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店舗の内装工事の流れと期間|物件の契約前に確かめたい3つのこと

B_0182 更新 2026.09.21 店舗・オフィス内外装
店舗の内装工事の流れと期間|物件の契約前に確かめたい3つのこと

店舗の内装工事は、物件の確認、設計、見積りと契約、施工、検査と引き渡しの順に進みます。期間は規模や工事の内容で変わりますが、小規模な店舗なら、設計を始めてからオープンまで2〜4ヶ月ほどがひとつの目安になります。

この5つの工程のうち、あとから一番変えにくいのは最初の「物件の確認」です。

電気やガスの容量、排気の経路、ビルの工事ルールは、契約したあとでは施主にも施工会社にも動かせないことが多く、工事の内容と金額の大枠がここで固まってきます。たとえば飲食店で、契約後に排気ダクトの経路が取れないと分かると、厨房の計画から見直すことになります。

なので、内装工事の流れは「工事の契約」からではなく「物件の契約の前」から始まると考えておくと、段取りが組みやすくなります。

この記事では、工程ごとに施主が何を決めるのかと期間の目安、物件の契約前に確かめたい3つのこと、保健所と消防への手続き、工期が延びやすい4つの場面をまとめました。店舗やオフィスの内装を施工している会社の立場で書いています。

店舗の内装工事はどう進む?全体の流れと期間の目安

全体は5つの工程に分けられます。業種が違っても、この順番はほとんど変わりません。

工程施主が決めること・やること期間の目安
1. 物件の確認内見、設備と工事条件の確認(契約の前)物件探しと並行
2. 設計・デザインコンセプト、レイアウト、仕上げを決める2週間〜1ヶ月程度
3. 見積り・契約工事の範囲と金額、支払いの時期を確定する1〜2週間程度
4. 施工解体・造作・設備・仕上げ。途中の確認に立ち会う2週間〜1ヶ月半程度
5. 検査・引き渡し施主検査、手直し、引き渡し数日〜1週間程度

表の期間は、小規模な店舗を想定したおおまかな目安です。公的な統計がある数字ではなく、規模や工事の内容、ビルの条件によって前後するので、実際の工期は施工会社の工程表で確かめてください。後半で触れますが、資材の入荷のように現場の外の事情で延びることもあります。

中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21の起業マニュアルでも、店舗の内装工事は「構想、基本計画、設計、見積もり、契約・発注、施工、引渡し、オープン」の順で説明されています(出典:J-Net21「店舗内装工事とは」・2026年9月21日確認)。

上の表は、これに契約前の物件確認を足して、施主の作業ごとにまとめ直したものです。

もうひとつ、引き渡しの日にそのままオープンできるわけではないことも知っておいてください。厨房機器や什器の搬入、備品の準備、スタッフのトレーニングがそのあとに続きます。オープン日は引き渡しの直後に置かず、数日から1週間ほど空けておくと、工事が少し延びたときにも調整がききます。

物件の契約前に確かめたい3つのこと

工事の相談は物件を契約してから、という順番で考える方が多いのですが、実際には契約前の確認のほうが内装費に効きます。確かめたいのは次の3つです。

居抜きかスケルトンか

前のお店の内装や設備が残っている居抜きは、使えるものが多いほど初期費用を抑えやすくなります。ただ、設備の状態によっては撤去や入れ替えが必要になり、スケルトン(内装が何もない状態)から作るより高くつくこともあります。

契約の前に、不動産会社か前の借主に「何が残って、何が撤去されるのか」の一覧をもらってください。譲り受ける設備の年式や修理の履歴まで分かると、見積りの精度が上がります。

両者の違いと見極め方はスケルトン物件の内装工事の記事に詳しく書きました。

電気・ガス・給排水・排気の容量と経路

電気の契約容量、ガスの種類と容量、給排水の位置と管の太さは、物件ごとに決まっていて、借りる側の都合では増やしにくい部分です。

とくに飲食店は、排気ダクトを屋外まで通す経路が取れるかどうかで、出せるメニューまで変わってきます。焼き物や揚げ物のように煙や油の出る調理は、排気が取れないと計画そのものを見直すことになります。

設備の図面は貸主やビルの管理会社が持っていることが多いので、内見のときに不動産会社を通して見せてもらえるか聞いてみてください。

建物の工事ルールと看板の条件

工事ができる時間帯、資材の搬入経路、看板を出せる位置と大きさは、ビルやテナント区画ごとに規定があります。商業施設では、どの工事を誰が発注して誰が費用を持つかを決めた「工事区分表」が用意されているのが一般的です。

