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展示会ブースの費用はいくら?1小間の相場と安くする順番

B_0512 展示会・ブース
展示会ブースの費用はいくら?1小間の相場と安くする順番

出展の申込みが済むと、次に来るのはだいたい予算の稟議です。ところが調べても、出てくるのは幅の広い金額ばかりで、自社の場合がいくらなのか掴めない。これは調べ方の問題ではなく、出展料には公表された定価がある一方で、ブースの施工・装飾費には定価がないという、費用の構造のせいなんです。

1小間(3m×3m前後)の出展なら、主催者に払う出展料が30万円前後、装飾を主催者のパッケージで最小限に済ませれば、合計40万円前後が下限の目安になります(実額の出典は本文で示します)。そこからブースを作り込むほど、施工・装飾費が上に積み上がっていく仕組みです。

この記事では、公表されている実額を根拠にした1小間の相場、費用の内訳、電気など見落としやすいお金、そして何から削って何を残すかの「安くする順番」までをまとめました。ブースの設計・施工をしている会社の目線で書いています。

展示会ブース1小間の費用相場|公表されている実額から積み上げる

1小間の下限は、主催者の公表値を足し合わせると40万円前後です。内訳は出展料が約30万円、最小限のパッケージ装飾が約10万円で、ここに電気の費用と自社側の運営費が乗ります。

実際の公表値を見てみましょう。マリンメッセ福岡で開かれる「西日本食品産業創造展’27」(主催:日刊工業新聞社)では、1小間(間口297cm×奥行297cm)の出展料が29万7,000円(税込)。壁と社名板は付きますが、ブース装飾と電気・水道などの工事費は別途です。装飾を主催者のパッケージプランで済ませる場合は、1小間で出展料+9万2,400円(税込・照明と電気工事費は別)と明記されています(出典:西日本食品産業創造展’27 出展料金・2026年9月2日確認)。

パッケージの中身と金額は展示会ごとに違いますが、「壁・カーペット・照明・受付まわりの基本セットが、出展料に数万〜十数万円を足す形で用意されている」という組み立ては共通しています。自分が出る展示会の募集要項で、パッケージに何が含まれ、何が別料金かを確かめるところから始めてください。

組み方費用のイメージ何が手に入るか
出展料+主催者パッケージ上の実例では合計約39万円(税込)+電気代壁・カーペット・照明・受付。どの小間も同じ見た目
パッケージ+グラフィック追加上に数万〜十数万円が乗る社名と打ち出しが遠くから分かるようになる
施工会社に独自デザインを依頼仕様しだいで数倍の開きが出るレイアウトも仕上げも自由。競合の中で覚えてもらう作り

注意したいのは、出展料が展示会ごとに違うことです。来場者の規模や会場で大きく変わるので、上の数字は「公表値の実例の1つ」として使い、まず自分が出る展示会の募集要項を確かめてください。

そして独自デザインの施工・装飾費に幅があるのは、ブースが毎回図面から起こす一点ものだからです。同じ1小間でも、何をどこまで作るかで金額は数倍変わります。では、何が金額を動かしているのか。このあと順に見ていきます。

費用の内訳|お金は5つの財布に分かれている

展示会ブースの費用は「出展料・施工装飾費・電気などの工事費・輸送搬入出・当日の運営費」の5つに分かれます。施工会社の見積りに載るのは真ん中の2〜3つだけで、残りは自社側で持っておくお金です。

費目払う相手中身
出展料(小間料)主催者出展スペースの利用料。基礎壁が含まれる展示会もある
施工・装飾費施工会社デザイン・壁や床の造作・什器・グラフィック・設営と撤去
電気などの工事費主催者(指定業者)電気の幹線工事費と使用料。水道・ガスを使うならその工事も
輸送・搬入出費運送会社ほか展示品や造作物の往復輸送。距離と物量で変わる
当日の運営費自社スタッフの人件費・交通費・宿泊、カタログやノベルティ

キングダムの鄴攻めで、秦の総大将・王翦が勝負を決めたのは前線の武力ではなく兵糧でした。ブースの予算も同じで、破綻するのは目立つ壁面や什器ではなく、輸送・電気・人件という兵站側の見落としから。だから予算は5つ全部を1枚の紙で管理してください。

主催者側のオプション費用にも細かい項目があります。たとえば前出の西日本食品産業創造展では、荷物置き場になるストックスペースが1枠3万3,000円(会期4日間・税込)。こうした「ブース本体以外のお金」は、募集要項の後ろの方に載っていることが多い部分です。

費用項目ごとに「いくらまで・自社で持ち込むか・依頼するか」を書き込める予算配分ワークシートを用意しました。見積りを頼む前にこれを埋めておくと、社内共有も施工会社とのやり取りも一度で済みます。

展示会ブースの造作壁を組み立てる施工スタッフ

電気の費用は「工事費」と「使用料」の2本立て

ブースのコンセントは、会場に元からあるものではありません。小間ごとに申請して引き込む工事で、費用も「幹線工事費」と「使用料」の2つに分かれ、kW単位で課金されるのが一般的です。

前出の西日本食品産業創造展でも、電気・水道・ガス・エアーの工事費と使用料は出展料と別途と明記されています。パッケージ装飾に照明やコンセントの電気工事費が含まれない場合があるのも、電気がもともと別建てのお金だからです。

金額を決めるのは申請するkW数なので、先に機材の消費電力を洗い出します。モニター、照明、デモ機、ノートPC。合計に余裕を足した容量で申請するのが基本で、締切後の増量や当日の増設は難しいと考えておいた方が安全です。

