | 資料・ノベルティの補充、備品管理、控室まわり | 気づいて動ける人向き。表の持ち場との兼任は避ける |
| 救護・トラブル対応 | 体調不良者の対応、遺失物、クレームの一次対応 | 兼任でもよいが「誰がやるか」と手順は先に決めておく |
すべてに専任を置く必要はありません。小さな催しなら、受付と誘導を1人が兼ねることもよくあります。ただし本部——報告の受け口だけは、規模にかかわらず独立させてください。
救護は、専任を置けない場合でも「誰が判断して、どこへ運び、どこに連絡するか」だけは決めておきます。会場内と最寄りのAEDの場所は、日本救急医療財団の全国AEDマップで事前に調べられます(2026年8月25日確認)。

人の割り当て方 — 体制表は「人数」ではなく「属性」から作る
体制表は人数から作らない。人の属性から作る。これが、私たちの現場からの答えです。
当日の体制の穴は、多くの場合「配置の悪さ」から出ます。人を頭数としてしか見ずに割り振ると、接客の持ち場に人見知りの人が立つ、ということが実際に起きるからです。
展示会の現場では、喋りが苦手な人が声かけできず、ただ立っているだけになってしまう。逆に、喋りが得意な人がイベントを楽しんで、持ち場を離れて会場を回ってしまう。どちらも、現場でよく見る光景です。ハイキュー!!で言えば、守備の名手・西谷にスパイクを打たせているような配置です。
では、喋りが苦手な人は戦力にならないのか。そうではありません。
細かいことに気づいてすぐ動ける人は、資料の補充などバックヤードの持ち場や、商談が終わったあとのマニュアルに沿った案内・クロージングで力を発揮します。前に立つのが得意な人は声かけと接客へ。名簿を1人ずつ「話すのが得意か」「気配りで動けるか」で仕分けて、得意の側に持ち場を置いていくわけです。
属性で割り当てた体制表は、同じ人数でも当日の穴がぐっと出にくくなります。人を増やす前に、まず並べ替えです。

社内の人だけでは属性が埋まらないこともありますよね。接客向きの人が当日は商談に集中していて、受付や誘導に回せない、という場合です。そのときは当日の人手を外部に頼む方法があります。頼める仕事の中身や料金の考え方はイベントスタッフ派遣の記事にまとめました。
指示系統と連絡手段を決める
指示系統のゴールは「全員が、迷ったら誰に聞くかを知っている」状態です。報告は本部に一本化し、持ち場の中だけで抱え込ませないようにします。
指示系統が曖昧だと、トラブルの情報が現場の途中で止まります。受付で起きたことを受付の中だけで処理して、本部が知ったのは終了後——これがいちばん困る形です。判断の早い遅いより先に、情報が届く道を作っておく必要があります。
連絡手段は会場の広さで選べば十分です。ワンフロアで声が届く規模なら口頭と携帯で回ります。フロアが分かれる、屋外で距離がある、という会場なら、インカム(スタッフ同士で話せる無線機)をレンタルしておくと確実でしょう。
決めておくことは3つだけです。
- 各持ち場のリーダーは誰か
- 報告はどこ(誰)に集めるか
- 本部の責任者が動けないときの代理は誰か
あわせて、休憩の交代要員も体制表に入れておいてください。予備は、必要になってから探しても間に合いません。当日の急な欠員も、代わりに入る人を先に決めてあれば、ただの入れ替えで済みます。
当日朝の共有 — 体制は「伝わって」はじめて機能する
どれだけ良い体制表も、当日の朝に全員へ渡っていなければ機能しません。開場前に10〜15分、全員を集める時間をとってください。
朝に共有することは、次の5つです。
- イベントの目的と、来場者に最後どうなってほしいか
- 体制表(誰がどの持ち場か・各持ち場のリーダー)
- タイムテーブルと、混雑しそうな時間帯
- トラブル・体調不良が起きたときの報告先
- 休憩の回し方と集合場所
とくに外部スタッフが入る日は、この朝の共有がその日の質を決めます。持ち場と報告先さえ明確なら、スタッフは自分の判断で動けるようになるからです。
逆にここを飛ばすと、社員が一日中走り回ることになります。体制表はA4で1枚、名前と連絡先まで入れて、当日の朝に配れる状態にしておきましょう。
なお、運営体制の設計から当日の人材手配までまとめて任せたい場合は、AGSのイベントスタッフ派遣でもご相談いただけます。設営や制作と手配元が同じだと、当日の連携に迷いが出ません。
よくある質問
Q. どのくらいの規模から体制表が必要ですか?
規模より持ち場の数で判断してください。スタッフが3人以上いて持ち場が2つ以上に分かれるなら、A4で1枚作る価値があります。書く内容は、持ち場・担当者名・リーダー・報告先・タイムテーブルで十分です。
Q. 本部の責任者には誰が向いていますか?
イベントの目的を理解していて、優先順位を判断できる人です。当日は接客や来賓対応と兼任させず、報告を受けて判断することに専念してもらってください。責任者が持ち場に入ってしまうと、報告の受け口が消えます。
Q. インカムは必ず必要ですか?
必須ではありません。ワンフロアで声が届く規模なら、口頭と携帯電話で問題なく回ります。フロアが分かれる会場や屋外イベントでは、連絡の速さが体制の強さに直結するため、レンタルを検討する価値があるでしょう。
Q. 救護の担当に資格は必要ですか?
資格は必須ではありませんが、「誰が判断し、どこへ運び、どこに連絡するか」の手順を先に決めておくことが大切です。消防署の救命講習を受けた人が社内にいれば、その人を担当にすると心強いはずです。会場のAEDの場所確認も忘れずに。
当日の運営は、優秀な人を集めることより、いまいる人の得意を正しい持ち場に置くことから始まります。役割を洗い出し、属性で割り当て、報告の道を一本にして、朝に共有する。この4つが揃った現場は、人数以上に強く回ってくれるはずです。
Contact
まずはお気軽に
ご相談ください
お見積り・ご相談は無料です。「こんなことできる?」からで構いません。