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飲食店の内装|居酒屋・カフェなど業態で変わる費用と注意点

B_0492 店舗・オフィス内外装
飲食店の内装|居酒屋・カフェなど業態で変わる費用と注意点

「居酒屋の内装」で検索したのに、出てくるのはおしゃれなカフェの事例写真ばかり。参考になりそうでならない、あの感じです。飲食店とひとくくりにされても、居酒屋とカフェでは店のつくりがまるで違いますよね。

飲食店の内装は、業態で別物になります。居酒屋は個室の間仕切りと排気、レストランは客席の余裕と配膳の動線、カフェは滞在時間の設計、パン屋・ケーキ屋は工房が主役。そして金額を動かすのは見た目の仕上げではなく、厨房・排気ダクト・給排水の設備工事です。

この記事では、業態ごとの内装の違い、客席レイアウトの決め方、飲食ならではの設備工事、保健所の営業許可までをまとめました。店舗の内装制作・施工をしている会社の目線で書いています。

飲食店の内装は業態で決まる|居酒屋・レストラン・カフェ・パン屋の違い

飲食店の内装で最初に決めるのは、内装ではありません。メニューです。何を出す店かが決まると、必要な厨房機器が決まり、機器が決まると設備の容量とレイアウトが決まる。内装のデザインは、その後に乗るものです。

だから同じ「飲食店」でも、業態が違えば図面の描き方から変わります。まず全体を並べてみます。

居酒屋レストランカフェ・バーパン屋・ケーキ屋
内装の主役個室・半個室の間仕切り客席の余裕と配膳動線カウンターと滞在時間工房とショーケース
設備で重いところ焼き物の排気、部屋ごとの空調厨房の給排水・ガスマシン類の電源と給排水オーブンの電気容量、ショーケースの電源
保健所の許可飲食店営業飲食店営業飲食店営業菓子製造業が基本(下記参照)
つまずきやすい点間仕切りを増やすと空調・換気の見直し席を詰めすぎて配膳が渋滞電源の位置と客席が合わない売り場を広げすぎて工房が回らない

なお、美容室や物販など飲食以外の業種との比較は業種別の店舗内装のポイントに分けてまとめています。ここから先は、飲食の中の違いを掘り下げます。

居酒屋の内装|個室と排気が図面を決める

居酒屋の内装で金額と工期を動かすのは、個室・半個室の数です。壁を1枚増やすたびに、その部屋の空調の吹き出しと換気をどうするかという検討が1つ増えます。

宴会需要を取りたいなら、可動式の間仕切りで4名席をつないで大部屋にできる設計が効きます。固定壁で細かく仕切り切ると、後から席の構成を変えられません。

もうひとつの主役が排気です。焼き鳥や炉端など煙の出るメニューは排気の量が桁違いで、ダクトの太さも経路も変わってきます。メニューに焼き物があるかどうかは、物件を選ぶ前に決めておきたいところです。

レストランの内装|席の余裕は客単価とセットで考える

レストランの客席は、詰めるほど売上が伸びるわけではありません。席の間隔をゆったり取るなら、減った席数を客単価で回収する。この算段と内装は、常にセットです。

厨房から客席への配膳動線も業態の性格が出ます。料理を受け渡すカウンター(デシャップと呼びます)の位置が悪いと、スタッフの往復距離が毎日積み上がっていく。図面の段階で、皿の通り道を一度なぞってみてください。

照明は明るさより色です。料理をおいしく見せる色味の照明を選ばないと、写真を撮ったときに料理がくすんで写ります。いまはお客様の写真がそのまま宣伝になる時代ですから。

カフェ・バーの内装|カウンターと電源が売りものになる

カフェの内装は、滞在時間の設計です。長居してほしい店なら座り心地と客席の電源、回転させたい店なら立ち寄りやすいカウンター。どちらの店かを決めないまま内装だけ決めると、ちぐはぐな店になります。

