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PRイベントとは?記者発表会との違いと企画・会場・運営の分担

B_2300 イベント企画・運営
PRイベントとは?記者発表会との違いと企画・会場・運営の分担

PRイベントとは、会社や自治体が商品・サービス・地域のことを、記事や番組、SNSの投稿を通して広く知ってもらうために開く催しです。その場で売ることより、会場に来なかった人にまで伝わることが目的なので、成果も来場者数だけでなく「どこで何件取り上げられたか」で測ります。

会場に来られる人数には、どうしても限りが出てしまいます。そこで、来た方の体験や当日の様子が、記事や写真、投稿になって外へ広がるように企画を組みます。

たとえば富山県が首都圏のメディア向けのPRを外部に頼んだときの仕様書では、目標として、全国のテレビのキー局で2回以上、全国紙などの特集記事で5回以上取り上げられること、契約期間中の広告換算額8億円以上が書かれています(出典は後の章に記載)。

PRイベントは、何を伝えるかと同じくらい、「当日に何が起きて、それがどう外へ届くか」を先に決めておくのが大事です。この記事では、PRイベントと販促イベント・記者発表会の違い、メディア向け・一般向け・併催の3つの形、記事や投稿になりやすい企画の条件、場所の選び方、PR会社とイベント会社の分担、準備の順番と成果の測り方を、自治体が公表している実例を使ってまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社の目線で書いています。

PRイベントは、来場者に売るより「来なかった人にも伝わる」ことを目的にした催し

PRイベントと販促イベントは、会場でやることは似ていても、目的と成果の測り方が違います。販促イベントは来た方に買ってもらう・申し込んでもらうことが目的で、PRイベントは会社や商品のことを世の中に知ってもらうことが目的です。

試食や体験のコーナー、ステージ、配布物といった会場の中身は、どちらでもよく使われます。違いが出るのは、当日の様子を誰に届けるかです。PRイベントでは、記者やカメラマン、SNSで発信する来場者の目に、どんな場面がどう映るかまで考えて会場をつくります。

比べること販促イベントPRイベント
目的来た方に買ってもらう・申し込んでもらう会社・商品・地域のことを世の中に知ってもらう
主に届けたい相手会場に来た方会場に来た方と、記事・番組・投稿を見る人
成果の測り方売上、申込数、来場者数取り上げられた件数と媒体、SNSでの投稿や反応、来場者数
会場作りで大事なこと買いやすい売り場と動線写真や映像になる場面と、撮りやすい場所

実際には、両方を兼ねるイベントも多いです。新商品の体験会で販売もする、という形もよく見かけます。その場合も「今回は売上と露出のどちらを一番の成果にするか」を最初に決めておくと、会場の配置や当日の人の配り方で迷いにくくなります。

店舗やイベントでお客さまに来ていただく方法は、イベントの集客方法にまとめています。

明るい商業施設の吹き抜けの広場で、新しい飲み物の試飲のコーナーに人が集まり、その様子を少し離れた場所から1人がスマートフォンで撮っている様子を、2階の通路から見下ろした写真

PRイベントの形は、メディア向け・一般向け・同じ日に両方、の3つ

PRイベントの形は、大きく分けて3つあります。記者を招いて発表するメディア向けの会、一般の方に体験してもらう会、その2つを同じ日に続けて開く形です。

自治体の公募の質問と回答でも、この区別が出てきます。岐阜県が首都圏でのPRを外部に頼んだときには、記者発表会とPRイベントの棲み分けを問う質問に対して、県は個別に開くか一緒に開くかも含めて、メディアに取り上げてもらうのに効果的なやり方を提案してほしいと答えています(出典:岐阜県「都市圏メディア向け県内観光資源等PR活動業務委託にかかる質問に対する回答」・2026年11月1日確認)。

形どんな会か向いている目的気をつけること
メディア向け(記者発表会・メディア向け体験会)記者やインフルエンサーを招き、発表・説明・試してもらう時間をつくる新商品・新事業・提携など、ニュースとして伝えたいことがあるとき記者が来る理由(初めて・新しい・数字)が無いと人が集まりにくい
一般向け(体験イベント・試食会・展示)商業施設の広場や駅前、観光地などで、通りがかりの方や家族連れに体験してもらう商品や地域を実際に知ってもらいたい、来場者の投稿で広げたいとき場所の決まり(音・火気・電源・撮影)と、人が集まりすぎたときの誘導
同じ日に両方午前にメディア向けの時間、午後から一般の方に開く、など時間で分ける発表と、一般の方が楽しんでいる様子の両方を記事にしてほしいとき記者が撮りたい「人が楽しんでいる場面」を、メディア向けの時間にもつくっておく

