「何か面白い企画はないですか」というご相談をよくいただきます。私たちがいろいろなイベントをお手伝いしてきた中で、盛り上がるかどうかに一番効いているのは、企画の目新しさよりも「来場者が体を動かす場面があるか」と「進行役がうまいか」の2つでした。
もちろん、珍しい企画そのものが人を集めることもあります。ただ、来場者は見ているだけの時間が長いと、だんだん飽きてきます。参加できる場面と元気な進行役がそろっていれば、定番のビンゴでもしっかり盛り上がりますし、逆に同じ抽選会でも、司会の進め方ひとつで結果がかなり変わります。
この記事では、イベント企画のアイデアを17件、手軽なものから順に、実際にやったお店や主催者の事例つきで紹介します。あわせて、予算と準備期間で選ぶ早見表、盛り上がる企画に共通する条件、その企画が自分の会場でできるかの確かめ方もまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社の目線で書いています。
面白いイベント企画のアイデア17選【手軽な順】
アイデアは、手軽なものから順に3つに分けて17件並べました。それぞれに、実際にやったお店や主催者の事例を付けています。自分たちの人手と予算で「どこまでできるか」を見ながら読んでみてください。
目的の違う企画を2〜3個組み合わせるのが基本です。たとえば「ステージで山場をつくり、待ち時間はフォトスポットとスタンプラリーで回遊してもらい、抽選会で締める」という組み方です。1つの企画で全部の時間を持たせようとすると、中だるみしやすいです。
なお、お店や商業施設の集客が目的なら、集客イベントのアイデアにも店頭向けの企画をまとめています。
今週からできる、道具のいらない企画
じゃんけん大会
ステージ上の1人と会場全員で勝ち残りをする、いちばんシンプルな企画です。費用はほぼ景品代だけで、特別な道具も要りません。全員が同時に体を動かして参加できるので、イベントの出だしを温めるのに向いています。
実例: 松山市の「野球拳全国大会」では、2023年に松山城本丸広場で281人がじゃんけんをリレー形式でつなぎ、ギネス世界記録になりました(出典: 中予つーしん・2026年9月4日確認)。飲食チェーンの杵屋でも、お子様メニューを注文した子どもがスタッフとじゃんけんをして、勝てばおもちゃがもう1個、負けてもキャンディーがもらえる企画を、2026年のゴールデンウィークに一部の店舗で行いました(出典: グルメ杵屋レストラン プレスリリース・同日確認)。お店の規模でも成立する例として、大阪の鮮魚店・日本シーマートはマグロの解体ショーとあわせて店内でじゃんけん大会を行い、大人気だったと報告しています(出典: 株式会社日本シーマート・同日確認)。
弱点もあって、勝ち残り式だと負けた人はそこから見ているだけになります。敗者復活を1回入れる、負けた人に勝ち残っている誰かを応援してもらうなど、進行の工夫でカバーしてください。5分で終わるので、プログラムの隙間にも差し込めます。
抽選会・ガラポン
来場のきっかけづくりの定番です。空くじなしにして、小さくても全員が何かを持ち帰れるようにしておくと、外れた人もがっかりしません。景品は箱にしまわず、見えるところに並べてください。
実例: 大阪府茨木市の茨木本通商店街は、2025年の歳末大売出しでガラポン抽選会を行い、多くのお客さまが来場して会場は終始にぎわったと開催報告に書いています(出典: 茨木本通商店街 開催報告・2026年9月4日確認)。お店単位でもできます。熊本市の美容室コティーは、1月に来店した方へ2〜3月に使えるガラポン参加券を配って、来店のきっかけにしています(出典: 同店ブログ・同日確認)。
景品の金額には法律の上限があるので、企画を固める前に景品表示法の区分を確認してください(出典: 消費者庁「景品規制の概要」・2026年9月4日確認)。
ビンゴ大会
定番中の定番ですが、景品を先に会場に並べて見せておくだけで、空気が変わります。参加のハードルが低く、年齢を問わないのも強みです。
ポイントは目玉商品です。1等さえ魅力的なら、ほかの景品は控えめでもそれほど盛り下がりません。集まる方が家族連れなのか社員なのか、年齢層はどのあたりかに合わせて何を目玉にするか、ここは商品選びのセンスが問われるところです。
