自治会・町内会のイベントは、役員が何人で回せるかを先に決めて、その人数で無理なくできる行事から選ぶと続けやすくなります。大きな祭りや餅つきは、子ども会・消防団・PTAなど一緒に動いてくれる団体が見つかってから広げても遅くありません。
役員の人数と準備にかけられる時間は、自治会によってかなり違います。そこに合わない大きな行事を毎年続けようとすると、同じ数人に負担が集まって、次の役員が引き受けにくくなってしまいます。
たとえば東京都品川区の旗の台南町会は、流しそうめん大会など子ども向けの行事を開き、一緒に来た親御さんには企画や準備ではなく当日の簡単なお手伝いだけをお願いしています。そこから町会の役員になる人が出てきたと、区の事例集で紹介されています(出典:品川区「町会・自治会活動好事例集」(PDF)・2026年9月21日確認)。
行事の選び方と、手伝ってくれる人の増やし方はセットで考えるのがおすすめです。
この記事では、役員の人数と準備期間で選ぶ早見表、実際に開いた自治会・町内会・マンションの報告を付けた企画15件(手軽な順)、公園・道路・食べ物・火・保険の手続き、準備と当日の段取り、行事を続けるための負担の減らし方をまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社の目線で書いています。
自治会のイベントは、役員の人数と準備期間で選ぶ
最初に決めるのは、当日動ける役員の人数と、準備にかけられる期間です。この2つが決まると、選べる行事と会場の候補がかなり絞れます。
| 企画の大きさ | 動ける人数の目安 | 準備期間の目安 | 会場の例 | 役所などへの手続き |
|---|---|---|---|---|
| いつもの会場で、役員だけで開く | 役員2〜5人 | 2週間〜1か月 | 公園、集会所、公民館、町内の道 | 集会所の予約くらい。公園を独占して使うなら許可が要ることも |
| 少し準備が要り、手伝いの人を募る | 役員5〜10人+当日の手伝い | 1〜3か月 | 公園、マンションの中庭、集会所 | 公園の使用許可、火を使うなら消防署への届出、食べ物を作るなら保健所への相談 |
| 協力団体と組んで開く | 役員+子ども会・消防団・PTAなど | 3〜6か月 | 公園、学校の運動場、道路 | 公園・学校の使用許可、道路使用許可、消防署への届出、保健所の手続き、保険の確認 |
人数と期間は、この記事で紹介する実例(マンションの中庭のパーティーは担当理事6名、マンションの防災訓練は防災委員13名で運営)などを参考にした大まかな目安で、行事の中身によって変わります。手続きの中身は、後半の「会場と手続き」の章で公的な資料をもとに説明します。
行事の規模は、毎年同じでなくても大丈夫です。役員が少ない年は小さな行事だけにして、手伝ってくれる人が増えたら大きな行事を戻す、という考え方もできます。
自治会・町内会のイベント企画15例【手軽な順】
ここからは、実際に行事を開いた自治会・町内会・マンションの管理組合の報告と、自治体・地域の新聞の記事を根拠にした企画を15件並べます。役員数人で今月から始められるものを先に、協力団体と組んで開く大きな行事を後ろに置きました。
役員数人と、いつもの会場で始められる企画
夏休みのラジオ体操に、ひとつ行事を足す
ラジオ体操は、公園に集まって体操するだけなので、準備はカードとハンコくらいで済みます。毎朝続けて顔を合わせるので、子どもの顔と名前を覚えるきっかけにもなります。
埼玉県川口市の芝新町町会は、2026年の夏に7月21日から27日までの1週間、新町公園でラジオ体操を開き、子どもには毎日カードにハンコを押してお菓子を渡しています(出典:芝新町町会「ラジオ体操 2026夏」・2026年9月21日確認)。
品川区の出石町会(約920世帯)は、夏休みのラジオ体操のあとに消火器の訓練をして、楽しみながら町会活動に参加する人を増やしています(前掲・品川区「町会・自治会活動好事例集」)。人が集まっている時間に、もう1つだけ短い行事をつなげる形なら、役員の負担はほとんど増えません。
