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お正月イベントの集客は年末に仕込む|商店街とお店の販促企画18例

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お正月イベントの集客は年末に仕込む|商店街とお店の販促企画18例

お正月イベントで人に来てもらうには、年末の買い物や来店のときに「年明けにもう一度来る理由」を渡しておくと、企画が組みやすくなります。

正月の販促企画の実例を調べてみると、年明けに始めるのではなく、12月のうちに仕込んでいるものが少なくありませんでした。

三が日は多くのお店が初売りをするので、年が明けてから告知を始めても、ほかの案内に埋もれやすくなります。一方で12月は、大掃除や年越しの準備でお店に来る方が多い時期です。そのお客さまに、年始の予定をひとつ持って帰ってもらえます。

たとえばマルイは、12月下旬の1週間にくじ付きのリーフレットを配り、当たりのクーポンは年末から1月12日まで使える形にしています。千葉のパン屋のピーターパンは、12月に予約を受ける福袋に、年明けから使えるお買い物券とパンの引換券を入れています。

この記事では、商店街とお店の正月の集客企画を、年末に仕込むものから順に18例、お店や商店街が出した案内や地域の報道を出典にして紹介します。海外のお店の年越しの工夫、景品の金額の上限、餅つきの衛生、準備の逆算表もまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社の目線で書いています。

年末に仕込んで、年始に来てもらう集客企画

年末に来たお客さまに、年明けの来店につながるものを渡す企画です。この記事の中で一番おすすめしたいのがこの章で、6例を紹介します。

ポイントは、12月の時点で「いつ・何のために、もう一度来るか」が決まっていることです。初売りの告知を年明けに頑張るより、先に予定を持って帰ってもらうほうが、忙しいお店でも組みやすいと思います。

年末に配ったくじを、年始の来店で使ってもらう

年末の買い物のときにくじを渡し、当たりは年明けに使えるクーポンにする形です。くじを配るのはレジの作業に1つ足すだけなので、スタッフの手間はそれほど増えません。

マルイは、2025年12月20日〜26日にくじ付きのリーフレットを配り、当たりは12月27日〜2026年1月12日に使える500円引きのクーポン(税込3,000円以上の買い物で利用)にしました。当たりは最大5万名分で、リーフレットをもらった店舗でしか使えない決まりです(出典:マルイ「新春お年玉くじ」・2026年9月15日確認)。

もらった店でしか使えないようにしておくと、年明けに同じお店へ戻ってきてもらえます。小さなお店で真似するときは、配る期間と使える期間を分けることと、使える期限をはっきり書くことの2つを押さえておけば組めます。くじで当たりが決まる企画は景品の金額に上限があるので、後半の注意点の章も読んでおいてください。

福袋の中に、年明けに使う券を入れておく

福袋を「1回きりのお得な袋」で終わらせず、年明けに何度か来てもらう券を入れておく方法です。

千葉県内に店を持つパン屋のピーターパンは、2026年の福袋(税込3,500円)の予約を2025年11月24日〜12月7日に受け付けました。中身は500円のお買い物券2枚、メロンパンや食パンなどの引換券、焼き菓子、毎月5%引きのクーポンが付いたカレンダーで、お買い物券と引換券は2026年1月から5月17日まで使えます(出典:ピーターパン「2026福袋!予約注文承ります!」・2026年9月15日確認)。

受け取りは多くの店舗で12月29日〜31日か1月4日・5日で、券の期限は5月まであります。年末に1回、年明けから春にかけて何回か、来店のきっかけがつながっていく設計です。

店員が選んだ「本の福袋」を、12月に予約してもらう

中身を選んだ人の目利きそのものを楽しんでもらう福袋です。予約を12月に締め切り、受け取りは年明けにします。

紀伊國屋書店武蔵小杉店は、担当者がすすめる文庫や文芸書にエコバッグなどを組み合わせた本の福袋を、梅(税込3,300円)・竹(5,500円)・松(11,000円)の3種類で用意しました。予約は2025年12月8日〜25日、受け取りは2026年1月1日〜31日です(出典:紀伊國屋書店 武蔵小杉店・2026年9月15日確認)。

