会社や店舗の門松は、毎年同じ入口に同じ大きさで飾り、1年間しまっておく場所と組み立てる人がいるなら購入、そうでなければ設置から回収まで頼めるレンタルにすると、手間が少なく済みます。
門松が入口に立つのは、年末から松の内が明けるまでの2週間ほどです。購入すると残りの1年近くは置き場所が要りますし、本物の竹と松は切ってから日がたつと色が落ちていくので、翌年も同じものを使うなら造花の門松になります。
もう1つ見落としやすいのが、片付けたあとの処分です。会社や店舗で使った門松は、事業活動から出たごみになります。名古屋市は、事業活動に伴って出たごみは少量でも家庭ごみとして市の収集に出せないと案内しています(出典:名古屋市「事業系ごみに関する事業者の責務」・2026年10月27日確認)。
なので、レンタルと購入は本体の値段だけで比べず、置く日から処分までを並べて比べるのがおすすめです。この記事では、レンタルと購入の選び方、本物の竹と松か造花かの決め方、価格が何で動くか、いつ頼んでいつ置き、いつ片付けるか、入口に置くときの注意、買った門松の処分のしかたを、神社庁や自治体の資料をもとにまとめました。季節の装飾を制作・施工している会社の目線で書いています。
門松はレンタルと購入のどっち?保管と片付けと毎年の手間で選ぶ
レンタルか購入かは、松の内のあとに門松をどうするかで決まります。設置と回収を任せて手元に何も残さないならレンタル、しまっておく場所があって毎年自分たちで出して組み立てるなら購入が向いています。

3つの用意の仕方を比べると、次のようになります。
| レンタル(設置と回収を頼む) | 購入(本物の竹と松) | 購入(造花・人工の竹) | |
|---|---|---|---|
| 向いている場合 | しまう場所がない。毎年の組み立てと片付けを社内でやる人がいない | その年だけ本物を飾りたい。処分の手配を自分たちでできる | 毎年同じ入口に同じ大きさで飾る。しまう場所がある |
| 松の内のあと | 手配先が回収する。回収の日時を決めておく | 自分たちで外して処分する。会社のごみとして出す段取りが要る | 外してほこりを払い、箱に入れて保管する |
| 翌年 | また頼む。大きさや形を年ごとに変えられる | また買う | 出して点検し、組み立てる。傷んだ飾りは取り替える |
本物の竹と松は、切ってから日がたつにつれて竹の青さや松の葉の色が落ちていくので、同じものを翌年も飾るのには向きません。「毎年使い回せる門松」が欲しいなら、選ぶのは造花の門松の購入になります。
購入した造花の門松は、竹・松・台座・飾りに分けてしまうことになり、背の高い門松ほど箱も大きくなります。来年の12月に誰がどこから出して組み立てるかまで決めておくと、2年目に困りません。
本物の竹と松か、造花の門松かは、置く場所と期間で決める
本物にするか造花にするかは、屋外の吹きさらしか屋内か、何日置くか、翌年も使いたいかで決めます。年末から松の内まで屋外に置き、その年で片付けるなら本物、屋内に長く置いたり毎年使ったりするなら造花が扱いやすいです。

| 置き方 | 向いているもの | 理由 |
|---|---|---|
| 屋外の入口に、年末から松の内まで置く | 本物の竹と松 | 外の光で見ても質感がよく、期間が短ければ傷みが目立ちにくい |
| 屋内のロビーや風除室に置く | 造花・人工の竹 | 暖房の乾燥で本物の葉は傷みやすく、落ちた葉や砂の掃除も要らない |
| 12月の早い時期から飾る | 造花・人工の竹 | 本物は置く日数が長いほど色が落ちる |
| 毎年同じものを使いたい | 造花・人工の竹(購入) | 本物は1シーズンで使い切りになる |
門松の形は、地域によっても違います。東京都神社庁は、竹三本を松で囲んで荒縄で結んだ形が一般的としたうえで、関西方面では松の小枝に半紙を巻いて水引をかけたものなど、形はさまざまだと説明しています(出典:東京都神社庁「四季の祭りと行事(1)」・2026年10月27日確認)。
同じ説明の中で、門松はその年の神さまをお招きする目印であり、神さまが宿る場所(依代)を表すものとされています。入口の両脇に置くのは、そこが迎える場所だからなんですよね。本社と地方の支店で形をそろえるか、その土地の形にするかも、手配のときに決めておくとよいと思います。
門松のレンタルの価格は、大きさ・素材と、設置と回収の条件で決まる
門松の価格を大きく動かすのは高さと素材ですが、同じ門松でも、設置と回収の日時、作業の時間帯、置き場所までの運び込み、固定のしかたで見積りは変わります。見積りを比べるときは、本体の価格と作業の料金が分かれているかを見てください。

