イベントの企画を任された。けれど、何から決めればいいのか正直ピンと来ない——最初はみんなそうです。実は、決める順番さえ知っていれば、企画は思ったより迷いません。
イベントの企画は、「目的 → ターゲット → 予算 → 日程・会場 → 内容 → 体制」の順に決めていきます。
「何をやるか」は5番目。意外に思われるかもしれませんが、この順番には理由があります。前に決めたことが、後の選択肢を絞ってくれるからです。
この記事では、イベントの企画を任された方に向けて、決める順番とその理由、打ち合わせの現場でよく見るつまずき、企画書に入れる項目までをまとめます。
イベント企画で決めることは6つ
決めることは6つあります。目的、ターゲット、予算、日程・会場、内容、体制です。
| 順番 | 決めること | 中身 |
|---|---|---|
| 1 | 目的 | 何のために開くか。来場者に最終的に何をしてほしいか |
| 2 | ターゲット | 誰に来てほしいか。人数の規模感 |
| 3 | 予算 | いくらまで使えるか(概算でよい) |
| 4 | 日程・会場 | いつ、どこで開くか |
| 5 | 内容 | プログラム・演出・出し物 |
| 6 | 体制 | 誰が何を担当するか。外部に頼む範囲 |
やりがちなのが、5番の「内容」から考え始めることです。面白そうなネタを集めてから目的を後付けすると、候補は増えるのに決め手がないまま、日程だけが近づいてきます。
キャンプで言えば、張る場所を決める前に道具を選んでいる状態です。川辺か林間かで持っていく道具が変わるように、目的とターゲットが決まらないと、内容は選びようがありません。
最初に決めるのは「目的・ターゲット・予算」
私たちが企画のご相談を受けるとき、最初の打ち合わせで決まっていないことが多いのが、目的・ターゲット・予算感の3つです。逆に、この3つがある程度固まっていれば、話は一気に早く進みます。
イベント企画の前半戦は、この3つを決めるためにある。そう考えると、順番に迷わなくなります。
とくに目的が曖昧になりやすいのが、長く続いているイベントです。「いつもやっているから」が理由になってしまい、何のための開催かを誰も説明できない。続いているイベントほど、この状態に陥りがちです。
目的を言葉にするコツは、「来場者に最終的に何をしてほしいか」から逆算することです。商品を試してほしいのか、名刺を置いていってほしいのか、社名を覚えて帰ってほしいのか。ここが決まらないと、企画の立てようがありません。
「来た人に喜んでもらう」のような漠然とした目標でも、無いよりはましです。ただ、来場者数や商談件数のような数字の目標があると、企画はぐっと立てやすくなります。演出にかけるか集客にかけるか、予算の配分にも根拠が生まれるからです。来場者数を目標にするなら、イベントの集客方法で告知と当日の会場づくりの組み立て方を書いています。

予算と日程・会場は、内容より先に押さえる
目的とターゲットが決まったら、次は予算の上限と日程・会場です。内容を固めてから会場を探すのではなく、会場を先に押さえます。
理由は2つあります。1つは、人気の会場や時期は先に埋まっていくこと。土日や年度の節目は競争率が高く、内容を練っている間に選択肢がなくなっていきます。
もう1つは、会場が内容を決めるからです。広さ、天井の高さ、電源の容量、搬入口の大きさ。ステージや大型の装飾を組めるかどうかは、会場の条件でほぼ決まります。
下見のときは、見た目の雰囲気だけでなく「何が持ち込めて、何が借りられるか」まで確認しておくと、後の工程で慌てずに済みます。搬入口のサイズと搬入できる時間帯は、聞き忘れの定番です。

内容と体制は、絞られた選択肢から選ぶ
ここまで決まって、ようやく「何をやるか」です。面白い企画は、ゼロから思いつくものではなく、目的とターゲットで絞った先に残るもの。私たちはそう考えています。
「誰に、最終的に何をしてほしいか」が決まっていれば、候補は自然と数個に絞られます。候補出しには、目的別に定番の企画を一覧にした面白いイベント企画のアイデアが使えます。その中から、予算と会場の条件に合うものを選ぶ。探すのではなく、選ぶ。この状態まで前の工程で持ってこられていれば、内容の議論は長引きません。
注意したいのは、詰め込みすぎです。あれもこれもと入れると、来場者は何のイベントだったか思い出せなくなります。目的に効く企画を2〜3本に絞った方が、記憶に残ります。
内容が決まったら、体制です。全体の責任者、会場・進行・受付などの持ち場、そして外部に頼む範囲を決めます。準備も当日も、誰に聞けば決まるのかがはっきりしているだけで、現場の混乱は大きく減ります。
なお、周年記念のイベントは招待範囲や記念品など固有の論点が多いので、周年イベントの企画の進め方に分けてまとめています。社員総会や懇親会など社内向けの行事は、社内イベントの企画の進め方が詳しいです。
企画書に入れる項目
企画書は、立派な書類である必要はありません。ここまで決めてきた順番を、そのまま項目に並べれば形になります。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| イベント名(仮) | 内容が伝わる仮の名前でよい |
| 目的・ゴール | 開催の狙いと、来場者に最終的にしてほしい行動。数字の目標があれば書く |
| ターゲット | 誰に来てほしいか、想定人数 |
| 開催概要 | 日時、会場、開催形式 |
| 内容 | プログラムの概要とタイムテーブル案 |
| 予算 | 概算の総額と、会場費・設営費・運営費などの内訳 |
| 体制 | 主催・運営メンバー・外部委託の範囲 |
| 準備スケジュール | 決裁、会場確定、制作物の入稿など、節目の日付 |
| リスクと代替案 | 雨天時の対応、集客が想定を下回った場合の判断など |
決裁者がまず見るのは、目的と予算の2つです。この2つが1枚目で分かる並びにしておくと、承認までが早くなります。
逆に、決まっていない項目は「未定」と正直に書いて構いません。空欄を埋めるために仮の数字を断定で書くと、後で企画書全体の信用に関わります。
私たちAGSは、イベントの企画・制作・運営を企画段階からお手伝いしています。目的とターゲットと予算感。この3つをお持ちいただければ、内容と会場はご一緒に考えられます。見積りは無料で、構想段階のご相談も歓迎です。
よくある質問
Q. 目的が「毎年やっているから」しか出てきません。どうすればいいですか?
「来場者に最終的に何をしてほしいか」から逆算してみてください。それでも出てこない場合は、去年の来場者がイベントの後に何をしたか(購入・商談・応募など)を調べると、実質的な目的が見えてきます。
Q. 予算が決まっていない段階で会場を探してもいいですか?
上限の目安だけでも先に決めることをおすすめします。会場費は総予算の中で大きな割合を占めるため、上限が無いまま探すと、会場だけで予算を使い切る計画になりがちです。
Q. 企画書はどこまで作り込めばいいですか?
決裁が通る最小限で十分です。上の表の項目がA4で1〜2枚にまとまっていれば、社内の合意形成には足ります。デザインを整えるより、目的と予算の根拠を固める方が先です。
Q. 企画の段階から外部に相談できますか?
できます。むしろ会場や内容が固まる前の方が、予算に合わせた提案の幅が広がります。拠点は福岡・博多ですが、現場は全国で対応しています。
イベント企画は、面白いネタを思いつく勝負ではありません。目的、ターゲット、予算。この3つを先に固めれば、残りの工程は選択肢を選んでいくだけになります。
まずは「来場者に最終的に何をしてほしいか」。一文で書くところから始めてみてください。
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