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センスのいいノベルティは配る場面で選ぶ|実際に配られた19品

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センスのいいノベルティは配る場面で選ぶ|実際に配られた19品

センスのいい、もらって嬉しいノベルティは、品そのものの珍しさよりも、配る場面と相手に合っているかで評価が分かれやすいです。暑い日のうちわ、雨の日の飴、周年の日の紅白のお菓子のように、その日その相手にちょうど使い道がある品は、高価でなくても喜ばれます。

もらう側は、受け取った瞬間に「これ、使うかな」を考えます。使い道がすぐ浮かぶ品は持ち帰ってもらえますし、浮かばない品は、どんなにおしゃれでも引き出しの奥に入りがちです。

たとえば群馬労働局は、前橋七夕まつりの日に熱中症予防のうちわを350本配りました。その日は気温が33℃を超えていて、約20分でなくなったと報告しています。

品を選ぶときは「どの場面で、誰に、何に使ってもらうか」を先に決めると、候補がぐっと絞れます。この記事では、会社・お店・自治体が実際に配ったノベルティ19品を、来店のお礼、開店や周年、年末のあいさつ、採用や工場見学の場面ごとに、数と配り方つきで紹介します。並びは、手配が簡単な品からの順です。配る前に確かめたい決まりもまとめました。チラシからノベルティまで販促物を作っている会社の目線で書いています。

もらって嬉しいノベルティは、「その日に使える」「相手の暮らしに合う」「その会社らしい」の3つで選ぶ

喜ばれるノベルティには、3つの共通点があります。配った日やその季節に使い道があること、受け取る方の暮らしや仕事に合っていること、そして配った会社やお店、土地らしさが出ていることです。

1つ目の「その日に使える」は、季節と天気から考えると分かりやすくなります。夏のお祭りのうちわや、雨の日だけ配る飴は、受け取ったその場で役に立ちます。

2つ目の「相手の暮らしに合う」は、来る方の顔ぶれで変わります。小学館の育児雑誌『めばえ』が未就学児を育てている1,000人に聞いたアンケートでは、もらって嬉しいノベルティ(2つまで選択)の1位が育児にまつわるアイテム、2位がエコバッグやポーチ、3位がお菓子や保存のきく食品、4位が洗剤などの生活で使える消耗品でした(出典:HugKum「1000人のママパパに聞いた『もらってうれしいノベルティ』は?」・2026年10月31日確認)。子育て中の家庭が多いイベントなら、こうした暮らしの品が向いています。

3つ目の「その会社らしい」で、センスのよさが一番はっきり出ます。地元の和菓子や工芸品、自社の製品や技術を使った品は、ほかでは手に入らないので話のきっかけになります。

名入れの考え方には、参考になる研究が1つあるんです。ウィーン経済経営大学の研究では、あまり知られていないブランドの販促品を、意識せずに使ってもらうだけでもブランドの評価が上がり、手で触って使う品のほうがポスターを見るより効いた、という実験の結果が出ています(出典:Kamleitner & Marckhgott「Silent persuasion」International Journal of Advertising 40(7)・2021年・2026年10月31日確認)。ロゴを大きく入れることより、毎日使ってもらえる品を選ぶことのほうが効いてくると考えられます。

場面ごとに、この記事で紹介する品をまとめると次のようになります。

配る場面向いている品(この記事の例)手配の手軽さ
来店のお礼・お祭りや啓発の場うちわ、キャンディ、コーヒーのドリップバッグ、ティッシュ類、花やハーブの種、お米既製品に名入れするか、そのまま配れる
開店記念・周年記念紅白の和菓子、自分のお店の名物地元のお店に頼むか、自社の商品を使う
年末年始のあいさつカレンダー印刷するので、秋までに準備を始めたい
持ち歩いて覚えてほしいとき周年ロゴのエコバッグ、地元のシンボルを入れたタオル、手ぬぐいオリジナルの柄を作るため日数がかかる
印象に残したいとき地元の木のコースター、地元の織物の缶バッジ、伝統工芸のベーゴマ作り手と相談しながら進める
採用説明会・工場見学・職場見学自社の製品、自社の技術で作った小物、見学で作った物自社で用意できることが多い