| 価格が動く条件 | 何で増えるか |
|---|---|
| 高さ | 背が高いほど竹と松の量が増え、運ぶ車も大きくなる。高さは「尺」で書かれることもある(1尺は約30cm) |
| 一対か片側か | 入口の両脇に置く一対か、片側だけか |
| 素材と飾り | 本物の竹と松か造花か。葉牡丹・梅・南天などの添え物の量 |
| 設置と回収 | 料金に入っているか。日時を指定するか |
| 作業の時間帯 | 閉店後や早朝、休業日の設置と回収 |
| 運び込みと固定 | 車を停める場所から入口までの距離、段差や階段。舗装の上でのおもりなどの固定 |
| 地域 | 手配先からの距離。対応する地域は手配先ごとに違う |
「門松 レンタル 安い」という検索もあります。安くしたいときに変えやすいのは、高さを一段下げる、添え物を減らす、設置と回収の日を手配先の都合に合わせる、の3つです。毎年飾るなら、造花の門松を買って何年か使うほうが、年あたりの負担は軽くなる場合があります。
逆に、削らないほうがいいのは入口に対する大きさと固定です。建物の入口が大きいのに門松が小さいと、通りから見て飾ってあることが伝わりにくくなります。倒れない固定は、来られる方のけがにつながるところなので、安さで外さないでください。
見積りを並べるときに使えるシートを用意しました。置き場所の寸法、本物か造花か、手配先ごとの設置と回収の条件と金額、施設に確かめること、片付けと処分の段取りを書き込めます。
いつまでに頼み、いつ置いて、いつ片付けるか
手配の相談は11月中、設置は12月26日〜28日、片付けは松の内が明けたあとが目安です。松の内がいつまでかは地域によって違うので、回収の日はその土地の慣習と、会社の仕事始めや店の初売りの予定から決めます。

「門松 レンタル」の検索は、12月に入ると一気に増えます。Keyword Dig で全国の月ごとの検索数を見ると、2025年は10月が170回、11月が320回、12月が720回、2026年1月が170回でした。12月に入ってから探す方が多いので、手配先の予定もその時期に埋まりやすくなります。高さと数と設置の日を11月中に決めて問い合わせておくと安心です。
置く日は、12月29日と31日を避けて26日〜28日にするのが一般的とされています。日ごとの理由とクリスマス装飾からの掛け替えの段取りは、店舗のお正月装飾はいつから?クリスマスからの掛け替えと飾り方で詳しく書きました。
片付ける日は、東京都神社庁が、門松やしめ飾りを取り除く日を1月7日に定めている地方が多いと説明しています(出典は前の章と同じ東京都神社庁のページ)。「多い」とあるとおり、7日ではない地域もあります。たとえば京都では、小正月の1月15日に、外した門松やしめ縄を焚き上げる左義長(とんど)が行われています。京都市観光協会の京都観光Naviに載った2026年の左義長は3件とも1月15日で、平岡八幡宮では取り外したしめ縄や門松に火を点けると案内されていました(出典:京都観光Navi「2026年 左義長神事(とんど)一覧」・2026年10月27日確認)。
| 時期 | すること |
|---|---|
| 11月中 | 高さ・数・本物か造花か・置き場所を決めて、手配先に問い合わせる |
| 12月上旬 | 施設の管理の方に置き場所を確かめ、設置と回収の日時を決める |
| 12月26日〜28日 | 設置。クリスマス装飾の撤去と同じ日にまとめることもある |
| 1月7日ごろ(地域によってはそれ以降) | 地域の慣習と、仕事始め・初売りの予定に合わせて片付ける |
支店や店舗が複数の地域にある会社では、片付けの日が拠点ごとに違ってもおかしくありません。回収をまとめて頼む場合も、拠点ごとに日を確かめておくと行き違いが減ります。
置き場所は、通路の幅と倒れない置き方と、年末年始の休業中の見回りを先に決める
入口の門松は、人の通り道と避難の通り道をふさがない位置に、風で倒れない置き方で置きます。年末年始に休業する会社や店舗では、休みの間に誰が様子を見て、何かあったら誰に連絡するかも、設置の日に決めておいてください。