実例: 長崎県佐世保市のマンガ倉庫広田店は、2026年1月に店内でビンゴ大会を行い、88人のお客さまが参加しました(出典: 同店サイト・2026年9月4日確認)。千葉県いすみ市の大原漁港「港の朝市」では、毎週日曜にビンゴ大会を開いていて、カードは1枚200円・1人2枚まで、景品は出店しているお店の商品です(出典: 港の朝市 公式サイト・同日確認)。
数字の読み上げはテンポが大事なので、進行役は場慣れした人にお願いしてください。
ご当地・自社題材のクイズ
〇×形式で全員参加、間違えたら着席、最後まで残った人に景品、というルールです。道具はほとんど要りません。社内イベントなら社史、地域イベントなら地元ネタというように、題材を差し替えるだけで自分たちの企画になります。
特によく効くのは「知っている人は知っている」問題です。身近な人や地元の話が出ると、会場のあちこちで反応が起きて、それだけで場が温まります。
実例: 横浜市保土ケ谷区は、区内の商店街に地元にちなんだ9問のクイズを隠し、答えて応募するとサッカー観戦チケットなどが当たる「ほどがやクイズラリー」を2026年2〜3月に行いました(出典: 保土ケ谷区 公式サイト・2026年9月4日確認)。会場で一斉にやる形でも、店を回るラリー形式でも組めます。
クイズ大会は問題の中身より司会の進め方で盛り上がりが変わります。これについては後半でまた触れます。
スタンプラリー
台紙とスタンプ台5〜6箇所だけで成立する、低予算の代表格です。会場の隅々まで歩いてもらいたいときに効きます。商店街のような広いエリアでも、1店舗の店内だけでも組めますし、最近はスマホと連動して店内に隠れたARキャラクターを探すようなデジタルスタンプも手軽にできるようになりました。
実例: 春日井市の勝川駅前通商店街は、2025年10月のハロウィンイベントでARスタンプラリーとAR写真撮影を行い、「たくさんのご来場者様にご参加いただきました」と開催報告を出しています(出典: 勝川駅前通商店街振興組合・2026年9月4日確認)。規模の大きい例では、静岡県のデジタルスタンプラリーが開始約2か月で6,246人の参加を集め、前年度の3,275人から大きく伸びています(出典: 静岡県 プレスリリース・同日確認)。
誰でも一度はやったことのあるルールなので、参加のハードルが低いのも強みです。コツは、景品の引換所を入口や出口ではなく会場の奥に置くこと。それだけで人の流れが変わります。一番大事なのは事前の告知で、参加する人がいないと台紙だけが寂しく残ってしまいます。
フォトスポット
季節の題材や地域の名物を背景にして、その場所でしか撮れない写真を撮ってもらう企画です。SNSでの拡散と「行った証拠」づくりに効きます。小さく始めるなら、店頭に背景パネルと「ここから撮るときれい」の足元マークを置くだけでも成立します。
実例: 新潟市は2026年5月、工事中の新潟駅前に高さ約1mの「NIIGATA」の文字モニュメントを置いたところ、完成直後から観光客が撮影する場所になりました(出典: 日本経済新聞・2026年9月4日確認)。大がかりな例では、横浜赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットが約12mのツリーやフォトスポットを設け、来場者の声として「装飾も凝っていて思わず撮影したくなる」が挙がっています(出典: 株式会社横浜赤レンガ プレスリリース・同日確認)。
置き場所は壁際に隠さないでください。通路から賑わいが見える位置に置くと、撮影待ちの列が次のお客さまを呼んでくれます。
少し準備すれば、自分たちでできる企画
限定販売・キッチンカー・マルシェ
ここでしか買えないもの、この日だけの限定品は、それ自体が来場の理由になります。自前で用意しにくければ、キッチンカーを1〜2台呼ぶだけでも、食べ物の匂いと行列が店先に生まれます。
実例: 長野県大町市の「まほろば商店街」は、シャッターの閉まった22店舗を2日間だけ開けて58団体が出店し、延べ3,000名を超える来場がありました。公式手ぬぐいは2日目の朝に完売しています(出典: 一般社団法人ネオアルプス プレスリリース(運営側の開催報告)・2026年9月4日確認)。茅ヶ崎市の「キッチンカーNo.1グランプリ2025」は、推定15,000人の来場でした(出典: 共催の茅ヶ崎飲食店組合 公式サイト・同日確認)。
裏方の仕事も忘れないでください。出店者の手配に加えて、電源・排水・区画の調整があるので、会場との相談は早めが安全です。
持ち帰れるものづくりワークショップ
