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ライブ・コンサートのスタッフ手配|主催者が頼める仕事と警備の線引き

B_0740 イベントスタッフ
ライブ・コンサートのスタッフ手配|主催者が頼める仕事と警備の線引き

ライブやコンサートの運営では、もぎり(チケットの半券確認)・場内案内・クローク・物販・設営撤去といった仕事を、外部のスタッフに頼めます。ただし、入場規制や混雑対応のうち「雑踏警備」にあたる業務だけは別で、こちらは警備業の認定を受けた警備会社の領分です。

運営の人手と警備は、法律上の区分が違うんです。ここを知らずに「警備も含めてまとめてお願い」と発注すると、手配のやり直しになります。

この記事では、ライブ・コンサートで外部スタッフに頼める仕事の中身、開場前後に仕事が集中するライブならではの時間の流れ、物販まわりの体制、警備との線引き、依頼前に決めておく項目をまとめました。スタッフ派遣という仕組みや料金の基本はイベントスタッフ派遣とはで書いたので、この記事はライブ・コンサートという場面に絞ります。

なお、この記事は主催者・運営担当の方向けです。スタッフとして働きたい方向けの求人情報ではありません。イベントの企画・制作・施工とスタッフ派遣をしている会社の目線で書いています。

ライブ・コンサートのスタッフ派遣で頼める仕事

お客さまをお迎えする仕事と、裏方の人手は、おおむね一通り外部に頼めます。依頼が多いのは、もぎり・場内案内・クローク・物販・設営撤去です。

持ち場仕事の中身
もぎり・入場まわりチケットの半券確認、電子チケットの提示確認、リストバンドやドリンクチケットの受け渡し
場内案内座席への案内、トイレ・喫煙所などの場所案内、再入場の受付
クローク手荷物の預かり、引換札の管理、終演後の返却
物販グッズ販売、列の案内、在庫の補充
設営・撤去機材搬入の手元、客席や物販ブースの設営、終演後の撤去・搬出
楽屋・バックヤードケータリングの準備と片付け、控室まわりの対応、備品の管理

もぎりと場内案内は、お客さまが最初と最後に接する持ち場です。開演に間に合うか気にしながら来られる方も多いので、確認の速さと案内の分かりやすさがそのまま会場の印象になります。

楽屋まわりは見落とされやすい持ち場ですが、出演者の到着からリハーサル、本番までの間、ケータリングや控室の対応は誰かが受け持つ必要があります。主催側の社員が張り付くと表の運営が手薄になるので、外部に頼みやすい仕事です。

一方、音響や照明のオペレーションは、スタッフ派遣ではなく専門の技術会社の領分です。ステージ本体の設営も同じで、こちらはステージ設営の流れと費用の考え方で書いています。

展示会や催事と違うところ|開場前後に仕事が集中する

ライブ・コンサートの人手計画で一番の特徴は、仕事が特定の時間帯に集中することです。展示会のように1日を通してならすことができず、開場から開演までの1〜2時間に、もぎり・案内・クローク・物販のピークが全部重なります。

時間帯主な仕事
搬入・設営機材搬入の手元、客席・物販ブース・クロークの設営
開場前物販の先行販売、入場列の案内、持ち場の最終確認
開場〜開演もぎり、座席案内、クローク、物販が一斉にピーク
公演中遅れて来られた方の案内、再入場対応、物販とクロークの番
終演後退場の案内、物販の再ピーク、忘れ物対応、撤去・搬出

なので人数は「1日で何人」ではなく「どの時間帯に何人」で考えます。開場前後に厚く、公演中は薄く、終演後にまた厚く、という山型の配置です。

もうひとつの特徴は、終演後の撤去がその日のうちに始まることです。会場の利用時間は決まっているので、退館の時刻から逆算して段取りを決めます。設営と撤去まで頼むかどうかで必要な人数がかなり変わるため、依頼のときに最初に伝えてください。

ちなみに、同じスタッフ手配でも展示会は「会期中ずっと、ブースに人を置き続ける」設計になり、考え方がかなり違います。展示会の場面は展示会のスタッフ派遣で頼める仕事にまとめました。

物販まわりの体制|列さばきと金銭管理

物販は、ライブの運営で一番人手の計算が狂いやすい持ち場です。人気の公演では開場前から列ができて、販売と列の案内を同じ人が兼ねると、どちらも回らなくなりがちです。

体制を組むときは、販売する人と、列を整える人を分けるのが基本です。最後尾の札を持つ、列の折り返し位置を決めておく、売り切れ商品を列の途中でアナウンスする、といった仕事は、販売とは別の持ち場として数えてください。

ライブ会場の物販ブースを準備するスタッフ

お金の扱いは、ルールを先に決めておく部分です。釣り銭の準備と締めの精算は主催側の担当者が受け持ち、外部スタッフには販売の受け渡しをお願いする、という分担が組みやすいです。販売開始前と終了後にグッズの数を数えておくと、売上と在庫の突き合わせで迷いません。

キャッシュレス決済を入れる場合は、端末の操作を当日の朝に初めて触ることにならないよう、事前に操作手順を共有しておいてください。開場前の短い時間でも、一度触ってもらうだけで当日の詰まりが減ります。