設備で見落とされやすいのがマシン類です。エスプレッソマシンは電源も給排水も要る機器で、カウンターの位置が決まらないと配管が引けません。テイクアウト窓口を付けるかどうかも、カウンター設計に直結します。

バーはこれに音と光が加わります。夜の照明計画と、深夜営業なら近隣への遮音。氷とグラス洗浄のシンク回りも、狭いカウンターの中で動けるかを先に確かめておきたい部分です。

パン屋・ケーキ屋の内装|主役は売り場ではなく工房

パン屋・ケーキ屋は、飲食店というより「工房つきの物販店」です。面積の主役は売り場ではなく製造の場で、業態によっては工房が店の半分以上を占めます。

設備の要はオーブンです。業務用オーブンは電気容量もガスも大きく、物件側の容量が足りなければ引き込みの工事から始まることになります。ケーキ屋なら冷蔵ショーケースの電源と放熱の逃がし方が、これに加わります。

許可の種類も飲食店とは別です。パンや菓子を製造して売る営業は、食品衛生法の許可業種では「菓子製造業」にあたり、飲食店営業とは別の業種として定められています(菓子にはパン・あん類を含む。出典:e-Gov法令検索「食品衛生法施行令」第35条・2026年9月1日確認)。イートインを併設する場合は必要な許可の組み合わせが変わることがあるため、計画の段階で管轄の保健所に確認してください。

客席レイアウトの決め方|席数を増やすほど得ではない

客席レイアウトは、席数の最大化から入ると失敗しやすいです。先に決めるのは厨房の位置と、人と皿の通り道。席はその後に置きます。

ハイキュー!!で攻撃の起点がセッターの影山であるように、飲食店の動きの起点は厨房です。どの席にも短い距離で皿が届く位置に厨房があると、ホールは少ない人数で回ります。逆に端に追いやると、営業中はずっと遠回りを歩き続けることになる。

私も若い頃、席数を目一杯詰めた図面を描いて、配膳のトレーがすれ違えない通路をつくりかけたことがあります。図面の上では立派な席数でも、営業が始まると人が動けない。あれは席ではなく、ただの椅子の置き場でした。

飲食店の客席レイアウトを図面で検討している様子

チェックする順番はこうです。

  1. 厨房の位置と配膳の動線 — 皿が客席まで最短で届くか。帰りの下げ物の道も同じ
  2. お客様の動線 — 入口からの案内、トイレへの道、会計の位置。配膳の道と交差しすぎないか
  3. 通路の幅 — トレーを持ったスタッフとお客様がすれ違えるか。椅子を引いた状態で測る
  4. 席の構成 — 2名席・4名席の比率、カウンターの有無。繁忙時と平日の両方を想像する

席数と居心地のバランスは業態の答えがそれぞれ違うので、上の業態別の表とあわせて考えてみてください。

飲食店の内装工事は、厨房と排気ダクトが金額を握る

同じ広さ・同じ坪数でも、飲食店の見積りは物件によって大きく変わります。差を生むのは仕上げ材ではなく、厨房まわりの設備工事です。

いちばん大きいのが排気ダクトの経路です。煙と匂いを屋外のどこへ出すか。隣や上の階に飲食店の排気を向けるわけにはいかないので、外壁からそのまま出せる物件と、屋上まで立ち上げる物件では、工事の量がまるで違います。経路がそもそも取れず、業態をあきらめる物件もあるほどです。

厨房の床下にはグリストラップ(排水から油を分離する装置)が入ります。これは床に埋め込む形が多く、営業が始まってから入れようとすると床を壊す工事になる。飲食店の設備は「後から足す」が一番高くつきます。

飲食店の厨房の排気ダクト工事の様子

ガスと電気の容量、給水と排水の位置も、物件側の条件で金額が動きます。だから飲食店は、物件の契約前に設備の条件を確認しておくことが何よりの節約になります。坪単価の目安と費用の内訳は店舗の内装費用の相場に、スケルトン物件と居抜き物件の見極め方はスケルトン物件の内装工事にまとめました。

