LEDビジョンを頼める会社は大きく6種類あり、どこに頼むかは「イベントで数日だけ借りるのか、店舗や建物に据え付けて使い続けるのか」でまず絞れます。
イベントで借りるなら、機材と一緒に当日の人(設営・映像の送出・撤去)を出してくれる会社が向いています。据え付けるなら、取り付け工事と許可の手続き、その後の保守まで持ってくれる会社が向いています。同じ「LEDビジョンの会社」でも、得意なのがこのどちらなのかで守備範囲がかなり違うんです。
たとえば建物の外に高さ4mを超える広告塔や広告板を立てる場合は、建築基準法で工作物の確認申請の対象になります(出典:建築基準法施行令 第138条(e-Gov法令検索)・2026年9月18日確認)。数日のイベントで借りるときには出てくることの少ない手続きなので、常設の相談を機材レンタルが中心の会社に持ち込むと、この部分は別の会社を探すことになりやすいです。
この記事では、6種類の会社をそれぞれ「向いている場面・気をつけたいこと・費用の差が出る理由」で比べたうえで、レンタルと常設での頼み先の違い、常設で必要になる手続き、見積りで確かめる8項目、最初に渡すと話が速い情報をまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社で、グループにLEDビジョンの販売・レンタル事業を持つ立場から書いています。
LEDビジョンを頼める会社は6種類。得意なことが違います
LEDビジョンを頼める会社は、レンタル会社、映像・音響・照明の技術会社、イベント会社、メーカー・輸入販売元、販売・施工会社、看板・サイン会社の6種類に分けると整理しやすくなります。前の3つはイベントでのレンタル、後ろの3つは常設での購入に強い傾向があります。
| 会社の種類 | 主な守備範囲 | 向いている場面 | 費用の差が出る理由 |
|---|---|---|---|
| LEDビジョンのレンタル会社 | 機材の貸し出し、搬入・設営・映像の送出・撤去 | 展示会・式典・コンサートなど数日のイベント | 保有している機材の種類、倉庫から会場までの距離、オペレーターの有無 |
| 映像・音響・照明の技術会社 | LEDビジョンを音響・照明・カメラ中継と一体で運用 | コンサート、大規模な式典、配信を伴うイベント | 技術スタッフの人数とリハーサルの日数 |
| イベント会社(企画・制作・施工) | ステージ・ブース・装飾と合わせて設計し、機材は自社・グループ・外部から手配 | ステージ背面や展示会ブースなど、造作と一緒に組みたいとき | 機材を自社やグループで持っているか、外部から手配して管理費が乗るか |
| メーカー・輸入販売元 | 製品の開発・製造、または海外製品の輸入と販売 | 大きな面積の常設、複数拠点への導入 | 国内製造か輸入か、保証の年数と部品の供給体制 |
| 販売・施工会社(サイネージの販売代理店) | 機種の提案、据え付け工事、映像の配信の仕組み、保守 | 店舗・施設の店内や窓際への常設 | 取り付け工事の中身、保守の範囲、配信サービスの月額の有無 |
| 看板・サイン会社 | 屋外看板としての設計、支柱や壁面の工事、許可申請 | 建物の壁面や自立看板として屋外に常設 | 基礎・支柱の工事、高所作業車、申請の代行費 |
実際には、レンタルと販売の両方をやっている会社や、看板会社がLEDビジョンの保守まで受ける会社など、種類をまたぐ会社が多いです。それでも「この会社の軸足はどこか」を見ておくと、頼んだ後で「そこはうちではやっていません」と言われる場面が減ります。
LEDビジョンのレンタル会社
機材を自社で持っていて、搬入から組み上げ、本番中の映像の送出、撤去までを1日単位で受けるのがこの種類です。展示会や式典で「この日だけ大きな画面が欲しい」というときは、まずここが候補になります。
気をつけたいのは、守備範囲が機材まわりに寄っていることです。ステージの土台やブースの壁との取り合い、会場への申請は、主催者か別の会社との分担になることが多いので、誰がどこまでやるかを見積りの段階で確かめておくと安心できます。
費用の差は、持っている機材の種類と、倉庫から会場までの距離で出やすくなります。自社にない細かいピッチ(LEDの粒の間隔)の機材を他社から借りて出す場合もあり、そのときは高めになりやすいです。
映像・音響・照明の技術会社
コンサートや大きな式典で、LEDビジョンを音響・照明・カメラ中継と一緒に動かすのが得意な会社です。ステージの人をカメラで撮ってビジョンに大きく映す、配信と同時に会場にも流す、といった使い方で力を発揮します。
