クリスマスのイベントで集客につなげるには、まず「来店・客単価・再来店・認知」のうち何を一番増やしたいかを1つ決めて、参加の条件と規模をお店の大きさに合わせるのが近道です。
同じサンタ撮影会でも、とにかく足を運んでほしいなら誰でも無料にしますし、買い物につなげたいなら「レシートを見せたら参加できる」形にします。企画の中身だけでなく、この条件の付け方でも、人が来たあとに売上や次の来店が残るかどうかが変わってきます。
たとえば大阪・豊中のショッピングセンター「せんちゅうパル」は2024年のクリスマスに、ツリーとサンタハウスのフォトスポットは誰でも自由に撮影、サンタとの撮影はレシート(金額は問わない)か公式LINEの画面を見せた方、子ども向けのスタンプラリーは3,000円以上のレシートがある方、と企画ごとに条件を分けていました(出典:せんちゅうパル・2026年9月15日確認)。
この記事では、クリスマスの販促に使える企画を、道具なしでお店のスタッフだけで始められるものから順に、実際にやったお店や商店街の例つきで紹介します。大人のお客さま向けの企画、英国・ドイツ・米国の商店街や小さな町の工夫、やる前に確認しておきたい景品・食品・火気の決まりもまとめました。イベントの企画・制作・施工をしている会社の目線で書いています。
クリスマスイベントの企画は、まず何を増やしたいかを決める
最初に決めるのは、企画の種類ではなく「何を増やしたいか」です。狙いが決まると、参加の条件と、選ぶ企画を絞りやすくなります。
| 増やしたいもの | 参加の条件の付け方 | この記事で紹介する企画の例 |
|---|---|---|
| 来店(まず足を運んでほしい) | 条件なし・無料にする | フォトスポット、サンタ撮影会、窓に隠したキャラクター探し |
| 客単価(1回のお買い物を増やしたい) | 「◯円以上のレシート」で参加できるようにする | 買い物の条件つきリース作り、抽選会、ギフトチケットの特典 |
| 再来店(もう一度来てほしい) | 次に使える券や、何度も来る理由を渡す | 商店街のスタンプ台紙の金券、町ぐるみのアドベントカレンダー |
| 認知(お店を知ってもらいたい) | 子どもや地域を巻き込む、SNSに載せてもらう | 窓の装飾コンテスト、サンタへの手紙ポスト、寄付の受付 |
狙いを2つも3つも1つの企画に背負わせると、条件がややこしくなって参加する方が迷います。企画ごとに狙いを1つにして、いくつか組み合わせるほうが組み立てやすいです。
始める時期も早めに考えておくと助かります。今回集めた例でも、鹿児島の花屋はクリスマスのレッスンの予約を10月11日から、ある精肉店はクリスマスチキンの予約を11月4日から受け付けていました。お客さまに知ってもらう期間を考えると、11月の頭には中身を決めて告知を始めたいところです。店内の飾り付けを業者に頼む場合の時期は、店舗のクリスマス装飾はいつから?にまとめています。
道具なし・スタッフだけで始められるクリスマスの販促
まずは、特別な道具も外部の手配もいらない企画です。お店のスタッフだけで、今週からでも準備に入れます。
無料のギフトラッピング
クリスマスの直前は、「プレゼントを買って、そのまま渡せる形にしてほしい」という方が増えます。包装を無料で引き受けていることを、店頭とSNSではっきり伝えるだけの企画です。
東京・多摩市の京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターに入っているバッグ店「LUTECE」は、2024年12月23日に「駆け込みのギフトも歓迎、ギフト包装は無料」とお知らせを出していました(出典:京王聖蹟桜ヶ丘SC ショップニュース・2026年9月15日確認)。
普段から無料で包んでいるお店でも、12月は改めて告知する価値があります。包装紙とリボンをクリスマス用に替えておくと、それだけで季節感が出ます。
ギフトチケットに特典を付ける
サービス業のお店なら、自分用ではなく「贈りもの」として買ってもらう形を用意できます。贈られた方が新しくお店に来てくれるきっかけにもなります。