電気申請を含む各種申請の締切は会期の1ヶ月前前後に集中します。申請全体の段取りは展示会ブースの作り方にまとめたので、時系列はそちらでどうぞ。

展示会ブースの照明と電源まわりを調整する電気工事

同じ1小間で金額が変わる4つの条件

施工・装飾費に定価がないのは、値付けが不透明だからではなく、ブースごとに作るものが違うからです。金額を動かす条件は「造作の量・仕上げ・機材と什器・輸送距離」の4つに整理できます。

造作の量。 規格部材を組むシステムパネルで済ませるか、合板から作る木工造作にするかで、費用の土台が変わります。1小間なら「背面はパネル、正面だけ造作」という混ぜ方も定番です。選び方は1小間のレイアウトと造作の選び方に詳しく書きました。

仕上げとグラフィックの面積。 壁一面に印刷を貼るのか、社名まわりだけか。出力物は面積に比例してお金がかかるので、面の数を絞るだけで金額は動きます。

機材と什器。 大型モニターやLEDビジョンなどの映像機材は、レンタルにすれば買わずに持てます。ただし壁に載せるなら下地の造作が要るため、機材の有無はデザインの初期に決めておきたいところです。

輸送距離と搬入条件。 会場が遠いほど、造作物と展示品の輸送費は伸びます。夜間指定の搬入や車両待機など、会場のルールが費用に響くこともある。見積り依頼のときに開催地と搬入条件まで伝えると、後から金額が動きにくくなります。

安くする順番|何から削って、何を最後まで残すか

安くするとは、削ることではなく、順番を変えることです。効果の小さいものから外していき、来場者に届く土台は最後まで残します。

削る側の順番はこうです。

  1. 造作をレンタル・規格部材に置き換える。 木工で予定していた壁や什器をシステム部材やレンタル什器にするのが、見た目を保ったまま下げ幅を取りやすい一手です
  2. 使い回しを設計する。 年に何度も出るなら、造作パーツを保管して次回も使う前提で作ると、2回目以降の費用が変わります。単発ならレンタル中心が身軽です
  3. グラフィックの面を絞る。 全面を飾るのをやめ、通路から視線が集まる面に集中させます。装飾は足すものではなく、引くものです
  4. 持ち込めるものは持ち込む。 カタログスタンドや小物の什器、ノベルティは自社手配で減らせます。ただし防炎や寸法など会場の条件があるので、持ち込みリストは施工会社と共有を

逆に、最後まで残すのは照明と、キャッチコピーを載せる面、そして電気容量の余裕です。ラーメン屋が値下げをするとき、チャーシューを1枚減らすことはあっても、スープを薄めることはしません。ブースのスープにあたるのが、明るさと「何のブースか」が伝わる面。ここを削ると、安くなった分だけ立ち寄る人が減り、出展そのものの意味が薄れます。

立ち寄ってもらう仕掛けにお金を残す考え方は、展示会ブースの集客で掘り下げています。削る判断に迷ったら、「それを外すと、来場者の足は止まるか」で決めてください。

見積りの取り方|1社に図面を渡すのが、相場を知る最短ルート

定価のない施工・装飾費の相場観は、自社の条件で見積りを1本取るのが一番速く手に入ります。渡すものは出展規程と小間位置の分かる会場図面、それに「やりたいこと」のメモがあれば十分です。

このとき、予算の上限も先に伝えてしまうのがおすすめです。金額を隠して駆け引きするより、「この枠でどこまでできるか」を組んでもらう方が、削る順番まで含めた現実的な提案が返ってきます。あわせて、見積り額いっぱいの資金計画にせず、追加や当日の細かな出費に備える予備の枠を残しておくと安心です。

AGSは展示会ブースの設計・施工を、デザインから現場の建て込み・撤去まで一括で手がけています。ものづくりワールド九州の展示ブースの設計・施工をはじめ、これまでの実例は制作実績でご覧ください。拠点は福岡・博多、現場は全国。見積りは無料で、予算の枠が先に決まっている段階からのご相談も歓迎です。

よくある質問

Q. 出展料とブースの施工費、どちらが高くなりますか?

作り込みの度合いで逆転します。装飾を主催者パッケージで済ませる最小構成なら出展料が最大の費目ですが、独自デザインで造作するブースでは、施工・装飾費が出展料を上回るのが一般的です。

Q. 2小間にすると、費用も2倍になりますか?

出展料は小間数に応じて増えますが、施工・装飾費は受付や商談席など共通部分があるため、単純な2倍にはなりにくい費目です。実際、前出の西日本食品産業創造展のパッケージプランも1小間9万2,400円に対して2小間16万7,200円(いずれも税込・出展料は別)と、2倍より小さい設定です。

Q. 電気は何kW申請すればいいですか?

使う機材の消費電力を合計し、余裕を足した容量が基本です。機材が未定の段階なら、施工会社に想定の機材リストを渡して一緒に算出するのが確実です。締切後の増量は難しいため、迷ったら多めに倒します。

Q. 予算が少ないことを施工会社に伝えても大丈夫ですか?

むしろ先に伝えてください。金額の枠が分かっていれば、パッケージ部材とレンタルを組み合わせた「その枠で最も伝わる形」を最初から設計できます。枠を知らずに作った案を後から削ると、ちぐはぐなブースになりやすいのです。


ブースの費用は、公表されている出展料と、定価のない施工・装飾費の2階建てです。前者は募集要項で確かめ、後者は削る順番を決めてから見積りに臨む。予算配分シートに5つの財布を書き込むところから、始めてみてください。

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