来店のお礼や地域の催しには、季節に合う消耗品が一番手軽で喜ばれやすい

一番手軽なのは、使えばなくなる消耗品です。うちわや飴、ティッシュのような品は、受け取った方が使い道に迷わず、荷物にもなりにくいので、たくさんの方に配る場面に向いています。

夏の夕方の商店街のお祭りで、法被ではなく普通の半袖シャツを着たスタッフが、浴衣の女性に無地の水色のうちわを手渡している様子を、通りの少し離れた位置から目の高さで広く写した写真。奥に提灯の明かりと人通りが見える。うちわや看板に文字は無い

暑い日のお祭りや催しで配るうちわ

暑い時期の屋外の催しなら、うちわは受け取ったその場で使ってもらえます。冒頭の群馬労働局の例では、2026年7月10日の前橋七夕まつりで「熱中症予防」のオリジナルうちわを350本配り、約20分で品切れになりました。(出典:群馬労働局「『STOP!熱中症』でうちわを配布!」・2026年10月31日確認)。前の年の七夕まつりで配ったのは200本だったので、数を増やした年でもすぐになくなったことになります(出典:労働新聞「七夕まつりで熱中症予防啓発 労災防止を広く呼びかける 群馬労働局」・2026年10月31日確認)。

茨城県の会社、FREEDiVEは、取手市の花火大会に協賛して、社員の有志が会場の周りでオリジナルのうちわを配っています。前の回は約2,000枚を配り、花火のあとの清掃とセットで続けています(出典:FREEDiVE プレスリリース(PR TIMES)・2026年10月31日確認)。

うちわは、両面に情報を載せられるのもいいところです。埼玉県熊谷市は、外国から来た方向けに、開くと3面になるうちわを作り、熱中症の防ぎ方や、体調が悪いことを人に伝える絵文字を載せました。市の「うちわ祭」の文化と、以前に配ったうちわが好評だったことから、この形にしたと説明しています(出典:熊谷市 記者クラブへの取材情報(令和3年6月25日)・2026年10月31日確認)。

使える季節が夏に限られるので、秋以降に余ると次の年まで持ち越しになります。数は、配る日の数と人出から少なめに見ておくと安心です。

雨の日だけ配るキャンディ

天気を手がかりにすると、小さな飴でも気の利いた品になります。大分信用金庫は、2026年6月の雨の日だけ、足元の悪い中を来てくださったお客さまへのおもてなしとして、「しんちゃんキャンディ」を本支店の窓口で配りました。配った総数は4,750個で、1人1個です(出典:大分信用金庫「6月雨の日限定『雨・アメ HAPPY』の実施のお知らせ」・2026年10月31日確認)。

雨の日の明るい窓口のカウンターに、透明な小袋に入った水色の丸いキャンディを数個載せた白い小皿が置かれ、傘立てに濡れた傘が1本立っている様子を、カウンターの高さから接写した写真。奥の窓に雨粒が見え、どこにも文字やロゴは無い

「雨」と「アメ」をかけた企画名も含めて、雨の日に来ることを少し楽しくする工夫です。小さな飴1つでも、配る理由がはっきりしているので印象に残ります。食べ物を配るときは、個包装で、原材料や賞味期限が書かれたものを選んでください。

自宅で楽しめるコーヒーのドリップバッグ

飲食店や食品のお店なら、自分のお店の味を家で試してもらう品が向いています。珈琲館などを運営するC-Unitedは、創業の記念日(4月10日)の前後3日間(2025年4月9日〜11日)、全国の店舗に来店した方全員に、「珈琲館ブレンド」のドリップバッグを1袋ずつ配りました(出典:C-United株式会社 プレスリリース(2025年3月14日)・2026年10月31日確認)。

