ノベルティは、会社やお店が社名や商品名を入れて、宣伝のために無料で配る品を指します。粗品は贈る品をへりくだって呼ぶ言葉、プレミアムは購入を後押しするために付ける品、販促品は販売を後押しする品を広く指す呼び方です。
ただ、これらの線引きは資料や会社によって揺れています。景品表示法も呼び名では判断しないので、購入や来店を条件にするのか、抽選にするのかといった配り方によって、確かめることが変わってきます。
たとえば松竹のリリースでは、すみっコぐらし商品を550円(税込)以上購入した方に渡すステッカーが「ノベルティ」と書かれています。無料の品という点は同じでも、買い物が条件なら、上限を確かめる景品の話が関わってきます。
出典:松竹株式会社のプレスリリース(PR TIMES)(2026年11月2日確認)
初めて担当するときは、呼び名より先に「誰に、どんな条件で配るか」を決めると整理しやすいです。この記事では、よく似た言葉との違い、会社が配る目的、景品表示法と経理で確かめること、最初に決める順番を、消費者庁と国税庁の資料を基にまとめました。販促物とイベントを作っている会社の目線で書いています。
ノベルティは、社名や商品名を入れて宣伝のために無料で配る品
ノベルティの典型は、社名や商品名が入っていて、宣伝のために、無料で配られる品です。国語辞典には宣伝や集客を目的に会社名や商品名を入れて配る贈答用の品物とあり、流通用語辞典では特殊広告の一種と位置づけられています。
NTT東日本の用語解説によると、企業が宣伝のために無料で配る記念品で、非売品が多く、期間や場所を限定して配ることもあります。「ノベルティー」「ノベリティ」と書かれることもありますが、指している品は同じと考えて大丈夫です。
出典:コトバンク「ノベルティ」、NTT東日本 BizDrive「ノベルティ」(いずれも2026年11月2日確認)
具体的な品としては、ボールペンなどの文具、クリアファイル、トートバッグ、タオル、カレンダー、缶バッジ、キーホルダー、うちわ、ポケットティッシュがよく使われています。受け取った方の手元に残り、使うたびに社名が目に入るのが、チラシとの大きな違いです。
実際に配られた品と配り方を場面ごとに見たいときは、センスのいいノベルティは配る場面で選ぶに19品をまとめました。

粗品・景品・プレミアム・販促品との違いは、目的と渡す条件で見る
よく似た言葉の違いは、何のために渡すのか、どんな条件で渡すのかで見ると分かりやすくなります。品物そのものでは区別しにくく、同じタオルが粗品にも記念品にもノベルティにもなるからです。
| 呼び方 | 主な意味 | 渡し方の例 | 押さえておきたいこと |
|---|---|---|---|
| ノベルティ(ノベルティグッズ) | 社名や商品名を入れ、宣伝のために無料で配る品 | 展示会の来場者に配る、年末にカレンダーを届ける | 購入者向けの特典をノベルティと呼ぶ例もある |
| 粗品 | 人に贈る品や景品をへりくだって言う言葉 | 来店のお礼に「粗品です」と渡す | 品の種類より言い方の話。社名入りの品を粗品として渡すこともある |
| 景品 | 商品に添えて贈る品や、催しで参加者に贈る品 | 買い物のおまけ、抽選会の賞品 | 法律の「景品類」は3つの要件で判断するので、日常の言葉とは範囲が違う |
| プレミアム | 購入を後押しするために、購入額に結びつけて提供する品 | ◯円以上お買い上げの方に進呈 | 宣伝のために配るノベルティと区別する説明もあるが、実際には混ざって使われている |
| 記念品 | 周年や式典、表彰などの節目に贈る品 | 創業記念に取引先や社員へ贈る | 社員に渡すときは、税の扱いに条件がある |
| グッズ | 品物全般を指す呼び方 | 会場で販売するTシャツ、ノベルティグッズ | 有料で売る物は、ノベルティとは分けて考えると話が混ざらない |
| 販促品 | 販売を促進するために使う品を広く指す呼び方 | 上のどれも含めて呼ぶことがある | 決まった定義は見当たらない。チラシやPOPまで含めるかは社内で確かめる |
出典:コトバンク「粗品」、コトバンク「景品」、Weblio辞書「プレミアム」(流通用語辞典)、Weblio辞書「ノベルティ」(広告用語辞典)(いずれも2026年11月2日確認)
社内で「ノベルティを作って」と頼まれたら、社名入りの品を広く配りたいのか、購入された方への特典なのかを最初に聞いておくと安心です。
どちらも「ノベルティ」と呼ばれるのに、前者は社名の広告が中心で、後者は買ってもらうための企画になります。予算の立て方も、確かめる決まりも変わるので、呼び名をそろえるより中身を確かめるほうが早いんですよね。

