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イベントの照明はどこまで要る?会場の設備・屋外の日没・電源で決める

B_1951 ステージ・機材
イベントの照明はどこまで要る?会場の設備・屋外の日没・電源で決める

イベントの照明がどこまで要るかは、会場がもともとどれくらい明るいか、写真や配信で人の顔を写すか、日が暮れる時間にかかるかの3つで、おおよその見当が付きます。会議室や昼の屋外なら備え付けの明かりで足りることが多く、ステージで人を見せる会や、夕方から夜にかかる屋外の会になると、照明を足す必要が出てくるはずです。

照明の役目は、雰囲気を出すことだけではありません。登壇者の顔が客席や写真でちゃんと見えること、受付やテントで手元の文字が読めること、暗くなってから来場者が足元を気にせず歩けることのほうが、主催者にとっては先に押さえたいところです。

たとえば福岡市の日の入りは、2026年6月21日が19時32分、11月30日が17時10分で、2時間以上の差があります。同じ「17時から19時のステージ」でも、6月なら照明はほとんど要らず、11月なら始まってすぐに日が沈むので、最初から照明が欠かせません。

なので照明は、「何を照らしたいか」を決め、会場の設備と日没の時刻を確かめてから、足りない分を借りるか頼むかを決める順番で考えるのがおすすめです。

この記事では、照明の種類と打ち合わせで出てくる名前、照明がどこまで要るかの分かれ目、顔の照らし方、会場の備え付けの照明の確かめ方、屋外で日没から逆算する考え方、テントと足元の明かり、電源の数え方、スタンドや吊り物と雨の安全、機材だけ借りるかオペレーター付きで頼むか、費用が動く要因を、公共の施設や公的機関の資料をもとにまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社の目線で書いています。

イベントの照明は「人を見せる」「場を明るくする」「足元と手元」の3つで考える

イベントの照明は、ステージの上の人を見せる明かり、会場全体やステージ全体を明るくする明かり、来場者の足元やテントの手元を照らす明かりの3つに分けて考えると整理しやすくなります。機材の名前が分からなくても、このどれが足りないかで話せば、会場や照明の手配先との打ち合わせは進みます。

会場の床に敷いた養生のシートの上に、レンズの付いたスポットライト、丸い筒形のLEDパーライト、四角い投光器、テント用の細長いLEDライトが間隔をあけて並べてある様子を、真上から写した写真。人物は写っていない
分け方何のための明かりか主な機材
人を見せる登壇者・司会・出演者の顔と姿を、客席や写真でちゃんと見せるスポットライト、人を追いかけて照らすピンスポット
場を明るくするステージ全体、会場全体、屋外の広場を明るくする。色で雰囲気を変えるボーダーライト、サスペンションライト、LEDパーライト、投光器
足元と手元通路・段差・出入口、受付や物販のテントの手元を照らすテントに吊るLEDライト、足元の誘導灯、投光器

ライブや懇親会のように、動く光や色の変化で盛り上げる「演出の照明」は、この3つの上に足すものです。式典やセミナーでは、まず人を見せる明かりと足元の明かりがそろっているかを確かめ、演出はそのあとで考えると、予算の配分を決めやすくなります。

打ち合わせで出てくる照明の名前

照明の名前は、どこに付いているかと、どんな光を出すかで付いています。公共のホールの附属設備の料金表に並んでいる名前から、主催者が打ち合わせで耳にしやすいものを挙げると、次のとおりです。