画面を1面だけ置く小さな案件だと、体制が大きいぶん割高に感じることがあります。逆に、映像・音・光のきっかけをそろえたい本番では、1社で持ってもらう価値があります。
費用は技術スタッフの人数と、リハーサルに何日取るかで動きます。
イベント会社(企画・制作・施工)
ステージや展示会ブース、会場の装飾を設計・施工する会社で、LEDビジョンは「ステージの背面」「ブースの壁面」のように造作の一部として組み込みます。機材は自社やグループで持っている会社もあれば、レンタル会社から手配する会社もあります。
向いているのは、ビジョンを置く台やトラス、周りの壁とまとめて考えたいときです。画面の大きさとステージの寸法、ブースの高さ制限を一度に決められるので、別々に頼んだときに起きがちな「画面が壁に収まらない」という食い違いが起きにくくなります。
気をつけたいのは、機材を外部から手配している場合に、電源容量や重量、解像度といった技術的な質問にその会社がどこまで答えられるかです。打ち合わせの早い段階で1つ聞いてみると、答え方で分かります。イベントにかかわる会社全体の種類(広告代理店・企画会社・制作施工会社・スタッフ派遣会社)の違いはイベント会社の種類の記事にまとめています。
メーカー・輸入販売元
LEDパネルを開発・製造している会社や、海外製品を輸入して販売している会社です。大きな面積を常設する、複数の店舗に同じ仕様で入れる、といった規模の大きい導入で直接やり取りすることがあります。
設置工事や許可の申請は、施工会社と組んで進める形が一般的です。小さな案件では販売店や施工会社を紹介されることもあるので、最初から施工まで含めて相談したいなら、次の販売・施工会社のほうが話が早い場合があります。
費用の差は、国内製造か輸入か、保証の年数、故障したときの部品がどれくらいの期間手に入るかで出ます。
販売・施工会社(サイネージの販売代理店)
複数のメーカーの製品から用途に合うものを選んで提案し、据え付け工事と保守まで受ける会社です。店舗の窓際や施設のロビーのように、屋内に常設するケースで一番相談しやすい種類だと思います。
扱っているメーカーが限られている会社もあるので、提案が1つの製品だけだったら「ほかの選択肢はありますか」と聞いてみてください。保守を自社でやるのか、外部に任せているのかも確かめておくと、故障したときに誰が来るかが分かります。
費用の差は、取り付け工事の中身と保守の範囲、それから映像を遠隔で差し替える配信サービスを使うかどうかで出ます。配信サービスは月額がかかる形が多いので、見積りの合計だけでなく年間の費用で比べると違いが見えます。店頭で液晶のサイネージと迷っている場合は、LEDサイネージと液晶の違いの記事が参考になります。
看板・サイン会社
建物の壁面や自立の看板としてLEDビジョンを屋外に常設するときに、構造と許可に強いのがこの種類です。支柱や壁面の下地の工事、高所の作業、屋外広告物の許可申請を、看板の仕事としてふだんから扱っています。
LEDの本体はメーカーや販売会社から仕入れて据え付ける形が多いので、映像の送出の仕組みと、画面が故障したときの保守を誰が持つかは確かめておきたいところです。
費用は基礎と支柱の工事、高所作業車の有無、申請の代行費で大きく変わります。屋外に置くときの明るさ・防水・風の考え方は、LEDビジョンの屋外設置の記事にまとめました。
イベントのレンタルか常設かで、頼み先はこう変わります
イベントで借りるなら、当日の設営と本番の運用まで出してくれるレンタル会社・技術会社・イベント会社が向いています。常設するなら、工事と手続き、据え付けた後の保守を持ってくれる販売・施工会社・看板会社・メーカーが向いています。
| イベントでのレンタル | 店舗・建物への常設 | |
|---|---|---|
| 向く頼み先 | レンタル会社、映像技術会社、イベント会社 | 販売・施工会社、看板・サイン会社、メーカー |
| 頼み先を比べるときに見ること | 設営・撤去の人数と時間、オペレーターの有無、予備の機材 | 取り付け工事と許可申請の範囲、保守の内容と駆けつけの体制 |
| 費用のかかり方 | 使うたびに機材費と運搬・設営費 | 最初に本体と工事、その後は保守費 |
| 詳しい記事 | LEDビジョンとは?の記事 | LEDビジョンの屋外設置の記事 |
分かれ目になるのは、使う頻度と期間です。年に数回のイベントならレンタル、毎日使うなら購入が基本線になります。金額の目安はLEDビジョンの価格の記事に、レンタルと購入それぞれの㎡単価でまとめています。
野球でいうと、レンタルは1試合の継投、常設は長いシーズンの選手層に近い話です。1試合なら当日の采配がうまい会社、長いシーズンなら故障したときにすぐ代わりを出せる会社を選ぶ、という違いになります。