群馬県前橋市のリラクゼーション・エステのお店「Salon Cempaka」は、12月25日までに60〜120分のギフトチケットを買った方に、オプションのホットストーンをサービスする企画を案内していました(出典:Salon Cempaka ブログ・2026年9月15日確認)。
特典は、値引きより「普段は追加料金のサービスを付ける」ほうが、お店の負担を読みやすいです。美容室なら店販のヘアケア商品、飲食店なら食事券といった形でも組めます。
クリスマスの予約販売を早めに始める
ケーキやチキン、シュトーレンのように、12月に買う方が決まっている商品は、予約の受付そのものが販促になります。早めに受け付けておくと、仕込みの数も読みやすくなります。
岩手県盛岡市のひらふね精肉店は、2024年のクリスマスチキンの予約を11月4日から12月16日まで受け付け、受け渡しは12月24日と25日に肴町アーケードの特設会場で行いました。予約枠が埋まったら期間中でも受付を終える、限定の形です(出典:ひらふね精肉店・2026年9月15日確認)。横浜市の精肉店イセ畜産も、12月23日から25日のクリスマスフェアで、ローストチキンを300本限定で予約受付していました(出典:イセ畜産・同日確認)。
パン屋さんでは、東京・笹塚のOPANが2024年11月1日にシュトーレンの店頭販売を始め、店頭受け取りの予約もあわせて案内していますし(出典:OPAN・同日確認)、愛知県豊田市の幸せのパンは、2024年のシュトレンの案内の時点で「すでに120個ほどのご注文」と書いています(出典:幸せのパン・同日確認)。
「限定◯本」「予約は◯日まで」と区切りを書いておくと、早めに決めてもらいやすくなります。
レシート1枚で季節の配りものを渡す
一定額以上のお買い物をした方に、小さな季節の品を渡す企画です。当たり外れがないので、参加する方にも分かりやすい形です。
東京・品川区の戸越銀座では、2023年に加盟店での500円以上のレシート1枚を案内所に持っていくと、商店街のキャラクターのカレンダーを先着1,500名にプレゼントしていました(出典:よりみち、とごし・2026年9月15日確認)。
1軒のお店でやるなら、「1,000円以上お買い上げの方にクリスマスのお菓子を1つ」くらいの規模から始められます。配りものの金額には上限があるので、後半の「やる前に確認すること」も見ておいてください。
寄付の受付(ブックサンタ)
お客さまが本を買ってお店に預けると、NPOを通じて子どもたちに届く企画です。お店にとっては、12月に本を買う理由を1つ増やすことになります。
NPO法人チャリティーサンタが主催する「ブックサンタ2024」には、紀伊國屋書店の66店舗が参加し、受付は2024年9月22日から12月25日まででした。笹塚店では12月19日の時点で160冊が集まり、67名が参加したと書かれています(出典:紀伊國屋書店・2026年9月15日確認)。
書店として参加する形なので、参加の方法は主催団体の案内で確かめてください。
少し準備すればできる、集客につながるクリスマス企画
ここからは、飾り付けや受付の準備、場合によっては近所のお店との調整が必要になる企画です。そのぶん、お店の前に人が集まる場面をつくれます。
ツリーとフォトスポット
ツリーや小さな小屋を置いて、自由に写真を撮ってもらう企画です。スタッフが付きっきりにならなくてよいのが助かります。
せんちゅうパルは2024年11月17日から12月25日まで、2階のアーケードにツリーとサンタハウスを置き、無料で自由に撮影できるフォトスポットにしていました(出典:せんちゅうパル・2026年9月15日確認)。
小さなお店なら、店頭の一角にツリーと足元の立ち位置マークを置くだけでも成立します。通りから見える位置に置くと、撮っている人の姿が前を通る方の目にも留まりやすくなります。店内の飾り方はクリスマス装飾の記事で、屋外の電飾はイルミネーション装飾の進め方で詳しく書きました。
サンタ撮影会(撮影はお客さまのスマートフォンで)
サンタに来てもらって、一緒に写真を撮る企画です。カメラマンを用意せず、お客さまが自分のスマートフォンで撮る形にすると、準備がかなり軽くなります。