名前どこにあるか・どんな光か主催者が知っておくと話が早いこと
ボーダーライトステージの上に横に並び、ステージ全体を上から明るくするホールでは利用料に含まれていることがある。全体は明るくなるが、顔は上からの光になる
サスペンションライト(サス)ステージの上に吊った棒(バトン)に付いたスポットライト。立ち位置を上から照らす演台や立ち位置に合わせて向きを決める
シーリングスポット・フロントライト客席の天井や客席の前のほうから、ステージを正面の斜め上から照らす顔を前から照らす明かりになる
サイドスポットステージの左右から照らす顔や体に立体感が出る
センタースポット・ピンスポット(フォロースポット)客席の後ろから、人を追いかけて丸く照らす1台ごとに操作する人が付くのが一般的
ホリゾントライトステージの奥の幕を上下から照らし、色を付ける背景の色を変えたいときに使う
フットライトステージの前の床から照らす下からの光になるので、使いどころは限られる
LEDパーライト筒形で、色を変えられるステージや壁を色で染める。持ち込みの照明でよく使う
投光器広い範囲を明るくする屋外の広場やテントのまわりを明るくする
調光卓照明の明るさや点け消しを操作する卓誰が操作するかを会場と決めておく

(出典:福岡市「福岡市立市民センター条例施行規則」別表第2 ホール付属設備使用料、練馬区「ホール概要・付帯設備料金一覧」(生涯学習センター)・いずれも2026年10月24日確認。表の右2列の説明は、料金表の名前をもとに私たちが書き足したものです)

名前を全部覚える必要はありません。「演台の人の顔を前から照らしたい」「ステージの後ろの幕を青くしたい」のように、照らしたいものと見せ方で伝えれば、照明の担当の方がどの機材を使うかを決めてくれます。

照明をどこまで足すかは、会場の明るさと、撮影や配信・演出をするかで分かれる

照明を足すかどうかは、会場がもともと明るいか、人の顔を写真や配信で写すか、照明で演出したいかで分かれます。会議室で話を聞くだけの会なら天井の照明のままで足りることが多く、ステージで人を見せる会ほど照明を足す意味が大きくなります。

ホテルの宴会場で、ステージの演台に立つスーツ姿の登壇者に、客席の後ろから白いスポットライトが当たっている様子を、円卓の並ぶ客席の後方から広く写した写真
会の例照明の考え方の例
会議室のセミナー・説明会天井の照明のままで足りることが多い。スクリーンに映すなら、スクリーンの前の照明だけ消せるかを会場に聞く
ホテルの宴会場の式典・表彰式宴会場の照明に加えて、演台や表彰の立ち位置にスポットライトを足すと、顔がはっきりする
ホールの発表会・講演会ホールの舞台照明を使う。どの照明を何列使うかを、会場の担当の方と決める
商業施設・公園の昼の屋外ステージ日中は照明が要らないことが多い。テントの下が暗くならないかを見る
夕方から夜にかかる屋外のイベントステージの顔の明かり、客席と通路、テントの手元の明かりが要る。電源の手配も合わせて考える
ライブ・懇親会・夜の催し会場を暗くして、色や動く光で演出する。照明のオペレーターを付けることが多い

(会の中身や会場によって変わるので、決まった基準ではありません)

迷いやすいのが、宴会場や会議室の式典です。人の目で見ているぶんには明るく感じても、天井の照明は真上からの光なので、写真に撮ると目のまわりが暗く写ることがあります。表彰や記念撮影の写真をあとで社内報や広報に使うなら、演台と表彰の立ち位置にだけでもスポットライトを足しておくと、写真の仕上がりがかなり違ってくるでしょう。

演出の照明は、会場を暗くできるかどうかで効き方がかなり違います。窓の多い会場や、明るいままの商業施設の広場では、色の変化が分かりにくくなります。ステージの飾りと照明の組み合わせ方は、ステージ装飾の使い分けの記事に書いています。

顔の照らし方は「前の斜め上から」が基本で、映像やスクリーンとの位置関係も見る

登壇者の顔は、前の斜め上から照らすと、目のまわりに影が落ちにくく、客席からも写真でも表情が見えやすくなります。真上からの光だけだと目の下や鼻の下に影ができ、真正面からの光だけだと顔が平らに見えやすいので、ホールでは客席の天井と左右から照らす照明を組み合わせて使います。