小さな本屋でもできます。埼玉県熊谷市のシェア型書店・太原堂は、棚を借りている17の書店がそれぞれ福袋をつくる企画を2025年12月に告知し、「初詣の帰りやお散歩のついでに」と来店を呼びかけています(出典:太原堂 Instagram・2026年9月15日確認)。本以外でも、雑貨や器、お茶のように「選ぶ人のセンス」が価値になる商品なら同じ形が使えます。

年越しそばを予約制にして、受け取りの日時を決める

大晦日の持ち帰り商品を予約制にして、年末の来店日を先に決めてもらう方法です。そば店に限らず、おせちの一品、お餅、年始の手土産のような「その日に要るもの」なら同じ組み方ができます。

千葉県野田市の手打そば きくちは、年越しそばの予約を2025年12月21日で締め切り、受け取りは12月31日の午前9時〜12時にしました。注文は各2人前からで、せいろそばは1人前700円です(出典:手打そば きくち・2026年9月15日確認)。十割蕎麦 石山は、2人前セット1,600円・4人前セット3,200円を用意し、受け渡しを12月30日と31日の2日間に分けています(出典:十割蕎麦 石山・2026年9月15日確認)。

受け取りの時間を決めておくと、大晦日のお店が混み合いにくくなります。受け取りに来た方に年始の営業日や初売りの案内を渡せば、そのまま年明けの告知にもなります。

歳末の福引を、年内最後の営業日に置く

年末の数日間に福引を開き、年内のまとめ買いを後押しする企画です。景品を参加店の商品にすると、当たった人が年明けにその店を訪ねるきっかけにもなります。

神奈川県横須賀市の市場型の商業施設・よこすかポートマーケットは、2025年12月29日〜31日に年末のガラポン抽選会を開くと案内していました。館内の買い物が合算で税込3,000円ごとに1回、1人5回まで引けて、各日先着300回で終了する形です。景品の例には、ローストポークやジェラートの1年無料パスポート、ズワイガニなど、館内のお店の商品が挙がっています(出典:号外NET 横須賀市・2026年9月15日確認)。

ジェラートの1年パスポートのような「何度も使う景品」は、年明け以降の来店につながる良い例だと思います。

歳末の下取りで、大掃除の時期に買い替えの理由をつくる

大掃除で古いものを片付ける時期に合わせて、下取りを出す企画です。家電のような大きな買い物に限らず、靴・調理道具・メガネなど、買い替えのタイミングがある商品なら小さなお店でも考えられます。

家電量販店のノジマは、2025年12月6日〜31日に、指定商品の購入で最大5万円の下取りに加えて、最大3万円分のポイントを還元するキャンペーンを行いました(モバイル会員限定)(出典:ノジマ ニュースリリース・2026年9月15日確認)。

金額は大手の規模なので、ここで借りたいのは「年末に片付けたいもの」と「新しい年に新しくしたいもの」をつなぐ仕組みのほうです。

道具なし・スタッフだけで始められる正月の販促企画

ここからは年明けの企画です。まずは、特別な道具をほとんど使わず、お店のスタッフだけで今年から始められるものを4例紹介します。

お会計のときに、サイコロを1回振ってもらう

用意するのはサイコロ1つと、目ごとの特典を書いた紙1枚です。お会計の数秒で終わるので、忙しい年末年始でもレジが止まりにくい企画です。

焼肉店のほるたん屋(株式会社あみやき亭)は、2025年12月27日〜2026年1月3日に来店したお客さまに、お会計時にサイコロを1組1回振ってもらう企画を案内しています。出た目に応じて、大吉なら生タン1人前、小吉なら焼き芋アイス、末吉ならキャンディーというように、ハズレなしの特典を用意しています(出典:株式会社あみやき亭 プレスリリース・2026年9月15日確認)。