建物の中の通路や出入口に置く場合は、避難の妨げにならないかを確かめます。東京都の火災予防条例の第54条第1号は、避難施設に、火災の予防や避難の支障になる物件を置くことを禁じています(出典:東京消防庁「違反対象物の公表制度について」・2026年10月27日確認)。門松は床に置く飾りなので、テナントのビルや商業施設では、置く位置を管理の方に見てもらっておくと確実です。
風除室やロビーの自動ドアの近くに置くときは、ドアのセンサーの範囲と、開いたドアや人の流れが門松に当たらないかも見ておいてください。門松の足元が通路に少しはみ出すだけでも、ベビーカーや台車の通り道は狭くなります。
店先の歩道にかかるなら、道路の許可が要るかを確かめる
自社の敷地の中に置くなら道路の許可は関係ありませんが、門松やその台座が歩道などの道路にかかる場合は、警察署の道路使用許可が要ることがあります。警察庁は、道路に石碑・広告板・アーチ等の工作物を設けようとする行為を、道路使用許可が必要な行為として挙げています(出典:警察庁「道路使用許可の概要、申請手続等」・2026年10月27日確認)。
屋外の門松は、上の竹と松に風を受けます。タイルや石の舗装で杭を打てない場所では、おもりなどで固定することになるので、地面に何をしてよいかを建物の管理の方に聞いておいてください。風が強い日の考え方は、大型クリスマスツリーの屋外の固定の章で詳しく書いています。
休業中に誰が見て、誰に連絡するかを決めておく
年末年始は、入口に誰もいない日が何日か続きます。倒れた、飾りが外れた、持ち去られた、といったことが起きたときに、気づく人と連絡を受ける人がいないと、仕事始めの朝まで入口がそのままになってしまいます。
設置の日に、休業中に建物を見回る人(警備の会社やビルの管理の方など)と、手配先の年末年始の連絡先を確かめ、紙に書いて共有しておくと安心です。
買った門松は、松の内のあとの処分まで段取りしておく
本物の門松を買った場合は、外したあとの処分を自分たちで手配します。会社や店舗の門松は事業活動から出たごみになるので、家庭ごみと同じ出し方ができるとは限りません。許可を受けた業者に頼むか、自治体の処理施設に持ち込むなど、その自治体の事業系ごみの出し方に合わせます。

名古屋市は、事業活動に伴って生じた廃棄物は、自ら処理するか、他人の廃棄物を処理できる業者に委託して適正に処理しなければならないと説明しています。ここでいう事業者には、事務所・商店・飲食店・工場・ホテルのほか、病院や学校なども含まれます(出典:冒頭と同じ名古屋市のページ)。
出し方の細かい決まりは市区町村ごとに違います。会社のごみを回収している業者がいるなら、門松の竹と松を引き取ってもらえるか、長さを切る必要があるかを年内に聞いておくと、松の内のあとに慌てません。
どんど焼き(左義長)に持ち込む方法もあります。ただ、受け付ける物や大きさ、会社の正月飾りを受けるかは、主催する神社や地域によって違います。持ち込むなら、日程と受け付ける物を先に確かめておいてください。
造花の門松は、外したらほこりを払い、竹・松・台座・飾りに分けて箱に入れます。翌年に組み立てる人が分かるように、入口のどちら側に置いたかと、飾りの付け方を写真で残しておくと、次の年の作業が早く終わります。
レンタルなら処分の手間はかかりませんが、回収が料金に入っているか、回収の日時は指定できるかを、見積りの段階で確かめておいてください。
門松をお正月の入口装飾とまとめて頼むなら
門松だけでなく、しめ飾り・紅白の幕・初売りの装飾までまとめて1つの窓口に頼むと、入口全体の見え方をそろえやすく、設置と片付けの日程も1回で決められます。クリスマス装飾の撤去と同じ晩に組むこともできます。

AGSはイベント装飾・店舗装飾の中で、門松・しめ飾り、紅白の幕、鏡餅・正月のオブジェ、初売りの装飾といった迎春・正月飾りを、年末の入れ替えから松の内のあとの撤去まで手がけています。実例は天神地下街様の迎春イベント装飾をご覧ください。
入口の装飾全体の組み立て方はイベントの入口装飾は何を置く?に、紅白の幕の長さの測り方と張り方は紅白幕は何枚要る?にまとめています。
門松の大きさや数、本物か造花かが決まっていない段階でも、ご相談いただけます。お見積りは無料で、拠点は福岡・博多、現場は全国にお伺いします。
よくある質問
Q. 門松は一対で頼むものですか?
入口の両脇に一対で置くのが一般的です。入口の幅が狭い場合や、受付のカウンターに置く場合は、片側だけにしたり卓上の小さな門松にしたりすることもあります。見積りが一対の価格か1本の価格かは、比べる前に確かめてください。
Q. 屋内のロビーに本物の門松を置いてもいいですか?
置けるかどうかは施設の決まりによります。本物の門松は、松の葉や足元の砂が落ちることがあるので、床の養生のしかたと、置いてよい場所を施設の管理の方に聞いておくと安心です。暖房の効いた屋内に長く置くなら、造花の門松のほうが扱いやすいと思います。
Q. 造花の門松は何年くらい使えますか?
しまい方と置いていた場所によって変わります。直射日光の当たる屋外に置いた年は色があせやすいので、毎年出したときに、竹と松の色、飾りの欠け、台座のぐらつきを点検して、傷んだ部品だけ取り替えるのがおすすめです。
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