ステージの演台で話す40代の男性の登壇者の顔に、客席側の斜め上から柔らかな白い光が当たり、表情がはっきり見えている様子を、ステージの横から近い距離で写した写真

当て方で気をつけたいのは、次の3つです。

  • 照らす場所を立ち位置に合わせる: 演台、表彰で賞状を渡す位置、司会の位置など、人が止まる場所を先に決めて、そこに光を合わせます。立ち位置が決まっていないと、人が光の外に出てしまいます
  • まぶしさに気をつける: 登壇者の正面の低い位置から強い光を当てると、まぶしくて原稿や客席が見えにくくなります。リハーサルで登壇者本人に見え方を聞いておくと安心です
  • 後ろの映像やスクリーンに光をかぶせない: 登壇者の後ろにプロジェクターのスクリーンがあると、登壇者を照らす光がスクリーンにもかかって、映像が白っぽく見えやすくなります。光の範囲を立ち位置に絞れるかを、照明の担当の方と確かめます

LEDビジョンを背にして立つ場合は、映像がとても明るいので、登壇者の顔が影のように暗く写ることがあります。映像の明るさと顔の明かりの釣り合いは、リハーサルで実際に写真を撮って確かめるのが早いです。LEDビジョンの大きさと見え方は大型LEDビジョンのサイズの選び方の記事に、配信のカメラで顔を写すときの照明は会場+配信のイベント企画の記事に書いています。

会場の備え付けの照明で足りるかを、先に確かめる

ホールや市民センターには、舞台照明が備え付けてあることが多く、全体を明るくする照明は利用料に含まれ、スポットライトなどは1台ごとに別の料金になっている会場があります。借りる機材を決める前に、何が付いていて、いくらで、誰が操作するのかを会場に確かめます。

公共のホールの舞台の上から真上を見上げるように、照明のバトンに並んだスポットライトとボーダーライトを写した写真。人物は写っていない

福岡市の市民センターのホールは、ホールの利用料が「基本セット付」となっていて、この基本セットはボーダーライトのことです(中央市民センターなら150Wのボーダーライトが54個)。それ以外の照明は別の料金で、スポット(1kW)が1台340円、センタースポット(1kW)が1台1,200円、西市民センターの電動フォローピンスポットが1台800円、コンセント(1kW)が1個170円で、どれも午前・午後・夜間の区分ごとの1回の料金として決められています。

東京都の練馬区の生涯学習センターのホールは、調光卓が1式2,000円、サスペンションスポットライトが1列(1kWが12台)800円、センターフォローピンスポットライトが1台1,000円、追加のスポットライトが1台200円です。講演会向けの「Cセット」(6,000円)には、音響調整卓と調光卓、ボーダーライト、サスペンションスポットライト、左右と客席の天井のスポットライトがまとめて入っています。

広島県の福山市東部市民センターでは、スポットライトが1台200円(1kW)です。利用案内には、舞台・照明・音響の設備に必要な人員は使う側で確保すること、使う日の1週間前までに職員と打ち合わせをし、その際に仕込み図やプログラム、進行表を持ってくることが書かれています。

(出典:福岡市「福岡市立市民センター条例」別表第2、福岡市「福岡市立市民センター条例施行規則」別表第2、練馬区「ホール概要・付帯設備料金一覧」(生涯学習センター)、福山市「東部市民センター ご利用案内(2025年6月改訂)」・いずれも2026年10月24日確認)

今回調べた3つの会場では、照明の設備の料金そのものは1台や1列ごとに数百円から数千円でした。気をつけたいのは、福山市の例のように、設備があっても操作する人は自分たちで用意する会場がある点です。会場に聞くことをまとめると、次のようになります。

  • どの照明が利用料に含まれていて、どれが別の料金か
  • 照明の操作を、会場の担当の方がしてくれるのか、自分たちで用意するのか
  • 打ち合わせの期限と、持っていくもの(仕込み図・進行表など)
  • 照明の持ち込みができるか、持ち込むときの電気の使用料
  • スクリーンや映像を使うとき、客席の照明をどこまで落とせるか

ホテルの宴会場は、ホールのような舞台照明の料金表を公開していないところもあるので、宴会の担当の方に「演台にスポットライトを当てられるか」「持ち込みの照明は使えるか」を直接聞いてみてください。

