2小間の展示会ブースは、区画を横に2つつなげた間口6m×奥行3m、18平方メートルが基本の形です。1小間では両立が難しかった「見せる場所」と「話す場所」を、分けて置けるようになります。
理由は面積より間口です。通路に向く面が3mから6mに倍になるので、ブースを2つ3つのゾーンに割っても、それぞれがちゃんと通路から見えます。
たとえば2人掛けの商談テーブルは、椅子を引くスペースまで含めるとおよそ2m×2mの場所を取ります。1小間だとこれだけで面積の半分近くが埋まりますが、2小間なら、テーブルを奥に置いても通路側に展示スペースがまるまる残ります。
この記事では、2小間の実寸の確かめ方、レイアウトの型、角小間の活かし方、そして1小間との違いを、ブースの設計・施工をしている立場から整理しました。出展が決まってから会期までの段取り全体は、展示会ブースの作り方にまとめています。
2小間のサイズは横6m×奥行3mが基本|規格は主催者ごとに違う
2小間は、1小間の区画を横に2つ並べた形で使うのが一般的です。1小間が3m×3mの展示会なら、横6m×奥行3mの18平方メートルになります。
ただし、この「3m」が展示会によって違うんです。
基準になる小間のサイズは主催者が決めていて、3m×3mが一般的ですが、4m×4m、2.7m×2.7m、3m×2mを基準とする展示会もあります(出典:経済産業省「展示会産業概論」2014年・2026年9月4日確認)。
実際の出展案内を見てみます。Inter BEE 2026(主催:日本エレクトロニクスショー協会)の1小間は間口2,970mm×奥行2,970mm。福岡で開かれる西日本食品産業創造展’27(主催:日刊工業新聞社)も間口297cm×奥行297cm×高さ270cmで、壁の内側の寸法は293cmと注記されています(どちらも2026年9月4日確認)。
2.97mの規格だと、2小間は横5.94m×奥行2.97mです。「6mある」と思い込んで幅6mぴったりの壁面グラフィックや什器の並びを計画すると、数センチ収まりません。壁の厚みで内寸がさらに小さくなる会場もあります。
まず出展規程で自分の小間の実寸を確かめてください。図面はその数字から始めます。
2小間でできるレイアウト|受付・展示・商談を分けて置く
考え方はシンプルで、間口6mを2〜3のゾーンに割り、役割を1つずつ与えます。1小間の「何を置かないか」を絞り込む発想から、「どこで見せて、どこで話すか」を設計する発想に変わります。
キャンプで1ルームのテントから2ルームテントに替えると、寝る場所と食事の場所を分けられますよね。あれと同じで、広さそのものより「分けられること」が使い勝手を変えます。

前後で分ける|展示を通路側に、商談を奥に
いちばん使いやすい基本形です。通路側に展示台と製品を並べ、奥の壁沿いに商談テーブルを置きます。
通りかかった方がまず製品に足を止め、話が深くなったら奥の席へ移る、という流れが自然に作れます。商談席を通路から少し引っ込めるだけで会話が落ち着きますし、商談中の背中が展示を隠すこともありません。
左右で分ける|デモゾーンと商談ゾーン
間口6mを左右に割り、片側3mをデモや体験に、もう片側を受付と商談にあてる形です。
機械や機器を動かして見せる出展と相性がよく、デモの音や人だかりと商談の会話が干渉しにくくなります。受付はゾーンの境目あたりに置くと、どちらに来た方にも声をかけられて便利です。
実演を主役にする|見る人が立つ場所まで設計する
調理や加工の実演で人を集めたい場合は、実演スペースそのものより先に、「見る人が立つ場所」を確保します。
実演の前に2〜3人が立ち止まると、1小間では通路にはみ出してしまいます。2小間なら観覧の余白を小間の中に取れるので、人だかりごと自分の区画に抱え込めるんです。人が人を呼ぶので、この余白は飾りではなく集客の仕掛けです!