こうした書類は、契約の前に取り寄せておくと工期と費用の見通しが立てやすくなります。工事区分の仕組みはテナント内装工事のA・B・C工事の記事で説明しています。

この3つは、図面や募集資料を読むだけでは判断がつきにくいので、候補が2〜3件に絞れた段階で、内装の施工会社に内見へ同行してもらうのがおすすめです。

契約のあとに電気が足りないと分かっても、取れる対策は限られてしまいます。

店舗の内装について図面を挟んで打ち合わせをする様子

設計・見積りで決めること

設計は、コンセプト(どんな方に来ていただきたい店か)、レイアウト(客席・動線・厨房やバックヤードの配分)、仕上げ(床・壁・天井の素材、照明、什器)の順に固めていきます。

素材や色から決めたくなる気持ちは、よく分かります。いちばん楽しいところですから。ただ、レイアウトが動くと仕上げの検討もやり直しになるので、先にレイアウトを固めてから素材と色を選ぶ順番をおすすめしています。

見積りは「一式」の中身を比べる

見積りを比べるときは、合計金額より先に「一式」と書かれた項目の中身を見てください。

同じ「内装工事一式」でも、照明器具や什器、看板が含まれているかどうかは会社によって違います。書式が会社ごとにばらばらなので、合計だけを並べても比べにくいんです。

各社に「この見積りに含まれていないもの」を一覧にしてもらうと、前提がそろいます。あとから出てくる追加費用は、この一覧に載っている項目から発生することが多いです。

契約のときに支払いの時期も確かめる

工事代金は、完成後にまとめて支払うとは限りません。J-Net21では、着工時・中間時・竣工時に3分の1ずつ支払う例が紹介されています(出典は前掲のページ)。

支払いの時期は会社ごとに違うので、契約の前に確認して、融資の実行日や自己資金の予定と合わせておくと安心です。

看板は内装と一緒に考える

外から見える看板は、お店を見つけてもらうための大事な要素です。内装と看板を別々の会社に頼むとデザインのトーンがずれやすいので、看板のデザイン・製作・施工までまとめて相談できる会社だと調整が楽になります。

看板にはどんな種類があって、どう進むのかは看板の種類と選び方にまとめました。

内装工事と並行して進める保健所・消防の手続き

業種によっては、工事の前に確認しておきたい行政の許可や届出があります。許可の条件がレイアウトと結びついているので、設計の段階で窓口に図面を見てもらうと、完成後の手直しを減らせます。

飲食店は保健所の営業許可

食品衛生法に基づく営業許可は、店舗の所在地を管轄する保健所の窓口か、オンラインで申請します(出典:福岡市「食品関係の営業許可・営業届出について」・2026年9月21日確認。制度全体は厚生労働省の営業規制のページにまとまっています)。

手洗い設備の位置や厨房の区画など、施設の基準を満たしていないと許可が下りません。完成してから直すと、設計の段階で直すのに比べて費用も時間も大きくなります。上の福岡市のページにある「営業許可申請の手引き」でも、工事に着手する前に設計済みの図面を持参して相談するよう案内されています。

そのため、レイアウトが固まった時点で管轄の保健所へ相談に行き、申請と検査の日程もオープン日から逆算して先に押さえておくと、直前の慌ただしさがだいぶ減ります。

美容室などは開設の届出

飲食店のほかにも、美容室の開設届のように保健所への手続きが必要な業種があります。開業予定の業種で何が必要かは、自治体の窓口で早めに確認しておいてください。

業種ごとに何が変わるのかは、業種別の店舗内装のポイント|飲食店・美容室・物販の違いで設備と手続きの両面から整理しています。飲食店の業態ごとの違いは飲食店の内装の記事、美容室の設備と検査までの段取りは美容室の内装の記事でさらに掘り下げました。

テナントに入るときは消防署への届出

業種に関係なく忘れやすいのが消防です。

福岡市消防局は、新たにテナントを使用する場合、使用開始の7日前までに「防火対象物使用開始届出書」を管轄の消防署へ届け出るよう案内しています(出典:福岡市消防局「新たにテナントを使用する皆様へ」・2026年9月21日確認)。

届出はこの1つとは限りません。同じページでは、入居に伴って消防用設備の設置や、防火管理などの届出が必要になる場合があるとしています。入居やオープンのあとの改修は大きな費用負担になることもあるため、計画の段階から管轄の消防署に相談するよう呼びかけています。