「大吉」「末吉」のようにおみくじの言葉に置き換えるだけで、正月らしさが出るのがいいところです。特典を次回使えるクーポンにすれば、年明けの再来店にもつながります。出た目で特典が変わる企画は景品の上限の対象になるので、金額は注意点の章で確かめてください。

縁起物の小さなおまけを付ける

お正月の縁起担ぎに乗せて、買った方に小さな縁起物を付ける方法です。仕入れと声かけだけで始められます。

大分市の商業施設・トキハわさだタウンは、2024年12月26日〜2025年1月8日の「縁起春財布市」で、財布を買った方に、鎌倉の銭洗弁財天の霊水で清めたという「縁起五円玉」を付ける特典を案内しています(出典:トキハわさだタウン 新春初売り・2026年9月15日確認)。

「春財布」のように、その商品と正月の縁起が結びつく組み合わせを探すのがコツです。飲食店なら干支のコースター、美容室なら新しい年の髪飾りのように、業種ごとに置き換えられます。全員に渡すおまけにも金額の上限があるので、あわせて確認しておいてください。

年賀状の番号で、年明けの割引をする

お客さまの手元に届いた年賀はがきの番号を使って、お店独自の「当たり」をつくる企画です。お店側で準備するのは、当たりの番号を決めて掲示することだけです。

埼玉県で温浴施設を運営する温泉道場は、2026年1月20日〜2月28日に、県内6施設で「年賀状割」を行うと発表しています。お年玉付き年賀はがきの番号の下2桁が「26(ふろ)」か「08」なら入館料200円引き、下4桁が「2026」か「1126(いいふろ)」なら入館無料です(出典:株式会社温泉道場 プレスリリース・2026年9月15日確認)。

時期を三が日ではなく、1月20日からにしているのがうまいところです。正月の来店が落ち着きやすい時期に、もう一度来てもらう理由になります。お店の名前にちなんだ語呂合わせの番号にすると、話題にもしてもらいやすくなります。

書き初めコーナーを置く

筆と半紙と机を置いて、来た方に自由に書いてもらう企画です。書いたものを店内に貼っておくと、それ自体が正月の飾りになります。

東京都世田谷区の小さな商業施設・BONUS TRACKは、2026年1月3日・4日の12時〜17時に、ギャラリーの前に書き初めのコーナーを置くと案内しています。1人1枚までです(出典:BONUS TRACK「お正月イベント」・2026年9月15日確認)。トキハわさだタウンも、2025年1月3日の11時〜15時に書き初め体験を案内しています(出典:トキハわさだタウン 新春初売り・同日確認)。

雑貨店の店先の書き初めコーナーで筆を持つ子どもと見守る家族

子どもが書いている間、ご家族は店の前で待つことになります。その時間に商品を見てもらえるので、雑貨店や文具店、書店と相性が良い企画です。墨で服や床を汚さないように、下に敷くシートと手を拭くタオルは多めに用意しておいてください。

少し準備すればできる正月企画

補助券やゲームの道具、景品の手配など、少し前から準備が要る企画です。4例を紹介します。

補助券の抽選会を、正月明けにずらす

商店街で補助券を配り、まとめて抽選会を開く企画です。定番の形ですが、時期を三が日から外しているのがこの例のポイントです。

秋田市の仲小路振興会は、2025年1月10日〜26日に参加13店の買い物500円ごとに補助券を1枚(1万円以上は一律20枚)配り、1月24日〜26日に商業施設の1階で抽選会を開くと案内しています。参加店はホテル、県産品の売り場、呉服店、そば店、花店、ドラッグストアなど、業種もばらばらです(出典:仲小路振興会「仲小路商店街大抽選会2025」・2026年9月15日確認)。

初売りの時期はどこも賑わいますが、1月中旬を過ぎると人出は落ち着きやすくなります。その時期に抽選会を置くと、商店街の企画が目立ちやすくなります。業種が違う店が組むと、普段は行かない店に足を運んでもらえるのもいいところです。