ドリップバッグは軽くて日持ちし、家で飲むたびにお店のことを思い出してもらえます。お店で出している商品なので、品選びに迷わないのも助かるところです。

毎日使うティッシュ・ウェットティッシュ

街頭やイベントで多くの方に配るなら、ポケットティッシュやウェットティッシュが定番です。愛知県選挙管理委員会は、2023年の知事選挙の呼びかけに、ポケットティッシュ95,000個、ウェットティッシュ19,500個などを用意し、市町村の窓口やコンビニ、大型商業施設に置いたり、啓発のイベントで配ったりしました(出典:愛知県選挙管理委員会 記者発表資料(2023年1月10日)・2026年10月31日確認)。

同じ資料には、少し変わった品もあります。若い世代の選挙のサポーターとインターンシップの学生が話し合い、「若者の目線で考案した」トイレットペーパーで、選挙をテーマにしたクイズを印刷して、県内のショッピングセンター5店舗に置いています。定番の消耗品でも、印刷する中身を工夫すると、思わず手に取りたくなる品になります。

ティッシュは配る数が多くなりやすいので、裏の広告の紙に何を載せるかが勝負です。お店の地図や、次に来たときに使える案内を入れておくと、使い終わるまで手元に残ります。

花やハーブの種

開店やリニューアルの日に、種を配るお店もあります。新潟県三条市の道の駅「庭園の郷 保内」は、2021年4月1日〜4日のリニューアルオープンで、各日先着300人に記念品の花の種を配りました(出典:三条市 報道発表資料(2021年3月11日)・2026年10月31日確認)。同じ日には、有料の寄せ植えの体験も開いていました。

カフェの「小さな森珈琲」の新潟・いわき・石岡の3店は、開店から2年の記念に、484円以上利用した各店先着1,000名へ、感謝のメッセージを添えたイタリアンパセリの種と、おかわりの珈琲のクーポンを配っています(出典:株式会社アトム プレスリリース(PR TIMES)・2026年10月31日確認)。

種は薄くて軽く、育てている間はずっとお店のことを思い出してもらえます。植物を扱うお店や、緑の多いお店なら、お店の雰囲気ともよく合います。まく時期が限られるので、配る季節に合う種を選んでください。

明るい雑貨店のレジの前で、店員が小さな無地の種の袋を手のひらに載せてお客さまに差し出している手元を、レジ台のすぐ横から接写した写真。手元と種の袋と木のレジ台だけが写り、袋に文字は無い

季節のお米

秋の新米の時期には、来店のお礼にお米を配るお店もあります。神戸の菓子店、本高砂屋は、「秋の感謝祭」として2026年9月16日から、対象の店舗で新商品を含む3,240円以上を買った先着1,500名に、新潟県魚沼産のコシヒカリを2合(約300g)配っています。元町本店では、お米が当たる抽選会も開きました(出典:本高砂屋 プレスリリース(PR TIMES)・2026年10月31日確認)。

お米は誰の家でも使えるので、相手を選びません。2合ほどなら手提げにも入ります。重くなる量を配るときは、持ち帰り用の袋を一緒に用意しておくと親切です。

開店や周年の記念日には、地元のお菓子や自分のお店の名物を配る

開店や周年のような記念日には、紅白のお菓子のように「お祝い」が伝わる品か、そのお店ならではの名物がよく選ばれます。来た方にも「おめでたい日に来た」という気分を分けられるので、記念日の印象が残りやすくなります。

明るい和菓子店のショーケースの上に、白い化粧箱に入った紅白のまんじゅうが並び、店員の手が1箱を持ち上げている様子を、ショーケースの高さから少し斜めに写した写真。箱やのし紙に文字は無い

地元の和菓子店に頼む紅白のお菓子

紅白のお菓子は、周年や開店の記念日にぴったりの定番です。北海道の網走信用金庫は、創立から100年を迎えた2026年3月6日に、来店した方全員へ紅白まんじゅうを配りました(出典:網走信用金庫 ニュースリリース・2026年10月31日確認)。記念日までの約10日間は、全店で地域と連携した感謝展も開いていました。

大阪府茨木市の農産物の直売所、類農園直売所 彩都店は、開業から10年の感謝祭(2024年11月1日〜4日)の初日に、買い物をした先着100名へ、地元の和菓子店「壽堂」に作ってもらった紅白餅を配っています(出典:類設計室 プレスリリース・2026年10月31日確認)。