業態ごとに「先に決めておく項目」を書き込めるA4のシートを用意しています。物件探しや業者への相談の前に、一度埋めてみてください。

保健所の営業許可|施設基準は図面の段階から効いてくる

飲食店を開くには、保健所の営業許可が要ります。そして許可の施設基準は、工事が終わってからではなく、図面を描く段階から効いてきます。

たとえば手洗い設備。令和3年6月1日以降に営業許可を取る施設では、手洗い設備の水栓に「洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造」が求められます。センサー式、レバー式、足踏み式など、手を触れずに水を止められるものです(出典:福岡県「営業施設基準の改正について」・2026年9月1日確認。基準の詳細は自治体の条例によります)。

蛇口ひとつの話に見えますが、図面が固まった後に手洗い器を足すと、給排水の配管が1系統増えます。床を開ける工事になることもある。だから図面の段階で、管轄の保健所に事前相談へ行くのが定石です。福岡市の場合は、申請の流れと施設基準の資料が公開されています(出典:福岡市「食品関係の営業許可・営業届出について」・2026年9月1日確認)。

スケジュールは、オープン日ではなく検査の日から逆算してください。施設検査に通ってはじめて営業できる以上、基準になるのは工事の完了日ではなく検査の日だからです。工事全体の流れと期間の目安は店舗の内装工事の流れにまとめています。

AGSの飲食店内装

AGSは店舗・オフィスの内外装として、飲食店の内装をデザイン提案から施工まで手がけています。飲食の実例では小倉競馬場「UMAJO SPOT」様 UMAJO CAFE 内装施工や、外装と内装をまとめて手がけた「キンギンハイBEACH」様 店舗外装・内装装飾施工があります。

店の顔になる外装・ファサードまで一緒に考えたい方は、店舗外装のデザインの決め方もどうぞ。外と中を同じ窓口でつくると、店のトーンが揃います。

「この物件で、この業態はいけるか」という段階からのご相談で構いません。図面か内見の写真があれば、話はそこから始められます。拠点は福岡・博多、現場は全国。見積りは無料です。

よくある質問

Q. 前が焼肉屋だった居抜き物件で、カフェを開けますか?

開けますが、居抜きの利点は小さくなりがちです。重い排気設備は撤去費がかかり、カフェに必要なマシン用の電源・給排水は別途つくることになるためです。前の業態と近いほど居抜きは活きるので、「何が残っていて何が使えるか」の一覧をもらってから判断してください。

Q. 飲食店の内装で、保健所にはいつ相談すればいいですか?

図面ができた段階、工事の契約前が目安です。施設基準に合わないレイアウトのまま工事を進めると、完成後の手直しになります。事前相談は多くの自治体で受け付けているので、平面図を持って管轄の保健所へ行ってみてください。

Q. 厨房機器は自分で手配してもいいですか?

手配自体は可能ですが、発注前に内装業者との共有が必要です。機器のサイズ・電気容量・ガスの口径・給排水の位置が図面と合っていないと、据え付けの段階で行き止まりになります。搬入経路を通るかの確認も忘れずに。

Q. 居酒屋とカフェでは、内装費用はどちらが高くなりますか?

一般には、焼き物の排気や個室の間仕切りを持つ居酒屋の方が設備工事がかさみやすいです。ただし同じ業態でもメニューと物件条件で大きく変わるため、業態だけでは決まりません。費用の内訳と考え方は店舗の内装費用の相場を参考にしてください。


業態が違えば、飲食店の内装は別物です。ただ、どの業態でも順番は同じ。メニューを決め、厨房と動線を決め、保健所に図面を見せてから工事に入る。この順番さえ守れば、着工後の追加工事もやり直しも、ぐっと減らせます。

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