イベントの仕事を頼める会社は、大きく分けて「広告代理店」「企画・プロデュース会社」「制作・施工会社」「スタッフ派遣会社」の4種類です。どこに頼むのがいいかは会社の優劣ではなく、頼む側で「何がどこまで決まっているか」でだいたい決まります。
4種類は、得意にしている工程が違うからです。集客や話題づくりの上流が得意な会社もあれば、図面から現物を作る現場が得意な会社もあり、同じ「イベント会社」という看板でも中身はかなり違います。
たとえば「何をやるかから一緒に考えてほしい」なら代理店や企画会社が向きますし、「デザインも図面もあるので形にしてほしい」なら施工会社に直接頼む方が話が早いです。
この記事では、4種類それぞれが何をする会社か、頼むと実務がどう進むか、案件別にどこへ頼むのが向くかをまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社の目線で書いています。
イベント会社の種類は大きく4つ
イベントに関わる会社は、広告代理店・企画(プロデュース)会社・制作/施工会社・スタッフ派遣会社の4つに分けると整理しやすいです。それぞれの守備範囲と費用の構造を、先に表で見てください。
| 種類 | 何をする会社か | 得意なこと | 費用の構造(一般論) |
|---|---|---|---|
| 広告代理店 | 宣伝・集客を含めてイベント全体を統括する。実作業は協力会社に発注することが多い | 話題づくり、メディアとの連携、大規模案件の取りまとめ | 各協力会社の費用に、統括のための管理費が乗る形になりやすい |
| 企画・プロデュース会社 | イベントの中身(企画・構成・演出・進行)を設計し、全体を仕切る | コンセプトづくり、演出、当日の進行管理 | 企画費・ディレクション費が中心。制作物は外部発注ぶんに管理費が乗ることが多い |
| 制作・施工会社 | 図面・デザインから、ステージ・ブース・装飾などの現物を作り、設営・撤去まで行う | 現場の実作業、会場ごとの制約への対応 | 実作業の費用が中心。自社で施工する範囲には中間の費用が乗りにくい |
| スタッフ派遣会社 | 設営・受付・案内・MCなど、当日の人員を手配する | 人数の確保、現場慣れしたスタッフの手配 | 人数×時間の人件費が基本 |
実際には、この4つをまたぐ会社も多いです。企画から施工まで持つ会社もあれば、施工と人材を両方やる会社もあります。それでも「この会社の軸足はどこか」を見ておくと、頼んだ後のズレが減ります。
費用の欄に書いた「管理費が乗る」は、悪い話ではありません。複数の協力会社をまとめて品質と進行に責任を持つのは、それ自体がプロの仕事だからです。ただ、頼む側としては「自分の案件にその統括が必要か」を考える材料にはなります。
それぞれの会社に頼むと、実務はこう進む
同じ「イベントをやりたい」という相談でも、持ち込む先によって最初の打ち合わせの中身から変わってきます。種類ごとに、頼んだ後の絵を描いてみます。
広告代理店は、集客と話題づくりから全体を組み立てる
代理店に頼むと、話は「誰に来てほしいか」「どう告知するか」から始まることが多いです。広告やメディア露出とセットでイベントを設計し、企画会社や施工会社を束ねて全体を進行してくれます。
新商品の発表会やキャンペーンのように、イベント単体ではなく宣伝活動の一部として打つ案件では、この統括力が効いてきます。窓口が1つで済むのも、担当者にとっては大きな利点です。
一方で、実際に会場を作るのは代理店から発注を受けた制作会社や施工会社です。業界では、代理店の下に企画会社、その下に施工会社と、複数の会社が階層になって1つのイベントを作る形が一般的で、それぞれの層に役割があります。
企画・プロデュース会社は、中身の設計と進行を担う
企画会社に頼むと、「どんな体験にするか」の設計から入ってくれます。コンセプト、プログラム、演出、タイムテーブルといったイベントの中身を作り、当日はディレクターとして進行を仕切るのが主な仕事です。