初詣の人の流れに合わせて、福引を開く

近くの神社やお寺にお参りする方が商店街を通る日に、福引を重ねる企画です。人を呼ぶ企画を一から立てるのではなく、すでにある人の流れに乗ります。

東京都台東区の谷中ぎんざ商店街は、七福神巡りの時期に合わせて、2026年1月3日・4日に景品総額60万円相当の新春大福引き大会を予定していると公式サイトで案内しています(出典:谷中ぎんざ商店街 イベント・2026年9月15日確認)。先ほどのBONUS TRACKも、1月3日・4日に参加10店での1,000円以上の買い物で福引券を1枚、以降1,000円ごとに1枚を渡す福引を案内しています(出典:BONUS TRACK「お正月イベント」・同日確認)。

近くの神社の初詣の混む時間帯を調べて、その時間に福引会場を開けておくのがおすすめです。

レシートで参加するゲームや、ビンゴで福袋を出す

その日のレシートを参加券にして、千本引きやビンゴに参加してもらう企画です。買い物をした方がそのまま遊べるので、お店を回ってもらう理由になります。

トキハわさだタウンは2025年の新春初売りの案内で、1月1日に、当日の税込2,000円以上のレシートで3枚つづりの参加チケットを渡し、千本引き・サイコロ・バスケットボールのゲームに挑戦してもらう「お年玉チャレンジ広場」を開くとしていました(1,000名限り)。1月4日・5日には、税込1,000円以上のレシートでビンゴカードを1枚渡し、景品に福袋を出す「新春初夢大ビンゴ大会」を1日2回、各回300名限りで行う予定です(出典:トキハわさだタウン 新春初売り・2026年9月15日確認)。

小さなお店なら、ビンゴを「来店ごとに1マス開ける台紙」に変えて、1月中に何度か来てもらう形にもできます。

福まきで、決まった時間に人を集める

高いところからお菓子やおもちゃをまく「福まき」は、時間を決めて告知できるので、その時刻にお店の前へ人を集められます。

BONUS TRACKは、正月の週末に1日3回(11時・13時・15時)、各20分ほど、当たり入りのお菓子やおもちゃをまくと案内しています(出典:BONUS TRACK「お正月イベント」・2026年9月15日確認)。

盛り上がりやすい企画ですが、人が一斉に手を伸ばすので、小さな子ども向けの回を分ける、まく範囲にロープを張るなど、ぶつからない工夫をしておくと安心です。

人手と場所がいる正月企画

広場や通り、館内のスペースを使い、スタッフや出演者の手配が要る企画です。準備は大がかりになりますが、そのぶん商店街や施設全体の賑わいをつくれます。4例を紹介します。

年越しそばの実演と、ひと口の振る舞い

大晦日の午後にそば打ちを実演し、できたそばを少しずつ振る舞う企画です。実演は見ているだけで楽しめるので、人が集まりやすい出し物です。職人さんの手配と調理の場所が要るので、そば店や、館内に場所がある商業施設・温浴施設に向いています。

奈良健康ランドは、2025年12月31日の13時30分からそば職人によるそば打ちの実演、16時から「年越しミニ冷やしそば」の無料の振る舞いを案内していました(入館料は別、なくなり次第終了)(出典:奈良健康ランド・2026年9月15日確認)。

実演と振る舞いの時間を分けているので、実演を見た方がそのまま館内で過ごしやすくなります。食べ物をその場で出すときの届出の要否は自治体によって扱いが違うので、会場のある地域の保健所に先に確認してください。