屋外のイベントは、日没の時刻から照明の要る時間を逆算する

屋外のイベントでは、まず開催日の日の入りの時刻を調べて、進行表のどこから照明が要るかを決めます。日の入りの時刻は季節と場所で大きく変わるので、去年と同じ時刻の進行でも、開催月が違えば照明の要る時間が変わります。

夕暮れの公園の広場を、少し高い位置から広く見下ろした写真。奥の仮設ステージに白い照明が点き、手前の客席と、横に並ぶ白いテントの中がほんのり明るくなっていて、空はまだ少し明るい

国立天文台の暦計算室が公開している福岡市の2026年の日の入りは、次のとおりです。

日付福岡の日の入り
4月15日18時49分
6月21日19時32分
8月15日19時05分
9月15日18時26分
10月31日17時28分
11月30日17時10分
12月15日17時12分

(出典:国立天文台 暦計算室「日の出入り@福岡(福岡県)」2026年の各月・2026年10月24日確認。ページの切り替えで各月の表が見られます)

場所による差も大きく、11月30日の日の入りは福岡が17時10分、東京が16時28分で、40分ほど違います(出典:国立天文台 暦計算室「日の出入り@東京(東京都)」2026年11月・2026年10月24日確認)。県外で開くイベントは、その土地の日の入りで確かめてください。

日の入りの時刻は、太陽の上の端が地平線に沈む時刻で、そのあともしばらくは空が明るさを残します。ただ、テントの下や建物の陰、木の多い公園は、空より先に暗くなります。照明は日の入りの少し前から点けておき、暗くなっていく中で明るさを確かめられるようにしておくと安心です。

もう1つ、照明の確かめは暗くなってからでないと十分にはできません。昼に設営して点けてみても、光がどこまで届くか、顔がどう見えるかはほとんど分からないからです。日没をまたぐイベントなら、本番の前に暗くなってから一度点けて、ステージ・客席・テント・通路を歩いて見て回る時間を、進行表に入れておいてください。

テントの下は、空より先に暗くなる

受付や物販、飲食のテントは、屋根があるぶん、夕方になると外より先に暗くなります。テントのフレームに吊るせるLEDの照明を用意しておくと、受付の名簿の記入や、商品と値札も見やすくなるでしょう。

夕方の屋外イベントで、白いテントの骨組みに吊るした細長いLEDの照明が、受付の長机の上の名簿とペンを照らしている手元を、斜め上から近くで写した写真

テントに照明を付けるときは、電源のコードをテントの脚に沿わせて固定し、来場者の足に引っかからないようにします。テントの張数や大きさ、風の日の備えは、イベント用テントの用途別のサイズと借り方の記事にまとめています。

足元と通路は、来場者が帰る時間まで考える

照明をステージにだけ集めると、客席のうしろの通路や段差、駐車場への出口が暗いまま残ることがあります。来場者が一斉に動くのは、終わって帰る時間です。終わりの時刻が日の入りのあとなら、出口までの道とケーブルを渡した所、段差の所に明かりがあるかを確かめておきます。

足元の明かりは、ステージの照明ほど強くなくて構いません。投光器を通路に向けて置く、テントの照明を通路側にも漏れるように吊るす、といった形で足りることも多いです。木やエントランスを光で飾る装飾の照明は、イルミネーション装飾の点灯例と電気・許可の確認の記事で書いています。

電源は、照明の消費電力を足してから、どこから何本取るかを決める

照明の電源は、使う照明の消費電力を足し、会場のどのコンセントや分電盤から何本に分けて取るかを決めます。照明は1台で大きな電力を使うものがあり、家庭のコンセントと同じ感覚で差していくと、ブレーカーが落ちたりコードが熱を持ったりします。

屋外のステージの裏で、地面に置いた発電機と電源の分岐の箱から、黒いケーブルが何本か伸び、ケーブルの上に黄色と黒の養生のカバーが掛けてある様子を、地面に近い低い位置から写した写真。人物は写っていない

