展示会の出展に使える補助金は、国の制度(小規模事業者持続化補助金など)と、都道府県や市町村が地元の企業向けに出している出展支援の制度の2種類があります。どれが使えるかは、会社の所在地と規模、出展する展示会の条件で絞り込まれます。
探す前に知っておきたいのは、出展料(小間料)だけが対象で、ブースの装飾費は対象外という制度が少なくないことと、国の補助金を中心に、交付決定より前に発注・請求・支払をした費用は対象外になる制度があることの2つです。
たとえば大阪府の「中小企業展示商談会出展支援事業費補助金」(令和8年度)は、出展小間料金の3分の2(上限200万円)を補助する一方で、装飾経費は原則として対象外としています。国の小規模事業者持続化補助金は、出展の申込みは交付決定の前でも構いませんが、請求書の発行日や支払日が交付決定日より前だと対象外になります。
なので、補助金を使って出展するなら、「使える制度を探す→対象経費を確かめる→交付決定の時期から発注の日程を決める」の順で進めるのがおすすめです。
この記事では、2026年10月23日に各制度の公式ページで確認した内容をもとに、制度の探し方、2026年度の主な制度、装飾費の扱い、申請から入金までの順番、ブースを業者に頼むときの見積書と請求書の注意をまとめました。展示会ブースの設計・施工をしている会社の目線で書いています。
展示会の出展補助金は、国・都道府県・市町村の3つの段で探す
展示会の出展に使える補助金は、国・都道府県・市町村のそれぞれにあります。国の制度は全国の会社が使える代わりに、出展だけでなく経営計画や設備投資と組み合わせた申請になるものが多く、都道府県と市町村の制度は、地元に本社や事業所がある会社に限って、出展そのものを支援するものが中心です。

探すときは、次の順で見ていくと漏れが少なくなります。
- 国の制度: 小規模事業者持続化補助金、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金など。会社の規模と、出展を何のために行うか(新商品の販路開拓、海外への輸出など)で当てはまるかが決まります
- 都道府県の制度: 本社や事業所がある都道府県の、中小企業の支援の担当課や産業振興の財団が出している出展支援
- 市町村の制度: 市町村の産業振興の担当課が出している出展支援。対象の展示会の地域や規模に条件があることが多いです
- 出展料を軽くする枠: 自治体が借りたブースへの共同出展や、ジェトロが海外見本市に設けるジャパン・パビリオンのように、補助金ではなく出展料そのものが安くなる枠
国や都道府県の支援制度をまとめて探すなら、中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するJ-Net21の「支援情報ヘッドライン」が便利です。補助金・助成金の種類と地域で絞り込め、キーワードでも検索できます(2026年10月23日確認)。「展示会」「出展」と都道府県名を組み合わせて探してみてください。
市町村の制度はこうした一覧に載っていないこともあるので、最後は地元の商工会議所・商工会か、市町村の担当課に「展示会の出展に使える制度はありますか」と聞くのが確実でしょう。持続化補助金は申請に商工会議所・商工会の書類が要るので、その相談のついでに聞くと話が早いです。
2026年度に公式ページで確認できた、展示会の出展に使える主な制度
2026年10月23日に、各制度の実施機関の公式ページと募集要項で確認できた制度は次のとおりです。受付が終わっている制度も、来年度の参考になるので載せています。

| 制度 | 実施 | 主な対象 | 展示会まわりの対象経費 | 補助率・上限 | 2026年10月23日時点の状況 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉 | 国 | 小規模事業者(商業・サービス業は従業員5人以下、製造業その他は20人以下など) | 展示会等出展費(出展料等、関連する運搬費・通訳料・翻訳料) | 2/3・50万円(特例で上乗せあり) | 第20回の申請受付は11月5日〜12月15日17時(商工会議所地区) |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 国 | 新製品の開発、新事業への進出、海外市場の開拓に設備投資をする中小企業 | 広告宣伝・販売促進費の中の展示会出展(設備投資とセットが必須) | 1/2〜2/3・上限は枠と従業員数で変わる | 第1回は10月30日18時締切 |