親子で30分ほどで完成して、そのまま持ち帰れる題材が向いています。木の実のクラフトやペーパークラフト、缶バッジのような簡単なもので十分です。作ったものが家に残るので、イベントの記憶がその場で終わらないのがいいところです。
実例: 高知職業能力開発短期大学校の「ものづくりフェスタ」は、木の実クラフトなどの体験を毎年秋に行い、1,000人以上が来場して毎年大盛況だと公式サイトに書かれています(出典: 同校サイト・2026年9月4日確認)。福岡のIT企業ヌーラボが2024年夏に開いた親子ワークショップには、東京・福岡・大阪の3都市で延べ110人の親子が参加しました(出典: 同社プレスリリース・同日確認)。
題材選びで迷ったら、YouTubeで探してみるのがおすすめです。ものづくりに熱中している人の動画がたくさんあって、「この予算でこんなに楽しめるのか」というヒントがいろいろ見つかります。人数は講師1人と受付1人で目が届く範囲に絞り、1日に何回か入れ替える形にすると回しやすいです。材料の仕込みは前日までに済ませておいてください。
謎解き・宝探し
実在の店や設備を手がかりに組み込むと、会場や街を「読む」体験になります。滞在時間はしっかり延びますし、店を回る形にすれば回遊にも効きます。
実例: 財務省関東財務局のレポートによると、町田市の周遊型謎解きは2022年度に約15,000人、2023年度に約16,200人が参加し、行田市の「忍城に眠る謎」は参加者の58.8%が市外からでした(出典: 関東財務局 経済調査レポート(PDF)・2026年9月4日確認)。商店街の規模でも、大阪市の粉浜本通商店街が2025年のゴールデンウィークに周遊型のマーダーミステリーを行い、当初の予定を大きく上回る参加で第2弾につながっています(出典: 同振興組合 プレスリリース・同日確認)。
そのかわり、問題の制作と難易度の調整に時間がかかります。準備期間に余裕がある案件向けです。
ミニ運動会・チーム対抗戦
玉入れ、綱引き、大玉転がしなどです。チーム分けそのものが一体感をつくるので、社内イベントや地域の交流イベントに向いています。本格的に運動会として開くときの会場・種目・費用の決め方は社内運動会の企画の進め方にまとめました。
実例: 東大阪市の「企業交流運動会2024」には35団体167人が参加し、カレーパン食い競争や名刺交換チャレンジといった種目で交流しました(出典: 東大阪市 公式サイト・2026年9月4日確認)。島根電工グループの家族運動会は、社員と家族1,000人超が出雲ドームに集まり、設営から進行まで社員の手作りで行われています(出典: 月刊総務オンライン・同日確認)。
大縄跳びのような跳ぶ競技は、うまくいかないのがまた面白いのですが、失敗が続きやすいので短く切り上げるのがコツです。安全面で選ぶなら玉入れがおすすめです。転倒の心配が比較的少なくて済みますが、人が入り乱れてぶつかる点だけは注意してください。体を動かす企画は、保険・救護・床材まで決めておいてください。
プロや外部の力を借りて、人を呼ぶ企画
マグロ解体ショーなど、目の前で仕上がる実演
職人を呼んで、目の前で仕上げてもらい、最後に食べたり持ち帰ったりできる実演です。自分たちでは用意しにくいぶん、外部に頼む前提の企画になります。私たちの経験では、マグロの解体ショーは特に強くて、始まるとまず人だかりができます。目の前で切り分けられて、最後に食べるところまで体験できるので、満足度がとても高いんですよね。
実例: 大阪・奈良で鮮魚店を営む日本シーマートは、2026年3月に職人によるマグロの解体と即売、じゃんけん大会を組み合わせたイベントを行い、開始前からたくさんのお客さまが集まり、人気の部位は次々に売れたと報告しています(出典: 株式会社日本シーマート・2026年9月4日確認)。岡山市の中央卸売市場の「おかやま市場フェス」でも、80kgの本マグロの解体を抽選で選ばれた40人が見学し、朝から賑わいました(出典: KSB瀬戸内海放送・同日確認)。
費用はかかりがちですし、自社の販促にどうつなげるかは考えどころです。それでも「とにかく人を集めたい」という場面では、頼りになる定番だと思います。火気や食品を扱う実演は、先に会場の使用規定を確認してください。
ステージショー・トークショー・大道芸
「14時からステージ」と時間を告知できるのが最大の強みです。集客の山場を、狙った時刻につくれます。効くのは「誰が出るか」で、出演者の知名度と進行役の力量で結果が変わってきます。