どちらか迷っているときは、下の判定チャートに使う頻度や運用する人を書き込んでみてください。寄っている側が分かれば、相談先の種類も決まります。

常設では、工事と手続きを誰が持つかを先に決めます
常設するときは、本体を選ぶ前に「取り付けの工事と、役所への手続きを誰がやるか」を決めておくと話がこじれません。機材の会社と工事の会社が別になることが多く、手続きの担当が宙に浮きやすいからです。
屋外に常設する場合、まず確かめたいのは屋外広告物条例になります。常時または一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものは屋外広告物にあたり、都道府県・指定都市・中核市などが条例で許可制などの規制を定めています(出典:国土交通省「屋外広告物制度の概要」・2026年9月18日確認)。表示できる大きさや場所の基準は地域で違うので、設置場所の自治体に確かめるところから始まります。
高さも確認が要ります。冒頭でふれたとおり、高さが4mを超える広告塔・広告板は建築基準法で工作物の確認申請の対象になっていて、確認を受けてから工事に入る流れです(出典:建築基準法施行令 第138条第1項第3号(e-Gov法令検索)・2026年9月18日確認)。自立の支柱で高く掲げる計画なら、看板・サイン会社のように工作物の申請に慣れた会社がいると進めやすくなります。
電気の工事は、屋内外を問わず資格が要ります。建物の配線からLEDビジョンまで電気を引く作業は、原則として電気工事士の免状を持つ人でなければ従事できない決まりです(出典:電気工事士法 第3条(e-Gov法令検索)・2026年9月18日確認)。販売会社の見積りに電気工事が入っていないときは、誰が施工するのかを聞いてください。
これらの手続きは、ラーメンでいうとスープのようなものです。麺やチャーシューのように目に見えるのは画面ですが、あとから費用と手間が膨らみやすいのは見えない工事と申請の側なので、見積りでもそこが入っているかを最初に確かめておくと、金額が動きにくくなります。
見積りで確かめる8項目
複数の会社から見積りを取ったら、合計金額を比べる前に、次の8項目が「入っているか、別途か、誰がやるか」を1社ずつ見てください。LEDビジョンの見積りは会社ごとに書式が違うので、合計だけを並べても安い理由が読めないんです。
| 項目 | 見ること | 主に効くのは |
|---|---|---|
| 機材費の単位 | ㎡あたりか台あたりか。1日の料金か1イベントの料金か。何日まで同じ料金か | レンタル |
| 運搬 | 倉庫から会場までの往復、車両の台数、遠方の会場のときの出張費・宿泊費 | レンタル |
| 設営・撤去 | 作業の人数と時間、前日設営や深夜の撤去の割増が入っているか | レンタル |
| 設置の部材と工事 | トラス・架台・吊り具・ウエイト、常設なら壁面や支柱の工事と許可申請の代行 | 両方 |
| 電源 | 会場や建物の電源で足りるか。足りないときの発電機や電気工事が入っているか | 両方 |
| 映像の送出機材とオペレーター | 映像を送るコントローラーやパソコン、本番中に映像を切り替える人が付くか | レンタル |
| 映像の調整と試写 | 画面の解像度に合わせた映像の調整、事前の試写の時間が入っているか | 両方 |
| 故障のときの対応と保守 | レンタルなら当日の予備パネル、常設なら保証の期間・駆けつけの目安・保守の費用 | 両方 |
レンタルの見積りで差が出やすいのは、機材費の単位と、設営・撤去の人数です。1日の料金で出す会社と1イベント(数日)の料金で出す会社があるので、2日以上使うときは同じ日数で計算し直して比べてください。
常設の見積りで一番差が出やすいのは、保守の中身です。本体価格が安くても、故障したときに部品が届くまで何週間もかかるなら、画面が消えている期間のほうが高くつくことがあります。保証の年数と、「連絡してから何日で来てもらえるか」を聞いておくと比べやすくなります。
映像の用意そのものは、LEDビジョンに流す映像の作り方の記事に、解像度の確かめ方と入稿の流れをまとめています。
最初に渡すと話が速い情報
見積りを頼むときに最初に伝えたいのは、いつ・どこで使うか、見る人との距離、屋内か屋外か、流したい映像、予算の幅の5つです。この5つがそろうと、どの種類の会社でも最初の打ち合わせから具体的な機材と金額の話ができます。
いつ・どこでは、イベントなら日程と会場名、常設なら設置したい場所です。会場の図面や、設置場所の写真(全体と、電源の位置が分かるもの)があると、設置方法と電源の見当がその場で付きます。搬入経路の幅と高さも、分かれば添えてください。