防犯パトロールを「まち歩き」にする
年末の防犯パトロールや夜回りを、地域を知るまち歩きとして組み直す方法です。すでにある行事を少し変えるだけなので、新しい準備はほとんど要りません。
北九州市八幡西区の若葉自治区会は、役員会の会場の場所を知らない人がいたことをきっかけに、年末の防犯パトロールで地域を2つに分け、自分が住んでいない側を歩くようにしました。参加した人からは意外な発見があったという声が出ています。ウォークラリーも、避難場所を確認しながら回る内容にしました(出典:北九州市「自治会加入促進・脱会防止 活動事例集(第三版)」(PDF)・2026年9月21日確認)。この事例集は2022年10月の発行で、過去の取り組みも含まれています。
歩くときは、グループを自治会や町内ごとに分けておくと、近所どうしで話すきっかけになります。若葉自治区会も、ウォークラリーのグループを自治会ごとに分けていました。
集会所で月1回のサロンを開く
高齢の方が歩いて来られる集会所や公民館で、お茶を飲みながら過ごす会を定期的に開きます。内容は、みんなで歌う、昔の映画を観る、軽い体操をする、くらいで十分です。
北九州市八幡西区の茶屋の原団地自治区会は、月に1回のサロンで、大型テレビに懐かしい映画や落語、童謡・唱歌の合唱、体操の映像を映して楽しむ会を開いていて、約40名が参加しています。カラオケや卓球の集まりも始めたことで、公民館の利用率が10%台から30%台に上がりました(前掲・北九州市「活動事例集」)。
毎月決まった日に開くと、案内を毎回出さなくても覚えてもらえます。こうした集まりは、社会福祉協議会が「ふれあい・いきいきサロン」として相談に乗っていることがあります。たとえば名古屋市社会福祉協議会は、各区の社協に相談窓口を置き、要件を満たすサロンに運営費用の一部を助成しています(出典:名古屋市社会福祉協議会「ふれあい・いきいきサロン活動」・2026年9月21日確認)。地元の社協にも聞いてみてください。
子どもが自治会員の家を回るハロウィン
子どもが仮装して、あらかじめお願いしておいた自治会員の家を回り、お菓子をもらう企画です。受け入れる家を決めておけば、会場の予約も大きな準備も要りません。
東京都東大和市の梅の原住宅自治会(約65世帯)は、2025年11月に初めてハロウィンを開き、23名の子どもがグループに分かれて自治会員の家庭を8軒回りました。仮装して迎えた家庭もありました。企画したのは子育て世代の自治会員で、お菓子を配る家庭の方々が子どもたちの訪問をとても楽しみにしていた、と話しています(出典:東大和市「自治会活動参加レポート」梅の原住宅自治会(PDF)・2026年9月21日確認)。
受け入れる家は事前に名簿にして、回る順番と時間を決めておきます。参加していない家を訪ねてしまわないよう、受け入れる家の玄関に目印を付けておくとトラブルになりにくいです。
少し準備と手続きが要り、手伝いの人を募る企画
流しそうめん大会
竹や雨どいを使った流しそうめんは、子どもが喜びやすく、夏の行事として親子で来てもらいやすい企画です。そうめんは市販の乾麺をゆでるだけなので、調理の手間もそれほどかかりません。
冒頭で紹介した品川区の旗の台南町会(約1,270世帯)は、子育て世代が増えている地域のため、流しそうめん大会や子ども手話クイズなど子ども向けの行事を開いています。一緒に来る親御さんには当日の簡単な手伝いをお願いして、町会活動に関わるきっかけにしています。100名近くいる役員の数も減らずに続いています(前掲・品川区「町会・自治会活動好事例集」)。
会場で調理して大勢に出すので、開催地の保健所に手続きが要るかを先に聞いておいてください。夏の屋外なら、日よけのテントと飲み水も用意しておきます。
公園で夜の映画上映会
公園にスクリーンとプロジェクターを置いて、夕方から映画を上映します。参加する人は敷物を持って来て座るだけなので、子どもから大人まで一緒に楽しめます。
横浜市の北山田町内会は、山田富士公園で野外映画上映会を毎年のように開いています。