大阪府枚方市のくずはモールは、2024年12月21日に1日3回、参加無料・予約不要・各回先着順でサンタ撮影会を行い、撮影は自分のカメラやスマートフォンで、と案内していました(出典:ひらいろ・2026年9月15日確認)。せんちゅうパルも同じ日に4回の撮影会を案内していて、各回約50組、参加はレシート(金額は問わない)か公式LINEの画面を見せる形でした(出典:せんちゅうパル・同日確認)。

1軒のお店なら、時間を決めてスタッフがサンタの衣装を着るだけでも、子ども連れの方には十分うれしい企画です。回数と時間を先に告知しておくと、その時間に合わせて来てもらえます。
買い物の条件つきリース作り
親子で参加できるものづくりを、お買い物を条件にして開く企画です。講師を地元のお店にお願いすると、そのお店の紹介にもなります。
せんちゅうパルのリース作りは、2024年11月30日と12月1日の全7回で、各日先着150名。参加の条件は2,000円以上のレシート(公式LINEの友だちは1,000円以上)で、講師は地元のサトウ花店でした(出典:せんちゅうパル・2026年9月15日確認)。
LINEの友だちだと条件が下がる形にしているので、客単価と友だち登録の両方を狙っているのが分かります。小さなお店なら、近所の花屋さんと組んで、店内で1回数名の小さな会にすると回しやすいです。
商店街のスタンプを金券にする
何店かでお買い物をするとスタンプがたまり、台紙がそのまま商店街の金券になる企画です。1店舗だけでなく、通り全体に人を回せます。
戸越銀座の2023年の「クリスマススタンプ祭り」は、3つのお店で500円以上ずつお買い物をしてスタンプを3つ集めると、台紙が300円券として使える仕組みでした。スタンプを押す期間は11月24日から12月3日まで、金券を使える期間はそれより2週間長い12月17日までにして、スタンプを集め終わったあとの来店にもつなげています。12月23日には、小学生以下の子ども先着200名にサンタからのプレゼント配りもありました(出典:よりみち、とごし・2026年9月15日確認)。
スタンプラリーの基本の組み方は集客イベントのアイデア15選にまとめています。
館内や店内のサンタ探し
お店の中に隠したサンタを探してもらう、宝探しの企画です。普段は行かない売り場まで歩いてもらえます。
横浜・上大岡の京急百貨店は、2024年11月30日から12月15日までの土日6日間、11時から17時まで、館内のサンタを探すスタンプラリーを開き、景品には学生がデザインしたオリジナルグッズを用意していました(出典:京浜急行電鉄・2026年9月15日確認)。
1軒のお店なら、店内に小さなサンタの人形を数体隠して、全部見つけた子どもにお菓子を渡す形で組めます。海外の町にも同じ形の企画があるので、後の章で紹介します。
サンタへの手紙ポスト
子どもがサンタに宛てて書いた手紙を、店内のポストで受け付ける企画です。家族で書いて持ってくるので、来店のきっかけになります。
トイザらス・ベビーザらスは、2024年11月8日から12月24日まで全国の店舗に「サンタポスト」を置き、手紙を出した小学生以下の子ども(会員限定)に、全店先着合計20万名でオリジナルのステッカーを渡しました。Instagramへの投稿で、抽選50名に5,000円分のギフトカードが当たる企画も付けています(出典:トイザらス プレスリリース・2026年9月15日確認)。
小さなお店なら、手作りのポストと便せんを置き、出してくれた子にシールを1枚渡すくらいの規模で始められます。
商店街の共同の抽選会
商店街全体で抽選会を開く企画です。1軒ではそろえにくい景品を用意できて、参加するお店が多いほど告知の力も大きくなります。
横浜・元町の「元町トゥインクルクリスマス2024」は、12月1日から25日まで、参加店で5,000円(税別)以上お買い上げごとにスクラッチカードを1枚渡すハズレなしの抽選会で、合計7万名に当たる規模でした。毎週末には通りで音楽ライブも開いています(出典:元町SS会・2026年9月15日確認)。
東京・板橋区のハッピーロード大山商店街は、2024年12月1日から15日までの間に「加盟店5店舗以上・合計3,000円以上」のレシートを用紙に貼って持ってきた方がガラポンを回せる形にしました。景品は区内共通商品券3,000円分100本など、合わせて715本です(出典:板橋区商店街連合会・同日確認)。