見る人との距離は、画面の大きさとピッチを決める一番の材料になります。「なるべくきれいに」より「一番遠い人で15mくらい」のほうが、過剰でない仕様に落ち着きます。距離から大きさとピッチを決める手順は大型LEDビジョンのサイズの選び方の記事に書きました。
屋内か屋外かで、使うパネルの種類(防水の有無や明るさ)が分かれます。軒下やガラス越しのように中間の場所なら、その様子が分かる写真を添えてもらえると機種を絞りやすくなります。
流したい映像は、手元にある動画やスライドで構いません。画面の縦横比が16:9にならない組み方もあるので、素材の形を先に伝えておくと、調整や新しく作る映像の費用まで含めた見積りになります。予算の幅は、上限でなくても「この幅で考えている」が言えると、画面の大きさを変えた案を並べて出してもらえます。
展示会ブースの中にLEDビジョンを組み込む場合は、ブース全体の頼み先の話になります。そちらは展示会ブースの頼み先の記事で、会社の種類と見積りの項目を分けて書いています。
AGSとグループのアディザネージでお手伝いできること
AGSは、この分類でいうとイベント会社(企画・制作・施工)にあたり、ステージや展示会ブース、会場の装飾とLEDビジョンを一緒に設計・施工しています。グループのアディザネージは、LEDビジョンの販売・レンタル・施工と保守・映像制作を事業にしています。
アディザネージが公表している内容では、販売はピッチ1.2mmから16mmまでの屋内外の機材を扱い、レンタルは1日から長期まで、搬入・設営・オペレーションまでを一括で受けて全国に出張しています。施工は構造設計から夜間施工まで、設置後のメンテナンスは自社のチームで行う体制です(出典:アディザネージ「サービス」・2026年9月18日確認)。レンタル・購入それぞれの料金の目安は、アディザネージの料金ガイドで公開されています。
LEDビジョンを使った実例としては、ものづくりワールド東京2025の超大型LEDビジョンブース、レンタルで導入したメンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025のブース、LEDサイネージと映像制作をまとめてお受けした日本整形外科学会学術総会のブース、トラスで高さを出した専門学校の制作展の透明LEDビジョンなどがあります。使い方ごとの実例はLEDビジョンの導入事例の記事にまとめました。
会場や設置場所と、見る人との距離が分かれば、上の8項目を分けた形で概算をお出しします。見積りは無料で、拠点は福岡、現場は全国という体制です。ステージや映像演出と合わせたご相談はステージ設営・映像演出のサービスページからどうぞ。
よくある質問
Q. 1日だけのイベントでもLEDビジョンは借りられますか?
借りられます。レンタル会社やイベント会社の多くは1日単位で受けていて、グループのアディザネージも1日からのレンタルに対応しています。ただし前日設営が必要な会場もあるので、機材費が「使う日」だけなのか「設営日を含む」のかは見積りで確かめてください。
Q. まずレンタルで使ってみて、あとから購入に切り替えられますか?
できます。レンタルと販売の両方を扱う会社なら、イベントで使った機種の見え方を確かめてから常設の検討に進めるので、話がつながりやすいです。レンタルで使ったときの見る人との距離や明るさの感想をメモしておくと、購入の仕様を決めるときに役立ちます。
Q. 見積りは何社から取ればいいですか?
2〜3社が目安です。同じ種類の会社を並べるより、たとえば「レンタル会社」と「イベント会社」のように種類を変えて取ると、自分の案件でどこに費用がかかっているかが見えやすくなります。比べるときは合計の前に、上の8項目を1社ずつ確かめてください。
Q. 遠方の会場でも頼めますか?
頼めます。全国の会場に出張している会社は多く、その場合は運搬費と出張費・宿泊費が見積りに乗ります。会場の近くの会社と、打ち合わせのしやすい地元の会社のどちらが楽かは、打ち合わせの回数と運搬の距離で比べると決めやすくなります。
LEDビジョンの頼み先は、まずイベントで借りるのか常設するのかで種類を絞り、次に見積りの8項目で「何が入っているか」を比べる、という順番で決めると迷いにくくなります。
最初の一歩としては、使う場所の写真か図面を1枚用意して、一番遠い人がどれくらい離れているかを測ってみてください。その2つがあれば、どの会社に相談しても話が具体的に進みます。
Related
関連記事
Contact
まずはお気軽に
ご相談ください
お見積り・ご相談は無料です。「こんなことできる?」からで構いません。