3小間の展示会ブースは、1小間の区画を横に3つ並べた間口約9m×奥行3mの形で割り当てられることが多く、この横長の区画を「見せる・試す・話す」の3つのゾーンに割って使うのが基本になります。
面積は1小間の3倍になりますが、奥行は3mのままなんですよね。広い部屋というより、通路に沿って長く伸びたお店の軒先に近い形です。なので奥に何かを置く発想より、横に役割を並べる発想のほうが組みやすくなります。
実際の出展規程でも、3小間はこの形が中心です。2026年5月に東京ビッグサイトで開かれたJECA FAIR 2026(第74回電設工業展)では、横並びの「A小間」とブロック状の「B小間」があり、B小間は4小間以上の申し込みに限られています。3小間なら横並びの間口8.91m×奥行2.97mになります(出典:JECA FAIR 2026実行委員会「出展のご案内」・2026年9月18日確認)。
この記事では、3小間の実寸の確かめ方、間口9mの割り方、角小間になったときの開き方、そして高さ制限や壁の開け方など2小間までと変わる決まりを、ブースの設計・施工をしている会社の目線でまとめました。1小間の考え方は1小間のレイアウトと造作の記事、2小間は2小間のレイアウトの記事で書いています。
3小間のサイズと形|横一列の約9m×3mが基本
3小間は、基準の小間を横に3つつなげた形が基本です。1小間が3m×3mの展示会なら9m×3mで27平方メートル、畳にしておよそ16畳になります。
ただし、基準の小間の大きさも、3小間をどんな形で割り当てるかも、主催者が決めています。3m×3mが一般的ですが、4m×4mや2.7m×2.7mを基準にする展示会もあります(出典:経済産業省「展示会産業概論」2014年・2026年9月18日確認)。
実在の展示会の出展規程を並べると、次のようになります。
| 展示会 | 1小間の大きさ | 3小間の形 | 横並び以外の形が選べる小間数 |
|---|---|---|---|
| JECA FAIR 2026(東京ビッグサイト) | 間口2.97m×奥行2.97m×高さ2.7m | 横並び(A小間) | ブロック小間は4小間以上 |
| メッセナゴヤ2026 | 間口3m×奥行3m×壁高2.7m(芯々2.97m) | 横列 | 4・6小間は横列か背抜きを選ぶ。12小間は島小間 |
| JIMTOF2026(東京ビッグサイト) | 3m×3m | 規程に形の定めなし(スペース渡し) | ー |
| Inter BEE 2026 | 間口2,970mm×奥行2,970mm | ページに形の定めなし | ー |
(いずれも主催者の公式ページ・資料より。2026年9月18日確認)
3小間で四方が通路に面した島小間になるケースは、この4件では見当たりませんでした。島型やブロック型のブースを思い描いていた場合は、申し込みの前に出展規程の「小間形態」の項目を読んでおくと安心です。
2.97mの規格だと、3小間の間口は8.91mになります。「9mある」と思って幅9mぴったりの壁面グラフィックを作ると、9cm収まりません。図面は規程の数字から始めてください。
3小間のレイアウト|間口9mを3つのゾーンに割る
3小間のレイアウトは、間口9mを左・中・右の3つに割り、それぞれに1つずつ役割を持たせるところから始めます。2小間でも間口6mを2〜3に割れますが、1つのゾーンが2〜3mになるので、実演や体験の場所を独立させると展示や商談が窮屈になりやすいです。3小間なら、「見せる」「試す」「話す」の3つにそれぞれ約3mずつ取れます。
奥行が浅い区画では、横の並び順がそのまま来場者の動く順番になります。割り方の代表的な形を3つ紹介します。

左から「見せる・試す・話す」と流す
通路の人の流れが多い側に、遠くから目に入る展示や映像を置きます。真ん中を製品に触れたり実演を見たりする場所にして、反対の端に商談テーブルを置く形です。
通りかかった方がまず展示に足を止め、興味が深まるにつれて横へ移っていくので、話の深さと立ち位置がそろいます。会場の小間割図(小間の配置を描いた図面)が出たら、人がどちらの入口から多く来そうかを見て、左右の向きを決めてください。