地元のお店に頼むと、もらった方には「近所のあのお店の」という楽しみが加わり、頼まれたお店の宣伝にもなります。生菓子は日持ちが短いので、配る日の前日か当日に受け取れるよう、数と受け取りの時間を早めに相談しておいてください。周年の記念日にどんな催しを組むかは、周年イベントの企画の時期の記事にまとめています。

自分のお店の名物

飲食店の開店なら、自分のお店の名物を配るのが一番分かりやすいです。うどんチェーンの資さんうどんが佐賀県に初めて出した佐賀開成店では、2019年7月のオープンから4日間、食事をした方の先着500名へ、毎日名物の「ぼた餅」を配りました。開店前には入口から100人ほどの列ができ、駐車場も満車になったと報じられています(出典:データ・マックス(2019年7月4日)・2026年10月31日確認)。

名物を配ると、まだ食べたことのない方に味を知ってもらえて、次に来たときの注文にもつながります。開店した日のあと、2回目に来ていただくための工夫は、オープンイベントの企画の記事で書いています。

年末年始のあいさつには、1年中目に入るカレンダーが選ばれている

取引先や地域の方への年末のあいさつには、カレンダーがよく配られます。1年間ずっと壁や机で目に入るので、ほかの品より長く手元で働く品です。

明るい事務所の白い壁に掛けた、山と田んぼの四季の風景のイラストのカレンダーを、少し離れた位置から目の高さで写した写真。手前に事務机の端と観葉植物が見える。カレンダーの日付や文字は読めないくらいにぼけていて、人物は写っていない

地元の学生がデザインしたカレンダー

山形信用金庫は、2025年のオリジナルカレンダーのデザインを地元の東北芸術工科大学に頼み、グラフィックデザイン学科の1年生の案を採用しました。山形らしい食べ物や景色で四季を描いたもので、各店の窓口で、数に限りがある形で配っています(出典:山形信用金庫 ニュースリリース(2024年11月27日)・2026年10月31日確認)。

地元の学生と作ると、カレンダーそのものが「地域と一緒にやっている会社」というメッセージになります。デザインを学生に頼む場合は、授業の日程に合わせて相談を始めることになるので、年末に配るなら、春から夏には声をかけておきたいところです。

会社の歴史や地元ゆかりの絵を入れたカレンダー

周年の年には、カレンダーを記念の品にする方法もあります。岐阜県の大垣西濃信用金庫は、創立から100年の節目に、これまでの歩みをテーマにした月めくりのカレンダーを作り、「地域の皆さまへ感謝を込めて」として各店で配りました(出典:大垣西濃信用金庫 お知らせ(2024年11月13日)・2026年10月31日確認)。なくなり次第終了の配り方でした。

網走信用金庫も、創立から100年の記念事業として、美術館の協力で東郷青児の絵を使った2026年のカレンダーを作り、2025年11月20日から各店で配っています(出典:網走信用金庫 ニュースリリース(2025年11月12日)・2026年10月31日確認)。

カレンダーは、取引先が年末に何本も受け取る品でもあります。会社の歴史や地元の景色のように、その会社にしか作れない中身を入れておくと、壁に掛けてもらえる1本になりやすいです。

持ち歩いて覚えてほしいなら、地元のシンボルや周年のロゴを入れた布ものを選ぶ

エコバッグやタオル、手ぬぐいのような布ものは、外に持って出てもらえるので、使われるたびにお店や会社の名前が人の目に入ります。そのぶんオリジナルの柄を作る日数がかかり、1枚の値段も消耗品より高くなるので、この記事の例でも、購入金額の条件を付けて配る形が目立ちます。

晴れた昼の商店街を歩く女性の肩に掛かった、生成りの布のトートバッグを、斜め後ろの腰の高さから写した写真。バッグには文字の無い控えめな線の模様だけがあり、奥の商店街はやわらかくぼけている