| 展示会出展助成事業 | 東京都・東京都中小企業振興公社 | 経営分析を受けた都内中小企業で、売上減少などの条件に当たる会社 | 出展小間料・資材費・輸送費・EC出店初期登録料、印刷物・動画・広告・サイトの販売促進費 | 2/3以内・150万円 | 令和8年4月1日〜令和9年1月14日に年10回の受付(発表時の予定) |
| 中小企業展示商談会出展支援事業費補助金 | 大阪府 | 府内の中小企業(賃上げの宣言など) | 出展小間料金のみ(装飾経費は原則対象外) | 2/3・10万〜200万円 | 8月12日に受付終了(予算の上限に達したため) |
| 大規模展示商談会活用事業(出展支援事業) | 大阪府 | 府内の製造業・ソフトウェア業の中小企業 | 指定の展示会の小間料金と装飾経費 | 1/2・25万円 | 応募期間(第2期は10月16日まで)は終了 |
| 大規模展示会等出展支援事業 | 北九州市 | 市内の中小企業の新製品・新技術 | 出展小間料(1小間)。小間設営費・展示パネル作成などは対象外 | 上限40万円 | 令和7年度は令和7年11月4日〜28日に募集 |
| ジャパン・パビリオン(海外見本市) | ジェトロ | 海外見本市に日本の企業がまとまって出展する枠 | 補助金ではなく、出展料に中堅・中小企業料金がある | 例:1小間43万円(一般料金は86万円) | 見本市ごとに募集 |
ここからは、制度ごとに読み手が気にしやすい点を補足します。
小規模事業者持続化補助金は、従業員の少ない会社の出展料と運搬費に使える
持続化補助金は、従業員の少ない小規模事業者が、経営計画に沿って販路を開拓する費用の一部を補助する国の制度です。第20回の公募要領では、対象経費の1つに「展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)」があり、出展料等に加えて、関連する運搬費・通訳料・翻訳料も対象とされています。
補助率は2/3(賃金引上げ特例のうち赤字の事業者は3/4)、補助上限は50万円で、インボイス特例・賃金引上げ特例に当たる場合は上限が上乗せされます。チラシやパンフレットは「広報費」という別の区分で、広報費だけの申請はできず、広報費の申請額の上限は30万円(税込)です。
第20回は、商工会議所・商工会に事業支援計画書(様式4)の発行を頼む締切が2026年12月4日、申請の締切が12月15日17時、採択の発表は2027年3月頃の予定です(出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉(商工会議所地区)事務局・第20回公募要領 第8版・2026年10月23日確認)。商工会の地区の会社は、商工会地区の事務局のサイトで日程を確かめてください。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、展示会の費用だけでは申請できない
「ものづくり補助金」は23次締切で公募を終えていて、新しい受付は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」に移っています(出典:ものづくり補助金総合サイト・2026年10月23日確認)。
この新しい補助金でも、展示会出展は「広告宣伝・販売促進費」の中で対象になっています。ただし、機械装置・システム構築費(新事業進出枠とグローバル枠は建物費でも可)が必ず補助対象経費に含まれている必要があり、一過性の支出が大半を占める計画は対象になりません。展示会の費用だけで申請する補助金ではない、ということです。

広告宣伝・販売促進費は、金額に関わらず複数の会社からの見積りが必要で、交付決定後に発注・契約することが前提とされています。第1回の公募の締切は2026年10月30日18時です(出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 公募要領 1.2版・2026年10月23日確認)。設備投資の計画があって、その製品を展示会で売り込む予定の会社が、計画の一部として出展を入れる使い方になります。
東京都と大阪府は、出展そのものを支援する制度がある
