フォトスポットは、撮る人数と「上半身を撮るか、全身を撮るか」を先に決めると、背景の大きさと置く場所が決まります。スマートフォンを縦に構えると、写る横幅はカメラからの距離とほぼ同じになるので、1〜3人の全身なら、背景は幅2.4m前後・高さ2.4〜2.8m、背景から撮る人の背中まで3m弱の奥行きが目安です。
背景の大きさを見た目の好みで決めると、写真の端に背景の外の棚や壁が写ったり、撮る人が下がれずに全身が入らなかったりしやすくなります。
常設のフォトスポットを置いている市役所は、寸法を公表しています。岐阜県大垣市は幅1.5m×高さ2.1m、富山県射水市は幅3m×高さ2.26m、長野県千曲市は幅2.0m×高さ2.8mの背景を、庁舎1階の待合や入口、通路に置きました(出典は本文の各章に記載)。
この記事では、季節を問わず使えるフォトスポットの作り方を、背景の寸法、置く場所、立ち位置の印、光の向き、ハッシュタグの掲示、手作りと業者の分け方、置いたあとに撮影された数を数えて効果を確かめる方法の順にまとめました。季節の飾りの具体は、ハロウィンのフォトスポットの作り方とクリスマスのフォトスポットの作り方に書いています。イベントや店舗の装飾を制作・施工している会社の目線で書いています。
フォトスポットの作り方は、人数と撮り方を決めてから、場所・背景・立ち位置・光・掲示の順に進める

最初に決めるのは、誰に、何人で、どう撮ってもらうかです。それが決まると、あとの寸法はほとんど計算で出せます。
| 決めること | 決める数字・中身 | この記事の章 |
|---|---|---|
| 撮る人数と撮り方 | 1〜2人の上半身か、家族やグループの全身か | 背景の寸法 |
| 置く場所 | 背景から撮る人の背中までの奥行き、列が並んだあとの通路の残り幅 | 置く場所 |
| 背景 | 幅と高さ、ロゴや店名を入れる高さ | 背景の寸法 |
| 立ち位置 | 立つ人の位置と、撮る人の位置の2つの印 | 立ち位置の印 |
| 光 | 窓との向き、顔を照らす光の方向 | 照明 |
| 掲示 | ハッシュタグを背景の中に入れるか、横に立てるか | ハッシュタグ |
季節の飾りは、この骨組みが決まったあとに選ぶものです。 骨組みを先に決めておくと、ハロウィン、クリスマス、周年と、飾りの面だけを替えて同じ場所を使い続けられます。
置く場所は、撮る人が下がれる奥行きと、列が並んでも残る通路の幅で選ぶ

場所は、背景の前に「立つ人」と「撮る人」が縦に並べる奥行きがあって、順番を待つ人が並んでも通路が残るところを選びます。
奥行きは、全身を撮るなら背景から3m弱、上半身だけなら2.2mほど見ておきます。背景から立つ人まで0.5m、そこからカメラまで1.2〜1.8m、撮る人の体と少し下がる余裕で0.5mを足した数字です(カメラまでの距離の根拠は次の章で計算しています)。
通路の残り幅は、国土交通省の建築設計標準が参考になります。敷地内の通路について、人と車いす使用者がすれ違える寸法を150cm、車いす使用者どうしがすれ違える寸法を180cm以上と示しています(出典:国土交通省「建築設計標準 2.1 敷地内の通路」・2026年10月4日確認)。屋内の通路の決まりではありませんが、撮っている人と並んでいる人がいる状態で、ほかの方が無理なく通れるかを見る目安になります。
常設のフォトスポットを置いている市役所は、人が待つ場所や、もともと人が通る場所を選んでいます。
- 大垣市は、庁舎1階の窓口サービス課前の待合スペースに置きました(出典:大垣市 記者発表資料「メモリアルフォトスポットの設置について」・2021年8月2日付、2026年10月4日確認)。
- 射水市は、本庁舎1階エントランスの北側です(出典:射水市 市長定例記者会見資料「メモリアルフォトスポットを開設します!」・2022年5月30日付、2026年10月4日確認)。
- 千曲市は、市役所1階の貫通通路に置いています(出典:千曲市 部長会議資料「結婚お祝い事業『フォトスポット』の設置について」・2022年6月28日付、2026年10月4日確認)。
- 福岡市城南区は、区役所本館1階の北側玄関入口です(出典:福岡市城南区「城南区フォトスポットを設置」・2025年3月13日付、2026年10月4日確認)。
店なら、入口から見えて、少し奥に入った壁面がおすすめです。背景の後ろに窓や鏡がある場所は、光や写り込みの面で撮りにくくなるので避けます(光の向きは照明の章で書きます)。避難口や階段との位置、施設の火災予防の決まりは、クリスマスのフォトスポットの記事の防炎と避難通路の章にまとめました。
背景の寸法は、撮る人数と、上半身か全身かで決める

