売上の落ち着く月が見えてきて、会議で「何かイベントでもやる?」という話になる。ただ、いざ考え始めると、抽選会がいいのかワークショップがいいのか、そもそも何をすれば人が来るのか、判断の物差しがない——毎年この時期に、同じ会話をしていないでしょうか。
集客イベントは、企画の中身から選ぶと迷子になります。先に決めるのは「誰を、どこから呼ぶか」。前を通る人を止めたいのか、遠くからわざわざ来てほしいのか、常連にもっと深く来てほしいのか。この3タイプのどれかを決めると、合う企画はかなり絞れます。
この記事では、タイプ別のアイデア一覧、選び方、季節催事の時期の逆算、そして抽選会をやるなら知っておきたい景品表示法の上限までをまとめました。商業施設の催事や店舗の装飾・設営をつくっている会社の目線で書いています。
集客イベントのアイデア一覧【呼びたい客の3タイプ別】
企画は「呼びたい客がいまどこにいるか」で選びます。3タイプに分けて、現場でよく組まれる企画を一覧にしました。
| タイプ | 狙い | 企画の例 |
|---|---|---|
| 通行客を止める | 店・施設の前を通る人の足を止め、初めての入店につなげる | フォトスポット、季節の大型装飾、店頭での実演・試食、キッチンカー、大道芸・ミニステージ |
| わざわざ来てもらう | 告知を見た人に、その日を目がけて来てもらう | ワークショップ(ものづくり・体験教室)、限定販売・先行販売、抽選会・ガラポン、キャラクターショー、マルシェ・合同出店 |
| 常連に深く来てもらう | 既存のお客さんの来店頻度・単価・愛着を上げる | 感謝祭、会員限定セール・限定イベント、新商品のお披露目会、スタンプカード連動企画 |
3タイプは狙いが違うので、成果の測り方も違います。通行客型は入店数、わざわざ型は予約数と当日の来場数、常連型はリピートです。「なんとなく賑やかし」で始めると効果が測れず、翌年に続かなくなります。
行きつけのラーメン屋が限定メニューを出すと、つい予定を作って行ってしまいますよね。集客イベントの正体はあれです。「今日行く理由」を店の側からつくってあげる仕掛け、と考えると企画は選びやすくなります。

小さい予算なら「店頭のしつらえ」から始める
大がかりな催事を組まなくても、店頭・入口まわりの仕掛けだけで人の動きは変わります。低予算で始めるなら、この順番で検討してみてください。
フォトスポット。 季節の装飾と写真の撮れる背景を店頭に置く企画です。設置しておけば会期中ずっと働き続けるので、1日限りのステージより費用対効果が読みやすい。撮った写真がSNSに上がれば、告知も兼ねます。
実演・体験の見える化。 商品づくりの実演、ラッピングの実演、ミニ体験コーナー。人が何かをしている様子は、それ自体が足を止めさせます。
のぼり・装飾の一新。 イベントと呼べる規模でなくても、「何かやっている感」は装飾で出せます。季節装飾の考え方はイベント会場の装飾と店舗のハロウィン装飾で書きました。
ワークショップを開くなら、参加者の手が動く企画を選んでください。見学だけの教室より、持ち帰れるものを作る会の方が、申し込みも当日の満足も伸びやすい。この「見るより、する」の原理は面白いイベント企画のアイデアで詳しく書いています。

季節イベントは、開催日からの逆算で決まる
ハロウィン・クリスマス・迎春・バレンタイン。季節の催事は集客イベントの王道ですが、思い立った時にはもう遅い、が起きやすい領域です。
キャンプの撤収は、暗くなる前に終わらせる。そこから逆算して夕飯の時間が決まります。季節催事も同じで、店頭に出したい日から逆算して、デザイン・制作・設営の締切が決まる。
目安として、装飾や造作を新しく作る催事は2〜3か月前、既製品の飾り付け中心でも1か月前には動き始めたいところです。ハロウィンなら夏のうちに、クリスマスなら10月には相談が始まっています。時期ごとの詳しい段取りはハロウィン・クリスマス・夏祭りの各記事にまとめました。
年間の販促計画に季節イベントを組み込むときは、上のカレンダーに自店の予定を書き込んで、逆算の起点にしてください。
抽選会・プレゼント企画は「景品表示法の上限」を先に確認