東京都の「展示会出展助成事業」(令和8年度)は、出展小間料・資材費・輸送費などの展示会参加費と、印刷物・動画・広告・サイトの販売促進費が対象で、助成率は2/3以内、上限は150万円です。資材費・輸送費だけ、販売促進費だけの申請はできません。対象になるのは、東京都の経営分析(中小企業活力向上プロジェクトアドバンスプラス)を受け、この助成の利用が有効と認められた都内の中小企業で、売上減少・損失計上などの条件もあります。助成の対象期間は交付決定日から1年1か月です(出典:東京都 報道発表「展示会出展助成事業」2026年3月26日・2026年10月23日確認)。回ごとの締切は、東京都中小企業振興公社のページで確かめてください。
大阪府には2つの制度があります。「中小企業展示商談会出展支援事業費補助金」は国内の対面のBtoB展示商談会の出展小間料金が対象で、補助率2/3、10万〜200万円です。1小間の料金が税抜15万円未満の展示会は対象になりません。令和8年度は予算の上限に達し、2026年8月12日に受付を終えています(出典:大阪府「令和8年度中小企業展示商談会出展支援事業」・募集要項・2026年10月23日確認)。
もう1つの「大規模展示商談会活用事業(出展支援事業)」は、府内の製造業・ソフトウェア業の中小企業が、府の指定する展示会に出るときの小間料金と装飾経費の1/2(上限25万円)を補助し、出展講習会や出展前後の助言も付きます。指定の展示会には、福岡のマリンメッセで開かれた「モノづくりフェア2026」も入っていました。令和8年度の応募は締め切られています(出典:大阪府「令和8年度大規模展示商談会活用事業(出展支援事業)」チラシ・2026年10月23日確認)。
福岡では、北九州市が出展小間料の助成と、市のブースへの共同出展を行っている
北九州市の「大規模展示会等出展支援事業」は、市内の中小企業が開発した新製品・新技術(おおむね5年以内のもの)を、関東・中京・関西で開かれる大規模な展示会(募集小間数がおおむね150以上か、出展予定企業が100社以上)に出すとき、1小間分の出展小間料を上限40万円まで助成する制度です。物産展など即売目的の展示会は、対象に入りません。
令和7年度は、令和7年4月〜令和8年3月に開かれる展示会を対象に、令和7年11月4日〜28日に募集していました(出典:北九州市「大規模展示会出展の小間料を助成します!」募集要項・2026年10月23日確認)。令和8年度の募集の時期は、市の中小企業振興課に確かめてください。
福岡県と福岡市については、出展料を個々の会社に直接補助する令和8年度の制度を、今回の調べでは公式ページで確かめられませんでした。県や市の中小企業支援の担当課、地元の商工会議所・商工会に問い合わせてみてください。
対象経費は制度ごとに違い、ブースの装飾費が出ない制度も少なくない
展示会の出展補助金で一番確かめておきたいのは、ブースの装飾・設営の費用が対象に入るかどうかです。出展小間料は多くの制度で対象ですが、装飾費は制度によって対象になったり、ならなかったりします。

今回確認した制度の募集要項を、経費ごとに並べると次のようになります。
| 経費 | 持続化補助金 | 東京都 展示会出展助成事業 | 大阪府 中小企業展示商談会出展支援 | 大阪府 大規模展示商談会活用事業 | 北九州市 大規模展示会等出展支援 |
|---|---|---|---|---|---|
| 出展料(小間料) | 対象 | 対象 | 対象 | 対象 | 対象(1小間) |
| ブースの装飾・設営 | 公募要領に名指しの記載なし | 「資材費」が対象経費にある(範囲は募集要項で確認) | 原則対象外 | 対象 | 対象外 |
| 運搬費 | 対象(関連する運搬費) | 対象(輸送費) | 対象外 | 記載なし | 対象外 |
| チラシ・パンフレット | 「広報費」として別に対象 | 「販売促進費」として対象 | 対象外 | 記載なし | 対象外 |
持続化補助金で装飾をブースの施工会社に頼む費用が、どの経費の区分に入るかは、公募要領に名指しの記載がありません。申請の前に、事務局か相談先の商工会議所・商工会に確かめてから計画に入れてください。東京都の「資材費」の範囲も、公社の募集要項で確かめておくと安心です。
パッケージ小間は、内訳が書いてあるかどうかで扱いが変わる