ステージや装飾などの現物は、企画会社が施工会社に発注して作ることが多いです。企画の意図を現場に翻訳して伝える役なので、凝った演出をやりたい案件ほど頼りになります。
制作・施工会社は、図面から先の現物を作る
施工会社に頼むと、話は「何を・どこに・いつまでに作るか」という具体から始まります。デザインを図面に起こし、木工や金物を製作して、会場に搬入・設営し、終わったら撤去して原状回復するところまでが守備範囲です。施工会社に頼める仕事の中身はイベント施工とは?の記事で詳しく書いています。
会場の搬入経路、天井の高さ、電源の容量、消防への届け出といった現場の制約に一番詳しいのもこの層です。設営当日に図面と現場のズレを調整するのは、だいたい施工会社のディレクターの役目なんですよね。

ここで知っておくと役に立つのが、先ほどの階層構造との関係です。代理店経由でも施工会社直でも、最終的に現物を作る会社は同じ層にいます。同じ現物でも、間に入る会社の数によって、金額に乗る管理費の段数と、要望が現場に届くまでの伝言の段数が変わってきます。
間に入る会社が多いこと自体は、統括や企画という仕事の対価なので合理的です。ただ「作るものが決まっている案件」でその段数を通すと、費用と伝達の両方でロスが出やすい、というのは覚えておいて損がないと思います。
スタッフ派遣会社は、当日の人を用意する
派遣会社に頼むと、設営の人手、受付、案内、MCといった「当日の人」を人数と時間で手配してくれます。企画や設営の中身には基本的に関わらず、決まった体制の中に人を供給するのが役割です。
会場と企画は整っているのに人手だけ足りない、という場面ではこれが一番速いです。イベントスタッフ派遣の仕組みと料金の考え方はイベントスタッフ派遣の記事に詳しく書いています。
案件別・どこに頼むのが向くか
自分の案件がどの状態かで、向く頼み先はだいたい絞れます。「何が決まっているか」を軸に、よくある5つのケースで見てみます。
| 案件の状態 | 向く頼み先 |
|---|---|
| 集客・話題づくりから丸ごと任せたい | 広告代理店、または企画から一括対応できる会社 |
| やる内容は決まっていて、企画を形にして進行してほしい | 企画・プロデュース会社 |
| 企画・図面・デザインまであり、現物を作ってほしい | 制作・施工会社 |
| 展示会に出展する | 展示会ブースを手がける制作・施工会社 |
| 会場も企画もあり、人手だけ足りない | スタッフ派遣会社 |
集客・話題づくりから丸ごと任せたい
広告やPRとイベントを一体で設計したい案件は、広告代理店の得意分野です。社内にノウハウがなく、予算に統括費を織り込める規模なら、窓口を1つにできる価値は大きいです。
規模がそこまで大きくない場合は、企画から制作・当日運営まで一括で受けられる会社に相談する方法もあります。層が少ないぶん、予算を実制作に回しやすくなります。
やる内容は決まっていて、形にして進行してほしい
「周年式典をやる」「発表会をやる」と決まっていて、中身の設計と当日の仕切りがほしい状態なら、企画・プロデュース会社が向いています。演出のアイデアと進行管理が仕事の中心なので、任せたいのがまさにそこだからです。
このとき、目的や予算がまだ曖昧だと打ち合わせが空回りしやすいです。相談前の整理にはイベント企画の立て方の記事が使えるはずです。
企画・図面・デザインまである
社内やデザイン会社で企画とデザインが固まっているなら、制作・施工会社に直接相談するのが向いています。間の層がないぶん費用の構造がシンプルになり、現場の制約を踏まえた調整も直接できます。
「図面はないけれど、作りたいものの写真やラフはある」という状態でも大丈夫です。施工会社側で図面に起こすところから受けるのが普通なので、絵が浮かんでいる段階なら十分相談になります。