メディア向けの会の式次第や案内状、記者の受付と質疑の進め方は、新商品発表会の企画で詳しく書いています。この記事では、PRイベント全体の組み立て方を中心に進めます。

午前のメディア向けの時間に、商業施設の広場に並べた椅子に記者が数人座り、前方の担当者が商品を手に説明している様子を、記者の席の後ろから写した写真

記事や投稿になりやすいのは、「今回のニュース」を1行で言える企画

記事や投稿になりやすいPRイベントには、「何が新しいのか」を1行で言えることと、それが写真1枚で伝わることの2つがそろっています。どちらかが欠けていると、会場が盛り上がっても外へ広がりにくくなります。

記者やSNSで発信する方は、限られた行数と写真で伝えなければいけません。「◯◯が初めて」「◯店舗が集まる」「この季節だけ」のように短く言えて、その様子が1枚で分かる企画は、取り上げる側にとっても扱いやすいんですよね。

今回のニュースを1行で書けるようにする

企画を考え始めたら、まず「今回のニュース」を1行で書いてみてください。初めての取り組み、珍しい組み合わせ、具体的な数、季節や記念日とのつながり、地域とのつながりは、1行にしやすい材料です。

岐阜県は、歴史的なご縁をきっかけに東京の神田明神と連携していて、先ほどの質問回答の資料にも、過去の例として神田明神での記者発表会が挙がっています。2025年9月の連携事業の第四弾では、神田明神で五平餅や朴葉寿司などの郷土料理の実演販売と観光PRのイベントを2日間開きました(出典:岐阜県「<岐阜県×神田明神 連携事業第四弾>」・2026年11月1日確認)。

「岐阜県が江戸総鎮守の神田明神と組んで、郷土料理を味わってもらう」という、1行で言える話になっているのが分かると思います。

その1行が、写真1枚で伝わる場面をつくる

1行が決まったら、次は「その1行が伝わる写真」を考えます。商品を手にした人の笑顔、作っているところの実演、ずらりと並んだ様子など、見ただけで中身が分かる場面です。

岐阜県の東美濃歴史街道協議会が、土岐プレミアム・アウトレットの広場で開く「東美濃五平餅まつり」では、地域の10店舗が五平餅を実演販売します(2026年11月7日・8日開催。出典:岐阜県「『第四回東美濃五平餅まつりin土岐プレミアム・アウトレット』を開催します」・2026年11月1日確認)。10店舗が並んで焼いている様子は、それだけで「郷土の味が集まった」と伝わります。

屋外の催しのテントの下で、職人が炭火の網の上に串に刺した平たいお餅を並べてたれを塗っている手元を、網のすぐ前の低い位置から接写した写真。奥にぼんやりと順番を待つ人たちが見える

写真に社名や商品名を入れたいときは、登壇者や商品の後ろに背景のパネルを立てておくと、どの角度から撮られても名前を写せます。パネルの大きさとロゴの並べ方は、バックパネルとは?で紹介しました。

来場者が自分で撮りたくなる場所を、1つ置く

一般の方に来ていただくPRイベントでは、来場者の投稿も大きな広がりになります。会場に「ここで撮りたい」と思ってもらえる場所を1つ用意しておくと、その場所が当日の様子を外へ運んでくれます。

私たちが施工した天神地下街の40周年イベントでは、3Dトリックアートをつくりました。通行される方が足を止めて楽しめる、話題性のある会場演出です(実績)。トリックアートは、絵の前に立って写真に収めると立体に見える仕掛けなので、撮りたくなる場所として置きやすい演出です。

商業施設の通路の床と壁に描かれた立体的に見えるトリックアートの前で、親子がポーズをとり、もう1人がしゃがんでスマートフォンで撮っている様子を、少し離れた低い位置から写した写真

場所は、来てほしい人が通る所と、撮影しやすい所の両方で選ぶ

PRイベントの場所は、届けたい相手が普段通る場所であることと、記者や来場者が撮影しやすいことの2つで選びます。人が多くても撮影が禁止されている場所や、写真に映したくない物が背景に入る場所は、PRイベントには向きにくいです。

場所の種類向いている形先に確かめること
商業施設・アウトレットの広場一般向けの体験・試食・展示施設の催事の決まり(音の大きさ、火や電気の使い方、撮影や取材の受け入れ、搬入の時間)
駅前・公園・道路地域のPR、季節の催し、通りがかりの方への体験道路や公園を使う許可(警察・管理者への届け)、雨のときの代わり
神社・寺・観光地地域や歴史とつながる発表、郷土の品の販売境内や施設で撮影してよい範囲、参拝の方の動線
ホテルの宴会場・ホールメディア向けの発表会、取引先を招く会記者席と撮影場所の取り方、電源と回線
自社の店舗・ショールーム・工場新商品の体験会、見学会来場者を入れてよい範囲、駐車場と受付の場所