雑踏警備はスタッフ派遣では頼めない|警備会社との線引き

入場規制や混雑対応のうち、雑踏警備にあたる業務は、スタッフ派遣では頼めません。警備業の認定を受けた警備会社への依頼が必要です。

警備業法では、「人若しくは車両の雑踏する場所」での負傷などの事故の発生を警戒し、防止する業務が警備業務のひとつと定められていて(いわゆる雑踏警備)、警備業を営むには都道府県公安委員会の認定が必要とされています(出典:e-Gov法令検索「警備業法」第2条・第4条・2026年9月11日確認)。

さらに、労働者派遣法は警備業務への労働者派遣を禁じています(出典:e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」第4条・2026年9月11日確認)。つまり「派遣スタッフに警備をやってもらう」は、制度の上でできない相談なんです。

では実務でどう分けるか。出発点になる整理は、お客さまへのご案内が目的の仕事はスタッフ、事故を防ぐことが目的の仕事は警備、という分け方です。座席への案内やクロークはスタッフの仕事で、入場規制や車道にはみ出しそうな列の管理は警備の側に寄ります。

ただ、この線引きは現場の状況によって変わる部分があるので、条文の解釈を自分で突き詰めるより、会場と警備会社に「この規模でどこまで警備が必要か」を相談するのが確実です。会場によっては警備計画の提出を求められることもあります。主催者として大事なのは、運営スタッフと警備という2つの区分があると知ったうえで、発注先を分けておくことです。

人数を埋めるだけでは回らない|指示系統と体制表

スタッフ手配のゴールは、人数を埋めることではなく、来場されたお客さまに安全に楽しんで帰ってもらうことです。人数が足りていても、指示系統がないと現場は回りません。

ライブの現場は時間との勝負なので、開演が押しそう、入場列が想定より長い、といった判断が次々に発生します。そのとき、スタッフが「誰に聞けばいいか」を知らないと、判断が現場のあちこちで止まってしまうんです。

持ち場・時間帯・指示役を1枚にまとめた体制表を作って、当日の朝礼で共有してください。全体を見るリーダー役を1人立てて、各持ち場からの報告はその人に集める形にすると、判断が速くなります。体制表の作り方はイベント当日の運営体制のつくり方で詳しく書きました。

外部スタッフの人数や役割の伝え方、料金の基本的な考え方はイベントスタッフ派遣とはのとおりで、ライブでも同じです。「何人ほしい」ではなく「どの持ち場に、どの時間帯、何人ほしい」で伝えると、見積りも人選も速く進みます。

依頼前に決めておく項目

依頼前に決めておくのは、日時の範囲、業務の範囲、服装、当日の指示役、集合の5つです。ライブの場合は、これに時間帯の情報を足してください。

  • 日時の範囲:設営日・リハーサル日・本番・撤去のどこからどこまで頼むか。終演後は何時までかかる見込みか
  • 業務の範囲:もぎり・案内・クローク・物販のどれを頼むか。物販はお金の扱いをどこまで任せるか
  • 服装:黒系の服装指定が多い現場ですが、スタッフTシャツを貸与するならサイズ確認も
  • 当日の指示役:スタッフが誰の指示で動くか。リーダー役は誰か
  • 集合:集合時間と場所、楽屋口・搬入口の案内、スタッフパスの受け渡し

とくにライブで効くのが、日時の範囲です。同じ「1公演」でも、本番だけなのか、前日の設営と終演後の撤去まで含むのかで、延べ人数が倍ほど変わることもあります。見積りを比べるときも、金額より先にこの範囲が揃っているかを見てください。

この5項目を書き込んで、そのまま見積り依頼に使える記入式シートを用意しました。印刷して、打ち合わせ前に埋めてみてください。

AGSも労働者派遣事業の許可(派 40-300537)を受けて、イベントの人材を手配しています。福岡音楽祭のイベントブース博多どんたくの演舞舞台のように、音楽イベント・ステージまわりの制作・施工も手がけてきました。スタッフ派遣と設営をまとめてご依頼いただくと、搬入から当日までの連携で迷いが減ります。見積りは無料です。

よくある質問

Q. 警備員もまとめて頼めますか?

雑踏警備などの警備業務は、警備業の認定を受けた警備会社の領分で、スタッフ派遣とは別の手配になります。会場が付き合いのある警備会社を持っていることも多いので、まず会場に相談してみてください。案内やもぎりなどの運営スタッフと警備を、それぞれの発注先に分けて頼むのが正しい形です。

Q. 物販スタッフに金銭管理まで任せられますか?

販売の受け渡しはお願いできますが、釣り銭の準備と締めの精算は主催側の担当者が受け持つ分担をおすすめします。販売前後にグッズの数を数えておくと、売上との突き合わせが楽になります。

Q. 終演後の撤去が深夜になりそうです。対応できますか?

会場の利用時間に合わせた夜間の撤去も、事前に伝えてあれば手配できることが多いです。深夜の時間帯は料金に影響するので、終了見込みの時刻まで含めて最初に相談してください。

Q. ファンクラブイベントや企業の音楽イベントでも頼めますか?

頼めます。ライブハウスやホールの公演に限らず、企業の周年イベントでの音楽ステージ、フェスの運営補助など、形式はさまざまです。規模より、持ち場と時間帯がはっきりしていることの方が大切です。


ライブの当日は、開場の1時間に1日分の仕事の半分が詰まっているような時間配分になります。そこを回すのが外部スタッフの得意分野です。

まずは公演の日時と会場を手元に置いて、設営から撤去までのどの範囲を頼むかから書き出してみてください。体制がきれいにはまった公演は、終演後のお見送りまで落ち着いて進みます。お客さまに気持ちよく帰っていただけた日は、私たちもうれしいんです!

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