「5店舗以上」のように回るお店の数を条件にすると、1軒のお店に参加が偏らず、通り全体にお客さまが回ります。
大人のお客さま向けのクリスマス企画
子ども向けの企画が多いクリスマスですが、大人のお客さま向けの企画も組めます。今回集めた例を見ると、「少人数・有料・夜や閉店後」の組み方が多く、単価を上げやすいのが特徴です。
花屋の少人数のクリスマスレッスン
鹿児島市の花屋「FLOWER&PLANTS Nelke」は、2024年にクリスマスの大人向けレッスンを開き、リース作りは7,700円・各回4名程度・約120分、花器付きのツリーアレンジは7,700円・約90分でした。予約の受付は10月11日からです(出典:FLOWER&PLANTS Nelke・2026年9月15日確認)。
東京・国立市の花屋「AKI FLOWERS」は、2024年11月から12月にかけて、リースやスワッグのレッスンを十数種類(多くは2〜2.5時間・7,000円から、税別)開き、キャンドルナイトやアフタヌーンティー、ディナーと組み合わせた会も用意していました(出典:AKI FLOWERS・同日確認)。
作ったリースをそのまま家に飾れるので、翌年も同じお店のレッスンに来る理由になりやすい企画です。
シュトーレンの食べ比べ会
東京のパン・菓子の教室「Atelier Feve」は、2024年12月7日に8種類以上のシュトーレンを食べ比べる会を、会費8,000円・10名限定で開いていました(出典:Atelier Feve・2026年9月15日確認)。
パン屋さんや洋菓子店なら、自分のお店の商品を中心に、少人数の試食の会として組めます。食べ比べたあとにその場で予約を受け付けると、販売にもつながります。
クリスマス限定のドリンク
横浜のホテルニューグランドのバーは、2024年12月1日から25日まで、クリスマスのカクテルを2種類、各2,783円で出していました(出典:ホテルニューグランド プレスリリース・2026年9月15日確認)。
大きな仕掛けがいらないので、実は小さな飲食店でもそのまま真似しやすい企画です。メニューを1〜2品だけ期間限定にして、店頭の黒板とSNSで知らせるところから始められます。
閉館後・閉店後の大人限定の夜
神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館は、2024年12月14日の18時から21時に、20歳以上限定の「えのすいワインナイト」を先着250名で開きました。料金は、ワインの試飲チケット4枚付きで5,000円(マグカップとホットワインも付く券は6,000円)で、地元のメルシャン藤沢工場と組んだ企画です(出典:アットヨコハマ・2026年9月15日確認)。
規模は大きいですが、「閉店後に、地元の作り手と組んで、大人だけの会を開く」という形は小さなお店にも持ち込めます。お酒を扱う場合は、出し方によって確認すべき手続きが変わることがあるので、早めに窓口に相談しておくと安心です。
海外の商店街・小さな町のクリスマス集客の工夫
英国・ドイツ・米国の商店街や小さな町にも、日本のお店で使える工夫がたくさんあります。アドベントやエルフのような習慣はそのまま持ち込まず、仕組みだけを取り出すと使いやすくなります。
| 海外の型 | 実際にやった町 | 主に増えるもの |
|---|---|---|
| 毎日1つずつ開く、町ぐるみのアドベントカレンダー | ドイツ・Lorch、Gütersloh/英国・Saltaire | 12月の間の再来店 |
| 窓の装飾コンテストに、子どもや地域を巻き込む | 英国・Haslemere、Ware | 認知・家族での来街 |
| 決まった曜日の夜だけ、通りの営業時間をそろえて延ばす | 米国・Annapolis/英国・Sidmouth | 仕事帰りの大人の来店 |
| 窓に隠したキャラクターを探す | 英国・Petersfield、Caerphilly郡、Littlehampton | 家族連れの来店・回遊 |
| 何店回ったかを記録するパスポート | 米国・Jamestown、Brevard | 複数店での買い回り |
毎日1つずつ開く、町ぐるみのアドベントカレンダー