主催者が壁・床・社名板・照明などをセットで用意する「パッケージ小間」は、補助金によっては扱いが分かれます。大阪府の中小企業展示商談会出展支援事業では、主催者の契約書や請求書に内訳が書かれていなければパッケージの料金全体を「出展小間料金」とみなし、小間料とそれ以外の内訳が書かれていれば小間料だけを対象にする、と決めています(出典:大阪府の上記募集要項)。
パッケージ小間を選ぶか、スペースだけを借りて装飾を別に頼むかは、補助金の対象経費の決まりにも関わってくるので、申し込む前に制度の要項と主催者の申込書の両方を見比べてください。パッケージ小間とスペース渡しの違いは、展示会ブースのデザイン・施工の依頼先の記事で書いています。
消費税と、同じ展示会での重ねがけにも決まりがある
今回要項を確かめた制度のうち、大阪府・北九州市・持続化補助金は、消費税を補助の対象から除いています。大阪府の制度は消費税を除いた額が対象経費で、北九州市の制度も出展小間料に含まれる消費税を対象外としています。持続化補助金も、課税事業者は消費税の相当額を除いて申請する決まりです(免税事業者などは扱いが異なります)。
同じ展示会で補助金を2つ重ねて使うことも、今回確かめた大阪府・北九州市・持続化補助金の要項では認められていませんでした。大阪府の2つの制度は同じ展示会では併用できず、北九州市の制度は「他の機関から同様の助成を重複して受けていないこと」が条件です。持続化補助金は、国(国から補助を受けた機関を含む)から出展料の一部の助成を受ける出展を、対象から外しています。ジェトロのジャパン・パビリオンは、ジェトロが出展料の一部を負担すると案内している枠なので、ここに出るときは持続化補助金の対象になるかを事務局に確かめてください。
申請から入金までの順番。交付決定より前の発注・請求は対象外になりやすい
補助金を使った出展は、「申請→採択・交付決定→発注・契約→出展→支払→実績報告→補助金の入金」の順に進むのが基本です。国の補助金のように、交付決定より前に発注・請求・支払をした費用が対象外になる制度では、出展日から逆算して申請する回を選ぶ必要があります。

制度ごとの決まりを並べると、交付決定と出展の前後関係はかなり違います。
| 制度 | 交付決定と発注・出展の決まり |
|---|---|
| 持続化補助金 | 出展の申込みは交付決定前でも構わないが、請求書の発行日や出展料等の支払日が交付決定日より前だと対象外。交付決定は採択発表から概ね1〜2か月かかる場合がある |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 広告宣伝・販売促進費は交付決定後の発注・契約が前提。補助事業の期間内に展示会が開かれる必要がある |
| 東京都 展示会出展助成事業 | 助成の対象期間は交付決定日から1年1か月 |
| 大阪府 中小企業展示商談会出展支援 | 開催初日まで30日以上あれば事前申請、出展を終えたあとでも事後申請ができる(令和8年度) |
| 北九州市 大規模展示会等出展支援 | 令和7年度は、その年度の展示会を対象に11月に募集(年度内にすでに出た展示会も対象の期間に入る) |
大阪府や北九州市のように、出展したあとでも申請できる制度もあります。一方、国の補助金は交付決定の前に動くと対象外になりやすいので、「どの制度が、いつの発注から対象になるか」を最初に確かめてください。
持続化補助金の第20回は、2027年の春より後の展示会向け
持続化補助金の第20回で考えると、申請の締切が2026年12月15日、採択の発表が2027年3月頃の予定で、そこから交付決定までに概ね1〜2か月かかる場合があります。請求書の発行日と支払日は交付決定日より後でないといけないので、2026年の冬から2027年の春に開かれる展示会の出展料には、第20回は間に合わない可能性が高いです。補助事業の実施期限は2028年3月31日なので、第20回で考えるなら、交付決定のあとから2028年3月までに開かれる展示会が対象の候補になります。
キャンプの撤収を暗くなる時刻から逆算するのと同じで、補助金を使う出展は、交付決定の見込みの日から逆算して、ブースの発注・請求の日を置いていきます。展示会の出展料は、申込みの時点で請求・支払が来ることもあるので、主催者の支払の期限が交付決定より前になっていないかも確かめてください。