周年のロゴを入れたエコバッグ

不二家は、ペコちゃんの誕生から75年の記念に、記念のロゴを入れた限定デザインのエコバッグ(レッドとホワイトの2色・約340×490mm)を作り、全国の不二家洋菓子店で税込2,280円以上を買った方に先着で1枚配りました(出典:不二家 プレスリリース(PR TIMES)・2026年10月31日確認)。

周年のロゴを入れると、その年だけの品になるので、受け取る方には限定感があります。一方で、翌年以降に余りを配りにくくなるので、数は少し控えめにしておくと安心です。

地元のシンボルを入れたタオル

家電量販店のノジマ池袋東武店は、池袋のシンボルの「ふくろう」と自社のキャラクターを組み合わせたオリジナルのタオルを、2026年5月16日から、税込1万円以上を買った会員の方に配っています。第1弾のトートバッグがすぐに予定の枚数に達し、その反響を受けて、第2弾は夏の暑さに合わせてタオルにした、と発表しています(出典:ノジマ プレスリリース・2026年10月31日確認)。

全国にある会社でも、1つの店舗だけで地元の柄を作ると、その町に住む方や働く方にとって特別な品になります。ノジマの例は店舗のスタッフの「池袋を盛り上げたい」という思いから始まった企画で、品の中身と配る場所がしっかりつながっています。

老舗の手ぬぐい、会員がデザインした手ぬぐい

手ぬぐいは、薄くてかさばらず、柄で個性を出しやすい品です。FREAK’S STOREの京都の店舗は、寺町京極商店街でのオープンに合わせて、400年以上続く京都の永楽屋の手ぬぐいを「京都」の柄組みで仕立てた品を、条件を満たした方に先着で配りました(出典:デイトナ・インターナショナル プレスリリース(PR TIMES)・2026年10月31日確認)。条件は、新規の会員登録と、一定の金額以上の購入です。

神奈川県鎌倉市の由比ガ浜商店街振興組合は、創立から90年の記念に、商店街の会員がデザインした手ぬぐいを作り、2025年9月の記念のセレモニーとコンサートの参加者に配っています(出典:タウンニュース 鎌倉(2025年10月8日)・2026年10月31日確認)。

明るい雑貨店の木の棚に、藍色・朱色・生成りの柄の手ぬぐいをたたんで3枚重ね、1枚だけ広げて垂らしている様子を、棚の正面から少し離れて目の高さで写した写真。柄は花と波の模様だけで、文字やロゴは無い。人物は写っていない

老舗とのコラボでも、自分たちのデザインでも、「ここで作った」という話ができるのが手ぬぐいのいいところです。オリジナルの柄で染めるときは日数がかかるので、配る日から逆算して早めに頼んでください。

印象に残したいときは、地元の木や工芸品を使った品にする

数は少なくてもいいので、受け取った方に強く覚えてほしい場面では、地元の木や工芸品を使った品が力を発揮します。ほかでは手に入らない品なので、「これは何ですか」と会話が始まるきっかけにもなります。

地元の木のコースター

長野県の木曽地域振興局は、台風のあとの観光の立て直しのPRに、木曽ヒノキのコースター(9cm四方)を150枚作り、郡内の観光地のイベントで配りました。作るのにかかった費用は99,000円で、1枚あたりにすると約660円です。県のPRキャラクター「アルクマ」を入れたことで、子どもや若い女性に積極的に手に取ってもらえた、と振り返っています(出典:長野県 木曽地域振興局 事業実績・自己評価書・2026年10月31日確認)。

明るいカフェの木のテーブルの上に、淡い色のヒノキのコースターが置かれ、その上にガラスのコップが載っている様子を、テーブルの高さに近い低い位置から斜めに写した接写の写真。コースターの木目がはっきり見え、文字やロゴは無い

木の品は香りや手ざわりがあるので、写真で見るより手に取ったときの印象が強く残ります。袋に詰めるときに、木の産地の紹介文を一緒に入れていたのも、話のきっかけを作る工夫です。