2018年8月には『怪盗グルーのミニオン大脱走』を上映し、スクリーンを前年の1.5倍に大きくしました。案内では「敷物等は各自でご準備ください」「ゴミは各自でお持ち帰りください」と呼びかけています。2023年10月の回は、始まって30分ほどで小雨と雷が来たため中断しています(出典:北山田町内会「野外映画上映会」・2026年9月21日確認)。
屋外の夜の行事なので、天気が崩れたときの中止の判断と、その連絡の方法を先に決めておきます。
作品の権利については、営利を目的とせず、観る人から料金を取らず、出演者などに報酬も払わない上映会なら、公民館での上映会のように著作権者の許諾なしで上映できると文化庁が説明しています(出典:文化庁「著作権テキスト(令和6年度版)」(PDF)・2026年9月21日確認)。入場料を取る場合や、協賛企業の宣伝を兼ねる場合はこの条件から外れることがあるので、作品の権利を持つ会社に確認してください。
団地・マンションのフリーマーケット
住民が不要になった物を持ち寄って売るフリーマーケットは、出店する人も買いに来る人も住民なので、自然に会話が生まれます。出店の区画を割り振る係と、当日の受付があれば回せます。
東京都江東区の北砂五丁目団地では、団地の自治会が一年おきに「一坪市」というフリーマーケットを開いています。2021年11月に紹介された回は例年を上回る出店数になりました。同じ日に、自治会による和太鼓の演奏や日本赤十字社の献血があり、UR都市機構の関連会社が企画した丸太切りや薪割りの体験、ワークショップ、鮮魚の販売なども行われています(出典:UR都市機構「URくらしのカレッジ」北砂五丁目団地の「一坪市」・2026年9月21日確認)。
公園で開く場合は、自治体によって条件があります。横浜市の公園では、個人や企業の物品販売は原則できませんが、自治会・町内会や子ども会、マンション管理組合などが地域の行事として開くフリーマーケットに限って、地域への周知と事前の申請をしたうえで開けます(出典:横浜市「公園でフリーマーケットをしたいのですが。」・2026年9月21日確認)。
防災訓練と芋煮会を一緒に開く
防災訓練は大事な行事ですが、訓練だけだと参加する人が限られがちです。食べる時間とセットにすると、家族で来てもらいやすくなります。
埼玉県深谷市の下原自治会(約180世帯)は、昔から親睦のために開いていた芋煮会を、防災訓練とセットにしています。
2018年10月の回は85名が参加し、消防署の指導での消火訓練、三角巾を使った応急手当を学んだあと、LPガスのボンベとコンロで芋煮を炊き出して、みんなで囲みました。炊き出しの設備は、埼玉県LPガス協会の支部から借りています(出典:埼玉県「炊き出し訓練」現地レポート・2026年9月21日確認)。
設備を全部自治会でそろえるのは大変なので、借りられる先を探すところから始めると準備が軽くなります。ガスコンロを使うので、火を使う届出が要るかも消防署に確認しておきましょう。
マンションの防災訓練に、子ども向けの企画を並べる
マンションの防災訓練に、子どもが楽しめるコーナーを一緒に置く方法です。子どもが来れば、親御さんも一緒に参加してくれます。
千葉県市川市のクレストシティタワーズ浦安(609戸)では、13名の防災委員会が防災訓練を開き、毎年200〜300人が参加しています。消防の協力で通報・初期消火・煙体験・応急手当の訓練をする横で、ボーイスカウトの団が防災の絵本の読み聞かせ、紙芝居、災害のクイズ、新聞紙の食器づくり、ポップコーンづくりを担当しました(出典:マンション管理業協会「マン活最前線」防災訓練・2026年9月21日確認)。
子ども向けのコーナーは、地域のボーイスカウトや子ども会、消防団などに声をかけると、プログラムごと引き受けてもらえることがあります。
マンションの中庭で夏のパーティー
マンションの中庭や共用スペースで、屋台やゲームを並べる夏のパーティーです。住民が歩いて来られる場所なので、小さな子どもがいる家庭も気軽に参加できます。