背景の幅は、撮る人数と撮り方で決まります。1〜2人の上半身なら幅1.8m前後、1〜3人の全身なら2.4m前後、4〜5人の全身なら3.3m前後が目安です。
スマートフォンを縦に構えると、写る横幅はカメラからの距離とほぼ同じ
この目安は、スマートフォンの写る範囲から計算しています。iPhone 16のメインカメラの焦点距離は、Appleの仕様で26mm(35mmフィルム換算)です(出典:Apple「iPhone 16 – 技術仕様」・2026年10月4日確認)。
写真の縦横比が4:3の設定で縦に構えると、計算上、横の画角は約53度、縦の画角は約67度になります。距離にすると、写る横幅はカメラからの距離とほぼ同じ、写る高さは距離の約1.3倍です。カメラから2m離れた背景なら、横に約2m、縦に約2.7mが写ります。
機種によってメインカメラの広さは少し違い、24mm相当の機種では横幅が距離の約1.1倍になります。数字は目安にして、最後は実際に自分のスマートフォンで試し撮りして確かめてください。
人数と撮り方から見た、背景の幅と奥行きの目安
立つ人を背景から0.5m離し、横に並んだ1人あたりの幅を約50cmとして計算しました。
| 撮り方 | カメラから人まで | 人の位置で写る横幅 | 背景の位置で写る横幅(背景の幅の目安) | 背景から撮る人の背中までの奥行き |
|---|---|---|---|---|
| 上半身・1〜2人(縦に構える) | 約1.2m | 約1.2m | 約1.7m → 幅1.8m前後 | 約2.2m |
| 全身・1〜3人(縦に構える) | 約1.8m | 約1.8m | 約2.3m → 幅2.4m前後 | 約2.8m |
| 全身・4〜5人(横に構える) | 約2.0m | 約2.7m | 約3.3m → 幅3.3m前後 | 約3.0m |
背景より写る範囲のほうが広いと、写真の両端に背景の外が写ります。幅が足りないときは、全身用に作るのをやめて上半身用に絞るか、背景の両脇に観葉植物や柱のように「写ってもよいもの」を置くと、写真がまとまりやすくなります。
人物写真は縦位置で撮るのが基本とされています(出典:ソニー「人物撮影のテクニック」・2026年10月4日確認)。そのため表の上の2行は、縦に構える前提で計算しました。グループを横に構えて撮る場合は、3行目の数字を使ってください。
高さは2.4〜2.8mを目安にし、ロゴは頭より上に入れる
市役所の公表例では、背景の高さは大垣市が2.1m、射水市が2.26m、千曲市が2.8mでした。
計算では、胸の高さ(床から約1.3m)でスマートフォンを水平に構えた場合、上半身の構図なら背景は床から約2.4mまで、全身の構図なら約2.8mまで写ります。上半身用なら2.4m前後で上が切れにくく、全身でも上まで背景に収めたいなら、千曲市と同じ2.8m前後が必要です。2.4mの背景で全身を撮ると、写真の上に背景の外が少し入るので、背景の上に無地の壁や天井が来る場所を選ぶと目立ちにくくなります。
店名やロゴ、ハッシュタグを背景に入れるなら、高さ1.9〜2.3mの帯に置くのがおすすめです。立った人の頭より上なので、上半身の写真にも全身の写真にも入ります。人が立つ真後ろの1.0〜1.8mの高さは、人で隠れてしまいます。
大垣市は手に持つパネル(幅450mm×高さ300mm)も用意していて、射水市も、転入・結婚・出産を表す手持ちパネルを置いています。背景のロゴが人で隠れても、手元のパネルで何の写真かが伝わります。
立ち位置の印を、立つ人と撮る人の2か所の床に貼ると、誰が撮っても同じ構図で撮れる

床の印は、立つ人の位置だけでなく、撮る人の位置にも出します。2つの印があると、誰が撮っても、先の表の構図に近い写真になります。
立つ人の印は、背景から0.5mほど離します。背景にくっついて立つと、背景に影が落ちて、写真が平らに見えやすいからです。
撮る人の印は、上半身なら背景から約1.7m、全身なら約2.3mの位置に貼ります。2か所に「上半身はここ」「全身はここ」と分けて出しておくと、撮る人が迷いません。印は、施設の許可を取ったうえで、撤去のときに床を傷めずにはがせる素材を選びます。
撮る人がいない場合も考えておきます。射水市は、スマートフォンやタブレットを置いて自撮りできるフォトスタンドを用意していて、職員に声をかければ撮影も手伝います。大垣市は自撮り棒を貸し出し、撮影のときは職員が手伝う形です。2人で来られた方が2人とも写るように、スマホを置く台か、スタッフが撮るお手伝いのどちらかがあると、撮影数が伸びやすくなります。
顔が暗く写らないように、照明は窓を背にしない向きと、斜め前からの光で決める