真ん中を顔にして、両端を入口にする
中央の3mに社名とメインの展示を集めて、ブースの「顔」にする形です。左右の端はそれぞれ別の製品やサービスの入口にします。
扱う製品が2系統ある会社や、グループ会社と共同で出る場合に向いています。中央の顔があることで、2つの展示が別々の会社に見えにくくなるのがいいところです。
実演の観覧スペースを真ん中にとる
調理や機械の実演、短いプレゼンで人を集めたいなら、真ん中の区画を観覧スペースとして空けておきます。
2小間でも観覧の余白は取れますが、実演と展示・商談を同じ6mに並べると、人だかりが隣のゾーンにかかりやすくなります。3小間なら真ん中の約3mをまるごと実演と観覧に使えるので、両側の展示と商談の邪魔になりません。実演台を奥に寄せて手前に人が立てる余白を取っておくと、人だかりが通路をふさぎにくくなります。
集まった方への声のかけ方や当日の動きは、展示会の集客方法にまとめています。
横一列と角小間|通路に接する面の数で開き方が変わる
同じ3小間でも、列の中にあるか、列の端の角にあるかで開き方が変わります。列の中なら正面の約9mだけが通路に面し、角小間なら正面に加えて側面の約3mも通路に面します。
| 列の中の3小間(1面開放) | 角小間の3小間(2面開放) | |
|---|---|---|
| 通路に接する面 | 正面の約9m | 正面の約9m+側面の約3m |
| 壁が立つ場所 | 背面と両側面 | 背面と、隣の小間に接する側面 |
| 来場者の入り方 | 正面から入る | 角から斜めに入る方が多い |
| 気をつけること | 9mの壁面を何枚もの掲示物で埋めない | 角に背の高い什器を置いて開口をふさがない |
JECA FAIR 2026の基礎小間では、角小間の場合、隣の小間との境界以外にはシステムパネル(主催者が立てる規格の仕切り壁)を付けないと定めています(前掲「出展のご案内」)。Inter BEE 2026も、角小間の通路側にはパネルを付けないとしています(前掲の出展料金ページ)。角小間になったら、通路側は壁のない状態で引き渡されると考えて図面を描いておくと安心です。
角小間では、角の一角を空けて受付や目を引く展示を斜めに向けると、両方の通路から目に入ります。3小間だと角と反対側の端が遠くなるので、反対側の端にも何か1つ「行ってみたくなるもの」(実演や映像)を置いておくと、ブースの端まで人が入りやすくなります。
1〜2小間と変わること|高さ・壁の開け方・申請
3小間で変わるのは広さだけではありません。高さの上限や、壁で囲ってよい範囲といった装飾の決まりも、小間数によって変わる展示会があります。
| 1小間 | 2小間 | 3小間 | |
|---|---|---|---|
| 面積(3m×3m基準) | 9平方メートル | 18平方メートル | 27平方メートル |
| 通路に向く間口 | 約3m | 約6m | 約9m |
| 奥行 | 約3m | 約3m | 約3m |
| 分けられるゾーン | 1つ(何を置かないかを決める) | 2〜3つ(1つのゾーンは2〜3m) | 3つ(1つのゾーンに約3mずつ) |
| 高さの上限(JECA FAIR 2026のA小間) | 2.7m | 4m(周囲1mセットバック) | 4m(周囲1mセットバック) |
| 当日の人数の目安 | 2〜3人 | 4〜5人 | 5〜6人 |
高さの上限は、小間数で変わることがある
JECA FAIR 2026の横並び小間では、1小間は装飾をすべて2.7m以下にします。2小間以上になると4m以下まで認められますが、2.7mを超える部分は、通路・隣の小間との境界・背面のパネルから1m内側に下げる(セットバックする)決まりです(前掲「出展のご案内」、JECA FAIR 2026「出展マニュアル 4 展示と小間の装飾」・2026年9月18日確認)。
奥行3mの区画で前後1mずつ下げると、高くできるのは真ん中の奥行約1mの帯だけになります。左右の両端も1mずつ下がるので、3小間なら幅約6.9m×奥行約1mの範囲です。社名を高い位置に掲げたいときは、この帯の中に立てる前提で絵を描いてください。