ドイツのLorchでは、2024年12月2日から24日までの平日に、中心街のお店が日替わりで当番になり、その日だけ店先で飲み物や工作などを用意する企画が始まりました。地元紙の開始前の記事によると、購入は求めない方針で、発起人のお店は「狭いお店ならレープクーヘン(クリスマスの焼き菓子)1缶や、店先のホットワインだけでもいい」と話しています(出典:Gmünder Tagespost 2024年の記事・2026年9月15日確認)。
2025年は16店と2団体が18日間参加しました。自動車部品店ではソーセージ130本とホットワイン・パンチ40リットルがなくなった一方で、書店からは「去年より人が少なかった」という声も出ています。お店側からは、もっと告知すべきだったのでは、お店・団体・市のあいだの連絡が足りない、別のイベントと日程が重なった、という声が出ていました(出典:Gmünder Tagespost 2025年の記事・同日確認)。うまくいかなかった声まで報じられているのは、日本で真似するときにも参考になります。
同じドイツのGüterslohでは、窓に貼ったポスターや光る立方体で「何日にこのお店で特典がある」かを示し、参加店の一覧の冊子を観光案内所で無料で配っています(出典:Gütersloh Marketing・同日確認)。英国の村Saltaireでは2006年から毎年続いていて、2025年は48の窓が、それぞれの点灯日の16時まで中身を秘密にして公開されました(出典:Saltaire Inspired・同日確認)。
- 日本での置き換え:商店街で「12月の日替わり」を組み、その日の当番のお店が小さな特典や振る舞いを用意する
- 1店舗でやるなら:12月1日から24日まで、店頭の黒板に毎日1つ「今日の小さなおまけ」を出す
窓の装飾コンテストに、子どもや地域を巻き込む
英国のHaslemereでは2024年、地域の学校やカブスカウトなど子どもの団体が、美容室、コーヒー店、アイス店、洋裁店、自動車整備店などの窓19か所を飾りました。来場者の投票に加えて、「そのお店の商売に一番合っている窓」などの部門賞もあり、賞品は地元の教会4つが協賛した地元産品の詰め合わせでした(出典:Haslemere Herald・2026年9月15日確認)。
英国のWareの町議会の募集案内では、窓のあるお店なら無料で参加でき、11月中に飾って12月の第1週に町長らが審査する形です。賞金は1位500ポンド、2位250ポンドで、独立系のお店の会が照明代を先着順で最大50ポンドまで補助し、点滅する照明は体調に影響する方がいるので控えるよう呼びかけています(出典:Ware Town Council・同日確認)。
子どもが飾った窓は、その家族も見に来やすくなります。お店が自分で飾るより、来てくれる人の輪が広がりやすい仕組みです。
- 日本での置き換え:子ども会・幼稚園・学童に、参加店の窓を飾ってもらう
- 1店舗でやるなら:近所の子どもたちに描いてもらったクリスマスの絵を窓に貼り、来た方に好きな絵へ投票してもらう
決まった曜日の夜だけ、通りの営業時間をそろえて延ばす
米国のAnnapolisの中心街では、12月の最初の2回の木曜は16時から深夜0時まで、3回目の木曜は23時まで、お店がそろって営業を延ばします。通りには光の天井がかかり、合唱団や大道芸人が出て、各店は飲み物や特典を用意します(出典:Downtown Annapolis Partnership・2026年9月15日確認)。
英国の海辺の町Sidmouthでは、2024年12月6日の17時から19時半まで通りのお店が営業を延ばし、玩具と模型の博物館を無料で開けて、合唱のグループが博物館と町なかで歌う予定を町議会が案内していました(出典:Sidmouth Town Council・同日確認)。
曜日と時間を毎年同じにしておくと、「12月の木曜は遅くまでやっている」と覚えてもらいやすくなります。
- 日本での置き換え:12月の決まった曜日だけ、商店街で閉店時間をそろえて延ばし、その時間だけの特典を付ける
- 1店舗でやるなら:12月の金曜だけ閉店を1時間延ばし、その時間に来た方に温かい飲み物を出す
窓に隠したキャラクターを探す