ブースの準備は会期の3か月前ごろから本格的に動き出すので、補助金の日程と並べて考える必要があります。準備の段取りは展示会ブースの作り方の記事、海外の見本市の逆算の日程は海外展示会のブースの記事にまとめています。
ブースの装飾を業者に頼むときは、見積書と請求書を補助金に合わせて作ってもらう
補助金の申請や実績報告では、見積書・請求書・領収書で「何に、いくら払ったか」を示します。ブースの装飾を施工会社に頼むときは、最初の見積りの段階で「補助金に使う」と伝え、対象経費と対象外の経費を分けた見積書にしてもらうと、申請と報告がしやすくなります。

ブースの見積書と請求書で、補助金のために気をつけておきたい点は次のとおりです。
- 「装飾一式」にしない: 持続化補助金の公募要領は、見積金額に複数の項目が含まれる場合は内訳を示すよう求めています。造作・グラフィック・床・照明・電気工事・運搬・設営撤去などを分けた行にしてもらうと、対象の経費だけを申請に載せられます
- 出展料と装飾費を混ぜない: 主催者に払う出展料と、施工会社に払う装飾費は、請求の相手が違います。大阪府の中小企業展示商談会出展支援事業のように「主催者と小間契約を交わした小間料」に限る制度もあるので、出展料は主催者と直接契約し、施工会社の見積りには載せないでおくと扱いが分かりやすくなります
- 相見積りが要るかを確かめる: 持続化補助金は、1件あたり50万円(税込)を超える発注は2者以上から見積りを取ることになっています。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の広告宣伝・販売促進費は、金額に関わらず複数の会社の見積りが必要です。持続化補助金の公募要領では、相見積りは補助を受ける会社自身が別々の会社から取るよう求めています
- 請求書の日付を交付決定より後にする: 交付決定より前の日付の請求書は、対象外になる制度があります。手付金や前払いを求められたときも、支払日が交付決定より後になるかを確かめてください
- 支払は期間内に終える: 持続化補助金は、補助事業の期間内に支払が完了していることが条件で、分割払いやクレジットカードの場合も引き落としが期間内に終わっている必要があります
- ブースの写真を残す: 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、実績報告で成果物の写真をすべて出すことになっています。どの制度でも、設営が終わったブースの写真を全体と細部で撮っておくと、報告の資料に使えます
見積書の比べ方そのものは、ブースの依頼先と見積りの7項目の記事で詳しく書いています。
使えそうな制度の候補を並べて比べ、交付決定から逆算した日程と、出展の費用を対象・対象外に分ける表を1枚にまとめられるシートを用意しました。施工会社に見積りを頼むときの確認にも使えます。
補助金が使えないときは、自治体のブースやジェトロの中小企業料金で出展料を軽くする
補助金の締切に間に合わないときや、条件に当てはまらないときでも、出展料そのものを軽くする方法があります。自治体が借りたブースに相乗りする共同出展と、ジェトロの海外見本市のジャパン・パビリオンです。

北九州市は、福岡で開かれる食の展示商談会「FOOD STYLE JAPAN九州2026」(2026年11月18・19日、マリンメッセ福岡)に市のブースを設け、市内の食品の事業者を1社5万5,000円(税込・2日分)の出展負担金で募集していました。通常の小間料との差額とタペストリーの作成費は市が負担します。幕張メッセの「スーパーマーケット・トレードショー2027」では、通常20万9,000円の出展料に対し、出展負担金10万円(税込・3日分)で募集していました(出典:北九州市「FOOD STYLE JAPAN九州2026」北九州市ブースの出展者募集・「スーパーマーケットトレードショー2027」北九州市ブースの出展者募集・2026年10月23日確認。どちらもエントリーの期限は過ぎています)。
自治体のブースは募集の社数が少なく、選考があることもあります。そのかわり、北九州市の例のようにタペストリーなどの一部を自治体が用意してくれる場合もあり、初めての出展で様子を見たいときに向いています。