一方、JIMTOF2026は照明を含む装飾の高さを3mまでとし、通路・隣の小間・壁面側の小間の外周から3m離れた内側の範囲だけ6mまで認めています(出典:JIMTOF2026「出展規程 3.展示装飾」・2026年9月18日確認)。3小間が横一列の9m×3mで割り当てられた場合は、前後どちらの辺からも3m離れた場所が区画の中にないので、装飾は3mまでになります。
同じ3小間でも、展示会によって上に伸ばせるかどうかがまったく違います。高さの考え方そのものは1小間の記事の「高さをどう使うか」で書いたとおりで、上限の数字だけは出展規程で毎回確かめるのが確実です。
通路側を壁で閉じすぎない決まりがある
間口が9mあると、背の高い壁で商談スペースを囲いたくなるかもしれません。ここにも決まりがある展示会があります。
JECA FAIR 2026では、通路を挟んで向かいに出展者がいる場合、小間の1辺の2分の1を超える長さの壁を造ることを禁止しています。小間の端から1m以内の壁は1辺の2分の1まで、それを超える壁は通路から1m以上下げて建てる決まりで、高さ1.2m以下の構造物は壁とみなしません(前掲「出展マニュアル」)。
この決まりを3小間の正面に当てはめると、間口8.91mの半分、約4.4mまでが通路際に立てられる壁の長さです。読み方に迷ったら、図面を出す前に事務局に確かめておきましょう。
商談スペースを落ち着かせたいときは、背の高い壁で囲うより、1.2m以下のカウンターや棚で緩く仕切ると決まりにも収まりやすいです。
申請は、図面と高さの届出が中心になる
3小間になると、装飾の図面や高さの届出が必要になる場面が増えます。JECA FAIR 2026では全出展者に平面図・立面図つきの装飾図面届を求めていて、2.7mを超える装飾や天井を張る工事には別の届出が要ります(前掲「出展マニュアル」)。
天井や吊り物、床への固定など、会場側の決まりが絡む話は1小間の記事でも触れました。3小間でLEDビジョンや照明を増やす場合は、電気の容量の申請も増えるので、図面と一緒に早めに固めておくと後が楽です。
出展料と施工費|小間数で比例するものとしないもの
3小間の費用は、小間数に比例して増える出展料と、仕様の決め方で大きく変わる施工・装飾費に分けて考えます。
出展料は「1小間あたり◯円」で公表されることが多いので、そのまま3倍になります。たとえばJECA FAIR 2026の横並び小間は非会員で1小間330,000円(税込)なので3小間で990,000円、メッセナゴヤ2026の基礎小間は一般で1小間242,000円(税込)なので3小間で726,000円に、別にオンラインアカウント料金11,000円(税込)がかかります(いずれも前掲の主催者資料・2026年9月18日確認)。
施工・装飾費は、面積に単純には比例しません。金額を大きく動かすのは次のような要素です。
- 壁面の長さと仕上げ(約9mの壁を大判グラフィックで覆うか、部分的に貼るか)
- 作り方(システムパネルを使うか、木工で造作するか)
- 映像の大きさ(LEDビジョンを入れるか、何メートルの幅にするか)
- 照明の数と、それに合わせた電気の容量
- 床の仕上げと、商談スペースの家具
3小間は、背面と側面をシステムパネルで組み、正面の受付や顔になる部分だけを造作する組み合わせも取りやすい規模です。方式の違いはシステムパネルの展示会ブースの記事、費用の内訳の考え方は展示会ブースの費用の記事で整理しています。
LEDビジョンを軸にした広めのブースの例としては、横幅9m×高さ2.5mのLEDビジョンを入れたものづくりワールド東京2025のブースや、関連9社が一緒に出展したブースを大型LEDビジョン2台でまとめた先進建設・防災・減災技術フェア in 熊本2024のブースがあります。
当日の人数は5〜6人が目安|持ち場はゾーンごとに決める