実例: 「大道芸ワールドカップin静岡2025」は、15の国と地域から58組が出演し、来場者は主催者発表で100万人を超える見込みと報じられました(出典: 静岡朝日テレビ・2026年9月4日確認)。
キャラクターショー・グリーティング
人気者や話題のキャラクターを呼ぶ企画です。定番ですが、人が集まる確実さでは一番だと思います。私たちの実感としても、「誰を呼ぶか」は企画の中身と同じくらい集客を左右します。
実例: 呉市が2019年に開いた「復興応援呉ご当地キャラ祭」は、27キャラクターの出演で2日間に約32,000人が来場しました(出典: 呉市 資料(PDF)・2026年9月4日確認)。
版権元の許諾や実施条件の確認が必要で、費用の幅も大きいので、候補決めだけは早めに動いてください。
トリックアート・大型フォトスポット
床や壁面の絵の前に立つと、写真の中で立体に見える仕掛けです。撮る側と撮られる側で、自然に会話が生まれます。
実例: 広島県のみよし風土記の丘ミュージアムが2024年夏に開いた「トリックアート展」は、会期中に来場1万人を達成し、人気投票には6,680名が参加しました(出典: 広島県教育委員会・2026年9月4日確認)。

写真は、私たちが天神地下街40周年イベントで施工した3Dトリックアートです。決まった位置から撮ると床が立体に見える仕組みなので、撮る場所を探すところから楽しめます。
大型LEDビジョンの映像演出・パブリックビューイング
ステージ背面の映像や会場内の中継に使うと、同じ企画でも会場の格がひとつ上がって見えます。大型スクリーンでの観戦会は、それ自体が人を集める企画になります。
実例: 東大阪市が花園ラグビー場で行ったラグビーワールドカップ2023のパブリックビューイングは、大型スクリーンにフォトスポットとキッチンカーを添え、雨の中でも約3,200人、別の試合では4,000人超を集めました(出典: 東大阪市 公式サイト・2026年9月4日確認)。
使いどころと費用感はLEDビジョンとは?イベントでの使い方にまとめています。
カメラ連動の体感ゲーム
これは私たちが飲料ブランドの販促イベントで実際にやった企画です。大きなサイネージにWebカメラをつなぎ、来場者が体を動かすと画面のキャラクターが同じように動いて、上から落ちてくるアイテムをキャッチします。得点に応じて景品が出るようにしました。
このゲームはかなり盛り上がりました。挑戦するのは子どもが多かったのですが、後ろで見ている大人も一緒に楽しんでいて、ブースの前にずっと人がいる状態になりました。盛り上がった理由は2つあると思います。仕組みが珍しいので通りがかった人が足を止めること、そして挑戦している子どもを周りで見ている人も楽しめることです。
実例: 体を動かすと画面が反応する展示は、大きなところでは麻布台ヒルズの「チームラボボーダレス」が開館から約8か月で来場100万人に達しています(出典: 森ビル プレスリリース・2026年9月4日確認)。百貨店の中の常設施設でも、別府のトキハにボールを投げるとスクリーンの乗り物に変わる投影型の子ども向けの遊び場があります(出典: バンダイナムコアミューズメント プレスリリース・同日確認)。

写真は、グループ会社のアディザインが展示会に出展したときのWebカメラ連動ゲームのブースです。機材とプログラムの準備が必要なので大がかりな企画になりますが、このように人が集まってくれるのが強みです。準備期間は長めに見ておいてください。
Web上のVR会場・バーチャル展示
会場に置くヘッドセットではなく、ブラウザから入れるバーチャル会場を開く企画です。比較的手頃に用意できるようになってきていて、3Dの制作に初期費用はかかりますが、一度作れば自社サイトで年中公開しておけます。会期が終わっても閉場しないイベントというのは、リアル会場にはない使い方です。
実例: 小田原市は2024年8月、採用イベント「メタバースオープンカンパニー」をバーチャル空間の上で開き、職員紹介や仕事体験のコンテンツを来場者がアバターで回る形にしました(出典: 小田原市 公式サイト・2026年9月4日確認)。
オンラインで人を集める新しい形として、私たちも注目しています。

予算と準備期間で選ぶ早見表
17件を前にして迷ったら、企画の面白さではなく自分の条件から選んでみてください。予算と準備期間、それに当日の人手の3つで、選択肢はかなり絞れます。
| 自分の条件 | 向いている企画 |
|---|---|
| 予算も準備期間も少ない | じゃんけん大会、抽選会・ガラポン、ビンゴ、ご当地クイズ |