餅つきと雑煮の振る舞い

お正月の定番で、杵を持つ体験ができるので、親子連れがよく集まります。

千葉県習志野市では、京成大久保エリアの経営者6人がつくった「オオクボベース」が、2025年1月13日に大久保駅前の小公園で餅つき大会を開きました。和太鼓の演奏から始まり、鏡割り、餅つき体験、雑煮の振る舞いまで行い、餅つきを待つ約30人の列ができています。記事によると、餅と雑煮は予定より早くなくなり、スタッフが何度も店に戻って仕込み直す対応に追われました(出典:習志野経済新聞・2026年9月15日確認)。BONUS TRACKも、2026年1月3日に1日3回の餅つきを行い、つきたての餅を振る舞うと案内しています(出典:BONUS TRACK「お正月イベント」・同日確認)。

人気が出るぶん、量の見込みが外れやすい企画です。多めに仕込むか、「なくなり次第終了」と先に告知しておくと、当日慌てずに済みます。衛生面の注意は後半の章にまとめました。

参道や通りで、大道芸と屋台を出す

神社の参道や商店街の通りで、大道芸と屋台をまとめて出す企画です。

東京都江東区の亀戸香取神社の参道にある亀戸勝運商店街では、2026年1月2日の11時〜15時に「新春!かめいど勝運大道芸」を開くと、開催前に報じられています。地元出身の大道芸人を中心に正月限定の演目を披露し、商店街や区内の飲食店が甘酒やホットワイン、サバサンドなどの屋台を出し、午前中は地域の方がおはやしを披露する内容です。入場無料で、出演者は投げ銭で応援する形、雨天中止です(出典:亀戸経済新聞・2026年9月15日確認)。

投げ銭の形にすると、主催側の出演料の負担を抑えやすくなります。通りや参道を使うときは、道路や土地の管理者との調整が先に必要です。

獅子舞の練り歩きと、お年賀の配布

獅子舞に館内や通りを歩いてもらい、会った方にお年賀を配る企画です。獅子舞が動くので、1か所に人だかりをつくらずに館全体を賑やかにできます。

東京都調布市の駅ビル・トリエ京王調布は、2026年の初売りに合わせて、館内を獅子舞が練り歩き、来館者にお年賀を配る企画を予定していると報じられています。1月2日・3日は人力車、1月3日・4日は餅つきのパフォーマンスや昔あそびも用意する内容です(出典:調布経済新聞・2026年9月15日確認)。

獅子舞に頭をかんでもらうと縁起が良いとされていて、年始らしい写真を撮ってもらいやすい出し物です。練り歩くルートと時間を事前に掲示しておくと、その場所で待っていてもらえます。

18例を、時期と準備の大きさで見る

ここまでの18例を、実施する時期と準備の大きさで並べ直しました。自分のお店の人手と、年末にどこまで時間を取れるかを見ながら選んでみてください。

時期道具なし・スタッフだけ少し準備が要る人手と場所が要る
12月(年末に仕込む)年末のくじを年始に使ってもらう年明けの券入り福袋、本の福袋の予約、年越しそばの予約、歳末の下取り歳末の福引
12月31日年越しそばの実演と振る舞い
1月1日〜4日お会計のサイコロ、縁起物のおまけ、書き初めコーナー初詣に合わせた福引、レシートのゲームやビンゴ、福まき餅つきと雑煮、大道芸と屋台、獅子舞とお年賀
1月中旬以降年賀状の番号で割引正月明けの補助券の抽選会

一度にたくさん組むより、年末に仕込む企画を1つと、年始にお店の前で見える企画を1つ組み合わせるのがおすすめです。

海外のお店の年越し・新年の工夫

海外にも、年越しや新年に合わせてお店が人を呼ぶ企画があります。そのまま持ち込むのは難しいものもありますが、仕組みは日本のお店でも使えます。欧米の小さな町やお店の例を4つ紹介し、それぞれ日本で置き換えるときの形を添えました。

海外の企画仕組み日本で置き換えるなら
当たり入りの年始菓子1月限定の菓子に当たりを入れて、予約と話題をつくる1月限定の菓子やパンに当たりの札を入れる
縁起物を配る幸運の象徴の人が通りで縁起物を配る干支の小物や五円玉を配る
お昼のカウントダウン子どもが起きている正午にカウントダウンをする大晦日の昼に店内・館内でカウントダウン
自社商品のカウントダウン自社商品の模型を落として年越しを祝う自社商品を主役にした早い時間の催し