3小間の当日は、会期中に5〜6人をそろえておくと回しやすいというのが私たちの目安です。1小間なら2〜3人、2小間なら4〜5人という目安は展示会のスタッフ派遣の記事で書いたとおりで、3小間はゾーンが1つ増えるぶん、持ち場も1つ増えます。来場者の多さや実演の有無で前後するので、あくまで組み始めの数字として使ってください。
数え方は、ゾーンごとに1人と、受付・呼び込みに1〜2人、交代の1人です。間口が9mあると、端に立っている人から反対の端はかなり遠く感じます。1人が全体を見渡すのは難しいので、ゾーンごとに担当を決めておくと、声をかけられずに帰ってしまう方を減らせます。
ホークスの外野が3人で守備範囲を分けているのと同じで、誰がどこを守るか決まっていないと、ゾーンの境目に来た方を誰も迎えない場面が起きやすいんです。持ち場と時間帯を1枚にまとめておくと、会期中の交代もスムーズになります。
3小間で起きやすいもったいない使い方
広さを取ったのに、その広さが活きていないブースも会場では見かけます。3小間で起きやすいものを3つ挙げます。
9mの壁が3枚のばらばらの絵になっている
1小間ぶんずつ別の担当が掲示物を考えると、壁面が3枚の別々の絵に見えてしまいます。遠くの通路から見たときに、何の会社のブースか分かりにくくなります。
壁面は9m全体で1枚の絵として設計して、細かい情報は目線の高さに寄せてください。壁面の素材や入稿の決め方は展示会の壁面装飾の記事にまとめています。
商談テーブルが通路際に並んでいる
商談席を増やしたくて、テーブルを通路沿いに並べるケースがあります。通路から商談中の様子が丸見えになるうえ、テーブルが通路と展示の間をふさいで、中に入りにくくなりがちです。
商談は片方の端のゾーンにまとめて、1.2m以下の棚やカウンターで緩く仕切っておくと、落ち着いて話せる場所になります。
片方の端に人が集まって、反対の端が空いている
入口に近い端だけが混んで、反対側の端はスタッフしかいない、という状態になることがあります。原因として多いのは、奥の端に人を呼ぶ理由がないことです。
実演の時間を決めて告知したり、端に映像を置いたりして、両端にそれぞれ足を運ぶ理由を作っておくと、ブース全体が使われるようになります。
AGSは展示会ブースの設計・施工を、レイアウトの図面づくりから現場での施工まで一括でお手伝いしています。3小間の区画図と出展規程があれば、ゾーンの割り方を決める段階からご相談いただけます。見積りは無料です。
よくある質問
Q. 3小間はどのくらいの広さですか?
基準が3m×3mの展示会なら27平方メートル、畳にしておよそ16畳です。2.97m規格なら間口8.91m×奥行2.97mで、約26.5平方メートルになります。奥行は1小間と同じなので、横に長い区画だと考えてください。
Q. 3小間でも島小間(四方が通路のブース)にできますか?
多くの展示会では難しいと思います。JECA FAIR 2026ではブロック小間が4小間以上、メッセナゴヤ2026では島小間が12小間からで、3小間は横並びで割り当てられます。ほかの展示会でも、形の決まりは出展規程の「小間形態」の項目で確かめてください。
Q. 3小間の出展料はいくらですか?
1小間の出展料の3倍が目安です。JECA FAIR 2026の非会員なら990,000円(税込)、メッセナゴヤ2026の一般なら726,000円(税込)に別途オンラインアカウント料金がかかります。施工・装飾費は出展料とは別で、仕様によって大きく変わります。
Q. 2小間と3小間で迷っています。どう決めればいいですか?
ブースでやりたいことの数で決めるのが分かりやすいです。展示と商談の2つで足りるなら2小間、実演や体験のように「試してもらう場所」も欲しいなら3小間が合います。出展料と人数も1小間ぶん増えるので、会期中に立てる人数も合わせて確かめておくと安心です。
3小間の設計は、間口約9mを3つのゾーンにどう割るかを決めると形が見えてきます。まず出展規程で実寸・形・高さの上限を確かめて、区画図に「見せる・試す・話す」の線を引くところから始めてみてください。
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