看板の蛍光灯や電球は、手の届く高さの看板で、同じ種類の管や球に差し替えるだけなら、自分でも替えられます。一方で、脚立で届かない高さの看板や、配線に触る作業、器具の点灯方式が分からないままLEDの管を付ける作業は、看板の会社や電気工事の業者に任せてください。
高い所では落ちる危なさがあり、器具と管の組み合わせを間違えると、器具が焦げたり火が出たりするおそれもあるからです。実際に製品評価技術基盤機構(NITE)にも、蛍光灯の器具にLEDの管を付けて焼損した事故が報告されていて、取り付け方を間違えないことが大事だと分かります。
業者に頼んだときの費用は、管や球の値段より、高所作業車が要る高さか、何本あるか、器具の中の工事が要るかで動きます。また、看板の中に入っている細長い直管形の蛍光灯は、2028年1月1日から製造と輸出入が禁止されます(一部の種類は2027年1月1日から)。
なので、次に明かりが切れる前に、LEDへの替え方まで決めておくのがおすすめです。
この記事では、自分で替えてよい範囲、球切れか器具の傷みかの見分け方、費用が動く要素、蛍光灯の製造が終わる時期、LEDへの3つの替え方、表示面(アクリル板やシート)を替えるときの手続きをまとめました。看板の製作・取り付けと作り替えをしている会社の目線で書いています。
看板の蛍光灯や電球は、手の届く高さで差し替えるだけなら自分でも替えられる
自分で替えてよいのは、地面に置くスタンド看板や、足元が安定した低い脚立で届く高さの看板で、同じ種類の蛍光灯や電球に差し替えるだけの作業です。それより高い所の看板や、器具の中の配線に触る作業は、業者に任せてください。

| 作業 | 自分で | 業者に任せる |
|---|---|---|
| スタンド看板・低い位置の看板の管や球を、同じ種類に差し替える | できる | ― |
| 脚立で届かない、下を人が通る高さの看板(2階の壁面看板・袖看板・屋上の看板) | ― | 看板の会社 |
| 新しい管に替えてもつかない・ちらつく看板を直す | ― | 看板の会社・電気工事の業者 |
| 蛍光灯の器具にLEDの管を付ける(器具の方式を確かめる・安定器を外す工事) | 方式が確かめられない場合はしない | 電気工事士の資格を持つ業者 |
| 照明の無い看板に照明を足す、照明を器具ごと替える | ― | 看板の会社 |
高さの目安として、仕事の現場では、高さ2m以上の所で作業するときは、足場などの作業床を設けるか、墜落を防ぐ器具を使わせることが事業者に求められています(労働安全衛生規則第518条)。お店の方が自分で作業するときにそのまま当てはまる決まりではありませんが、2mを超える所は、それだけ落ちたときの危なさが大きい高さだと考えておくとよいでしょう。
(出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第518条・2026年10月21日確認)
自分で替えるときは、電源を切って、同じ種類の管を選ぶ
自分で替えるときは、まず看板の電源(スイッチやタイマー、看板用のブレーカー)を切ってから表示面や器具のふたを外します。外した管に印字された種類と長さを見て、同じ種類のものを用意してください。

古い看板の器具には、点灯管(グロー球)という小さな部品が付いていることがあります。蛍光灯のまま替えるなら、点灯管も一緒に新しくしておくと、すぐにまたちらつくのを防ぎやすいでしょう。
替えたあとに、つかない・ちらつく・焦げたようなにおいがする場合は、すぐに電源を切ってください。管の問題ではなく、器具の側が傷んでいることが考えられます。
替える前に、球切れか、器具や看板の傷みかを見分ける
看板の明かりが消えたとき、原因が管や球の寿命なら差し替えで直りますが、器具の中の安定器や配線、看板に入り込んだ水が原因なら、新しい管に替えても直りません。消え方と看板の様子から、どちらに近いかの見当を付けてから動くと、無駄な買い物と作業を減らせます。