当たり入りの年始菓子で、予約と話題をつくる

フランスやベルギーでは、1月6日の公現祭の頃に「ガレット・デ・ロワ」というパイ菓子を食べ、中に入っている小さな陶器の人形(フェーヴ)が当たった人がその日の王様になる習わしがあります。

ベルギーの地域紙によると、2025年の年明けにはリエージュ州のパン屋が特別な当たりを入れました。ペパンステルのパン屋は「1年分のパン」として4人に52本ずつ、ほかに30人に1本ずつを用意し、ジャレーの店は地元の旅行会社と組んで500ユーロの旅行券を当たりにしています。ガレットは6人分で19〜23ユーロでした(出典:L’Avenir(ベルギーの地域紙・フランス語)・2026年9月15日確認)。アメリカ・ポートランドで5店舗を営むパン屋のSt. Honoré Bakeryは、1月にガレット・デ・ロワを売り、フェーヴのデザインを毎年変えて集める楽しみをつくっています。予約は48時間前までにと案内しています(出典:St. Honoré Bakery・同日確認)。

日本にも近い習わしがあります。金沢では、最中の皮の中に小さなおみくじを包んだ「辻占(つじうら)」という菓子を正月に食べ、1人3つ割って出てきた言葉を合わせて楽しみます(出典:いいじ金沢・2026年9月15日確認)。和菓子店やパン屋なら、1月限定の商品に当たりの札を入れる形で置き換えられます。食べ物の中に物を入れる場合は、小さな子どもの誤飲を防ぐために、食べる前に分かる入れ方と表示にしてください。

縁起物を配って、年末年始の通りに人を呼ぶ

ドイツでは煙突掃除人が幸運の象徴とされていて、年末年始に縁起物を配る催しがあります。日本では煙突掃除人の意味は通じにくいので、借りるのは「縁起物を手渡しする」仕組みです。

ドイツのヴァルトロップ市では、2025年1月11日に市のマーケティング部署の企画で、仕事着の煙突掃除人7人が中心街を歩いて縁起物を配りました。初めての開催です(出典:Waltroper Zeitung(ドイツの地域紙)・2026年9月15日確認)。ボンの週末市場では、2024年12月28日の10時〜15時に煙突掃除人が小さな人形を配り、金色の額縁を使った撮影場所も用意すると、市場の運営団体が案内しています(出典:Bonner Wochenmarkt・同日確認)。シュヴェルテでは、郷土会が2023年12月30日に老舗の飲食店の前で煙突掃除人と音楽の催しを開き、店主が家に伝わるレシピの温かい飲み物を振る舞う予定だと報じられています。この年は大晦日が日曜日だったので、前日の土曜日に前倒しした形です(出典:Ruhr Nachrichten(ドイツの地域紙)・同日確認)。

1店舗と地域の団体が組んで、店の前で温かい飲み物と縁起物を出す形は、日本の商店街でもそのまま使えます。甘酒と干支の小物、額縁ひとつの撮影場所なら、準備もそれほどかかりません。

子どもが起きていられる時間に「お昼のカウントダウン」

真夜中のカウントダウンは、小さな子どもがいる家族には参加しにくい催しです。アメリカでは、大晦日の正午にカウントダウンをする子ども向けの企画があります。

インディアナ州フォートウェインの科学館Science Centralは、2024年の大晦日の正午に「2025」の風船を天井から落とす催しを開き、1,000人を超える方が来場しました。音や人混みが苦手な子どものために、別の部屋で静かなカウントダウンも用意しています(出典:21Alive News(地域テレビ局)・2026年9月15日確認)。ニューヨーク州バッファローの子ども博物館は、正午にシャボン玉を降らせるカウントダウンを2019年から続けています。例年は12時と15時の2回ですが、2023年の大晦日は地元のアメフトチームの試合時間に重ならないよう12時の1回だけにしました(出典:WKBW(地域テレビ局)・同日確認)。