会社がノベルティを配る目的は、知ってもらう・来てもらう・話すきっかけをつくる・覚えていてもらうなど
ノベルティを配る主な目的は、社名や商品を知ってもらう、お店や会場に来てもらう、話すきっかけをつくる、取引先に覚えていてもらう、お礼や記念の気持ちを伝えることです。どれを一番にするかで、配る場面も、品に載せる内容も変わります。
担当の方が本当に達成したいのは、品を配ること自体ではないはずです。上司に目的を説明でき、配ったあとに何かが動き、決まりにも引っかからない企画にするために、目的は最初に1つに絞っておくと進めやすくなります。
| 一番の目的 | 配る場面の例 | 品に載せておくとよいこと | 配ったあとに見ること |
|---|---|---|---|
| 社名や商品を知ってもらう | 地域の催し、街頭、会場の入口 | 社名に加えて、何の会社かが分かる一言 | 案内先のWebページのアクセス、社名の検索の数 |
| 来てもらう・買ってもらう | 開店、期間限定のキャンペーン | 店名、場所、次回の来店につながる案内 | 期間の前後の来店数と購入数 |
| 話すきっかけをつくる | 展示会、見学会、商談 | 自社の仕事にちなんだ話題 | 名刺の数、その後の商談の数 |
| 覚えていてもらう | 年末のあいさつ、取引先への訪問 | 連絡先、1年を通して見える社名 | 測りにくいので、配った先の一覧と連絡の記録を残す |
| お礼や記念の気持ちを伝える | 周年、式典、来店のお礼 | 記念のロゴや年号 | 売上より、渡した相手の範囲と数を記録する |
公的な団体の例では、山口県と島根県の6市町でつくる、ながと路観光連絡協議会の実施要領があります。市町ごとに違うデザインのノベルティを作り、エリア内の周遊につなげることを目的に掲げて、2021年に制作の提案を募集していました(予定金額は税込90万円)。デザインを変えること自体が、ほかの町にも行く理由になるように考えられた企画だと読めます(出典:ながと路観光連絡協議会ノベルティグッズ制作業務 実施要領・2026年11月2日確認)。
一方で、品を配るだけで問い合わせが増えるとは限りません。受け取った方はほかの会社の品も手にしていて、社名だけでは何の会社か分からないこともあります。
そのため、社名で検索したときに、自社のWebサイトで仕事の内容と実績がすぐ分かるかを配る前に確かめておきましょう。目的をうまく言えない企画なら、ノベルティをやめて、その予算をチラシや会場の装飾に回す選択もあります。
展示会で配るなら、名刺交換や会期後の連絡につなげる選び方と数の決め方を展示会のノベルティは何を配る?で書いています。