抽選会は集客イベントの定番ですが、景品の金額には法律の上限があります。企画を立てる前に確認しておくと、あとで景品を差し替える手戻りがなくなります。
消費者庁の説明によると、商品・サービスの利用者に対しくじ等の偶然性で景品類を提供する「一般懸賞」では、景品類の最高額は取引価額5,000円未満なら取引価額の20倍まで、5,000円以上なら10万円まで。さらに景品類の総額は、懸賞に係る売上予定総額の2%までとされています。
商店街や複数の事業者が共同で行う「共同懸賞」では、最高額は取引価額にかかわらず30万円、総額は売上予定総額の3%までです(出典:消費者庁「景品規制の概要」・2026年8月29日確認)。
なお、抽選ではなく来店者全員や購入者全員に配る場合は「総付景品」という別の区分の上限が適用されます。全員配布の企画を立てるときは、同じ消費者庁のページで上限を確認してください。
景品やノベルティそのものの選び方は販促ツールの種類と選び方に書きました。もらって帰った後も使われるものを選ぶと、景品が広告として働き続けます。
集客イベントで見落とされやすい3つの段取り
企画が決まった後の話を3つだけ。イベント慣れしていない主催者がつまずくのは、だいたいこの3点です。
告知の期間。 イベントは開くだけでは知られません。「わざわざ来てもらう」型は特に、告知に2〜4週間は見てください。チャネルの選び方と時期はイベントの集客方法にまとめています。
当日の人手。 受付・整理・呼び込み・実演と、企画の数だけ持ち場が生まれます。店のスタッフだけで回らない規模なら、イベントスタッフ派遣という手があります。
施設・会場のルール。 商業施設の共用部を使う催事は、施設側の使用規定(火気・音・通路幅・搬入時間)の確認が先です。共用部や屋外での装飾の決まりごとはイベント会場の装飾で書いたとおり、防炎や原状回復まで含めて確認しておくと安心です。
AGSの集客イベント・催事づくり
AGSはイベントの企画から装飾、造作の制作・設営・撤去、スタッフの手配までを一括で請けている会社です。
商業施設の催事では、百貨店のバレンタイン催事会場・カフェの施工、全国有名駅弁とうまいもん大会のイベント会場施工、天神地下街の迎春イベント装飾や40周年イベントの3Dトリックアート施工などを手がけてきました。実例は制作実績でご覧ください。
「集客したいが、何をやればいいか決まっていない」段階からの相談で構いません。拠点は福岡・博多、現場は全国。見積りは無料です。
よくある質問
Q. 一番費用対効果が高い集客イベントはどれですか?
店や施設の条件で変わるため、一概には言えません。ただ、人通りのある立地ならフォトスポットや店頭装飾のような「置いておくだけで会期中働く」企画から始めるのが、費用の読みやすい選択です。人通りが少ない立地なら、告知とセットの「わざわざ来てもらう」型に振る方が向いています。
Q. イベントをやっても、その日だけで終わってしまいます。
当日に「次に来る理由」を渡せているかを見直してみてください。次回イベントの予告、スタンプカード、会員登録、SNSのフォロー。集客イベントのゴールを当日の人数ではなく「再来店のきっかけの数」に置き換えると、企画の中身も変わってきます。
Q. 商店街や施設全体での共同イベントでも頼めますか?
できます。複数の店舗・区画にまたがる装飾や、共同の抽選会・スタンプラリーの制作物、設営・撤去まで対応可能です。共同懸賞は景品の上限が単独の場合と違うので、その確認からご一緒します。
Q. 何か月前に相談すればいいですか?
装飾や造作を新しく作るなら2〜3か月前が目安です。既製品中心の小規模な企画なら1か月前でも組めることがありますが、ハロウィンやクリスマスなど依頼が集中する時期は資材と人手が埋まりやすいので、早いに越したことはありません。
集客イベントは、打ち上げ花火ではなく畑仕事に近いものです。1回で客層が変わることはまずなく、季節ごとに繰り返すうちに「あの店は何かやっている」が定着していきます。
まずは3タイプから1つ、店頭の小さな仕掛けから始めてみてください。
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