道路や公園で開くときは、警察や管理者への手続きが要ることがあります。自治体の催しの例と手続きの流れは、自治体のイベント企画で紹介しています。商業施設や屋外にブースを出すときの決めごとは、イベントブースのデザインが参考になります。

数日から数週間、店の形で体験してもらいたいときは、期間限定のお店(ポップアップストア)の形をとるのも1つの手です。催事との違いや出店場所はポップアップストアとは?で詳しく書きました。

晴れた昼、アウトレットモールの屋外の広場に白いテントが横一列に並び、その前に人の列ができている様子を、広場の端の少し高い位置から広く写した写真

PR会社とイベント会社は、「メディアに届ける」と「会場で起こす」で分けて頼む

PRイベントの仕事は、メディアに知らせて取材に来てもらう仕事と、会場で当日の体験をつくる仕事の2つに分かれます。前者は自社の広報かPR会社、後者はイベント会社が受け持つことが多く、両方を1社に頼む場合もあります。

富山県の首都圏向けの仕様書を見ると、メディア向けの仕事の中身がよく見えてきます。プレスリリースを作ってテレビ・新聞・雑誌・Webなど1,000件以上に配ること、テレビのキー局や全国紙への個別の売り込み、都内でのメディア向けの説明会、取り上げられた記事や番組の収集(クリッピング)と効果の測定が書かれています(出典:富山県「首都圏メディアリレーション業務委託 仕様書」・2026年11月1日確認)。

仕事主に受け持つ人中身
伝える中身とニュースの1行を決める自社(広報・担当部署)何を、誰に知ってほしいか。1行のニュース
メディアに知らせて取材を呼ぶ自社の広報かPR会社リリースの作成と配信、記者への案内、取材の調整
当日の会場をつくるイベント会社場所の手配と届け、会場の配置、ステージ・装飾・背景のパネル・映像、体験のコーナー
当日を動かすイベント会社進行の台本、司会、受付と誘導、スタッフ、記者の撮影場所の確保
告知と記録自社・PR会社・制作会社告知のWebやSNS、当日の写真と動画、事後の報告
成果をまとめる自社の広報かPR会社取り上げられた記事・番組の収集、件数と媒体のまとめ

頼む先を決めるときは、まず「メディアへの働きかけを自社でできるか」を考えると整理しやすいです。広報の担当者がいて、記者とのつながりがあるなら、会場と当日の運営だけをイベント会社に頼む形がとれます。

会場と運営を外へ任せる範囲の決め方は、イベント運営代行はどこまで任せられる?で書いています。

明るい会議室のテーブルで、会社の担当者2人と外部の担当者2人が、会場の配置図とタイムスケジュールの紙を広げて打ち合わせている手元を、テーブルの斜め上から写した写真

準備は、取り上げてほしい日から逆算し、案内を出す前に「当日の写真」を決める

PRイベントの準備は、取り上げてほしい日(開催日や発表日)から逆算して進めます。メディアへの案内を出す前に、当日どんな写真が撮れるかまで決めておくと、案内の文と写真がそろい、記者にも中身が伝わりやすくなります。

下の表は、商業施設の広場で一般向けの体験イベントを開く場合の、準備の順番の一例です。施設や警察への届けに必要な日数は場所ごとに違うので、場所の候補が決まったら最初に確かめてください。

時期の目安決めること・やること
3か月前まで目的と一番の成果(露出か売上か)、届けたい相手、今回のニュースの1行、場所の候補と空きの確認
2か月前まで場所の決定と施設・管理者への届け、会場の配置、体験のコーナーと装飾・背景のパネルのデザイン、PR会社や広報との役割分担
1か月前まで当日撮れる写真のイメージを入れた案内とリリースの原稿、告知のWebやSNS、配布物の発注
2週間前まで進行の台本、スタッフの持ち場、記者の受付と撮影場所、雨のときの代わり
前日〜当日設営、リハーサル、記者の受付、当日の写真と動画の記録
翌日以降取り上げられた記事・投稿の収集、来場者数や体験した人数のまとめ

企画の進め方そのものは、イベント企画は何から決める?で順番を書いています。

下のシートは、目的・ニュースの1行・当日の写真・場所・分担・成果の測り方を順に書き込んで、社内やPR会社、イベント会社との最初の打ち合わせに持って行けるようにしたものです。