横浜市のザ・ハウス港北綱島(487戸)では、管理組合の担当理事6名が中心になって、7月中旬の土曜日に中庭でサマーパーティーを開いています。スティールパンの演奏、アメリカンドッグやからあげの屋台、輪投げやスーパーボールすくい、打ち水、抽選会などで、100〜200人が参加しています。料理は買ってきた物を使って、理事の負担を減らしています(出典:マンション管理業協会「マン活最前線」サマーパーティ開催・2026年9月21日確認)。
同じマンションでは、近くのスポーツクラブにコーチの派遣と音響を、管理会社に受付を手伝ってもらい、子ども向けの体操とヒーローショーのイベントをほとんど費用をかけずに開いたこともあります(出典:マンション管理業協会「マン活最前線」低費用イベント企画・2026年9月21日確認)。
料理を作らずに買ってくる方法は、理事の手間と保健所の手続きの両方を軽くできるので、最初の年には特におすすめです。なお、このマンションでも担当理事の負担は大きく、住民からボランティアを募ったときの応募は1人だったと紹介されています。手伝う人の集め方は、後半の「行事を続けるには」の章で紹介します。

協力団体と組んで開く、大きな行事
年末の餅つき大会
臼と杵で餅をつき、つきたてをその場で配ります。つく体験に子どもが並び、見ている大人も声をかけるので、年齢を問わず参加できる行事です。
川崎市宮前区の大塚町内会は、2024年12月22日に宮崎こうしん坂公園で餅つき大会を開き、約750人が集まって、もち米90kgをつきました。会長は「順番待ちになるくらい盛況だった。かまどで火をおこし協力する体験は、災害があったときに役立つのではないか」と話しています(出典:タウンニュース 宮前区版(2025年1月1日)・2026年9月21日確認)。
かまどで火を使い、つきたての餅を配るので、消防署と保健所の両方に早めに確認しておきます。餅は喉に詰まりやすいので、小さくして配り、高齢の方や小さな子どもには食べやすい大きさにしておくと安心です。消費者庁も、餅はあらかじめ小さく切って、少量ずつ食べるよう呼びかけています(出典:消費者庁「年末年始、餅による窒息事故に御注意ください!」・2026年9月21日確認)。
どんど焼き
正月のしめ縄や書き初めを持ち寄って燃やす、小正月の行事です。竹で櫓を組む作業や火の番があるので、消防団や子ども会などの協力が欠かせません。
福岡市東区の香椎下原校区自治協議会は、2025年1月11日に香椎下原小学校の運動場でどんど焼きを開きました。朝8時から竹と笹で櫓を組み、地域から集めたしめ縄と児童の書き初めを積み上げています。食生活改善推進員(ヘルスメイト)の方々がぜんざいを500食用意して振る舞い、消防団の団員が会場の安全を見守りました(出典:香椎下原校区自治協議会「どんど焼き」・2026年9月21日確認)。
火を焚く行事なので、開催地の消防署への届出を必ず確認してください。福岡市では、火災とまぎらわしい煙や炎を出すおそれのある行為は、3日前までに所轄の消防署へ届け出ることになっています(出典:福岡市消防局「条例等届出関係」・2026年9月21日確認)。
地域の運動会
校区や町内の運動会は、子どもから高齢の方まで同じ日に集まれる行事です。一方で、選手集めや種目の準備に手間がかかるので、続け方の工夫が要ります。
北九州市戸畑区の天籟寺地区自治会は、1981年から校区運動会を毎年開いていて、2017年度の第36回には幼児から年長の方まで約300名が参加しました。自治会に入っているかどうかに関係なく参加者を募っています。
若松区の第東中14区自治会は、選手集めが大変な徒競走を一時やめたものの、盛り上がりのために育成会が中心になって再開し、プログラムの最後にくじ引きを入れて最後まで楽しんでもらう工夫をしています(前掲・北九州市「活動事例集」)。
最後にくじ引きを置く形は、途中で帰る人を減らしたいときに使いやすい方法です。綱引きや輪投げなどの用具は、区や体育振興会が無料で貸し出していることがあります。たとえば福岡市の早良区体育振興会は、早良区の団体が子ども会や公民館のイベントなどで使う場合に、綱引き・輪投げ・グラウンドゴルフなど約30種類の用具を無料で貸していて、貸出日の1週間前までの申し込みが必要です(出典:福岡市早良区「早良区体育振興会 スポーツ用具の貸出し」・2026年9月21日確認)。