| 看板の様子 | 考えられること | どうするか |
|---|---|---|
| 1本分だけ暗い。管の両端が黒ずんでいる | 管の寿命 | 手が届けば同じ種類に差し替える |
| 新しい管に替えても、つかない・ちらつく | 点灯管・安定器・ソケット・配線の傷み | 看板の会社か電気工事の業者に見てもらう |
| 看板全体が急に消えた | スイッチ・タイマー・ブレーカーの切れ、配線の傷み | スイッチとタイマーを確かめ、直らなければ看板の会社か電気工事の業者へ |
| 器具の下や看板の下に水の跡・さび汁がある | 看板の中への水の入り込み | 電源を切り、看板の会社か電気工事の業者に見てもらう |
| 焦げたにおいや、ジーという音がする | 器具の過熱 | すぐに電源を切り、使うのをやめる |
器具そのものにも寿命があります。日本照明工業会は、照明器具を設置してから10年を「適正交換時期」、15年を「耐用の限度」としていて、NITEも、使用年数が10年を超えている場合は器具ごとの交換を検討するよう呼びかけています。看板の中の器具もいつ付けたものかを確かめ、10年を超えていれば、管の交換だけで済ませるかを考え直すきっかけにしてください。
(出典:NITE「PSマガジン VOL.475」〈2025年4月22日発行〉の「照明器具の交換について」・2026年10月21日確認)
水の跡やさび汁は、照明だけの問題ではなく、看板の骨組みや取り付けの傷みのサインでもあります。地上から見て分かる確かめ方は、看板の点検の記事の「落下を防ぐ確認項目」にまとめています。
業者に頼むと、費用は高さ・本数・作業の中身で動く
看板の照明の交換を業者に頼んだときの費用は、管や球の値段より、作業する高さと場所、交換する本数、器具の中の工事が要るかで大きく変わります。管が1本でも、高所作業車や道路の許可が要る高さなら、その分の費用は本数に関係なくかかるからです。

| 費用を動かすもの | 金額が増えやすい場合 | 見積りで見る点 |
|---|---|---|
| 作業の高さと場所 | 2階以上の壁面看板・袖看板・屋上の看板で、高所作業車や足場が要る。道路の上で作業するので、道路使用の許可や交通の誘導員も要る | 高所作業車・誘導員・許可の行があるか |
| 看板の開け方 | 表示面を外さないと中に手が入らない。ねじがさびて外れにくい | 表示面の脱着が含まれているか |
| 交換する本数 | 看板が何台もあり、管の本数が多い | 1本あたりか、看板1台あたりか |
| 照明の種類と作業 | 同じ蛍光灯に替えるだけか、LEDの管にするか、安定器を外す工事が要るか、器具ごと替えるか | どの替え方の見積りか |
| 器具・配線の傷み | 安定器・ソケット・配線の交換が要る | 部品の交換が別になっていないか |
| 作業の時間帯 | 営業時間外や夜間でないと作業できない | 時間帯の指定で増える分 |
| 外した管の処分 | 使い終わった蛍光灯を引き取ってもらう | 処分の費用が入っているか |
この中で費用が大きくなりやすいのは、作業の高さです。高所作業車を出して看板を開けるなら、そのときにほかの管もまとめて替える、LEDにする工事も同時に済ませる、と考えたほうが、次にまた作業車を出す回数を減らせます。
看板を新しく作る・作り替えるときの費用の内訳は、看板の製作・設置費用の記事に見積りの9つの項目としてまとめています。
使い終わった蛍光灯は、事業のごみとして処分する
お店や会社の看板から外した蛍光灯は、家庭のごみとしては出せません。蛍光灯には水銀が使われているので、事業から出たものは「水銀使用製品産業廃棄物」として、ほかのごみと分けて保管し、扱いの許可を持つ処理業者に処分を頼みます。

北九州市の案内では、ほかの物と混ぜずに仕切りを設けて保管すること、処理を頼む業者が水銀使用製品産業廃棄物を扱えるかを許可証で確かめること、委託の契約書とマニフェスト(産業廃棄物の管理票)にその旨を書くことが求められています。業者に交換を頼むなら、外した管の引き取りまで見積りに入れてもらうと、自分で処分の手配をせずに済みます。
(出典:北九州市「産業廃棄物を排出する事業者の皆様へ(水銀使用製品産業廃棄物)」・2026年10月21日確認)
蛍光灯は2027年末までに製造が終わるので、LEDへの切り替えを計画しておく
一般の照明に使う蛍光灯は、水銀に関する水俣条約の決定を受けて、種類ごとに製造と輸出入が禁止されます。看板の中で使われる細長い直管形は2028年1月1日から(ハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を使ったものは2027年1月1日から)禁止で、在庫が少なくなる前にLEDへの切り替えを決めておくと、明かりが切れたまま替えの管が手に入らない、という事態を避けやすくなります。