展示会に出展する
展示会のブースは、会場のルール(施工時間・高さ制限・電気工事の区分など)が特殊なので、展示会を日常的に手がけている制作・施工会社に頼むのが安全です。ブースの検討手順は展示会ブースの作り方の記事にまとめています。 頼める会社の種類ごとの違い(展示会専門の施工会社・デザイン会社・主催者の指定業者など)と見積りを比べる項目は、展示会ブースはどこに頼むかの記事で詳しく書いています。
人手だけ足りない
企画も設営も目処が立っていて当日の人員だけ足りないなら、スタッフ派遣会社が一番速いです。頼む前に、誰が何人・何時から何時まで・誰の指示で動くかを決めておくと、見積りも当日もスムーズです。当日の指示系統のつくり方はイベント当日の運営体制の記事をどうぞ。
頼み先を決める前に、確認しておきたい3つのこと
会社の種類を選ぶ前に、自分の側の状態を3点だけ書き出してみてください。目的・予算・決まっている物の3つです。これが整理できていると、どの種類の会社に電話しても話が早く進みます。
1つ目は目的です。「何のためのイベントで、誰に来てほしいか」が一言で言えるか。ここが曖昧なまま見積りを取ると、各社の提案がバラバラになって比べられなくなりがちです。
2つ目は予算です。上限の金額でなくても、「この幅で考えている」が言えるだけで、会社側は現実的な提案を組めます。予算を隠して提案を受けると、往復の回数だけが増えていきます。
3つ目は、決まっている物のリストです。会場・日程・企画書・デザイン・図面のうち、すでにある物とない物を分けておく。ない物こそが「頼みたい仕事」の正体なので、このリストがそのまま発注範囲になります。
目的の立て方から順を追って整理したい方は、イベント企画の立て方に手順をまとめているので参考にしてください。
よくある質問
Q. 進めている途中で、頼む会社を変えられますか?
契約次第ですが、工程の区切りでは変えやすいです。たとえば企画までをA社、制作・施工をB社という分け方は普通にあります。途中で引き継ぐ場合は、企画書・図面・会場との取り決めなどの資料一式を渡せるよう、成果物の権利と受け渡しを最初の契約で確認しておくと安心です。
Q. 小さな案件でも、施工会社に直接頼めますか?
頼めることが多いです。看板1枚、装飾一式、小さなステージといった単位の仕事も、施工会社にとっては日常の範囲です。会社によって得意な規模はあるので、問い合わせの時点で内容と規模を伝えて、対応範囲を確認してみてください。
Q. まだ何も決まっていない段階で問い合わせてもいいですか?
大丈夫です。むしろ「目的だけあって手段が決まっていない」段階の相談は、企画から受けられる会社にとっては一番提案しやすい状態です。前の章の3点(目的・予算・決まっている物)をメモにして持ち込めば、初回の打ち合わせから中身のある話ができます。
Q. 4種類のどれに当たるか分からない会社は、どう見分ければいいですか?
サイトの実績や事例のページで「自社で何をやったと書いているか」を見るのがおすすめです。集客の数字を語る会社は代理店寄り、演出や構成を語る会社は企画寄り、図面や施工の写真を載せる会社は施工寄りの軸足だと読み取れます。問い合わせ時に「施工は自社ですか」と聞いてみるのも確実です。
AGSは、この分類でいうと施工を自社で持つ会社です。2006年から、イベントの企画・制作・施工・当日運営・人材までを一括でお手伝いしてきました。グループにはWebサイトやSNSに強いアディザインと、LEDビジョンのアディザネージがあり、告知物や映像演出まで含めて相談できます。
拠点は福岡・博多で、現場は全国に伺っています。「どの種類の会社に頼めばいいか分からない」という段階のご相談でも大丈夫です。イベントの企画・運営のページから、見積り無料でご相談いただけます。
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