| 予算は少ないが、準備に時間はかけられる | スタンプラリー、謎解き・宝探し、ものづくりワークショップ、定番×自社題材のアレンジ全般 |
| 予算はあるが、準備期間が短い | キッチンカー・限定販売、マグロ解体ショーなどの実演、LEDビジョンの映像演出(レンタルなら比較的短い準備でも載せやすい) |
| 予算も準備期間もある | カメラ連動の体感ゲーム、キャラクターショー、トリックアート、ステージショー・大道芸、Web上のVR会場 |
| 当日の人手が足りない | フォトスポット、トリックアート、スタンプラリー。常駐スタッフが少なくて済む企画で構成する |
低予算の欄には、司会の進行で持たせる企画が並びます。道具にお金をかけられないときは、人の運びで盛り上げる企画に寄せるのが基本です。
ちなみに、いまイベントの世界は「体験」に向かっています。日本イベント産業振興協会(JACE)の推計では、2025年のイベント関連産業の規模は1兆1,478億円(前年比117.2%)で、来場者数をあえて絞って一人ひとりの体験価値を高める動きが背景として挙げられています(出典:JACE「2025年 イベント産業規模推計」・2026年8月29日確認)。
盛り上がる企画に共通する3つの条件
盛り上がる企画を選ぶ基準は3つあります。「見るだけで終わらない」「形が残る」「賑わいが外から見える」です。
実際の現場では、客席が一番沸くのは有名な出演者が登場したときよりも、来場者が舞台に上がる場面であることが多いです。
条件1:来場者が「見る」から「する」に変わる瞬間がある
挙手、投票、体験、参加など、どんなに小さくてもいいので、来場者の体が動く場面を企画の中に入れてください。
ステージショーでも、客席参加のコーナーが1つあるだけで空気が変わります。
条件2:結果が形に残る
作ったもの、撮った写真、当てた景品など、持ち帰れるものがあると、イベントの記憶はその場で終わりません。家や職場で、もう一度話題にしてもらえます。
条件3:賑わいが外から見える
人が集まっている様子そのものが、次の人を呼びます。体験コーナーや抽選会を壁際に隠さないのは、このためです。
賑わいの見せ方はイベントの集客方法で詳しく書きました。
同じ企画でも「進行役」で結果が変わる
盛り上がらない企画の原因は、企画書の中身よりも、マイクを握る人の側にあることが多いです。
「企画は面白いはずなのに会場が静か」という場合、進行役の経験不足であることが多いです。恥ずかしそうに小さな声で進めてしまうと、どんな企画でも盛り上がりにくくなります。逆に同じ抽選会でも、司会の盛り上げ方ひとつで結果が変わります。
なので、予算配分で迷ったら、盛り上げ役(司会・演者)にお金を回すのがおすすめです。装飾を一段階簡素にしてでも、場慣れした司会を立てたほうが、会場の空気は良くなります。司会・MCの手配についてはイベントスタッフ派遣の頼み方にまとめました。
もうひとつ、現場でよく使う手が「場を温める」ことです。最初のお客さまの反応が、会場全体の空気をつくります。お笑いの前座と同じで、本番の企画の前に、気軽に参加できる小さな企画をクッションとして入れておきます。5分で終わるじゃんけん大会は、この使い方にちょうどいいんです。
逆に空気を冷やすのは、「参加した先に売り込みが待っている」と分かる設計です。景品より勧誘が透けて見えると、人はなかなか並んでくれません。先に喜んでもらって、売り込みは後にする。この順番のほうが、次の来場や相談につながります。
アイデアの実現性は「会場・安全・人手・時間」で決まる
候補が出たら、面白いかどうかの前に「その会場でできるか」を確かめます。企画が実現しない理由は、面白くないからではなく、会場や条件が合わないからという場合のほうが多いです。
確認するのは4つです。まず、会場・安全・人手の3つから見ていきます。
- 会場の制約 — 天井の高さ、電源の容量、音を出せるか、火や食べ物を扱えるか、人が滞留できる幅があるか。会場の使用規定は企画を決める前に読んでください
- 安全 — 人が集まる企画ほど、列の整理と非常時の動線が要ります。子ども向けの体験は、道具と材料の安全性も確認します
- 人手 — 体験コーナーは1ブースに最低1人、列ができれば整理にもう1人。企画の数だけ人が要ります。当日の人の配置はイベント当日の運営体制のつくり方にまとめています