| 蛍光灯の種類 | 製造・輸出入が禁止になる日 |
|---|---|
| 電球形 | 2026年1月1日(30Wを超えるものは2027年1月1日) |
| コンパクト形 | 2027年1月1日 |
| 直管形・環形 | 2028年1月1日(ハロりん酸塩を主成分とする蛍光体を使ったものは2027年1月1日) |
(出典:環境省「一般照明用の蛍光ランプの規制について」・2026年10月21日確認)
禁止されるのは製造と輸出入で、蛍光灯を使うことや、売り買いすることは禁止されません。今付いている看板の蛍光灯がすぐに使えなくなるわけではないので、慌てて替えなくても大丈夫です。
ただ、看板の器具には決まった長さや種類の管しか付けられないので、在庫が減ると替えの管を探す手間が増えていきます。看板が何台もあるビルや、閉店後も長く使う予定の看板は、次の球切れを待たずに、どの看板からLEDにするかの順番を決めておくと安心です。
LEDへの替え方は、管だけ替える・器具ごと替える・看板を作り替えるの3通り
蛍光灯の看板をLEDにする方法は、今の器具にLEDの管を付ける、器具ごとLEDのものに替える、看板そのものをLEDの看板に作り替える、の3通りです。器具の年数と、看板の枠や表示面の傷み方で、どれが合うかが変わります。

| 替え方 | 向いている場合 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 今の器具にLEDの管を付ける | 器具が比較的新しく、器具の点灯方式に合うLEDの管がある | 方式が合わない組み合わせは事故のもと。安定器を外す工事が要る組み合わせもある |
| 器具ごとLEDのものに替える | 器具が10年を超えている。新しい管でもちらつく | 看板の中に収まる大きさの器具を選ぶ |
| 看板をLEDの看板に作り替える | 枠のさびや表示面の傷みも進んでいる。デザインや店名も変えたい | 表示面のデザインと、屋外広告物の許可の手続きも一緒に決める |
今の器具にLEDの管を付けるときは、器具の方式とLEDの管の方式を合わせる
LEDの管は、蛍光灯と同じ形をしていても、器具の点灯方式(グロースターター式・ラピッドスタート式・インバーター式)によって付けられるものが違います。「工事不要」と書かれたLEDの管でも、付けられる器具の方式は製品ごとに決まっていて、パッケージや説明書で確かめられます。
NITEが紹介している事故には、インバーター式の器具に、グロースターター式の器具用のLEDの管を付けて火が出た例、ラピッドスタート式の器具で、LEDの管を使うのに必要な安定器を外す工事をせずに使い、安定器が過熱して出火した例、点灯管を外さずにLEDの管を付けて溶けた例があります。NITEは、器具の方式に合うLEDの管を選ぶこと、パッケージや説明書の注意を守ること、交換したあとに異常が無いかを確かめることの3つを挙げ、組み合わせによっては電気工事士の資格を持つ人の工事が必要になるとしています。
(出典:NITE「さらば蛍光灯、ようこそLED ~でもランプ交換 ミスると事故に~」〈2025年3月27日〉、NITE「PSマガジン VOL.475」の事故事例・2026年10月21日確認)
安定器を外して配線をつなぎ直す作業は器具の中の配線の工事で、NITEも、組み合わせによっては電気工事士の資格を持つ人の工事が求められるとしています。電気工事の作業を資格を持つ人に限る決まりは、電気工事士法第3条にあります。看板の器具の方式が分からないとき、器具の銘板が読めないときは、自分でLEDの管を付けず、看板の会社に器具ごと見てもらってください。
(出典:e-Gov法令検索「電気工事士法」第3条・2026年10月21日確認)
枠や表示面も傷んでいるなら、看板ごと作り替えたほうが手間が一度で済む
照明をLEDにしても、看板の枠のさびや、表示面の色あせ・ひびはそのまま残ります。照明の交換で看板を開けたあとに、別の時期に枠や表示面を直すことになると、高所作業車や道路の許可が要る看板では、それをもう一度用意することになります。

器具が10年を超えていて、枠や表示面も傷んでいるなら、照明だけを替えるより、LEDの看板に作り替える方が、作業が一度で済み、その先の点検や交換の手間も減らしやすくなります。店名やロゴを立体の文字にしたいなら、光る文字の看板にする選び方もあります。立体の文字の光らせ方と付け方は、チャンネル文字(箱文字)の記事にまとめています。
看板ごとの照明の種類と本数、点灯管の有無、器具の年数、今の症状を書き込んで、自分で替えるか、業者に頼むか、作り替えを相談するかを見分けられる紙を用意しました。看板が何台もあるビルの管理会社の方は、看板ごとに1行ずつ埋めると、LEDにする順番も決めやすくなります。
表示面(アクリル板・シート)を替えるときは、デザインを変えるかで手続きが変わる
電飾看板の表示面(光を通すアクリル板やシート)は、枠を残して入れ替えられます。今と同じデザインのまま色あせた表示面を新しくするなら、屋外広告物の許可の手続きは要らないことが多い一方で、大きさや材質を変えるなら、工事の前に変更の許可を申請します。デザインを変えるときも、許可が要るかを先に確かめておきます。