英国のPetersfieldでは2023年、町のお店「Hectors」の店主の呼びかけで3回目の「エルフ探し」が開かれ、約80体のエルフが町のお店や会社に隠されました。地図は参加店で配り、同じ日に30以上の独立系のお店が20時まで営業して、駐車場も15時から無料にしています(出典:Alton Herald・2026年9月15日確認)。
英国ウェールズのCaerphilly郡では、2025年11月21日から12月13日まで、BlackwoodとRiscaの2つの町でそれぞれ10店にエルフを隠しました。地図は図書館などで配り、参加した子ども全員にお菓子を渡したうえで抽選も行っています。目的は、クリスマス時期の町の人出を増やして地元での買い物を応援することだと書かれています(出典:Visit Caerphilly・同日確認)。英国のLittlehamptonでも2024年、16歳以下の子どもが町なかの22体のエルフの名前を集めて応募する形で開かれました(出典:Littlehampton Town Council・同日確認)。
参加した子ども全員に何か渡す形は、途中であきらめる子を出さないための工夫として、そのまま真似しやすいです。
- 日本での置き換え:エルフの代わりに、地域のキャラクターや小さなサンタを参加店に隠す
- 1店舗でやるなら:店内に数体隠して、全部見つけた子どもにお菓子を渡す
何店回ったかを記録するパスポート
米国ノースダコタ州のJamestownの商工会議所が2025年に開いた企画では、77店(うち18店が新規)が参加し、お店ごとに5ドルから50ドル分のスタンプを押します。5店以上で合計250ドル分がたまると1冊が完成して抽選に応募でき、これまでで最も多い方は19冊、4,750ドル分を地元で使ったと書かれています(出典:Jamestown Area Chamber of Commerce・2026年9月15日確認)。
米国ノースカロライナ州のBrevardの商工会議所が2025年11月28日から12月19日まで開いた企画は、1店で5ドル以上のお買い物をするとスタンプ1つ(1日1回まで)、5つで応募でき、毎週5か所のお店にクリスマスの靴下を隠す「購入不要の宝探し」も並行して開いていて、賞品はどちらも参加店だけで使える地元の商品券、合わせて総額1,250ドルです(出典:Brevard/Transylvania Chamber of Commerce・同日確認)。
仕組みは日本の商店街のスタンプラリーに近いですが、「5店以上」のように回る数を条件にすることと、賞品を地元の商品券にしてお金を地元に戻すことがよく考えられています。
- 日本での置き換え:「5店以上・合計◯円以上」を条件にしたスタンプラリーで、景品を商店街の共通商品券にする
- 1店舗でやるなら:近くのお店2〜3軒と組んで、全部回った方に各店で使える特典を渡す
大がかりな企画:クリスマスマーケットに出る・開く
屋台を並べるクリスマスマーケットは、人を集める力が大きいぶん、会場・出店者・電気・警備の準備が必要な企画です。1軒のお店なら、自分で開くより出店する側で関わるほうが現実的です。
大阪の天王寺公園エントランスエリア「てんしば」の「クリスマスマーケット in 大阪 てんしば 2024」は、11月29日から12月25日まで、初出店の7店舗を含む約24店舗が並び、グリューワインやドイツフード、雑貨の販売、ワークショップが行われました(出典:てんしば・2026年9月15日確認)。
福岡の「クリスマスアドベント」は、2024年に国内外から約150店舗が集まり、累計の来場は約1,200万人と紹介されています(出典:クロスロードふくおか・同日確認)。
出店する場合は、限られた広さのブースで足を止めてもらう工夫が要ります。飾り方はマルシェ出店の装飾とディスプレイにまとめました。商業施設が館内でクリスマスの催事を組む場合の場所の選び方や営業中の制約は、商業施設のイベント企画で詳しく書いています。大きな会場で映像を使って演出するなら、LEDビジョンを使ったステージ演出も選択肢になります。
クリスマスイベントをやる前に確認すること
企画が決まったら、景品・食品・火気の3つを確認しておきます。どれも後から気づくと、企画の形を変えないといけなくなるところです。
| 確認すること | 要点 | 確認先 |