4つ目が「時間」です。持ち込みの企画案が実現しないパターンは、大きく2つあります。ひとつは「あれもこれも」を盛り込んで予算が足りなくなるパターン、もうひとつが「YouTubeやテレビで見た」大掛かりな企画です。
後者は予算というより時間の問題です。前例のない仕組みは、安全に動くかどうかの調査と検証に時間がかかります。開催日は動かせないので、検証が終わらなければ間に合いません。大掛かりな企画ほど早めのご相談をお願いしているのは、このためです。

定番の企画を「自分たちの色」に変える
アイデア一覧の企画は、どれもどこかで一度は見たことがあるものばかりだと思います。それで構いません。定番に自分たちの題材を掛け合わせると、定番の安定感と目新しさの両方を持たせられます。
やり方は単純で、「定番の型 × 自社・地域・来場者の題材」です。
- クイズ大会 × 自社の歴史 → 周年イベントの社史クイズ
- 謎解き × 商店街の店 → 各店を回らないと解けない回遊謎解き
- ワークショップ × 自社の製品・技術 → 自社の材料や道具を使ったものづくり体験
- フォトスポット × 地域の名物 → その土地でしか撮れない写真の背景
題材が自分たちのものになると、企画の説明がそのまま会社や店の紹介になります。ここが、レンタルのイベント用品を並べただけの企画との一番の違いです。
なお、社内向けのイベントに絞った企画例と進め方は社内イベントの企画の進め方に、周年の節目でやる場合は周年イベントの企画の進め方に分けてまとめています。
企画を決める前に、目的・対象・予算を1行ずつ
最後に順番の話です。アイデア選びが迷走するときは、だいたい企画より先に決めるべきことが決まっていません。
「誰に来てほしくて、来た人にどうなってほしいか。いくら使えるか」。この3つを1行ずつ書いてから一覧に戻ると、候補は自然と絞り込めます。目的の決め方から企画書に落とすまでの手順はイベント企画の立て方に書きました。
予算の目安が立たない段階でも、会場の候補と来場者数の想定があれば、企画込みで概算を出すことはできます。そこから先は、私たちのような制作会社に相談していただくのが早いと思います。
AGSのイベント企画・制作
AGSはイベントの企画から制作・施工・当日運営、スタッフの手配までを一括で請けている会社です。2006年から、企業イベント・商業施設の催事・展示会と、規模も種類もさまざまな現場をつくってきました。
体験・参加型の現場では、KIDS EXPO 2017のステージ・トークショーブースの設営、天神地下街40周年イベントの3Dトリックアート施工、全国有名駅弁とうまいもん大会のイベント会場施工などを手がけています。実例は制作実績でご覧ください。
拠点は福岡・博多ですが、現場は全国に伺います。「アイデアの段階で、実現できるか分からない」という状態からのご相談も歓迎です。見積りは無料なので、お問い合わせから気軽にどうぞ。
よくある質問
Q. 予算が少なくても盛り上げられる企画はありますか?
あります。クイズ大会・じゃんけん大会・投票企画のような「進行の工夫でつくる企画」は、道具がほとんど要りません。景品を数点用意して、司会の進行に力を入れる。設備より盛り上げ役にお金をかける配分が、低予算のときの基本です。
Q. どの企画が自分たちに合うか、判断がつきません。
「来てほしい人」と「その人にしてほしいこと」を先に決めてください。家族連れに長く居てほしいなら体験型、社員の一体感なら競う型、SNSで広げたいなら写真型です。目的が決まれば、一覧から2〜3個選ぶだけになります。
Q. 企画だけ自社で考えて、設営や運営だけ頼めますか?
できます。企画案をもとに、会場で実現できる形への調整、装飾や造作の制作、当日のスタッフ手配までを部分的に請けることも、まとめて請けることも可能です。企画の原案があると、むしろ話は速く進みます。
Q. 雨や猛暑が心配です。屋外の企画で気をつけることは?
屋外は天候の影響を必ず受けるので、中止・縮小の判断基準と判断者を先に決めておくことが、企画の中身より大事です。屋外会場の装飾と安全対策は夏祭り・お祭りの装飾で詳しく書いています。
面白い企画を探すというのは、面白いものを思いつくことではなく、来場者が動く場面をつくることだと思います。
一覧から2〜3個選んで、目的と会場に当てはめてみてください。それだけで、企画会議の叩き台としては十分です。楽しいイベントになりますように!
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