製品評価技術基盤機構(NITE)は、一般の住宅の壁のコンセントは二口の合計で1500Wまでが接続できる最大の消費電力だと説明していて、コードを束ねて使ったり、大きすぎる電流を流したりすると発熱や発火につながると注意を呼びかけています(出典:NITE「減少傾向から一転、2年連続事故増加 ~配線器具の火災に注意!!~」(2022年2月24日)・2026年10月24日確認)。

公共のホールの料金表には、照明の消費電力が書かれていて、スポットライトやサスペンションライトは1台1kW(1,000W)のものが並んでいます。仮に1kWのスポットライトを2台使えば2kWになり、壁のコンセント1か所(二口で1500W)では足りない計算です。LEDの照明は消費電力が小さいものが多いので、どの機材を使うかで要る電源の量はかなり変わります。照明の手配先に、台数と合計の消費電力を出してもらってから、電源の取り方を会場と決めると話が早いです。

照明と音響を同じ回路から取ると、照明でブレーカーが落ちたときに音も止まります。照明と音響の回路を分けられるかは、会場や電源の手配先に聞いておいてください。音響の側から見た電源の話は、イベントの音響の記事に書いています。

会場のコンセントが使えない屋外では、発電機を使うことになります。福岡市消防局は、多くの人が集まる催しで発電機などの火気器具を使う場合は消火器を用意すること、こうした器具を使う露店などを開く場合は開く日の3日前までに所轄の消防署へ届け出ることが必要だとしています。発電機は、液体燃料を使う器具の例として挙げられています(出典:福岡市消防局「多数の者の集合する催しにおける火災予防・指定催しの公示」・2026年10月24日確認)。ステージの照明に発電機を使う場合も、消火器の用意と燃料の置き方を、会場のある自治体の消防署に確かめておいてください。

照明のスタンドと吊り物は、転倒と落下を防いでから点ける

イベントの照明で一番気をつけたいのは、スタンドの転倒と、高い所に付けた照明の落下です。照明は人の頭より高い所に置くことが多く、倒れたり落ちたりすると、来場者のけがにつながります。

屋外のステージの脇に立てた背の高い照明のスタンドの脚元に、黒い砂袋が3つ載せてあり、スタンドの上から近くの柱へワイヤーが張られている様子を、脚元に近い位置から見上げるように写した写真。人物は写っていない

劇場やホールの舞台の仕事に関わる団体でつくる劇場等演出空間運用基準協議会のガイドラインでは、照明のハイスタンドのように重心が高く床に固定できない物には、必ず転倒を防ぐ策をとることとし、脚元を砂袋などで押さえるほか、上空や近くの固定物にワイヤーやロープを掛けることが有効だとしています。照明などの機材を吊るときは、専用の吊り具などで吊り込み、必ず落下防止ワイヤーを掛ける、という項目もあります。

屋外の仮設の舞台については、風雨や雪など天気の変化に合わせることが必要で、気象の情報をつかみ、安全な作業や公演が難しくなったときに、作業や公演を止めたり中止したりする指示を出せる体制を整えるよう書かれています(出典:劇場等演出空間運用基準協議会「劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドライン」(2024年の改訂。日本芸能実演家団体協議会のサイトに掲載)・2026年10月24日確認)。

主催者の側では、次のようなことを決めておきたいところです。

  • 風が強いときに、照明のスタンドをたたむか下げるかを、誰がいつ決めるか: 照明の担当の方と、判断する人を決めておきます
  • 雨のときの照明の扱い: 屋外で使える照明か、つなぎ目を地面から上げられるか、雨が強くなったら消すかを、借りる先に確かめます
  • 来場者が照明に近づけないようにする範囲: スタンドの脚やケーブルのまわりに、来場者が入らないようにするかを会場図に書いておきます