大晦日も営業しているお店や商業施設なら、お昼のカウントダウンは取り入れやすい企画です。地元で人気の中継や行事と時間を重ねないようにする判断も、そのまま参考になります。

自社の商品を主役にした、早い時間のカウントダウン

自社の商品を年越しの主役にして、会社そのものを覚えてもらう催しです。

ノースカロライナ州の漬物メーカーMt. Olive Pickleは、大晦日の17時からキッチンカーと生演奏を始め、19時ちょうどに光るピクルスの模型を瓶の模型の中へ降ろします。当日はピクルスを無料で配り、フードバンク向けの缶詰か寄付を持ってきた方には抽選券を渡しています。1等は、降ろしたものと同じピクルスの模型(照明なし)です(出典:Mt. Olive Pickle・2026年9月15日確認)。

日本でやるなら、お店の看板商品の大きな模型や、年越しそばの大きな器を使って、夕方の早い時間に店先で年越しを祝う形が考えられます。19時のように家族が参加しやすい時間に置いているのも、真似したいところです。

やる前に知っておきたい注意点|景品の上限と餅つきの衛生

正月の企画で特に気をつけたいのは、抽選の景品の金額と、食べ物を振る舞うときの衛生の2つです。どちらも企画を決める前に確かめておくと、あとから景品や段取りを差し替えずに済みます。

景品の上限は、お店単独のくじと商店街の共同の福引で違う

景品の金額の上限は景品表示法で決まっていて、お店が単独で行うくじと、商店街がまとまって行う福引では上限が違います。

企画の形区分景品1つの上限景品の総額
お店単独のくじ・サイコロ(年末くじ、お会計のサイコロなど)一般懸賞取引額5,000円未満は20倍まで、5,000円以上は10万円懸賞に係る売上予定総額の2%
商店街がまとまって行う福引(歳末セールの福引など)共同懸賞取引額にかかわらず30万円懸賞に係る売上予定総額の3%
買った方全員に渡すおまけ(縁起五円玉など)総付景品取引額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引額の10分の2

消費者庁は、共同懸賞の例として「中元・歳末セール等、商店街が実施」するものを挙げています(出典:消費者庁「景品規制の概要」・2026年9月15日確認)。同じ福引でも、1軒のお店が自分で開けば一般懸賞の上限になるので、商店街の福引と同じ感覚で景品を決めないように気をつけてください。区分の考え方は集客イベントのアイデア15選の景品表示法の章にもまとめています。判断に迷うときは、消費者庁のページで確認してから景品を決めるのが安全です。

餅つきは、ノロウイルス対策を先に決める

餅つきは素手で扱う工程が多く、食中毒が起きやすい催しです。東京都は、参加者340名のうち136名が発症した餅つき会の事例を紹介しています。全工程が素手で行われ、作業前やトイレのあとの手洗いが徹底されていませんでした。対策として、杵でつく餅とは別に、その場で食べる餅は市販のものか、もちつき機でついたものを用意するよう勧めています(出典:東京都保健医療局「餅つき会でのノロウイルス食中毒」・2026年9月15日確認)。

千葉市保健所は、さらに次の点を挙げています(出典:千葉市保健所「餅つき大会ではノロウイルスによる食中毒に要注意」・同日確認)。

  • 餅には直接触れず、手を洗ったあと清潔な使い捨て手袋を使う
  • 本人や家族が体調を崩している人は、食品に触れる作業をしない
  • ノロウイルスは中心温度85〜90℃で90秒以上の加熱で死滅する
  • 臼や杵は熱湯か次亜塩素酸ナトリウムで消毒する(アルコールはほぼ効かない)

屋外で雑煮やお汁粉を出す場合も含めて、食べ物を振る舞う企画は、会場のある地域の保健所に早めに相談しておくと安心です。

装飾と、商業施設のルール

正月の企画は、会場の飾り付けとセットで考えると賑わいが外から見えやすくなります。飾り始めの時期やクリスマスからの掛け替えは店舗のお正月装飾はいつから?に、商業施設の中で企画を開くときの搬入時間や避難通路の決まりは商業施設のイベント企画にまとめました。

お正月の集客企画は、いつから準備する?