運動会を、ステージと屋台のお祭りに変える
運動会を続けるのが難しくなったとき、競技をやめて、ステージと屋台で楽しむお祭りに切り替える方法もあります。走るのが苦手な人も参加しやすくなります。
北九州市門司区の藤松校区では、少子高齢化で校区の運動会を続けるのが難しくなったため、2002年度から小学校のグラウンドで「ふじまつフェスタ」を開いていて、例年2,000〜3,000人が参加しています。
屋台は金券制にして、自治会に入っている世帯には、運動会で配っていたお弁当の代わりに金券を配っています。近くの保育園から高校までが参加し、主催は未加入の方も参加しやすいよう「まちづくり協議会」にしています(前掲・北九州市「活動事例集」)。
屋台の金券制は、会計の係が現金を扱う場所を1か所にまとめられるので、当日の管理もしやすくなります。
お祭りのプログラムに抽選券を付けて、全世帯に配る
お祭りの案内に抽選券を付けて、自治会に入っていない世帯も含めて配る方法です。案内が「行けば何か当たるかもしれない」という来場のきっかけになります。
北九州市小倉北区の井堀校区まちづくり協議会は、校区最大の「グミの里井堀まつり」で、設立20周年の記念事業として、町内会に入っているかどうかに関係なく、小学生のいる全世帯に景品抽選券付きのプログラムを配りました。景品も増やしてPRした結果、抽選会の参加者が前年度より29.3%増えています(前掲・北九州市「活動事例集」)。
景品の抽選は、当たるかどうかが最後まで分からないので、お祭りの締めに置くと会場に人が残りやすくなります。
会場と手続きは、公園・道路・食べ物・火・保険の5つを確かめる
自治会の行事で主に確認が要るのは、公園を使うこと、道路を使うこと、食べ物を出すこと、火を使うこと、けがに備える保険の5つです。どれも自治体ごとに扱いが違うので、ここでは福岡市・福岡県の資料を例に、何をどこに確認するかをまとめます。
| 確認すること | 相談・提出先の例(福岡市の場合) | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 公園でイベントを開く | 区役所の維持管理課、または公園の管理事務所 | 原則1か月前までに申請 |
| 道路で祭り・露店を開く | 道路を管轄する警察署の交通課 | 早めに事前相談(手数料2,400円) |
| 会場で調理した食べ物を出す | 開催地の保健所 | 献立が決まった時点で相談 |
| コンロ・ホットプレートなどを使う露店 | 所轄の消防署 | 3日前までに届出 |
| 焚き火・どんど焼きなど | 所轄の消防署 | 3日前までに届出 |
| 役員・参加者のけが | 区役所の地域支援課(市民活動保険) | 事前の登録は不要。事故のときに連絡 |
表の内容は、以下で紹介する各機関の資料から取っています。福岡市以外で開く場合は、同じ種類の窓口がそれぞれの自治体にあります。
公園を使うときは、1か月前までに許可を取る
公園で集会や催しを開き、公園の全部や一部を占めて使う場合は、許可が要ります。福岡市では、競技会・集会・展示会などの催しのために公園を独占して使う場合や、映写会・野外音楽会などが許可の対象で、原則として使用開始日の1か月前までに、各区役所の維持管理課か公園の管理事務所に申請します。使用料も別にかかります(出典:福岡市「占用許可申請、行為許可申請等」・2026年9月21日確認)。
ラジオ体操のように場所を独占しない集まりと、テントを張って区画を占める夏祭りとでは、扱いが変わる場合があります。迷ったら、行事の内容と配置図を持って窓口に相談するのが確実です。
道路で祭りや露店を開くときは、警察署に道路使用許可を申請する
町内の道路を通行止めにして祭りを開く場合や、道路に露店を出す場合は、道路使用許可が要ります。福岡県警察の案内では、道路での祭礼行事やパレード、祭礼などでの一時的な露店の出店が許可の対象で、道路を管轄する警察署の交通課に、申請書類を2部つくって申請します。手数料は1申請につき2,400円です(出典:福岡県警察「道路使用許可申請手続き」・2026年9月21日確認)。