景品表示法の上限がかかるかは、品の中身と配り方で変わる
ノベルティだから必ず景品規制の対象になるわけではなく、無料だから関係ないとも言えません。消費者庁の説明では、「顧客を誘引するための手段」として、「取引に付随して」提供する「経済上の利益」が景品類にあたるので、同じ品でも配り方によって上限が変わります。表の「総付景品」は購入された方や来店された方にもれなく配る景品を、「取引の価額」は、おおまかには、その品を受け取るために必要な買い物の金額を指します。
| 配り方 | 消費者庁の整理 | 確かめること |
|---|---|---|
| 社名入りのカレンダー、メモ帳、ボールペンなどを配る | 事業者名を広告するための品で適当な限度のものは、原則として見本その他宣伝用の物品にあたる。正常な商慣習に照らして適当と認められれば、総付景品の規制は適用されない | 品の中身と価額が、宣伝用として適当な範囲か |
| 開店披露や創業記念の行事で配る | 正常な商慣習に照らして適当と認められれば、総付景品の規制は適用されない。ただし、長い休業のあとなど開店披露と同じとみられない新装開店や、一定金額以上の購入を条件にするなど極めて限定的に配る形には、規制が適用される | 行事の中身と品の価額、購入の条件を付けるか |
| 買い物をされた方全員に配る | もれなく配る景品(総付景品)。取引の価額が1,000円未満なら200円まで、1,000円以上なら取引の価額の10分の2まで | 対象の取引の金額と品の価額 |
| 来店された方全員に配る(購入は条件にしない) | 入店された方への提供は取引に付随するとされ、取引の価額は原則100円、上限は200円まで。通常の取引の最低の価額が100円を超えるときは、その額を基に計算できる | お店の最低の取引の価額 |
| 来店と購入の両方で別々に配る | それぞれ総付景品の範囲で配れる。実質的に購入が条件とみられるときは、同じ取引として合計で考える | 来店の品が購入を前提にしていないか |
| 先着順で配る | 原則は総付景品。申し込む時点で受け取れるかが分からず、偶然で決まる形は懸賞とされることがある | 先着の決め方 |
| 抽選やじゃんけんで配る | 懸賞。取引の価額が5,000円未満なら20倍まで、5,000円以上なら10万円までで、総額は売上予定総額の2%まで | 最高額と総額 |
| 値段の違う品を、選べない形でもれなく配る | 偶然で価額が決まるので懸賞の扱い。自由に選べる場合や、同じ価額の場合は総付景品 | 品ごとの価額と選べるか |
| 事業者だけに、もれなく配る | 原則は景品規制の対象外。医療用医薬品業、医療機器業、衛生検査所業は例外。抽選で渡すと、相手が事業者でも懸賞の規制の対象 | 自社の業種と配り方 |
出典:消費者庁「景品規制の概要」、消費者庁「景品に関するQ&A」の景品類とは(Q2・Q9・Q11・Q17・Q18・Q20)、景品規制について(Q56・Q76・Q77)、一般懸賞について(Q85・Q89)、総付景品について(Q111・Q112・Q114・Q116・Q121・Q127)(いずれも2026年11月2日確認)
街頭でうちわやティッシュを配るように、購入も来店も条件にしない場合は、確認したQ&Aに同じ品を名指しした項目が見当たりませんでした。近い例では、駅や街頭で配るフリーペーパーは、通常、配布に当たって取引に付随することはないとされています。無料アプリのダウンロードやSNSのフォローで参加できる懸賞も、購入も来店も伴わず、ほかに取引につながる事情が無ければ、景品規制の対象にはならないという整理です。
ただ、フリーペーパーのクーポンを持って来店された方に品を渡す形や、SNSの当選者に店舗まで受け取りに来てもらう形は、取引に付随するとされています。配る品に引換券を付けるなら、来店された方に配る場合の上限を確かめてください。
もう1つ気をつけたいのが、品の値段の見方で、景品の価額は発注の単価ではなく、受け取る方が通常買うときの税込みの価格で考えます。非売品なら、入手の価格や似た品の市価などから算定するとされているので、名入れの見積りの単価だけで「200円以内」と判断しないようにしてください。
抽選の企画や店頭での読み方は販促ツール13種類の景品の章に、食品を配るときの表示はノベルティ制作は名入れとフルオリジナルのどっち?に書いています。この記事の表は考え方の整理なので、迷う企画は、消費者庁か都道府県の景品表示法の窓口に配り方を伝えて相談してください。

交際費か広告宣伝費かは、配る相手と品の中身で分かれる
法人の経理では、ノベルティという名前だけで交際費か広告宣伝費かが決まるわけではありません。確認した国税庁の資料にはノベルティという名前の区分が無く、配る相手と品の中身に沿って見ていくことになります。
国税庁の説明では、交際費等は得意先や仕入先など事業に関係のある方への接待、供応、慰安、贈答などのための費用です。一方、カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなどを贈るために通常必要な費用は交際費等に含まれず、広告宣伝費とされています。
| 配り方 | 国税庁の資料での見方 | 経理の方に確かめること |
|---|---|---|
| 多数の方に、社名入りの少額の品を配る | カレンダーなどに類する物品は、多数の方に配ることを目的とし、主に広告宣伝の効果を意図した、価額が少額の物品とされている | 今回の品がこの範囲に入るか。この物品の「少額」の金額は示されていない(同じ通達の「おおむね3,000円以下」は売上割戻しなどの項の話) |
| 小売業者が、買い物をした一般の方に配る | 不特定多数への宣伝の効果を意図したものとして、交際費等に含まれない例に挙がっている | 自社がこの例に当てはまるか |
| 得意先に見本品や試用品を渡す | 通常必要な費用は、交際費等に含まれない例に挙がっている | 渡す品が見本や試用と言えるか |
| 特定の取引先に贈る | 事業に関係のある方への贈答は交際費等の定義に入る | 品の価額と贈る相手の範囲 |
| 社員に創業記念品を配る | 記念品としてふさわしいこと、処分見込価額による評価額が税抜1万円以下、おおむね5年以上の間隔、のすべてを満たせば給与として課税されない。現金や商品券は全額が給与として課税される | 3つの条件と、本人が品を選べる形にしていないか |
| 決算日をまたいで余る | 消耗品は使った事業年度の費用が原則。広告宣伝用印刷物や見本品などで、毎年おおむね一定の数量を取得して経常的に使う物は、取得した事業年度の費用とする処理を継続していれば認められる | 今回の品がこの扱いに入るか、余った分をどう処理するか |
出典:国税庁 タックスアンサーNo.5260 交際費等と広告宣伝費との区分・No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算・No.2591 創業記念品や永年勤続表彰記念品の支給をしたとき、租税特別措置法関係通達 61の4(1)-9・61の4(1)-20、法人税基本通達 2-2-15(いずれも2026年11月2日確認)
国税庁の資料で気をつけたいのは、業者を相手にする場合の「一般消費者」の見方です。医薬品の業者にとっての医師や病院、化粧品の業者にとっての美容業者や理容業者などは、一般消費者には当たらないとされています。
業者向けの企画では、一般の方向けの例をそのまま当てはめられないことがあります。扱いが企画によって変わるので、発注の前に経理の担当の方に品と配り方を伝えて、必要なら税理士や税務署に確かめてください。