成果は、来場者数と一緒に「どこで何件取り上げられたか」で測る

PRイベントの成果は、来場者数や体験した人数に加えて、取り上げられた記事・番組の件数と媒体、SNSの投稿や反応で測ります。自治体のPRの委託でも、取り上げられた件数と広告換算額を目標に置く例があります。

広告換算額は、取り上げられた記事や番組と同じ大きさ・長さの広告を出したら、いくらかかるかに置き換えた金額です。富山県の仕様書では、媒体別の件数と広告換算額を出して費用に見合ったかを確かめること、SNSなどでの話題化も測ることが求められています。札幌市が首都圏向けのプロモーションを公募したときは、前の年の露出件数や広告換算額を尋ねる質問に対して、提案する事業で見込まれる成果を目標として設定してほしいと回答しています(出典:札幌市「冬をテーマにした札幌暮らしプロモーション業務 質問に対する回答」・2026年11月1日確認)。

自治体の大きな事業でなくても、測り方の考え方は同じです。会社のPRイベントなら、次の数字を開催の前に決めておくと、終わってから振り返りやすくなります。

  • 当日の来場者数と、体験・試食をした人数
  • 取り上げられた記事・番組・Webの件数と、その媒体の名前
  • 来場者のSNSの投稿の数(イベント名のハッシュタグなど)
  • 問い合わせや、Webサイトへのアクセスが開催の前後でどう変わったか

広告換算額は分かりやすい数字ですが、記事の中身が良かったか悪かったかまでは表しません。記事の中で伝えたかった1行がそのまま書かれていたかも、あわせて見ておくと次の企画に生かしやすいです。

夕方の明るい事務所で、担当者がノートパソコンに表示した記事の切り抜きの一覧と、手元の来場者数のメモを見比べている様子を、机の横の少し離れた位置から写した写真

PRイベントの会場・演出・当日運営を頼むなら

PRイベントのうち、私たちのようなイベント会社が受け持つのは、会場で当日起きることをつくる部分です。記者への案内や取材の調整は、自社の広報かPR会社にお任せいただく形になります。

AGSは、販促・PRイベントの企画と当日の運営、ステージや体験のコーナー、背景のパネル、来場者が撮りたくなる装飾の制作と施工をお受けしています。第85回日本ダービーのときには、天神の特設PRブースとステージを施工しました(実績)。博多阪急で行われた浅田真央さんの直筆サイン本お渡し会では、会場のバックパネルの制作と、会場の設営を担当しています(実績)。

告知のWebサイトやSNS、チラシのデザインは、グループのアディザイン(Web・グラフィック・SNS)と連携して制作します。LEDビジョンで商品の映像を大きく見せたいときは、グループのアディザネージ(LEDビジョンの販売・レンタル・設置)と一緒に会場をつくれます。

開場前の商業施設の広場で、紺の作業着の施工スタッフ2人が、体験のコーナーの横に無地の背景のパネルを立てて位置を合わせている様子を、少し離れた横から写した写真

伝えたいことと、時期・場所の候補が決まった段階でご相談ください。拠点は福岡・博多で、現場は全国に伺います。お見積りは無料です。

よくある質問

Q. PRイベントと記者発表会は、何が違いますか?

記者発表会は、記者を招いてニュースを発表する会で、PRイベントの形の1つです。PRイベントには、記者発表会のほかに、一般の方に体験してもらう会や、両方を同じ日に開く形も含まれます。記者発表会の進め方は新商品発表会の企画で詳しく書いています。

Q. PRイベントは、PR会社とイベント会社のどちらに頼めばいいですか?

メディアに知らせて取材を呼ぶ仕事はPR会社、会場と当日の運営はイベント会社が受け持つことが多いです。自社に広報の担当者がいれば、会場と運営だけをイベント会社に頼む形もとれます。両方の会社に頼むときは、当日の撮影場所や記者の受付をどちらが受け持つかを先に決めておくと、当日の行き違いが減ります。

Q. 小さな会社や1店舗でも、PRイベントはできますか?

できます。大きな会場でなくても、自分のお店や商業施設の小さな催事の場所で、新商品の体験会や記念日の催しを開く形が考えられます。その場合も「今回のニュースの1行」と「当日の写真1枚」を決めておくと、地域の新聞やWebメディア、来場者の投稿で取り上げてもらいやすくなります。

Q. オンラインのPRイベントもありますか?

あります。会場の様子を配信して、遠くの方や記者にも見てもらう形です。札幌市の公募でも、会場で開くPRイベントに加えて、オンラインのイベントを提案してもよいと回答していました。会場と配信を一緒に開くときのカメラや背景の決め方は、会場+配信のイベント企画にまとめています。

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