通行止めにすると、近くに住む方の車の出入りにも影響します。回覧やポスティングで、止める時間と迂回の方法を早めに知らせておきましょう。夏祭りの会場の飾り方や、提灯・のぼりの立て方は、夏祭り・お祭りの装飾|会場の飾り方と準備の進め方にまとめています。
食べ物を作って出すなら、保健所に先に相談する
会場で調理して大勢に出す場合は、保健所の手続きが要ることがあります。福岡県の案内では、催し物で2週間以内に限って簡易な施設で飲食店営業をする場合は「臨時営業」の許可が要り、出店が決まったら1か月前には管轄の保健福祉事務所へ相談、2週間前には申請書類を出す流れになっています。福岡市・北九州市・久留米市で開く場合は、それぞれの市の保健所に問い合わせます(出典:福岡県「お祭りやイベントにおいて臨時営業・仮設営業で食品を提供される皆様へ」・2026年9月21日確認)。
自治会の行事で無料で配る場合の扱いも、自治体と出し方によって変わります。流しそうめん、芋煮、餅つき、ぜんざいのように会場で作る企画を入れるなら、献立が決まった段階で保健所に聞いておきましょう。
火を使うなら、消防署への届出と消火器を用意する
コンロやホットプレートを使う露店は、消防署への届出と消火器の準備が要ります。福岡市消防局は、祭礼や縁日など多くの人が集まる催しで、対象の火気器具を使う露店を出す場合は、開設の3日前までに所轄の消防署へ届け出るよう案内しています。消火器は器具ごとに1本が必要です(1つのテント内で支障がなければ共同で置くこともできます)。対象の器具には、カセットコンロやバーベキューコンロのほか、ホットプレート、綿菓子機、ポップコーン機、発電機なども含まれます(出典:福岡市消防局「多数の者の集合する催しにおける火災予防」・2026年9月21日確認)。
電気で動く綿菓子機やポップコーン機も対象に入っている点は、見落としやすいところです。子ども向けのコーナーで使う予定があれば、届出の器具の一覧に入れておいてください。
保険は、役員・参加者と来場者で分けて考える
行事中のけがや事故に備える保険は、自治体の制度でどこまでカバーされるかを先に確かめます。福岡市の「市民活動保険」は、自治会・町内会などの地域活動を対象にした制度で、事前の手続きや登録は要りません。夏祭り・体育祭・文化祭などの地域活動も対象に含まれています(出典:福岡市「福岡市市民活動保険制度のご案内(令和8年度版)」(PDF)・2026年9月21日確認)。
ただし、けがの補償を受けられるのは行事の責任者と活動に参加する人で、夏祭りなどの来場者が自分でけがをした場合は対象外です。活動する人の食中毒や熱中症も、けがの補償の対象になりません。
来場者にけがをさせて自治会が法律上の賠償責任を負う場合は、区役所での審査を経て、賠償責任の補償の対象になります。ただし、のぼり旗や看板が風で飛んだり落ちたりして起きた事故は、設置作業中を除いて対象外とされています。
来場者自身のけがにも備えたい場合は、行事ごとに入れる保険を別に検討します。全国社会福祉協議会の「ボランティア行事用保険」は、最寄りの社会福祉協議会が窓口で、地域福祉活動やボランティア活動として行う行事が対象です。不特定多数が来て参加者を特定できない行事は対象外なので、自分たちの行事が入れるかは窓口で確かめてください(出典:全国社会福祉協議会「ふくしの保険」取扱窓口(福祉保険サービス)「ボランティア行事用保険」・2026年9月21日確認)。
準備と当日の段取りは、会場の手続きから逆算する
準備は、日程と会場を押さえる、手続きを出す、係と備品を決める、案内を出す、当日の順で進めます。公園の許可は1か月前、保健所の相談も1か月前が目安なので、そこから逆算して動き始めるとあわてずに済みます。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 3〜6か月前 | 役員会で行事の内容と予算を決める。日程と会場を仮押さえする。協力をお願いする団体(子ども会・消防団・PTAなど)に声をかける |