届出の様式や期限は自治体によって異なることがあるので、福岡市以外で開業される場合は、所在地の消防署に確認してください。

工期と費用が変わりやすい4つの場面

予定どおりに進まない原因は、だいたい決まった場面に集まっているので、先に知っておくと備えやすくなります。

居抜きの設備が実際に使えるかどうか

厨房機器や空調は、見た目がきれいでも内部の傷みまでは分かりません。譲り受けてから故障が見つかると、撤去と入れ替えの両方に費用がかかってしまいます。

居抜きを検討するときは、契約の前に設備を実際に動かして確認させてもらえるか、不動産会社に聞いてみてください。施工会社や設備会社に同行してもらえると、より確実です。

音の出る工事ができる時間帯

商業ビルやテナントでは、騒音の出る工事が夜間や休館日に限られることがあります。

同じ工事の内容でも、日中に進められる路面店とは工期が変わってきます。工程表を引く前に、ビルの管理会社から工事のルールをもらっておくと、あとからの組み直しを避けられます。

資材が入ってこないことによる遅れ

工期が延びる原因として、私たちの現場で実際に多いのは資材の入荷遅れです。

ウクライナでの戦争の影響で材料が届かず、工事を待つしかなかった現場もありました。国際情勢による遅れは、施工会社にも施主にも止められません。

天気と同じで、できるのは備えておくことです。備えとしては、工期に余裕を持たせる、代わりの材料を提案してもらえるか聞いておく、遅れたときの扱いを契約のときに話しておくの3つをおすすめしています。ここまでやっておくと、遅れが出ても計画を立て直しやすくなります。

解体してから見つかる追加工事

既存の壁や床を剥がして初めて、下地の傷みや配管の劣化が見つかることがあります。

予算は見積り額ちょうどで組まず、ある程度の予備費を持たせておくと、途中の判断が楽になります。追加工事が出たときに、金額と工期への影響を書面で出してもらう約束を先にしておくのもおすすめです。

店舗の内装工事現場で作業をする職人

店舗の内装工事の費用はどう考えればいい?

店舗の内装費は、おおまかに「広さ・仕上げのグレード・設備工事の量」の3つで変わります。

同じ広さでも、居抜きで設備を活かす場合とスケルトンから作る場合、物販店と飲食店とでは金額が大きく違ってきます。そのため、坪単価の相場だけで予算を組むと、実際の見積りとずれやすくなります。

坪単価の目安と費用の内訳、安く抑える順番は店舗の内装費用の記事に詳しくまとめました。物件の図面と「やりたい店のイメージ」がそろった段階で、早めに見積りを取ってみてください。

AGSは内装仕上工事業の建設業許可(福岡県知事許可(般-30)第112032号)を持ち、店舗・オフィスの内外装をデザイン提案から施工まで手がけています。カフェの内装施工や店舗の外装・内装装飾、オフィスの内装の実例は制作実績に載せています。見積りは無料です。

事務所の内装は、レイアウトの決め方も工事の進め方も店舗とは少し違うので、オフィスの内装工事の進め方を別にまとめています。

よくある質問

Q. 内装工事の業者は、いつ決めればいいですか?

物件を契約する前、候補が2〜3件に絞れた段階で相談を始めるのがおすすめです。内見に同行してもらえば、設備や工事条件の確認をその場で進められます。

Q. 居抜きとスケルトン、どちらが安く済みますか?

一般には、設備や内装を流用できる居抜きの方が初期費用を抑えやすいといえます。ただし設備の状態が悪いと撤去・入れ替えで逆転することもあるため、「居抜きだから安い」とは考えず、契約前に状態を確認しておくと安心です。

Q. 工事が予定どおり終わらないこともありますか?

あります。解体後に追加工事が見つかるほか、資材の入荷遅れのように現場の外の事情で延びることもあります。引き渡しとオープンの間に余裕を挟み、遅れたときの扱いを契約時に施工会社と話しておくと、計画を立て直しやすくなります。

Q. 営業を続けながらの改装はできますか?

内容によっては可能です。定休日や夜間に工事を分割して進める方法がありますが、通常より工期は延びやすくなります。休業する場合とどちらが良いかも含めてご相談ください。

Q. デザインだけ、工事だけの依頼もできますか?

設計から施工まで一括のご依頼はもちろん、工事のみなど一部だけのご依頼もご相談いただけます。

Q. 福岡以外の店舗でも対応できますか?

対応しています。拠点は福岡・博多ですが、現場は全国です。


店舗の内装は、オープンしたあとに毎日使い続けるものです。デザインの好みだけで決めず、契約前の確認、許可や届出との整合、オープン日からの逆算まで段取りに入れておくと、工事はずっと進めやすくなります。候補の物件の図面があれば、そこから相談を始められます。

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