福岡市の屋外広告物Q&Aでは、次のように整理されています。
| こんなとき | 福岡市の扱い |
|---|---|
| 大きさ・デザイン・色を変えずに、色あせた表示面を交換する | 軽微な変更にあたり、変更の許可は要らない |
| 大きさ・高さ・表示面の材質・構造を変える | 工事の前に、変更等の許可を申請する |
| 照明の無かった看板に、照明を新しく付ける | 看板の改造にあたり、変更等の許可が要る |
| 店名・社名が変わって表示の中身を変える | 軽微な変更は、許可を受けたときの表示内容を変えない修繕などに限られる。変更の許可が要るかを担当課に確かめる |
(出典:福岡市「福岡市屋外広告物Q&A」の問3-18・問4-3・問6-1・問6-3・問6-6・2026年10月21日確認)
同じQ&Aでは、許可書が交付されるまで、申請書を受理してからおおむね2週間ほどかかるとしています。照明がある看板は、許可の手数料が照明の無い看板の2倍になる決まりもあります。蛍光灯をLEDに替えるだけで見た目が変わらない場合の扱いは、Q&Aには書かれていないので、看板の許可を受けている自治体の屋外広告物の担当課に確かめてください。
表示面のデザインを変えるときは、照明の位置も一緒に確かめておくと、明るさのむらが出にくくなります。袖看板の表示面のデザインと光らせ方の決め方は、袖看板の記事に書いています。
照明を見直すきっかけに、看板の作り替えや新しい看板を相談できます
AGSでは、蛍光灯の看板をLEDの看板に作り替える、表示面のデザインを新しくする、古くなった看板を新しい看板に替える、といったご相談を承っています。他社が作った看板の作り替えや、要らなくなった看板の撤去・処分もご相談ください。
看板の照明が切れたり暗くなったりしたのをきっかけに、看板全体を見直したいときは、看板のデザイン・製作・施工のページからご相談いただけます。今の看板の状態を現地で確かめたうえで、作り替えの範囲をご提案します。AGSは福岡市屋外広告業登録事業者なので、表示面やデザインを変えるときの許可の手続きもあわせてご相談いただけます。現地調査とお見積りは無料です。拠点は福岡・博多で、現場は全国にお伺いします。
看板を外す場合の費用と手続きは、看板の撤去費用の記事が詳しいです。店名を立体の文字にしたい場合は、チャンネル文字(箱文字)の製作のページとカルプ文字・切り文字の製作・取り付けのページに、金額の目安と依頼の流れを載せています。
よくある質問
Q. 看板の蛍光灯は、お店で売っている蛍光灯でも替えられますか?
外した管に印字された種類と長さが同じものなら使えます。看板の器具に付けられる管は器具ごとに決まっているので、買う前に外した管の印字を写真に撮っておくと間違えにくいでしょう。LEDの管にする場合は、器具の点灯方式に合うものかも確かめる必要があります。
Q. 「工事不要」のLEDの管なら、自分で付けても大丈夫ですか?
器具の点灯方式に合う製品であれば、説明書の手順どおりに付けられる場合があります。ただ、方式が合わない組み合わせでの焼損や、点灯管を外し忘れたことによる事故がNITEに報告されています。器具の方式が分からないときや、器具が10年を超えているときは、看板の会社に見てもらうほうが安全です。
Q. 蛍光灯の製造が終わったら、今の看板は使えなくなりますか?
すぐに使えなくなるわけではありません。禁止されるのは製造と輸出入で、蛍光灯を使うことや売り買いすることは今後もできます。直管形の製造・輸出入の禁止は2028年1月1日からなので、在庫が少なくなる前に、LEDへの替え方を決めておくと安心です。
Q. 表示面だけ新しくするときも、役所への申請は要りますか?
同じデザインのまま色あせた表示面を替えるなら、福岡市では軽微な変更として許可は要りません。大きさや材質を変える場合は、工事の前に変更の許可を申請します。デザインや店名を変える場合は軽微な変更に当たらないので、許可が要るかを担当課に確かめてください。ほかの自治体でも扱いが違うことがあるので、看板の許可を受けている自治体の担当課に確かめてください。
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