光は、立つ人の後ろに窓が来ない向きに背景を置き、顔には斜め前から光が当たるようにします。
ソニーの人物撮影の解説は、人物には逆光か半逆光(逆光よりも横に寄った光)をすすめています。そのうえで、正面から光が当たると、まぶしさで目をつぶったり顔に影ができたりしやすいこと、逆光では顔が暗くなることがあるので、レフ板で光を足すか露出補正で明るめにするとよいことを説明しています(出典:ソニー「人物撮影のテクニック」・2026年10月4日確認)。
フォトスポットで撮るのは、スマートフォンを持った一般の方です。レフ板や露出補正まで使ってもらうのは難しいので、窓を真後ろにする強い逆光は避けて、顔に光が届く向きにしておくのが手堅いと思います。
フォトスポットに当てはめると、次の置き方になります。
| 置き方 | 起きやすいこと | 直し方 |
|---|---|---|
| 背景の後ろに窓がある | 顔が暗く写りやすい | 窓が横か、撮る人の後ろに来る壁を選ぶ |
| スポットライトを顔の正面から当てる | まぶしくて目を細める | 光を斜め上から当てる。光の向きを顔から少しずらす |
| 天井の照明だけ | 目の下や鼻の下に影が出る | 斜め前に光を1つ足す。近くの白い壁も光を返してくれる |
ネオンサインや電飾を背景に入れる場合も、それは背景側の光です。顔を照らす光は別に用意します。夜の電飾の置き方と、電源の容量の確かめ方はクリスマスのフォトスポットの記事に詳しく書きました。
投稿につなげるために、ハッシュタグは背景の中と、撮る前に目に入る場所の2か所に入れる

ハッシュタグは、背景の中に入れて写真そのものに残す場所と、撮る前に目に入る案内の2か所に出します。
藤沢市は、市役所本庁舎1階ロビーにフォトパネルを置き、撮影した方にハッシュタグ「#藤沢キュンあつめ」を付けてSNSに投稿してもらうことを期待した、と発表しています(出典:藤沢市 記者会見資料「キュンとするフォトパネル」を設置します・2018年4月19日付、2026年10月4日確認)。パネルを置いた目的を、最初から投稿に結びつけていた例です。
背景の中に入れる場合は、前の章のとおり、頭より上の1.9〜2.3mの帯に置きます。こうしておくと、投稿した方がタグを付け忘れても、写真を見た人に店や施設の名前が伝わります。
案内は、順番を待つ列の横か、撮る人の印の近くに立てます。撮り終わってから気づく位置では、もう投稿の文章を書いたあとになりやすいからです。タグの決め方や、投稿に特典を付けるときの景品の上限は、イベント集客のSNSの記事で消費者庁の資料をもとに整理しています。
手作りでできる範囲と、業者に頼んだほうがよい範囲

壁に掛けられる布の背景、床の印、手持ちの小物は、手作りでも十分できます。壁に固定できない場所で2mを超える背景を自立させるとき、防炎物品が求められる施設で大きな布や合板を使うとき、コンセントから電気を引くときは、業者に頼んだほうが安心です。
| 部分 | 手作りしやすい | 業者に頼んだほうが安心 |
|---|---|---|
| 背景の面 | 既製のタペストリーや布を壁に掛ける | 幅2m・高さ2mを超える印刷の面、立体の造作 |
| 支え | 壁のフックやピンで留められる | 壁に固定できない場所で自立させる。転倒を防ぐ重りや足元の設計 |
| 防炎 | 防炎ラベル付きの既製品を選ぶ | 百貨店や地下街など、防炎物品が求められる施設で大きな布や合板を使う |
| 電気 | 電池式の小さなライト | コンセントからの配線、電飾の容量の計算 |
| 期間 | 1か月ほどで外す | 1年を通して、季節ごとに面を替えて使う |
迷ったら、骨組みと面を分けて考えるのがおすすめです。 骨組み(支えと枠)は最初にしっかり作り、季節ごとの面は印刷した布や手作りの飾りで替えていくと、2回目からの手間と費用を抑えやすくなります。
市役所の例にも、この形があります。射水市は、背景のパネルを季節に応じて替えるとしていて、使っていない季節のパネルはエントランスの壁に飾っています。大垣市は、ロールスクリーンを使った背景で、2種類のデザインから選べるようにしました。
防炎物品の範囲と、ラベルの確かめ方は、クリスマスのフォトスポットの記事で総務省消防庁の資料をもとに書いています。風船で背景の面を作るならバルーン装飾のやり方、入口やステージも含めた会場全体の飾り方はイベント会場の装飾が参考になります。
背景パネルの製作から設置、季節ごとの掛け替えまでまとめて頼みたいときは、イベント装飾・店舗装飾のページをご覧ください。AGSでは、天神地下街40周年イベントの3Dトリックアートの施工も手がけています。拠点は福岡・博多で、現場は全国に伺います。見積りは無料なので、置きたい場所の寸法と、撮ってほしい人数のイメージが分かる段階でお声がけください。
置いたあとは、撮影された数を数えて、効果と直すところを確かめる