海外の見本市では、ジェトロのジャパン・パビリオンに中堅・中小企業料金が設けられていることがあります。たとえばイタリアの「ミラノ・ウニカ」2027年2月展のジャパン・パビリオンは、1小間(9㎡)の出展料が中堅・中小企業料金43万円、一般料金86万円で、別に運営管理費35万2,000円がかかる案内でした(出典:ジェトロ「ミラノ・ウニカ/ジャパン・パビリオン」出展募集・2026年10月23日確認。募集は締め切られています)。「ジェトロ 海外展示会 補助金」で探しているときは、ジェトロの見本市の出展募集のページも見てみてください。
補助金を出展の成果につなげるために、対象外の費用も予算に入れておく
補助金は出展の費用を軽くする手段で、出展の目的は商談や見込みのお客さまとの出会いです。補助の対象になる費用だけで予算を組むと、対象外の費用が後から出てきて、ブースの中身を削らざるを得なくなることがあります。対象外の費用も、最初から予算に入れておいてください。

今回確認した制度の要項では、次のような費用が対象外になっていました。
- 出展料以外の経費: 北九州市の制度は小間設営費・展示パネル作成・光熱水費・人件費・旅費、大阪府の中小企業展示商談会出展支援事業は装飾経費・出展者サイト登録料・招待券購入費・角小間料金など
- 消費税: 大阪府・北九州市の制度と、持続化補助金(課税事業者の場合)では対象外
- 飲食を含む商談会の参加費や、文房具などの消耗品: 持続化補助金では対象外
補助金の採択が出展に間に合わないと分かったときは、補助金をあきらめて出展の準備を予定どおり進める判断も必要です。補助金を待ってブースの発注が遅れると、デザインを詰める時間や、来場者に事前に案内を送る時間が削られてしまいます。
ブースの費用の相場と、削る順番・最後まで残す費用は展示会ブースの費用の記事、ブースに人を集める準備は展示会の集客の記事にまとめました。
補助金を使う出展のブースを、まとめて頼むなら
補助金を使う出展では、交付決定の時期に合わせてブースのデザインと発注の日程を組み、対象経費を分けた見積書を用意することが、申請と同じくらい大事になります。

AGSでは、展示会ブースのデザイン・3Dパースからレイアウトの設計、木工造作やシステムパネルの施工、電気申請などの事務手続き、会期後の撤去までをお手伝いしています。「デザインは決まっているので施工だけ」といった一部だけのご依頼も可能です。
補助金に使う予定がある場合は、お見積りをご依頼いただくときにお伝えください。補助金の対象になるかどうかの判断は各制度の事務局が行うので、申請の内容は事務局や商工会議所・商工会にご確認ください。
お見積りは無料で、初めての出展の方も、出展する展示会と小間の数が分かる段階からご相談いただけます。拠点は福岡・博多で、現場は全国の展示会場にお伺いします。
よくある質問
Q. 展示会のブースの装飾費は、補助金の対象になりますか?
制度によって違います。今回確認した中では、大阪府の大規模展示商談会活用事業は装飾経費も対象で、東京都の展示会出展助成事業は資材費が対象経費の1つです。一方、大阪府の中小企業展示商談会出展支援事業と北九州市の大規模展示会等出展支援事業は、出展小間料だけが対象で、装飾や設営の費用は対象外とされています。申請の前に、募集要項の対象経費の欄を確かめてください。
Q. 展示会に申し込んだあとで、補助金に申請しても間に合いますか?
制度によって違います。持続化補助金は、出展の申込みは交付決定の前でも構いませんが、請求書の発行日や出展料の支払日が交付決定日より前だと対象外です。一方で大阪府の中小企業展示商談会出展支援事業(令和8年度)は、出展を終えたあとの申請も受け付けていました。
Q. 国の補助金と自治体の補助金は、同じ展示会で併用できますか?
今回要項を確かめた大阪府・北九州市・持続化補助金では、同じ展示会で補助金を重ねて使うことは認められていませんでした。北九州市の制度は他の機関から同様の助成を受けていないことが条件で、大阪府の2つの制度も同じ展示会では併用できません。持続化補助金も、国から出展料の一部の助成を受ける出展は対象外です。
Q. 補助金の申請に使う見積書は、どう頼めばいいですか?
見積りを頼むときに「補助金の申請に使う」と伝え、造作・グラフィック・電気・運搬・設営撤去などを分けた見積書にしてもらってください。主催者に払う出展料は施工会社の見積りに混ぜず、請求書の日付が交付決定より後になるように、発注と請求の時期も施工会社とすり合わせておくと安心です。
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