地元の織物で作った缶バッジ

同じ長野県の上田地域振興局は、2023年の上田地域産業展の伝統的工芸品のブースで、上田紬の生地を使った手作りの缶バッジを配りました。ノベルティなどの消耗品の費用は105,298円で、1,000個ほどを用意し、ブースに来た方500人の目標を達成しています。ブースのアンケートでは、上田紬が地元の伝統的工芸品だと知らなかった方は29%いました(出典:長野県 上田地域振興局 事業実績・自己評価書・2026年10月31日確認)。

工芸品の生地を小さな缶バッジにすれば、高価な工芸品でも1個あたりの費用を抑えて、たくさんの方に配れます。地元の工芸を知ってもらうという狙いと、品の形がうまく合っている例です。

伝統工芸で作ったベーゴマ

遊べる品は、子ども連れの多い場で喜ばれやすいです。NEXCO東日本は、東北自動車道の佐野サービスエリア(上り線)のリニューアルオープンの日(2026年3月17日)に、入店した先着100名へ、佐野市の伝統工芸品の天明鋳物で作った「さのまるベーゴマ」を配りました(出典:NEXCO東日本 プレスリリース・2026年10月31日確認)。

鋳物のベーゴマは、子どもにも大人にも珍しい品です。工芸品はたくさんの数をそろえにくいことが多いので、数を絞って、先着の記念品として配る形が向いています。

採用説明会や工場見学では、会社の仕事が伝わる品を渡す

学生や子ども、地域の方が会社を訪ねてくる場面では、その会社が何を作っているか、どんな技術を持っているかが伝わる品を渡すと、会社のことを覚えてもらいやすくなります。自社で作っている物を使えるので、手配の手間もかかりにくいです。

明るい会議室の会社説明会の受付の机に、無地の白い会社案内の冊子と、小さな箱に入った自社の製品のサンプルと、ボールペンを1組ずつ並べ、スーツの学生が1組を受け取ろうとしている様子を、机の斜め上から写した写真。冊子や箱に文字やロゴは無い

自社の製品

就活のサービスを運営するi-plugが2024年に行った、各社の品を1箱に詰めて学生50名にSNSの抽選で贈る企画には、33社が参加しました。エースコックは自社のラーメンを、日東紡績は「日東紡のふきん」を、三和建設は自社で開発した熱中症対策の「しおゼリー」を入れています。発表には各社の採用担当者が品を選んだ理由も載っていて、品と一緒に会社の考え方が伝わる形でした(出典:i-plug プレスリリース(PR TIMES・2024年8月1日)・2026年10月31日確認)。

自社の製品は、学生にとっては「この会社はこれを作っている」と一目で分かる品です。会社の名前を知っていても、何を作っているかまでは知らない、という方は多いので、説明会の資料と一緒に渡すと話がつながります。

自社の技術で作った小物

横浜市のばねの会社、日生発條は、2026年1月に小学5年生が町工場を回る見学の最後に、その年の干支の「午」の形をしたクリップを渡しました。見学した児童は、ばねを自由な形に作れる技術に驚いたと話しています(出典:タウンニュース 都筑区(2026年1月29日)・2026年10月31日確認)。

自社の技術を小さな品にすると、言葉で説明するより早く「何ができる会社か」が伝わります。干支の形にしたのも、年の初めに机に置いてもらえる工夫です。

見学で自分で作った物

宮城県登米市の「2026とめオープンファクトリー」では、親子で地元の工場を回り、各社がお土産を用意しました。迫リコーは体験で作った缶バッジと、板金で作ったスマホスタンドを、ミナト精工は体験で作ったコマと回すためのスタジアムを、オサベフーズは冷凍ハンバーグを家族の人数分用意しています(出典:宮城県 登米地域事務所「2026とめオープンファクトリー」・2026年10月31日確認)。

明るい町工場の見学通路で、作業服の社員が、見学に来た小学生の子どもたちに小さな金属の部品の入った透明の袋を1つずつ手渡している様子を、通路の端から少し離れて写した写真。奥に機械が並び、どこにも文字やロゴは無い

自分で作った物は、配られた物より大事にしてもらいやすいです。見学の中で作る時間を取れるなら、作った物をそのままお土産にすると、思い出に残りやすくなります。

配る前に、景品のルールと名入れの日程を確かめる

品が決まったら、配り方のルールと、配る日に間に合う日程を確かめておきます。来店した方や買い物をした方にもれなく配る品は、景品表示法の「総付景品」にあたり、金額の上限があります。