初めて担当するときは、目的・相手・配り方を決めてから品を選ぶ
初めての担当では、品のカタログを開く前に、目的、相手、配り方の順に決めるのがおすすめです。品を先に決めると、あとから購入の条件や抽選に変えたときに上限を超えたり、数が足りなくなったりして、選び直しになることがあります。
| 順番 | 決めること | 決めておくと助かる理由 | 詳しく書いた記事 |
|---|---|---|---|
| 1 | 一番の目的と、配ったあとに見ること | 上司に説明でき、品に載せる内容も決まる | この記事の目的の章 |
| 2 | 配る相手と人数(一般の方・事業者・社員) | 景品表示法と経理の見方が変わる | この記事の法律と経理の章 |
| 3 | 配り方(全員・購入された方・先着・抽選) | 品の価額の上限が見える | この記事の法律の章 |
| 4 | 上限と経理の扱いの確認 | 発注後の選び直しが減る | 下のシート |
| 5 | 用意する数と1個あたりの予算 | 品の候補を現実的な範囲に絞れる | 展示会のノベルティの数の決め方 |
| 6 | 品の候補 | 場面に合う品を比べられる | 配る場面で選ぶノベルティ |
| 7 | 名入れか形から作るかと、日程 | 配る日に間に合う仕様を選べる | ノベルティ制作の選び方 |
日程は早めに見ておいてください。替え玉は麺がなくなってから頼むと遅いのと同じで、名入れの発注も、配る日が近づいてからでは間に合う品が限られてきます。
下のシートには、目的と相手、配り方ごとに確かめること、経理の方に聞くこと、数と予算を書き出せます。上司や経理の方、制作会社に最初に相談するときに持って行ってください。

ノベルティを、告知物や会場の装飾とまとめて頼むなら
イベントや開店に合わせて配るノベルティは、告知のチラシや会場の制作物と同じ窓口にまとめると、色やロゴの見せ方をそろえやすくなります。配る品だけを別の会社に頼むと、発注先ごとに確認が必要になり、デザインもばらつきやすいからです。
AGSでは販促ツール制作として、チラシ・ポスターなどの告知物、のぼりやバックパネルなど会場で使う制作物と一緒に、文具、クリアファイル、トートバッグ・タオル、カレンダー、缶バッジ・キーホルダー、うちわ・ポケットティッシュといったノベルティを制作しています。デザインは、グループ会社のアディザイン(Web・グラフィック)と連携して起こします。
何を作ればいいか分からない段階でも、イベントの内容と規模を伺えば、必要なツールの種類と数量からご提案できます。デザイン・製作・納品のスケジュールも、本番の日から逆算して組み立てます。

法律や税の判断は、消費者庁や都道府県の窓口、経理の担当の方に確かめていただく形になります。配る日と相手が決まった段階でご相談ください。拠点は福岡・博多で、現場は全国に伺います。お見積りは無料です。
よくある質問
Q. ノベルティと販促品は同じものですか?
ほぼ同じ意味で使われることも多いのですが、販促品のほうが広い呼び方です。ノベルティは社名入りの無料の品を指すことが多く、販促品は販売を後押しする品全体を指して使われます。社内で話すときは、配る条件まで確かめておくと行き違いが減ります。
Q. ノベルティを無料で配れば、景品表示法は関係ありませんか?
無料でも、取引に付随して顧客を誘引するために提供する品なら景品類にあたることがあります。来店された方全員に配る場合は上限が原則200円とされています。一方、社名を広告するための品で適当な限度のものや、事業者だけにもれなく配る品は、規制がかからない場合もあります。
Q. ノベルティ商品とは、どんな品を指しますか?
社名やロゴを入れて配ることを想定した品を指して使われることが多いです。ボールペン、クリアファイル、トートバッグ、タオル、カレンダー、うちわなどがよく選ばれています。作り方の違いはノベルティ制作の記事で説明しました。
Q. 限定ノベルティとは何ですか?
配る期間や場所、数を限定したノベルティを指して使われる言葉です。期間や場所を区切ることで、そのときにしかもらえない楽しみが生まれます。条件として購入や来店を求める場合は、この記事の表に沿って上限を確かめてください。
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