ステージやトラス(照明を吊るための骨組み)を組むときの安全や、雨の日の判断は、ステージ設営の流れと費用の考え方の記事にも書いています。

機材だけ借りるか、オペレーター付きで頼むかは、本番中に照明を動かすかで決める

照明を借りるときは、機材だけを借りて自分たちで置いて点けるか、照明のオペレーター(本番中に照明を操作する人)ごと頼むかを選びます。分かれ目は、本番中に照明を切り替える場面があるかと、高い所に吊ったり、発電機をつないだりする作業があるかです。

暗いイベント会場の後ろに置いた照明の卓で、操作する人が卓のつまみに手を添え、その肩越しに、遠くの青い光に染まったステージが見える様子を写した写真
用意の仕方向いている会気をつけたいこと
会場の備え付けの照明を使うホールの発表会・講演会、宴会場の式典操作を会場の担当の方がしてくれるか、自分たちで用意するかを確かめる
機材だけを借りて、自分たちで置くテントの照明、通路の投光器など、点けっぱなしで済む明かり設置と配線、電源の取り方、片付けまで自分たちでする
オペレーター付きで頼む照明を切り替える場面が多い会、ピンスポットを使う会、夜の屋外のステージ打ち合わせとリハーサルの時間を取り、進行表を前もって渡す

点けっぱなしでよい明かりと、本番中に動かす明かりを分けて考えると、どこまでを頼むかが決めやすくなります。たとえばテントや通路の明かりは機材だけを借り、ステージの照明だけをオペレーター付きにする、という分け方もできます。

オペレーター付きで頼むなら、照明を変える場面を進行表に書き込んで、前もって渡しておくのがおすすめです。開会で客席を暗くする、表彰で受賞者が前に出たらスポットを当てる、といったきっかけが紙で共有されていれば、司会とオペレーターが同じ紙を見て動けます。

照明の費用は、機材の量・オペレーターの時間・電源と吊りの作業で動く

イベントの照明の費用は、機材の台数と種類、オペレーターの人数と会場にいる時間、電源と吊りの作業の3つで動きます。同じ来場者の数でも、屋内か屋外か、夜にかかるか、演出をどこまで入れるかで、要る機材と人が変わるからです。

事務所の机の上で、照明の見積書の紙と、ステージと客席を描いた会場図を並べ、担当者の指が会場図の照明の位置の印を指している手元を、斜め上から近くで写した写真
費用が動く要因中身見積りで確かめたいこと
機材の量と種類スポットライト・パーライト・ムービングライト(動く光の照明)・投光器・テントの照明の台数予備の電球や機材が入っているか
オペレーターの人数と時間仕込み・リハーサル・本番・撤去のどこからどこまでいるか。ピンスポットは1台ごとに操作する人が付くことが多い暗くなってからの確かめの時間が入っているか
電源の手配会場の電源の使用料、発電機、電源の分岐とケーブル電源をどこから取るか、発電機の燃料が入っているか
吊りと高い所の作業トラス(骨組み)を組む、バトンに吊る、高所の作業組む・吊るのにかかる時間と人数
会場の附属設備ホールの照明の使用料、持ち込んだ機器の電気の使用料区分(午前・午後・夜間)ごとにかかるか

照明を持ち込むと、その電気の料金が別にかかる会場もあります。練馬区の生涯学習センターは、持ち込んだ機器の合計が500W以上のとき1kWにつき200円です。福山市東部市民センターは持込電源が1kWにつき100円で、こちらは使った電力量の実績で決まります。福岡市の市民センターの条例にも、特別の設備をして電気を使ったときは実費を徴収すると書かれています(出典は前の章の練馬区・福山市・福岡市の資料)。

費用を抑えたいときは、まず色や動きの演出の照明から削るのが無理のない順番でしょう。一方で、登壇者の顔を照らす明かりと、暗くなってからの通路の明かりは、削ると写真の写りや来場者の安全にそのまま響くので、残しておきたいところです。イベント全体の費用の内訳は、イベント企画の費用の内訳9項目と見積りの比べ方の記事にまとめています。

照明の打ち合わせの前に、主催者が決めておくこと

照明の手配先や会場と打ち合わせる前に、開始と終了の時刻と日の入り、照らしたいもの、撮影や配信の有無、電源、雨のときの扱いの5つを決めておくと、見積りと当日の段取りが早く固まります。どれも主催者にしか決められないことです。