撮影された数を数えておくと、社内や施設に「どれくらい使われたか」を数字で伝えられ、背景や立ち位置を直すかどうかも数を見て決められます。見ているだけだと「なんとなく使われている」で終わりやすいので、手間のかからない方法で数えておくと役に立ちます。
数え方は次の3つです。始めやすいのは、スタッフが時間を区切って撮影した組を数える方法と、ハッシュタグの投稿数を週に1回確かめる方法だと思います。
| 数え方 | やり方 | 分かること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 時間帯を決めて組を数える | 平日の昼と土日の午後に、それぞれ30分だけ、撮影した組を数える | 置いた場所で実際に撮られている数 | 数える時間帯を毎回そろえる |
| ハッシュタグの投稿を数える | 週に1回、決めたタグの投稿を数える | 投稿まで進んだ数 | タグを付けずに投稿した方は数えられない |
| 撮影のお手伝いを数える | スタッフが撮影を手伝った組を記録する | 声をかけてもらえた数 | スタッフが付いている時間帯だけの数になる |
数える時間帯と方法は、期間中は同じにしておくのがおすすめです。途中で数え方が変わると、数が増えたときに、撮る人が増えたのか、数え方が変わっただけなのかが分からなくなります。
直すときは、背景の高さ、立ち位置の印、光、掲示の場所のどれか1つずつにすると、何が効いたかが分かります。
この設計・確認シートには、ここまでの章の順に、目的、場所と通路の幅、背景の寸法、立ち位置、照明と電源、掲示、施設に確かめること、撮影数の記録を書き込めます。季節を問わず使えるので、施設の管理側や制作会社との打ち合わせにも使ってください。
よくある質問
Q. フォトスポットの背景は、どれくらいの大きさが必要ですか?
撮る人数と撮り方で決まります。縦に構えたスマートフォンで撮る前提なら、1〜2人の上半身で幅1.8m前後・高さ2.4m前後、1〜3人の全身で幅2.4m前後・高さ2.4〜2.8mが目安です。市役所の公表例では、幅1.5〜3m、高さ2.1〜2.8mの背景が使われています。
Q. 奥行きが取れない狭い店でもつくれますか?
つくれます。上半身用に絞れば、背景から撮る人の背中まで2.2mほどの奥行きで足ります。背景の幅も1.8m前後で済むので、レジ横や入口の一角でも置きやすくなります。
Q. 季節ごとに作り直す必要はありますか?
骨組みと床の印を残して、背景の面と飾りだけを替える方法がおすすめです。季節ごとの飾りの具体は、ハロウィンのフォトスポットの作り方とクリスマスのフォトスポットの作り方にまとめています。
Q. 撮影された数は、どうやって数えればいいですか?
どれくらい使われたかを伝えたり、直すところを決めたりするための数なので、手間のかからない方法で足ります。平日の昼と土日の午後に、それぞれ30分だけ撮影した組を数える方法が手軽です。ハッシュタグの投稿数も週に1回確かめておくと、投稿まで進んだ数も分かります。途中で数え方を変えると前と比べられなくなるので、期間中は同じ方法で続けるのがおすすめです。
フォトスポットは、撮る人数と撮り方を決めると、背景の幅と高さ、撮る人が下がる奥行き、床の印の位置までが計算で決まります。季節の飾りは、その骨組みの上で替えていけば十分です。
まずは置きたい場所に巻き尺を当てて、背景から3m弱の奥行きが取れるかを確かめてみてください! 取れなければ上半身用にして、その場で自分のスマートフォンで1枚撮ってみると、背景に何が足りないかがすぐ分かります。
Related
関連記事
Contact
まずはお気軽に
ご相談ください
お見積り・ご相談は無料です。「こんなことできる?」からで構いません。