消費者庁の説明では、商品やサービスを利用した方や来店した方にもれなく配る品の最高額は、取引の金額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引の金額の10分の2までです(出典:消費者庁「景品規制の概要」・2026年10月31日確認)。この記事で紹介した例でも、手ぬぐいやタオル、エコバッグは、一定の金額以上を買った方に配る形が多くなっていました。一方で、社名入りのカレンダーやメモ帳のように、会社やお店の名前を広告するための品で、正常な商慣習に照らして適当な範囲のものは、総付景品の規制がかからないと消費者庁は説明しています(出典:消費者庁「総付景品について」Q121・2026年10月31日確認)。上限の読み方と例は販促ツールの種類の記事の「ノベルティや景品は、配り方によって金額の上限がある」の章で書いています。

名入れやオリジナルの柄を作るときは、配る日からさかのぼって、デザインの確定、校正、製造、配送の日数を見ておく必要があります。名入れで足りるか、形から作るか、費用と納期が何で動くかは、ノベルティ制作の記事で詳しく書きました。制作会社に伝えることと、見積りの比べ方を書き込めるシートも用意しています。

展示会で配るノベルティは、名刺交換や会期後の連絡につなげる役目があるので、選び方と数の決め方が少し違います。展示会の場合は展示会のノベルティの記事を読んでみてください。

配る品の手配と、チラシや会場の装飾をまとめて頼むなら

開店や周年の催しでノベルティを配るなら、配る品と告知のチラシ、会場の装飾を一緒に考えると、色やロゴの見せ方がそろい、準備の手間も減ります。

AGSでは販促ツール制作として、チラシ・ポスターなどの告知物から、会場で使う制作物、来た方に配るノベルティまでを、本番の日から逆算した日程で製作しています。チラシやWebの告知のデザインは、グループのアディザイン(Web・グラフィック)と連携して制作します。

何を配るか決まっていない段階でも、配る場面と相手、日にちを伺って、品の候補と、間に合う日程をお伝えできます。拠点は福岡・博多ですが、現場は全国に伺います。お見積りは無料です。

よくある質問

Q. 高いノベルティのほうが喜ばれますか?

値段の高さより、場面と相手に合っているかのほうが効きやすいです。この記事の例でも、1人1個の飴から、木曽ヒノキのコースター(1枚あたり約660円)、購入金額の条件を付けたタオルやエコバッグまで、いろいろです。たくさんの方に配るなら消耗品で単価を抑え、記念日に来てくださった方や取引先には数を絞って少し良い品にする、と分けて考えると予算を組みやすくなります。来店や購入のお礼として配る品には、景品表示法の上限(取引の金額が1,000円未満なら200円まで)がある点にも気をつけてください。

Q. 面白いノベルティを配りたいのですが、何に気をつければいいですか?

面白さだけで選ぶと、受け取ったあとに使い道がなくて置いておかれがちです。愛知県選挙管理委員会のクイズ入りのトイレットペーパーや、日生発條の干支の形のクリップのように、毎日使う品や机に置ける品に、面白さを足す形にすると使ってもらえます。

Q. 社名やロゴは大きく入れたほうがいいですか?

大きく入れるより、使ってもらえることを優先したほうが効きやすいです。ロゴが目立つ品は、外で持ち歩くのをためらう方もいます。この記事で紹介したウィーン経済経営大学の研究でも、あまり知られていないブランドの販促品は、使ってもらうだけで評価が上がるという結果が出ていました。名入れは小さめにして、柄や色でお店や会社らしさを出す方法もあります。

Q. 年末のあいさつに、カレンダー以外で配れる品はありますか?

手ぬぐいやタオルのように、新しい年に使い始めてもらえる品も向いています。取引先には年末に何社からもカレンダーが届くので、ほかと重ならない品を選ぶのも1つの方法です。年が明けてから配るなら、干支の形の小物のように、その年だけの品にすると季節感が出ます。

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