会議室で、机に広げた屋外の会場図をはさみ、スーツ姿の主催者の担当者と紺の作業着の照明の担当者が、ステージとテントの位置を指しながら打ち合わせている様子を、机の横から写した写真
  • 時刻: 設営・リハーサル・開始・終了・撤去の時刻と、開催日の日の入りの時刻
  • 照らしたいもの: 演台、表彰の立ち位置、出演者、ステージの背景、受付や物販のテント、通路と出口
  • 撮影と配信: 記録の写真や動画を撮るか、配信するか。LEDビジョンやスクリーンを使うか
  • 電源: 会場のどこから電源を取れるか、発電機が要るか、音響と分けられるか
  • 雨と風: 雨のときに屋根の下に移すか、照明を減らすか、誰が判断するか

これらを、照らしたいものの一覧、時刻と日の入り、会場の設備に聞くこと、電源の数え方、安全と雨の決めごと、用意の仕方と借り先の順に書き込めるシートを用意しました。会場や照明の手配先との打ち合わせに、そのまま持って行けます。

照明を、ステージ・音響・LEDビジョンとまとめて頼むなら

ステージを組む、夕方から夜にかかる、LEDビジョンを使う、といったイベントでは、照明をステージや音響とまとめて頼むと、電源の取り方や機材の置き場所を一緒に決められます。手配先が1つになるので、主催者は進行と来場者への対応に集中できます。

屋外の仮設ステージの上で、紺の無地の作業着の作業員2人が、ステージの上に組んだ骨組みにスポットライトを取り付けている様子を、ステージの袖から少し離れて写した写真

AGSでは、ステージ設営・レンタルとして、演台や登壇者を照らすスポットライト、動きのある光で演出するムービングライト、色を変えられるLEDパーライト、進行に合わせて照明を操作する照明オペレーターを手配しています。照明・看板・スピーカーを吊るための骨組み(トラス)の組み立て、音響・映像の機材と合わせて、イベントの内容に合わせて構成します。

必要に応じて下見をして、地面・電源・搬入経路などの設営の条件を確かめたうえで、ステージの仕様と機材の構成をまとめてご提案しています。グループのアディザネージでは、LEDビジョンの販売・レンタルと設置も行っているので、映像と照明を合わせた演出もご相談いただけます。

会場がまだ決まっていない段階でも、ご相談はお受けしています。お見積りは無料で、拠点は福岡・博多、現場は全国にお伺いします。

よくある質問

Q. 宴会場の式典でも、照明を持ち込んだほうがいいですか?

話を聞くだけの会なら、宴会場の照明のままで足りることが多いと思います。表彰や記念撮影の写真を広報に使うなら、演台と表彰の立ち位置にスポットライトを当てられるかを、宴会の担当の方に聞いてみてください。会場の照明で当てられない場合に、持ち込みを考えます。

Q. 屋外の夕方のイベントは、何時から照明を点ければいいですか?

開催日の日の入りの時刻を国立天文台の暦計算室などで調べて、その少し前から点けておくのがおすすめです。テントの下や建物の陰は空より先に暗くなるので、日の入りの前でも照明が要る場所があります。本番の前に、暗くなってから一度点けて、見え方を確かめておくと安心です。

Q. 照明の電源は、会場のコンセントで足りますか?

照明の台数と消費電力によります。壁のコンセントは二口の合計で1500Wまでが目安で(NITE)、1kWのスポットライトを2台使うだけで超えてしまいます。照明の手配先に合計の消費電力を出してもらい、会場の分電盤から取れるか、発電機が要るかを確かめてください。

Q. 照明だけを頼むこともできますか?

頼み先によって違いますが、AGSのステージ設営のサービスでは、「ステージだけ」「機材だけ」といった一部のみのご相談もお受けしています。ステージや音響を別に手配している場合も、照明を照らしたいものと時刻、電源の条件を伺ったうえでご提案します。

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