年末に仕込む企画を入れるなら、準備は11月には始めておきたいところです。福袋や年越しそばの予約は、紹介した例でも11月下旬〜12月上旬に受付を始めています。

時期やることこの記事の例
10月〜11月前半企画を決める。景品の区分(単独か共同か)を確かめる。餅つきや振る舞いは保健所に相談する商店街の福引は参加店と共同で決める
11月後半〜12月前半福袋・年越しそばなど、年末に受け取る商品の予約を始めるピーターパンの福袋予約は11月24日〜12月7日、紀伊國屋書店武蔵小杉店は12月8日〜25日
12月中旬くじ・補助券・案内チラシを用意し、店頭で年始の予定を告知する手打そば きくちの予約締切は12月21日、マルイのくじ配布は12月20日〜26日
12月下旬正月の飾り付け。年内最後の営業日に歳末の福引よこすかポートマーケットの福引は12月29日〜31日
1月1日〜4日初売り。書き初め、福引、レシートのゲーム、餅つきBONUS TRACK、トキハわさだタウン、谷中ぎんざ
1月5日〜中旬ビンゴや年末くじの引き換え期限マルイのクーポンは1月12日まで
1月中旬〜2月人出が落ち着く時期の抽選会や割引仲小路の抽選会は1月24日〜26日、年賀状割は1月20日〜2月28日

告知の方法ごとの締切や費用の目安は、イベントの告知方法10選にまとめています。

AGSでお手伝いできること

AGSは、イベントの企画から会場づくり、装飾、当日の運営までをまとめて請けている会社です。2006年から、商業施設の催事や店舗の季節装飾を手がけてきました。正月の関係では、天神地下街の迎春イベント装飾を担当しました。

「商店街の福引の会場をつくりたい」「初売りに合わせて店先を正月らしくしたい」といった、企画がまだ固まっていない段階からのご相談も歓迎です。同じ時期のクリスマスイベントで集客する方法や、秋のハロウィンの販促企画も実例つきでまとめています。拠点は福岡・博多ですが、現場は全国に伺います。見積りは無料です。

よくある質問

Q. 1店舗だけでも、お正月の集客企画はできますか?

できます。お会計のときに振るサイコロ、縁起物のおまけ、書き初めコーナーは、道具をほとんど使わずに始められます。年末に余裕があれば、福袋や予約商品に年明けから使える券を入れておくと、年始の来店につなげやすくなります。

Q. 商店街で福引をするとき、景品はいくらまで出せますか?

商店街がまとまって行う福引は「共同懸賞」にあたり、景品1つの上限は30万円、景品の総額は懸賞に係る売上予定総額の3%までです。1軒のお店が単独で開くくじは「一般懸賞」で、上限が低くなります(2026年9月15日時点の消費者庁の説明)。

Q. 餅つきをやりたいのですが、衛生面が心配です。

杵でつく餅は見せる・体験する用にして、その場で食べる餅は市販のものか、もちつき機でついたものを用意する方法を東京都が勧めています。使い捨て手袋、臼と杵の熱湯消毒もあわせて準備し、開催前に保健所へ相談しておくと安心です。

Q. 年末年始の企画の会場づくりや装飾だけを頼めますか?

頼めます。企画はお店や商店街で決めて、福引の会場、店先や通りの正月装飾、当日のスタッフだけを部分的にお任せいただくこともできます。年内に仕上げたい装飾は、決めることが多いので早めにご相談ください。

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