|---|---|---|
| 景品の金額 | お買い物をした方全員に渡す景品は、1,000円未満の取引なら200円まで、1,000円以上なら取引額の10分の2まで。商店街でまとめて行う抽選は、1本あたり30万円まで・総額は売上予定総額の3%まで | 消費者庁「景品規制の概要」(2026年9月15日確認) |
| 試食・試飲・その場での調理 | イベントで簡易な施設を使って食品を出す場合、福岡市では臨時営業の許可(営業期間は2週間まで・手数料3,000円)が必要で、出せる食品に制限があるため事前相談が必須 | 福岡市「仮設営業及び臨時営業」(2026年9月15日確認)。福岡市以外は会場を管轄する保健所 |
| キャンドル・火気 | 令和4年に東京消防庁管内でろうそくが原因の火災による死者は4人で、過去10年で最多。点火したらその場を離れない、燃えやすい物の近くで使わない、火を使わないろうそくも検討する | 東京都「ろうそくによる火災・やけどに注意」(2026年9月15日確認) |
景品の上限は、抽選か全員に渡すかで計算が変わります。区分の見分け方は集客イベントのアイデア15選の景品表示法の章にまとめたので、景品を付ける企画を選んだら一度見ておいてください。試食や試飲だけの場合の扱いは福岡市のページには書かれていないので、会場を管轄する保健所に早めに相談しておくと安心です。
もう1つ、店先の歩道など、お店の敷地の外で配ったり並んでもらったりする場合は、その場所を使ってよいかを事前に確かめておいてください。歩道なら管轄の警察署、商店街や施設の通路なら管理者が相談先です。
AGSでお手伝いできること
AGSは、イベントの企画から、装飾の制作・施工、当日の運営までをまとめて請けている会社です。
クリスマスの企画では、ツリーやフォトスポット、ウインドウの装飾、LEDビジョンを使った映像の演出、サンタ撮影会や抽選会の当日のスタッフ手配を、必要なところだけでもお手伝いできます。「狙いは決まったけれど、どの企画にするか迷っている」という段階からのご相談も歓迎です。秋のハロウィンの販促企画や、クリスマスのあとに続く年末から仕込むお正月の集客企画も実例つきでまとめています。
拠点は福岡・博多ですが、現場は全国に伺います。見積りは無料なので、お問い合わせから気軽にどうぞ。
よくある質問
Q. クリスマスの企画は、いつから準備すればいいですか?
11月の頭には中身を決めて、告知を始められる状態にしておくと安心です。今回の例でも、花屋のレッスンは10月11日、精肉店のチキンは11月4日から予約を受け付けていました。業者に装飾を頼む場合は、もう少し早めの相談が必要です。
Q. 小さなお店1軒でも、クリスマスの集客イベントはできますか?
できます。無料のギフトラッピング、ギフトチケットの特典、予約販売、レシート1枚での配りものは、道具も外部の手配もいらず、スタッフだけで始められます。慣れてきたら、近所のお店と組んでスタンプや宝探しに広げる順番がおすすめです。
Q. 子ども向けと大人向け、どちらの企画から考えればいいですか?
来ていただきたい方に合わせて選びます。家族連れの来店を増やしたいならサンタ撮影会やキャラクター探し、1回あたりの単価を上げたいなら大人向けの少人数・有料のレッスンや食べ比べの会が向いています。両方やる場合は、時間帯を分けておくのがおすすめです。
Q. 商店街でまとめてクリスマス企画をするときの注意点は?
参加の条件を「複数のお店で買う」形にして、1軒に偏らないようにすることと、告知を早めにそろえることです。ドイツのLorchでは、前年より人が少なかったというお店があり、告知の量や他のイベントとの日程の重なりが課題に挙がっていました。抽選会を付けるなら、商店街の共同の抽選の上限(1本30万円まで・総額3%まで)も先に確認してください。
クリスマスの企画は、珍しさを探すより、増やしたいものを1つ決めて、それに合う条件を付けるところから考えると組み立てやすくなります。
まずはスタッフだけでできる企画を1つ選んで、11月のうちに告知を始めてみてください。12月のお店が、にぎやかになりますように!
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