集まった方への声のかけ方や当日の動きは、展示会の集客方法にまとめています。
横長2小間と角小間の違い|通路に接する面の数で開き方が変わる
同じ2小間でも、列の中にあるか、列の端の角にあるかで設計が変わります。列の中の2小間は正面の1面だけが通路に接し、角小間は正面と側面の2面が通路に接します。
| 列の中の2小間(1面開放) | 角小間(2面開放) | |
|---|---|---|
| 通路に接する面 | 正面の6m | 正面6m+側面3m |
| 壁を立てる場所 | 背面と両側面 | 背面と、隣の小間に接する側面だけ |
| 来場者の入り方 | 正面から入る | 角を回り込み、斜めから入る方が多い |
| 設計で気をつけること | 間口の真ん中を什器で塞がない | 角に柱や背の高い什器を置いて開口をつぶさない |
角小間は、2本の通路から人が流れ込む交差点に立っています。角の一角を空けて、受付やアイキャッチになる展示を斜め45度に向けると、両方の通路から目に入ります。
逆に、正面向きのレイアウトをそのまま持ち込むと、側面の通路を歩く方には壁しか見えません。角小間の図面は「どの方向から歩いてくる人に何が見えるか」を、通路ごとに1回ずつ確かめながら描くのがコツです。

遠くの来場者に届くのは頭より上の面、近づいた方に効くのは目線の高さの面という役割分担は、1小間と変わりません。高さの制約と使い方は1小間のレイアウトと造作の記事で書いたとおりです。
1小間との違い|2小間になると何ができるようになるか
一言でいうと、「捨てる勝負」から「分ける設計」に変わります。1小間は受付・商談・展示のどれかを諦める広さでしたが、2小間は3つを同居させられます。
| 1小間(3m×3m) | 2小間(6m×3m) | |
|---|---|---|
| 面積 | 9平方メートル | 18平方メートル |
| 通路に向く間口 | 3m | 6m |
| 商談席 | 置くと展示と両立しにくく、立ち話が中心 | 奥に1〜2卓置いても展示が残る |
| 実演・デモ | スペースの確保が難しい | 観覧の余白まで含めて計画できる |
| 荷物・在庫置き場 | カウンター下などに押し込む | 専用のストック区画を仕切れる |
| スタッフ | 2人までが目安 | 3〜4人で回せる |
| 壁面の使い方 | 1枚の絵に絞る | 遠くに見せる面と、近くで読ませる面を分けられる |
商談席とストックが持てるのは、会期中の運営にじわじわ効きます。荷物が床に出ない、お客さまを立たせたまま待たせない、というだけでブースの印象は変わるものです。
費用の面では、出展料は「1小間あたり◯円」の形で公表されることが多いので、小間数のぶんそのまま増えます。一方で施工・装飾の費用は面積に単純比例せず、仕様の決め方しだいです。内訳と考え方は展示会ブースの費用の記事で整理しています。
作り方の方式は、1小間と同じ選択肢です。2小間はシステムパネルと好相性の規模なので、背面・側面を規格部材で組み、正面の受付まわりだけ造作する折衷案も組みやすいです。方式の違いはシステムパネルの展示会ブースの記事をどうぞ。
よくあるもったいない使い方
広さは取ったのに、1小間と同じ使い方のまま面積だけ倍になっているブースを、会場でよく見かけます。代表的なパターンを4つ挙げます。
1小間の中身をそのまま引き伸ばす
展示台を等間隔に増やし、ポスターを均等に貼っていく使い方です。什器が倍になっただけで、何の会社かはかえって分かりにくくなることがあります。
先にゾーンへ役割を与えて、置くものはその役割から逆算してください。
間口の真ん中を受付で塞ぐ
6mの間口の中央に受付カウンターを構えると、左右どちらから来た方の入りも止めてしまいます。
受付は端に寄せるか、ゾーンの境目に置くのがおすすめです。間口の広さは「入りやすさ」のためにあるので、真ん中は人が入る場所として空けておきます。
荷物置き場を図面に入れない
広くなったぶん、カタログの箱もノベルティも増えます。置き場を決めていないと、空いた床から順に段ボールで埋まっていきます。
0.9m四方でも構いません。図面の段階でストックの区画を線で描いておくと、会期2日目の見た目がまるで違います。
壁面をばらばらの掲示物で埋める
6mの壁は貼れる面積が広いぶん、掲示物を足したくなります。ただ、通路の遠くから読めるのは大きな文字が1つか2つだけです。
壁全体を1枚の絵として設計し、細かい情報は目線の高さに寄せると、遠くの方にも近くの方にも効きます。
AGSは展示会ブースの設計・施工を、レイアウトの図面づくりから現場の建て込みまで一括で手がけています。1小間から2小間へ広げるタイミングのご相談も、区画図と出展規程があればその段階から乗れます。見積りは無料です。
よくある質問
Q. 2小間はどのくらいの広さですか?
基準が3m×3mの展示会なら18平方メートル、畳にしておよそ11畳です。2.97m規格なら約17.6平方メートルになります。同じ「2小間」でも実寸は展示会ごとに違うので、出展規程の数字で確かめてください。
Q. 角小間になるかどうかは選べますか?
小間位置の決め方は展示会ごとに違い、申込順・抽選・主催者の調整で決まることが多いです。希望が出せるかは主催者に確認してください。位置が確定するのは小間割図が出てからなので、レイアウトの最終確定はそれを待ってからが安全です。
Q. スタッフは何人いれば回りますか?
3〜4人が目安です。受付・説明・商談が同時に起きるのが2小間なので、2人だと商談が始まった時点で残りは1人になり、受付と説明が回らなくなりがちです。交代で1人は休憩に出る前提で組んでおくと、会期の後半も声が出ます。
Q. 2小間を縦(奥行き方向)に使うことはありますか?
横並びが一般的ですが、会場のレイアウトによっては奥行き6mの区画になる場合もあります。奥行き型は通路に向く間口が3mのままなので、見せ方は1小間に近くなります。割り当ての形は小間割図で確かめてください。
2小間の設計は、間口6mをどう割るかを決めると形が見えてきます。まず出展規程で実寸を確かめて、受付・展示・商談・ストックの4つをどこに置くか、区画図に線を引くところから始めてみてください。
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