| 2〜3か月前 | テント・机・音響など備品の手配先を決める。食べ物と火を使うかを決め、保健所・消防署に相談する |
| 1か月前 | 公園の使用許可、道路使用許可を申請する。保健所への申請を進める。回覧・掲示板・チャットで案内を出す |
| 2週間前 | 係の分担表と当日の進行表を作り、役員と手伝いの人に配る。雨の日の判断基準と連絡方法を決める |
| 3日前まで | 火を使う露店、焚き火の届出を消防署に出す。消火器の本数を確認する |
| 前日〜当日 | テント・受付・ステージの設営、音響の確認、開始前の打ち合わせ。終わったら片付けとごみの持ち帰り |
係は、受付・会場の誘導・食べ物・ゲームや景品・音響と司会・救護・片付けくらいに分けて、1人に2つ以上の係が重ならないようにしておくと当日が回りやすくなります。役割の分け方と指示の出し方は、イベント当日の運営体制のつくり方にまとめています。
テントと音響は、借りられる先を先に探す
テントや長机、マイクとスピーカーを自治会で持っていない場合は、借りるか頼むかを決めます。まずは校区の協議会や公民館に、借りられる物がないか聞いてみるのがおすすめです。
屋外にテントを張る場合は、風で飛ばないように脚ごとに重りを付けておきます。風や雨の日の備え方は屋外イベントの装飾|風・雨・日差しに負けない飾り方と備えに、仮設のステージを組むときの流れはステージ設営の流れと費用の考え方に書いています。
案内は、回覧板だけに頼らない
案内は、回覧板や掲示板に加えて、LINEなどで流すと若い世代にも届きやすくなります。神戸市灘区の桜ヶ丘山手自治会(73世帯)は、LINEのオープンチャットでお知らせを流すようにして、回覧板を年に1〜2回程度まで減らしました(出典:神戸市「自治会 業務負担軽減の事例集」(PDF)・2026年9月21日確認)。
告知の手段ごとの届く相手と締切は、イベントの告知方法10選で比べています。参加する人が100人を超えそうなら、受付の待ち時間や救護の体制も変わってくるので、大人数のイベント企画も合わせて見てください。
行事を続けるには、手伝う人の入口を増やし、やめる行事も決める
行事を毎年続けるための工夫として、自治体の事例集によく出てくるのは、役員にならなくても手伝える入口を作ることと、負担の大きい仕事を見直すことの2つです。担い手が足りないのはどの自治会でも起きていることで、総務省の研究会の資料でも、加入率の低下や担い手不足で活動の持続可能性が下がっていることが課題に挙げられています(出典:総務省「自治会・町内会の活動の持続可能性について」(PDF)・2026年9月21日確認)。
役員ではない「手伝う人」の枠を作る
役員を引き受けるのは難しくても、行事の日だけなら手伝える人はいます。その人たちが入れる枠を、役員会とは別に作る方法です。
品川区の大崎居木橋町会は、若い世代の住民が増えたことを受けて、2017年から子どもたちの面倒を見ながら行事を手伝う「サポーターズ」を募っていて、約15名が登録しています。区の補助金で専用のTシャツも作りました。戸越四丁目町会は、定例の会議に出なくてもよいことを前提に、お祭りや行事のときだけ手伝う「文化部」を作り、30〜40代を中心に10名以上が加わって、そのうち3名が町会の役員になっています(前掲・品川区「町会・自治会活動好事例集」)。
同じ品川区の小山二丁目東部町会には、お祭りを手伝いたい人たちの「友和会」があり、40〜50代を中心に約40名が在籍しています。お祭りでは約15店の夜店を出していて、現在の町会長も友和会の出身です(前掲・品川区「町会・自治会活動好事例集」)。
新しい行事は、提案した人に任せてみる
子育て世代の方が「こういう行事があったらいいのに」と言ったときは、その人に企画を任せて、役員は手伝いに回る方法もあります。先に紹介した梅の原住宅自治会のハロウィンは、家族で自治会の行事に参加していた子育て世代の自治会員が提案し、役員や近所の友人の手伝いを受けて開いたものでした。
任せる人が役員でなくても、会計と保険と手続きだけは役員側で引き受けておくと、提案した人も安心して動けます。
やめる行事・減らす仕事を、役員会で決める
行事を増やすだけでは、役員の負担は増える一方です。続ける行事を選ぶために、今の仕事を洗い出して、やめるものを決めた自治会もあります。
神戸市北区のK自治会は、自治会の活動を「難易度」「重要度」「優先順位」の3つでA〜Cに評定し、役員で話し合って必要かどうかを整理しました。
長田区のG自治会は、業務を洗い出したうえで、イベントやお祭りのときのブース出展と神輿をやめ、班長会も2か月に1回から3か月に1回に減らしています。西区の潤和若葉自治会は、会長の仕事を「引継ぎ直後」「月別」「随時」に分けた引継ぎマニュアルを作り、会長が交代するたびに受け渡しています(前掲・神戸市「自治会 業務負担軽減の事例集」)。
行事ごとの係の分担表と進行表を毎年残しておくと、それがそのまま次の年の引継ぎの資料になります。
マンションと町内会の間に、話す場を作る
マンションが多い地域では、マンションの住民と町内会のつながりを作る場が役に立ちます。品川区の東親会(約4,300世帯)は、各マンションの管理組合の代表が集まる「マンション懇談会」を3か月に1回開き、年4回のうち1回は必ず防災をテーマにしています。懇談会のあとは軽食をとりながら交流していて、各マンションから2名以上が出席するようになりました(前掲・品川区「町会・自治会活動好事例集」)。
お祭りや防災訓練をマンションと合同で開くときも、こうした場があると日程や役割の相談がしやすくなります。
テントやステージが要る規模になったら
数十人規模の行事なら、自治会の備品と借りてきたテント、ハンドマイクで十分に開けます。一方で、道路を使うお祭りや、ステージで演目を見せる行事になると、テント・ステージ・音響・看板の手配と設営を役員だけで抱えるのは大変になってきます。
AGSは、イベントの企画から、会場の装飾、ステージと音響の設営までをお受けしています。大きな祭りでは、中洲まつりの看板兼ステージバックパネルの制作・施工や、天神地下街での博多どんたく演舞舞台の施工を手がけました。
行事の企画は自治会で決めて、ステージの設営や看板の制作だけを頼む形でも大丈夫です。拠点は福岡・博多で、現場は全国に伺います。
よくある質問
Q. 役員が少なくても開ける自治会のイベントはありますか?
あります。ラジオ体操、防犯パトロールを兼ねたまち歩き、集会所でのサロン、自治会員の家を回るハロウィンなどは、役員数人といつもの会場で開けます。紹介した梅の原住宅自治会(約65世帯)のハロウィンも、受け入れる家を8軒決めて開いていました。
Q. 自治会の夏祭りで食べ物を配るときも、保健所の手続きは要りますか?
会場で調理して出す場合は、手続きが要ることがあります。扱いは自治体と出し方によって変わるので、献立が決まった時点で開催地の保健所に相談してください。市販の個包装のお菓子や飲み物を配る形にすると、調理の手間と手続きの両方を軽くしやすくなります。
Q. 公園でイベントを開くには、いつまでに何をすればいいですか?
公園を占めて使う催しは、使用の許可が要る場合があります。福岡市では原則として使用開始日の1か月前までに、区役所の維持管理課か公園の管理事務所に申請します。火を使う露店を出すなら、3日前までに消防署への届出も必要です。
Q. 行事のけがに備える保険はありますか?
自治体が自治会・町内会の活動向けの保険制度を持っていることがあります。福岡市の市民活動保険は事前の登録が要りませんが、来場者が自分でけがをした場合や、活動する人の食中毒・熱中症は、けがの補償の対象外です。来場者まで備えたい場合は、社会福祉協議会の窓口で行事用の保険を相談してみてください。
自治会の行事は、大きな祭りでなくても、人が集まって顔を合わせる機会になれば十分に役目を果たします!
まずは今の役員で無理なくできる行事を1つ選び、手伝ってくれる人の枠を作るところから始めてみてください。公園・火・食べ物を使う行事は、1か月前には窓口に相談しておくと安心です。
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